はじめに:「患者のそばで、確かな技術で支える」
医療技術学部の志望理由は、人の役に立ちたいという思いだけでは弱く、なぜ“医療”の中でも技術職なのか、なぜその学科でなければならないのかまでを論理的に語れるかが評価の分かれ目です。
“伝わる志望理由”の作り方例を、テンプレート・例文・チェックリスト付きで解説します。
あくまでも参考例としてご活用してください。
医療技術学部とは?(共通理解をつくる)
医療現場で診療・検査・治療を技術で支える専門職を養成する学部の総称です。代表的な職種は以下のとおり。
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臨床検査技師:血液・尿・微生物・病理・生理機能検査など、診断の根拠となるデータを提供
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診療放射線技師:X線、CT、MRI、核医学、放射線治療などの撮影・照射を担う
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臨床工学技士:人工心肺、人工呼吸器、透析装置など生命維持管理装置の操作・保守
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(大学によって)臨床検査生理学、救急救命・医療情報工学などに分かれるケースも
志望理由に必要な視点は、「対象職の業務内容」「国家資格との対応」「学ぶべき科目と実習」「将来の働き方」を自分の言葉で結ぶことです。
大切な三つの観点:「志望理由の3要素」
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動機(Why me?)
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原体験・興味の芽(家族の病気、理科の探究活動、部活動での計測・分析の楽しさ 等)
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なぜ医療×技術なのか(人に寄り添いながらもデータ・機器で価値を出すことに惹かれた、など)
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適性(Why fit?)
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科学的思考・細部への注意・装置操作への関心・チーム医療での協調性
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学校での具体行動(生物選択・物理実験のレポート、探究活動、資格・コンテスト、病院見学)
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将来像(Why now/this program?)
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取得したい国家資格(例:臨床検査技師)
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関心領域(病理・微生物/画像診断/放射線治療/人工心肺・透析 等)
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大学カリキュラムとの一致(学科の実習・研究室テーマと自分の興味の接点)
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卒業後のビジョン(急性期病院/地域医療/がんセンター/産業医療/海外医療協力 等)
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ワンポイント:3要素をひとつのストーリーに。
「原体験」→「技術で解決したい具体の課題」→「その大学の学びで可能になる理由」→「資格取得後にどう貢献するか」。
惜しい説明とは?
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「人の役に立ちたい」「安定しているから」だけで終わる
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業務理解があいまい(臨床検査と放射線の違いが説明できない)
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大学固有の学びに触れていない(どこでも当てはまる文章)
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データ・実習・研究への具体性がない(「頑張る」「学びたい」ばかり)
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将来像が職名の羅列で**“何を”どう良くしたいか**が見えない
志望理由の構造とは?
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導入(原体験・問題意識)
例)祖母が心不全で入退院を繰り返す中、検査結果の数値や画像が治療を左右することを身近に感じ、裏付けある医療の重要性を痛感した。 -
適性・学び(自分の強み×学科の必須力)
例)生物の実験レポートでは測定誤差の管理や再現性の確認にこだわり、文化祭では簡易心電図のデモを企画。データを扱い、装置を使いこなす過程に最もやりがいを感じた。 -
大学選択理由(カリキュラムの一致)
例)貴学の「〇〇実習」や「××研究室」では循環器領域の検査・解析に早期から触れられる点が、自分の関心と一致する。 -
将来像(資格取得後の貢献)
例)臨床検査技師として循環器内科に携わり、検査の質向上と検査待ち時間の短縮で患者負担の軽減に貢献したい。
※文字数が多い場合は、具体的な授業名・実習・研究テーマ・見学で得た学びを1つ加えて厚みを出すのもいいのではないでしょうか。
例文集
臨床検査技師志望の場合
祖母の治療経過を見守る中で、検査データの一つひとつが診断と治療方針を支える“見えない言葉”であると感じ、臨床検査の価値に惹かれた。高校では生物を選択し、微生物培養の探究で手順の再現性とデータの信頼性にこだわった経験がある。貴学では病理・生理機能・遺伝子検査まで段階的に学べる点、学外実習で救急から地域包括まで多様な検査体制を体験できる点に魅力を感じた。将来は循環器領域で検査フローの改善や質管理に携わり、不確かさの少ないデータを迅速に提供することで、患者の不安を減らす臨床検査技師になりたい。
診療放射線技師志望の場合
がん検診で早期発見の重要性を知り、画像診断が命の時間を生む点に心を動かされた。物理・数学が得意で、CTやMRIの原理理解と装置パラメータの最適化に面白さを感じる。貴学の高性能装置による反復演習、画像再構成や被ばく最適化を学ぶカリキュラムは、患者安全と診断精度の両立を目指す自分の志向に合致する。将来は放射線治療にも関心を広げ、チーム医療のハブとして画像の質と説明責任を担える診療放射線技師を目指す。
