ITストラテジスト資格を取るにはどうする?

IT戦略のプロを目指す

by info@remi.website

ITストラテジストという資格をご存じでしょうか?

IT関連技術の進化が加速する現代社会において、企業におけるIT戦略の重要性はますます高まっています。そのような状況において、ITストラテジストの需要が高まっています。

ITストラテジストとは、高度なITスキルと経営知識を併せ持ち、企業のIT戦略を采配するプロフェッショナルです。

今回はそんなITストラテジストの資格取得のために知っておくべきことを紹介させていただきます。

1.ITストラテジストとは?

ITストラテジストとは、システム開発の一番初めから携わり、経営者の視点からIT戦略を立案・実行するストラテジストです。通常の業務は、事業企画段階からプロジェクトに参画し、既存事業の調査・分析、ビジネスモデルの方向性決定、導入するシステムの全体像を描きます。

つまり、ITストラテジストとは、企業の経営戦略に基づいてIT戦略を決定し、ITを活用した事業計画や業務改善計画の策定において中心的な役割を果たす人物です。したがって、ITストラテジストは、情報技術を活用するためのアプローチを経営の観点から企業に提案する必要があります。

システム開発エンジニアリングの上級職の一つであり、高度な経営知識とマネジメントスキルが求められます。

システムエンジニアやプログラマーなど、開発現場で働くエンジニアが、ITストラテジストが策定した事業戦略に基づき、システムの製造・開発を行います。

ITストラテジストの資格を取得した人がITストラテジストと呼ばれます。医師や看護師、作業療法士、公認会計士、税理士、宅建士、理美容師など、独占業務資格に該当する仕事のようにITストラテジストの資格がないと働けないというわけではありませんが、非常に難しい試験なので信頼度の高い資格です。

2.ITストラテジスト試験とは

では、ITストラテジストの資格を取得するための試験とはどのようなものでしょう?

ITストラテジスト試験の概要。出題内容、対策について解説していきます。

①ITストラテジスト試験の概要

日本のソフトウェア産業を強化し、企業におけるIT技術の活用を促進するため、IPA情報処理振興協会は、情報処理の国家検定を実施しています。そして、ITストラテジスト試験は情報処理国家資格の最上位に位置づけられています。試験の難易度についても、エンジニア向けのIPA試験の中で最も高いと言われています。

高度IT人材として専門分野があり、情報技術を活用した経営への提案ができる方を対象としています。また、会社の中で主導的な役割を果たし、部下を指導する立場にあるかどうかが評価されます。

そのため、試験ではIT技術に関する知識を持っているか、IT技術を活用した経営戦略を提案できるかが問われます。ITストラテジストは、最高情報責任者(CIO)のような幹部候補やITコンサルタントなどを対象とした資格と言えます。

②ITストラテジスト試験の受験資格

年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。

③ITストラテジスト試験の受験料

7,500円(税込)

④ITストラテジスト試験の出題範囲など

ITストラテジスト試験は午前に2つと午後に2つの4つに分かれています

(1)午前Ⅰ

出題範囲:
・テクノロジ系:基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術
・マネジメント系:プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
・ストラテジ系:システム戦略、経営戦略、金融と法務

試験問題は同時開催の高度情報処理技術者試験の午前Iの試験と同じで、経営戦略、企業活動、プロジェクトマネジメントなど、情報セキュリティに限らず幅広い知識分野の問題が出題されます。

試験時間:9:30~10:20(50分)
出題形式:マークシート・多肢選択式(四肢択一)
出題数:30問/解答数:30問
基準点:60点/100点満点

(2)午前Ⅱ

出題範囲:
・セキュリティ
・システム戦略
・システム企画
・経営戦略マネジメント
・技術戦略マネジメント
・ビジネスインダストリ
・企業活動
・法務

範囲は午前Ⅰと重なるが、出題内容が高度なため難易度は午前Ⅰより高めです。

試験時間:10:50~11:30(40分)
出題形式:マークシート・多肢選択式(四肢択一)
出題数:25問/解答数:25問
基準点:60点/100点満点

(3)午後Ⅰ

出題範囲:
・業種ごとの事業特性を反映し情報技術を活用した事業戦略の策定又は支援に関すること
・業種ごとの事業特性を反映した情報システム戦略と全体システム化計画の策定に関すること
・業種ごとの事業特性を反映した個別システム化構想・計画の策定に関すること
・事業ごとの前提や制約を考慮した情報システム戦略の実行管理と評価に関すること
・組込みシステムの企画、開発、サポート及び保守計画の策定・推進に関すること

出題される3題から2題選択し解答します

試験時間:12:30~14:00(90分)
出題形式:記述式
出題数:3問/解答数:2問
基準点:60点/100点満点

(4)午前Ⅱ

出題範囲:
・業種ごとの事業特性を反映し情報技術を活用した事業戦略の策定又は支援に関すること
・業種ごとの事業特性を反映した情報システム戦略と全体システム化計画の策定に関すること
・業種ごとの事業特性を反映した個別システム化構想・計画の策定に関すること
・事業ごとの前提や制約を考慮した情報システム戦略の実行管理と評価に関すること
・組込みシステムの企画、開発、サポート及び保守計画の策定・推進に関すること

