簿記を取ると、どの就職先に評価される?

by GAWA_K

就活・転職活動において有利になるのが、専門的な知識とスキルを持っている証明になる資格取得です。数多い資格の中でも根強い人気を誇る簿記検定ですが、近年はAIや高性能ツールのおかげで簿記取得者しかできない専門性の高い業務担当者も人員整理がされているといわれています。

しかし、AIなどには不可能な業務もあり、すべての企業が高価格の最新型ツールを導入しているわけではないため、まだまだ簿記の需要は大いにあるといっていいでしょう。

今回は、簿記の知識・スキルが発揮できる仕事、簿記を取得した際のメリットなどについて、詳しく解説していきます。簿記の取得を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

簿記を取得するメリット

昔から資格の代表格であり就職に有利になると言われ続けている簿記ですが、具体的に取得することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。次より簿記を取得する際のメリットを紹介しましょう。

昇給・昇格・収入アップにつながる

簿記は、他の人にはできない決算書の作成・仕分けなど、経理に関する複雑な計算に関する知識・スキルが理解できる資格です。それにより幅広い視点でビジネスを見ることが可能になり、簿記取得だけで他の人にはない秀でた部分があるため、他の人より昇給・昇格のチャンスが来やすいといえます。

企業によっては、簿記取得をしているだけで優秀な人材と認めて、資格手当を出しているところもあるため、収入アップを目指している人には、資格取得だけで大きなメリットがあるでしょう。

転職に有利

簿記取得によって得た知識・スキルは、経理・会計業務だけでなく、あらゆる分野において応用がきくのが特徴です。その知識・スキルにより、あらゆるビジネス・経営の仕組みや業績を理解することが可能になるため、どんな分野にも対応できる汎用性の高い資格といえるでしょう。

そのため、転職の際にも簿記取得をしているだけで、高い評価を得られることが多いです。企業の重要な業務である経理・会計といった具体的な業務だけでなく、それ以外のビジネスの深いポイントまで理解できる知識・スキルは、即戦力として期待されるでしょう。

簿記は歴史のある認知度の高い資格であるため、その資格取得者であるだけで、大きな信頼を獲得できます。近年の各企業はAIや高性能ツールなどが導入されて、簿記のスキルは昔ほど重要ではないという意見も少なくありません。

しかし、経理や会計における複雑な算出方法はAIでは無理な分野もあるため、今後も簿記取得をしている人材は各企業にて重宝されるでしょう。

他の資格と合わせての独立開業が可能

簿記は、税理士や公認会計士といった他の資格取得をする際のステップになれるのが特徴です。簿記で取得した知識・スキルは、同じ会計・経理に関する業務である税理士・公認会計士の取得に必要な知識と重複する部分が多いため、まずは簿記の取得をしてから、その次に税理士・公認会計士の資格取得を進めるといった人も珍しくありません。

また、簿記取得で得た知識は、中小企業診断士・販売士検定・FP(ファイナンシャルプランナー)の資格取得にも大いに役立ちます。

そして、簿記、それ以外の資格取得をして、副業的な知識・スキルを習得したら、独立開業も可能です。経理や会計といった複雑な業務や手続き・書類作成などの代行、経営に関するアドバイス・サポート業務を行なう人も少なくありません。

また独立開業をして自身が経営者になった場合、経理や会計・経営に関する知識をあらかじめ持っているため、スムーズに開業・運営が行なえるでしょう。

 

簿記が活かせる職種

簿記を活かせる仕事は具体的にどんな仕事なのでしょうか。その職種を紹介しましょう。

企業の経理・会計・財務職

簿記で習得した知識・スキルをダイレクトに活かせる仕事が、経理・会計・財務職です。経理や会計といった複雑な算出方法が必須の仕事は、簿記で身につけた高度な知識・スキルがそのまま活かせるでしょう。

経理や会計は、企業の中枢を担う大事な業務であり、どの企業でも必須の項目のため、どんな企業でも経理・会計の業務ができる人材を求めています。そのため、いつの時代でも常にニーズは絶えないといっていい仕事です。

企業によって経理・会計に関する取り組み方に違いはありますが、抜本的な知識・スキルは共通のため、簿記の知識が通用しないといったことはないでしょう。

財務職は簿記の知識に加えて、資金繰りなどのファイナンスの知識も必要なので、簿記以外の知識・スキルもないといけません。

会計・税理士事務所

会計事務所・税理士事務所では、クライアントである中小企業・小規模事業者・フリーランスの経理・会計に関する業務代行を担当しており、簿記の知識が役立ちます。

会計処理、記帳・決算書の作成などの代行が主な業務内容ですが、会計事務所・税理士事務所では、税金に関する知識も重要な要素となります。簿記の取得だけでは、税金に関する業務は完全には行なえないため、会計・税理士事務所で実務を経験しつつ、公認会計士・税理士の資格所得も目指すといった人も少なくありません。

営業職など

簿記の知識・スキルは、どんな仕事にも活かせる汎用性があるのが特色です。簿記とは無縁のイメージのある営業職においても、顧客に節税や節約の提案をするなど、通常の営業とは異なるアプローチが行なえます。

一つの業務に対して幅の広さを持たせることが可能になるのが、簿記の知識のメリットです。

コンサルタント業

簿記の取得に加えて、他の資格取得、そしてさまざまな実務経験を積めば、それらの知識・経験を活かして、コンサルタント業として独立開業することも可能です。実際にその道を目指して、日々資格取得の学習・実務経験を積んでいる人も少なくありません。