臨床工学技士志望の場合
人工呼吸器や透析装置が命を支える“第二の臓器”になり得ることを知り、医療機器の安全運用と改善に携わりたいと考えた。理数系の課題研究ではセンサーの校正やノイズ除去に取り組み、測定の信頼性確保にやりがいを感じた。貴学のME基礎から循環補助、手術室実習までを段階的に積むカリキュラム、臨床現場と連携したトラブルシューティング演習に魅力を感じる。将来は集中治療領域で、装置稼働率やアラームマネジメントの最適化を通じて患者の安全に貢献したい。
自己分析ワーク:10分で骨子を作る
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原体験ドリル(3分)
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医療・科学で心が動いた瞬間:
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例:検査結果の説明を受けて安心した/科学部で培養が成功した/機器トラブルを解決した
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適性棚卸し(3分)
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得意科目・好きな作業:記録・測定・装置操作・チームでの役割
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それを示す具体的行動(レポート、コンテスト、ボランティア、見学)
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将来像マッピング(4分)
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行きたい診療領域(循環器・腫瘍・救急・小児・透析 等)
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患者にどう良い影響を与えたい?(待ち時間短縮、誤差削減、被ばく最適化 等)
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大学の授業・実習・研究のどれとつながる?
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以上を箇条書きにし、導入→適性→大学→将来の順でつなげれば、400~800字の軸ができます。
大学・学科選びの比較軸
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国家試験合格支援:模試・面談・少人数補講の仕組み
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実習環境:学内設備の更新頻度、学外実習先の多様性(急性期/地域/専門病院)
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研究・卒業制作:興味分野のテーマがあるか、学生の発表機会
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学びの幅:情報・AI、英語、医療安全・倫理、コミュニケーション
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進路実績:病院・企業・検査センター・大学院の割合
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学習サポート:入学前教育、リメディアル、学習コミュニティ
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生活・学費面:奨学金、寮、通学時間、アルバイトとの両立支援
オープンキャンパスで“聞くと詳細のわかる具体的な質問”例とは?
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1~2年次で装置に触れる頻度/見学の機会
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学外実習の評価基準とサポート体制
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国家試験対策の個別フォロー(既卒サポート含む)
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研究室配属の条件と選考方法
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卒業生ネットワークと就職先見学の機会
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**多職種連携教育(IPE)**の有無と内容
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医療安全・倫理教育(インシデント事例学習など)
これらの回答を**志望理由の第3段落(大学選択理由)**に反映させると説得力が上がります。
面接での一貫性を作る「STAR」メモ
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S(状況):実験で培地が汚染
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T(課題):原因特定と再実験の計画
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A(行動):手順見直し・器具滅菌・記録テンプレ作成
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R(結果):再現性向上、文化祭での展示に展開
→ 教訓:“検査の信頼性は手順と記録の徹底から生まれる”
この教訓を医療安全・品質管理の志向とつなぐ。
志望理由の流れの書き方
①導入(150~200字)
私は【原体験】を通じて、事実に基づく医療を支える検査・機器の重要性を実感しました。特に【領域】において、正確で迅速なデータが患者さんの不安を減らすことを知り、技術で貢献できる職を志しました。
②適性(150~250字)
高校では【科目・活動】に力を入れ、【具体行動】を通して誤差管理・装置操作・記録の徹底を身につけました。チームでの役割分担や報連相にも配慮し、医療現場で求められる協働の姿勢を意識してきました。
③大学選択理由(150~250字)
貴学の【授業・実習・研究】は、私の関心である【領域】と一致し、【設備・実習先】で早期から実践的な経験を積める点に魅力を感じています。特に【具体名】は、将来の【目標】に直結すると考えます。
④将来像(100~150字)
将来は【国家資格】を取得し、【診療科・施設】で検査の質向上/画像最適化/装置運用改善に取り組み、患者負担の軽減に貢献します。
よくある質問(Q&A)
