中学教員になるにはどうするのか?大学生からの目指し方

by GAWA_K

「地方公務員の一種なので民間企業より安定している」「思春期の子どもだちを相手にするから大変な仕事そう」というイメージのあるのが、中学校の教員です。

しかし、中学校教員はある程度のイメージがありながら、実際はどんな仕事なのか、把握していない人がほとんどでしょう。今回は、中学校許員の以下のポイントについて解説しています。

  • 中学教員の仕事内容
  • 中学教員の年収
  • 中学教員に向いている人
  • 中学教員になる方法

「普通の仕事より安定しているから」「子どもたちが好きだから」という理由で、中学校教員を目指している人は、今回のこの記事を参考にしてくれた幸いです。

 

中学教員の仕事内容

中学教員の仕事内容は具体的にどういった内容なのか、次より仕事内容の詳細をみてみましょう。

 

教科指導

中学教員の仕事において主な業務となるのが、教科指導です。小学校教員の場合、担任1人があらゆる教科を一任するのに対して、中学校からは教師1人が1科目を担当する「教科担任制」となります。

それにより勉強の内容も細分化して、より専門性が高くなるのが、中学の学習の特徴です。小学校に比べて高度になった各科目を指導するため、難しいことをわかりやすく教えるスキルが必要となります。

そして、中学生にとっての重要な課題といえば高校受験です。生徒たちが自分の希望の進路を選択できるように、基礎学力を指導して学力を伸ばしてあげることが、中学教員の務めです。

 

特別活動の指導・支援

部活動・生徒会活動・学級活動および学校行事などといった教科外活動である、「特別活動」の指導・支援も中学教員の仕事です。これらの活動は、中学生たちに集団生活の大切さ・ルールなどを知ってもらうことが主旨となっています。

中学は義務教育最後の3年間であり、卒業後、ほとんどの生徒は進学するケースが多いですが、なかには進学ではなく就職をすて社会へ出る人もいるでしょう。進学組も高校進学をすることによって、今までの人生以上に大勢の人たちと出会い、年上や年下の人たちとの人間関係を築かなくてはいけません。

そのような状況のなかで楽しい生活を送るには、集団生活のなかでいかに良質なコミュニケーションを図れるか、という点です。また、大勢のなかで生活するには自主性も必要となります。

そのような性格を養うために、特別活動は必要なのです。生徒たちがが活動に懸命に取り組む姿勢を指導およびバックアップすることも、中学教員の重要な役割といえるでしょう。

 

保護者への対応

生徒たちだけでなく、その保護者たちと円滑なコミュニケーションを図ることも、中学教員の役割です。もし生徒が学校で何かしらのトラブルを起こした場合、すぐに保護者に連絡をして状況説明をしなくてはいけません。

定期的な保護者会・三者面談などによって、家庭間で問題はないかなどの確認をすることも、中学教員のやるべき仕事です。

 

中学教員の年収

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、中学校教員の給与平均は、以下の通りになります。

  • 月額給与: 444,500円
  • 年間賞与: 1,651,600円
  • 平均年収:6,985,600円

また、初任給の相場は以下の通りです。

  • 大学卒:約248,700円
  • 短大卒:約227,400円

公務員であるため、各種手当や福利厚生は充実していますが、民間企業のような時間外労働・残業手当はありません。

 

中学教員になる方法

中学教員になるためには、3種類の方法で「中学校教諭免許状」を取得して、その後に採用試験を受験して合格する手順になります。

中学校教論免許状の種類は、次の3種類です。

  • 中学校教諭一種免許状(4年制大学)
  • 中学校教諭二種免許状(短期大学)
  • 中学校教諭専修免許状(大学院)

上記の免許状は、教育学部や教職課程のある学校で必要単位を取得する必要があります。

では、中学教員になるための方法を、科目別にみてみましょう。

 

国語

国語担当の中学教員になるには、大学・短大の教育学部の国語教育専攻、文学科、あるいは国文学科のある大学に進学して、教育課程を履修しなくてはいけません。一種・二種・専修免許状のどれかが必須です。国語は中学での重要な科目でどの中学でも授業数が多いため、採用者数も高めとなっています。

 

数学

数学の教師になるためには、教育学部の数学教育専攻、理学部の数学科などの単位を取得する必要があります。数学も中学の授業では重要な位置をしめるため、教員数も必要とされていることが多いです。中学生は数学に対して苦手意識を持っている人も多いので、わかりやすい指導スキルが要求されます。

 

英語

英語担当の中学教員になるためには、教育学部の英語教育専攻、国際学部などで単位を取得することです。しかし「国際」とついている学部で教職課程があるとは限らないため、事前に調べておく必要があります。また英検やTOEICなどの資格取得をして英語力を養うことも大事といえます。

 

理科

理科担当の中学教員になるためには、教育学部の理科教育専攻、工学部などで単位取得をする必要があります。理科の教員免許を取得すれば、生物・地学・化学・物理などの分野を指導することが可能で、他の教科より担当が幅広いのが特徴です。大学で専攻した分野以外のことも担当する機会もあるため、しっかりと学習する必要があります。

 

社会

社会担当の中学教員になるには、教育学部の社会教育専攻、社会学部、経済学部などで単位取得をする必要があります。社会担当の教員は、日本史AB、世界史AB、地理AB、現代社会、倫理政治経済など、幅広い分野の担当が可能です。