経理・財政業務の見直しやアドバイス、資金調達のサポート、会計業務の改善などが、主な業務内容です。公認会計士・税理士の資格も取得していれば、税金面のコンサルタントも可能で、さらに業務の幅が広がります。

 

簿記を就活・転職活動に活かす際の注意点

簿記は専門的な知識・スキルを持っている証明になるため、就活・転職活動の際、有利になります。ただし、資格所有をしているからといって、100%即採用になるとは限りません。では、簿記を就活・転職活動に活かすにはどうすればいいのか、その注意点について説明しましょう。

転職する際は2級を取得してから

簿記はその難易度によって以下のような等級に分けられています。

  • 初級:入門レベル。簿記の仕組み・基本用語を習得
  • 3級:基本レベル。初歩的な商業簿記の習得
  • 2級:実務レベル。商業簿記、工業簿記の知識を習得
  • 1級:国家資格入門レベル。公認会計士・税理士などの登竜門的な等級。

4つの等級のうち実務で求められているのが、2級以降です。それ以下の初級・3級は大学生や実務経験・簿記の知識が皆無な人が基礎を学ぶための等級といっていいでしょう。企業によっては、採用条件に「簿記2級取得者」とはっきりと等級を指定しているところもあります。

もし、転職を考慮して簿記資格試験を受験しようか検討している場合、簿記2級以下だと転職の際に有利になりません。取得を目指す場合は2級取得を目指しましょう。

実務未経験は忍耐力・努力をアピール

簿記取得をしているからといって、必ず採用されると予想してはいけません。企業は即戦力を期待するため簿記取得による知識・スキルの習得に加えて、実務経験を要求する場合もあります。

いくら豊富な知識・スキルがあるとしても、実際に経理・会計などの業務を経験したことない人、特に新卒の社会人1年生は、即戦力が期待できないと判断されて不採用となることもあるでしょう。

簿記取得をしていながら肝心の実務経験がない人は、努力や忍耐力といった自分の長所・過去の経験などをアピールすることが大事です。

学生の場合は、サークルやアルバイトでの豊富な経験で得たもの・飲食店では会計全般を担当していたなどの経験が、好印象となるでしょう。転職の場合も同様に、過去の経験およびそれで学んだことがアピールポイントになります。自分が採用された場合、このような働きをすると人事側にうまく伝えることが大事です。

 

簿記の取得に向いている人

あらゆる業務に対応できる万能な資格である簿記ですが、「就職に有利になるから取得してみるか」という軽い考えで資格試験の勉強を始めてはいけないです。簿記取得は向いている人・いない人がいるため、自分がどちらなのか把握する必要があります。では、簿記の取得に向いている人はどんな特徴があるのか、以下より紹介しましょう。

几帳面でミスがない人

経理・会計において最も重要なのが計算ミス・記入ミスです。少しのミスで大幅な狂いが生じてしまうので、些細なミスも逃さない・あるいはまったくミスをしない正確さ・几帳面さを持っている人が、簿記取得に向いています。

また、スケジュール管理・進行の正確さも簿記においては重要な要素です。簿記の知識が活かされる経理などの業務は、長い期間のスケジュールで進行することも珍しくありません。普段の生活においても、しっかりとスケジュール管理・調整ができて、予定通りこなせる人であれば、簿記取得に向いています。

その逆で、スケジュールで決められたことをサボりがちで、ぎりぎりになって行動を起こすような人は、簿記試験には向いていないでしょう。

精神的に太い人

先述した「几帳面な人」とは真逆のイメージがありますが、実は細かいことに動じない気持ちの太い人も、簿記取得に向いています。簿記の知識が活かされる経理や会計の仕事は、膨大かつ細かい数字の計算の積み重ねなので、延々と続けていると精神的に参ってしまう人もいます。

怖いパターンは、ちょっとしたことでミスが発生して、それが後を引いて業務全体に支障をきたす流れです。神経が繊細な人なら、ちょっとしたミスで慌ててしまいパニックになってしまうでしょう。

こんな時に大事なのが、慌てない冷静さです。精神が太い人であれば、想定外のトラブルがあっても冷静に一つづつ対処して、すぐにトラブルを鎮静化できます。

地道な作業が得意な人

経理・会計・財務などは地道で細かい作業・計算の繰り返しなので、地道な作業を延々と続けても苦にならない人であれば、簿記が活かされる仕事に向いているでしょう。

ただし、簿記の知識を活かして他の資格取得や実務経験を積んで、独立開業をした場合、顧客・クライアントとの対応をしなくてはいけないため、コミュニケーションスキルも要求されます。キャリアアップをしたい場合は、知識に加えて交流術も磨く必要があるでしょう。

 

まとめ

簿記取得で得た知識は、汎用性があるためあらゆる職種で活躍できて、収入アップも期待できます。しかし、ただ簿記の資格取得をするだけでなく、高年収・独立開業を目指す場合は、どのような仕事に役立つか、転職がうまくいくためのポイントを把握することが大事です。

簿記の特性をしっかりと頭に入れて、円滑な就職・転職活動を実現させましょう。

 

「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。

 

■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)

都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立された大学です。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は、経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持っています。日本有数の、留学生を抱える国際色豊かな大学です。

You may also like

You cannot copy content of this page