Q. 医療技術学部の志望理由に成績・受賞歴は必要?
A. 必須ではありませんが、学びへの姿勢と再現性・安全性を大切にする態度が伝わる実例が1つあると強いです。
Q. ボランティア経験がないのですが?
A. 無理に盛る必要はありません。実験の記録管理や装置トラブル対応など、技術職らしいエピソードを丁寧に語れば十分です。
Q. 志望理由書はどれくらい大学固有に寄せるべき?
A. 核となる動機・適性・将来像は共通でよく、第3段落だけ各大学のカリキュラムに合わせて差し替えると効率的です。
仕上げチェックリスト(出願前最終確認)
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□ 医療×技術を選ぶ理由が明確
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□ 具体的な業務・学びに触れている
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□ 大学固有の授業・実習・研究と一致している
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□ 将来像が患者・現場への価値として語られている
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□ 数字・固有名詞・行動が1つ以上入っている
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□ 400~800字で冗長表現がない
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□ 面接で同じストーリーを口頭で話せる
まとめ:志望理由は“技術で患者を支える物語”
医療技術学部の志望理由は、原体験→適性→大学→将来の流れで、患者にとっての価値に落とし込むのが王道です。
テンプレートとチェックリストを使い、あなた自身の言葉で仕上げてください。
【日本経済大学・経済学部・商学科について】 日本経済大学の福岡キャンパスと神戸キャンパスにある商学科は、世界に通用するビジネスリーダーを育てる教育を行っています。ここでは、「人」と「お金」、さらに「流通」と「情報」のグローバルな動向を学び、国際的な視野を持った専門家としての道を切り開くことができます。 コース概要: 会計・財務コース: 財務分析や会計の知識を深め、金融業界や会計業界で活躍するための土台を築きます。 マーケティングコース: マーケティングの理論と実践を学び、消費者行動の理解を深めます。 ホテル・観光ビジネスコース: 観光業界の専門知識を身につけ、ホスピタリティ業界でのキャリアを目指します。 学びの流れ: 1年次: 基礎科目と語学を中心に、ビジネスの基本を学びます。 2年次: ゼミ選択によって関心のある分野を深堀りし、専門知識を強化します。 3年次: 専門ゼミでテーマを設定し、実践的な研究に取り組みます。 4年次: 研究を深め、論文作成を通じて専門性をさらに発展させます。 カリキュラム詳細: 基礎科目: 文系数学やビジネスライティングなど、広範な教養科目から始まります。 語学科目: 英語を始めとした多言語でのコミュニケーション能力を磨きます。 専門科目: 商学入門から始まり、経営学、簿記、経済学などの専門知識を修得します。 SDプログラム: 地域貢献やキャリアデザインなどの実践的な学びも経験します。 卒業後のキャリアパス: 卒業生は会計事務所、空港、ホテル業、観光産業など多様なフィールドで活躍が期待されます。 資格取得: 在学中には、高校教諭一種免許(商業)、TOEIC®、簿記検定など、実務に役立つ資格の取得を目指せます。 このように、日本経済大学の商学科では、基礎から応用、実践まで段階的にビジネススキルを磨き、国際的な舞台で活躍するための幅広い教養と専門知識を身につけることができます。 【日本経済大学で学ぶ】 幼稚園から大学院まで全国に30校以上の学校を展開する「都筑学園グループ」が運営する「日本経済大学」は、1968年に設立され、福岡県太宰府市に本部を置く私立大学です。現在、福岡、神戸、東京都渋谷区に3つのキャンパスがあります。非常に多くの留学生を受け入れる国際色豊かな大学です。 日本経済大学は、多彩な分野において学びを展開し、現代の変化に対応する力を養成しています。経済の国境を超えた時代において、経済や経営の領域においてもよりグローバルかつ多角的な視点を持つことが必要とされています。このような状況に応えるため、日本経済大学では経済学と経営学を中心とした2学部6学科18コースを展開しており、学生たちの可能性を広げる教育を実践しています。 2021年度には、経営学科 AI産業コースの発展として、「デジタル・ビジネスデザインコース」を新設。このコースでは、目まぐるしく変化する社会に対応するため、デジタル技術をより深く学び、ビジネスの現場で活用できる先進的なスキルを身につけることができます。さらに、オンライン上での留学プログラムを導入するなど、新しい時代に適応した「学びのニューノーマル」を進め、世界に通用する人材の育成を目指しています。 経済の変動や技術の進化が激しい現代において、日本経済大学は学生たちが変化に対応し、グローバルな視野を持って活躍できるような教育環境を提供しています。 是非、日本経済大学ホームページ(https://www.jue.ac.jp/)にて確認してみてください。