 

教員採用試験の注意点

学校で教員になるための免許状を取得しても、それだけで教員になれるわけではありません。免許状取得のあとは、教員採用試験を受験して合格しないといけません。では教員採用試験におけるいくつかの大事なポイントについて、以下より説明しましょう。

 

試験スケジュールを覚えておこう

教員採用試験の実施日は、毎年、各自治体にて7月〜9月に行われます。試験は1次試験・2次試験と2段階に分けて行われ、1次は6~7月、2次試験は8~9月です。試験の合格は10月に発表され、合格者はその後、市町村教育委員会、学校長による面談や研修を受けて、4月から赴任という流れとなっています。

各自治体の教育委員会は、毎年3月下旬から4月ごろに試験概要を発表して、願書の受付を開始します。出願のための必要書類には、志望動機、自己PRなどを記入しますが、自治体によっては短い論作文の提出をしなくてはいけません。試験および出願のスケジュール、および出願の詳細をしっかりとチェックすることが大事です。

 

合格=採用ではない

教員採用試験に合格したからといって、教員として働けると確定したわけではありません。教員採用試験は、正式名称が「採用候補者試験」です。採用試験に合格したものは、各自治体の「教員採用候補者名簿」に名前が登載されます。

その名簿のなかから採用者が選ばれる仕組みです。次年度に教員の空きがなかった場合、合格しても採用されないというパターンも、滅多にあることではありませんが、ないとはいえないのです。

 

具体的な試験内容を覚えておこう

教員採用試験は、筆記試験、論文試験、面接試験、実技試験、適性検査などが主な試験内容です。これらの試験は1次・2次に分けられて実施され、自治体によってその振り分けは異なります。では、試験内容の詳細はどうなっているのか、以下よりみてみましょう。

筆記試験

教職教養、一般教養、専門教養が出題

論文試験

論文試験、個人面接、集団面接、集団討論、集団活動、模擬授業、場面指導

実技試験、適性検査

(自治体によって実施される)

教員採用試験では筆記試験も重要視されていますが、それと同じくらい論文および面接試験も重要視しています。いくら勉強に対する知識が豊富でも、「人物試験」とも呼ばれている面接試験を円滑にクリアしないと、教育者としてふさわしい人物でないという判断を下されるでしょう。

社会背景などに対応できるか、教育者として優れているかを多面的かつ深く見極めるために、面接試験が重要視されているのです。そのような深い判断をするために、人物試験では、論文試験に加えて、個人面接や集団面接、集団討論や集団活動、模擬授業や場面指導といったさまざまな形式が用意されて、1回だけでなく複数回実施される流れになっています。

教員採用試験は、筆記試験に気を取られている人もいるかもしれませんが、人物試験も採用されるかどうかの重要な要素なので、面接や討論などの対策もしっかり行っておくことが大事です。

 

中学教員に向いている人

中学教員に向いている人には、どういった特徴があるのでしょうか。中学教員に向いている人の特徴3つを、以下より紹介しましょう。

 

子供が好き

中学生は10代前半であり、まだ義務教育の途中であるため、基本的に子どもです。なかには中学生で大人びている・中学卒業後は就職するというしっかりとした中学生もいるでしょう。しかし、基本的に中学生は子どもであるので、子ども好きな人間が向いているといえます。

中学教員はただ授業を教えるだけでなく、部活動・学校行事など学校生活におけるさまざまな局面で、生徒たちと接します。そのため、子どもたちと接するのが好き・思春期の子供の成長を見守るのが好きな人は、中学教員に向いているでしょう。

コミュニケーションが得意

中学教員は、ただ勉強を教えるだけでなく、生徒たちとの交流も重要です。生徒たちと円滑にコミュニケーションが取れないと授業もスムーズに進まないでしょう。また、生徒たちだけでなく教員同士の横のつながり、生徒の保護者たちとのコミュニケーションも重要です。いくら勉強に関する知識が豊富でも、人と話すのが苦手な人、教えるのが苦手な人は中学教員には向いていないかもしれません。

責任感がある人

中学教員は、未成年たちを保護者から預かる立場でもあるため、責任は重大です。また、学校行事などがある場合、近隣の住民との理解も必要となります。教員としてさまざまな局面が訪れても、それに冷静かつ責任感を持って対処できる強さがある人であれば、中学教員の一連の業務をスムーズに行えるでしょう。

 

まとめ

今回は、地方公務員の一種類である中学校教員についてさまざまなポイントを解説してきました。解説したポイントは以下のような内容になります。

  • 中学教員の仕事内容
  • 中学教員の年収
  • 中学教員に向いている人
  • 中学教員になる方法

中学生教員の具体的な業務内容・年収はどうなっているのか、中学校教員になるためにはどのような方法があるのか、といった点を詳しく解説したので、なんとなくイメージしていた中学校教員の詳細が理解できたと思います。

中学校教員を将来の夢に考えている人は今回の記事が、自分が本当に中学校教員に向いているのかどうか検討するための材料になってくれれば幸いです。

 

 

 

「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。

■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)

都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持つ日本有数の留学生を抱える国際色豊かな大学です。

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