出題される2題から1題を解答します。

試験時間:14:30~16:30(120分)
出題形式:論述式
出題数:2問/解答数:1問
基準点:60点/100点満点

⑤ITストラテジスト試験の免除科目

以下のいずれかに該当する場合、「午前Ⅰ試験」の受験が2年間免除されます。

(1) 応用情報技術者試験に合格
(2) いずれかの高度試験か支援士試験に合格
・システムアーキテクト
・プロジェクトマネージャ
・ネットワークスペシャリスト
・データベーススペシャリスト
・組込みシステムスペシャリスト
・ITサービスマネージャー
・システム監査エンジニア
・情報処理安全確保支援員
(3) 上記いずれかの高度試験か支援士試験の午前I試験で基準点以上の成績を得る

3.ITストラテジスト試験の難易度

ITストラテジスト試験は、ITの基礎知識に加え、情報技術を駆使した経営戦略立案能力・推進力が問われます。難易度はかなり高めです。他の難しいIT系国家資格と並んで、一定の勉強が必要です。司法試験や公認会計士試験とは言わずとも、近いレベルの勉強量と勉強時間が必要です。

合格率は非常に低く、約10%~15%です。ITを活用した経営戦略に関する高度な知識を実践できるコンサルタントや経営者の立場から、経営方針について的確な助言・指導を行う意思決定能力があることを証明する資格です。経営企画、幹部候補、ITコンサルタントなどの立場にある人が取得すべき国家資格です。レベルが非常に高く、難易度が高いのが事実です。

4.ITストラテジスト試験の勉強方法

午前の問題は知識中心の解答が求められるため、情報処理試験の過去問を読むなど、知識量を増やす工夫が必要です。

午後の記述や論述問題では読み書き能力が求められるので、事前に何度も書く練習をしておきましょう

また、事前に何度もシミュレーションを繰り返し、自分の経験を交えて相手が理解できる表現で内容を記述するなど、国語力の対策もするべきです。論文では、企業の戦略を計画していると仮定し、その分野での自分の経験に基づいて、戦略的でより高いレベルの視点から書きます。

ITストラテジスト試験対策のオンライン通信講座やセミナー、模擬試験、参考書などはたくさんあるので、基本的にこれらを使った学習をするとよいでしょう。

5.ITストラテジスト合格後

ITストラテジスト資格とは、資格を持っていれば仕事ができるというより、能力があることを保証する一種の資格です。資格を取得できたとしても、実務経験なしで、いきなりITストラテジストの仕事に携わることはまずありません。

実務において経営の視点から幅広いIT知識を身につけ、最適なシステムや機能を選択する知識を持ち、経営陣を含む会社に関わる人を納得させる提案力を持ち、実際にリーダーシップやコミュニケーション能力を身につけた上での資格取得をお勧めします。

幅広い業務を経験して知識を広げるだけでなく、企画や運営など様々な業務に携わり、実際のプロセスを理解することが重要です。実務経験を積んだ上で資格を取得すれば、転職に非常に有利になります。

6.ITストラテジストの給与

ITストラテジストとして働く場合の目安年収は450万~1000万円、平均年収は650万円程度と言われています。 これは、IT系の仕事としてはかなり高い額です。

難しい資格なので、ITコンサルティング会社や大企業のシステム部門などへの転職もしやすいです。求職サイトに登録すればスカウトが来る、就職・転職・キャリアアップに大変役立つ資格です。特にコンサルティングファームやシンクタンクへの就職を考えている方は、このITストラテジスト資格を取得すると有利です。

情報技術を活用した企業経営を左右する意思決定に関わる重要なポジションですので、社内で役立つ存在になることは確実です。会社によっては、資格取得一時金や技術者手当がある場合もあります。

 

日本経済大学では奨励金が給付されます

日本経済大学は、幼稚園から大学院まで全国に30以上の学校を展開する「都築学園グループ」が運営する1968年に開校した大学です。福岡県に本部を置き、神戸三宮、東京渋谷と3つのキャンパスがあり、経済学と経営学を中心に、2学部6学科18の専門コースがあります。

日本経済大学では、資格取得やインターンシップなどのキャリアサポートも充実しており、高い就職率を誇ります。

日本経済大学では、文系・理系の資格を問わず、より幅広い資格取得に取り組む意欲を高めるために、様々な資格取得奨励金給付制度を設けています。

情報関係の資格一つに「ITストラテジスト試験」もあり、合格すると奨励金¥55,000が給付されます。

多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた個人の活動を支援しています。自分の将来像を持ち、1年次から専門分野を学べるのも日本経済大学の魅力です。

経済学部や経営学部を受験することを検討中の方は、是非一度ホームページ(https://www.jue.ac.jp/)を見て下さい。

おわりに

この記事では、ITストラテジストの概要、出題内容、難易度、勉強方法などについて紹介しました。

ITストラテジストに求められる仕事内容は、ITを活用した企業戦略を経営の視点から企画・実行することです。企業のITを活用した経営戦略は、業種を問わずますます重要になっており、ITコンサルタントや CIOなどの仕事は、引き続き需要があると思われます。

そのような職種を目指すなら、是非ITストラテジスト試験の取得を考えてみてください。

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