将来的にも多大な需要があると予想されているため、多くの人が就職を考えているのが、IT業界です。
ITに関わる人材は、理系および大学の理系学部出身の人が多い印象ですが、実は文系人間にも適した業種であることをご存知でしょうか。
今回は、なぜ未経験者の文系人間でもIT業務が可能なのか、文系に向いている具体的なIT業務、文系の未経験者がIT現場で活躍できる方法などについて、詳しく解説していきましょう。
未経験の文系がIT系に活かせる特性
文系人間には、理系人間にないいくつかの特徴があります。実はその個性がIT業務にも適していることをご存知でしょうか。では、ITの仕事に向いている文系の特性とは何か、次より説明しましょう。
文章力・言語能力
文系人材が持っている文章力・言語能力は、IT業界の現場においても大いに活用できます。IT業務では、自分が任されている業務以外に大事なのは、自分が所属しているプロジェクトの進行具合、業務内容などをしっかりと報告することです。
自分以外の人間に進行具合などを理解してもらえなかった場合、意思の疎通が十分にできずに誤解を招き、プロジェクトの進行全体に支障をきたすケースも少なくありません。
プロジェクトを円滑に進めるためには、ただ自分の仕事だけを行うのではなく、文章や会話で自分の意思をはっきりと伝えられるボキャブラリーが必要であり、それを文系人材は持っているのです。
コミュニケーションスキル
ITに関わる業務は、現場でのプログラミング作業など実務だけではなく、営業・プロジェクト管理などもあります。IT職を行っている理系人間は、エンジニアとしてのスキルなど高い専門性を持っていますが、自分の業務だけに没頭する職人肌な人が多い傾向です。
そのため理系人間が営業職などにまわされた場合、ITに関する知識がありながら、営業・コミュニケーションスキルが高くないために、自分の知識を発揮できないといったパターンに陥ってしまいます。
その逆の立場が文系人材です。文系は理系のようなITに関する専門性の高い知識は持っていないことが多いですが、その分、豊富なボキャブラリーに裏付けされたトークスキル・ヒアリングスキルを持っています。
IT業務において何よりも重要なのは、クライアントとの交渉です。クライアントの要望をしっかりとヒアリングして、それをJ現場チームに伝えるという業務は、コミュニケーションスキルの高い文系人材に向いているといえるでしょう。
英語力
IT業界が発展した理由に一つは、インターネットの普及により海外への発信、交渉が簡単になったことも挙げられます。海外の企業・人材との交渉で重要なのは英語スキルです。近年では翻訳アプリ・翻訳音声ソフトなどで言語の違いにそれほどの障害はありません。
しかし、英語スキルおよび知識を持っていれば、海外の企業との交渉をより円滑に進めることが可能です。
また、IT業界の外資系企業によって、英会話スキルは必須とされています。文系人材の英語力を持っていれば、外資系企業で大いに重宝されるでしょう。
全体を見渡せるマネジメント能力・柔軟性
IT業界に限らず多くの業界で求められているのが、広い規模での人材管理ができるマネジメント能力を持った人材です。マネジメント業務では、プロジェクト全体を客観視・俯瞰視できるスキルおよび管理能力が重要と言われています。
プロジェクト全体のうち一部のところだけ集中してしまうと、全体を把握できずに納期遅れなどが発生してしまうでしょう。その場合、クライアントに迷惑がかかってしまい、プロジェクトを任された企業全体のダメージとなります。
そのような事態を回避するために、業務の進捗および品質管理、プロジェクトに関わっている各人材との交流をしっかりと行うことが必要です。
また、何かしらのトラブル発生、想定外の出来事が起きても、迅速に対応できる柔軟性も大事といえます。管理能力、臨機応変に対応できる能力があれば、文系であってもIT業界で重宝されるでしょう。
未経験の文系に向いているIT職種とは
IT業務に関わる職種はさまざまなタイプがありますが、文系人材に向いているIT関連の職種とはいったい何なのでしょうか。次より文系人間におすすめのIT関連の職種を紹介しましょう。
ITコンサルタント
ITの活用によって、クライアントが解決したい問題点、あるいは企業が抱える問題点を見抜き、解決案を提案・実践する職種が、ITコンサルタントです。
ITコンサルタントは、クライアントへのヒアリングを行い問題点を浮き彫りにして、企業の経営を円滑に進めるための戦略策定・システム構築などを行います。
ITコンサルタントは、企業の経営方針に沿った解決案をクライアントに多数提示するために、ITに関する幅広く、それでいて最新の情報・知識を持っていないといけません。また、その時々の時流を読み取り、今の時代にはどんなアイデアがふさわしいのか見極める判断力も重要です。
そして、クライアントの中には、経営がうまくいかない問題点を抱えていながらも、何が具体的な問題点なのかわからないところもあります。そのような自社の悩みを聞き出すヒアリングスキル・コミュニケーションスキルも、ITコンサルタントには必要です。
豊富なボキャブラリーを持った文系人材であれば、未経験であってもITコンサルタント業務をやっていけるでしょう。
セールスエンジニア
自社のサービス・製品の営業担当であり、さらにエンジニアという技術職も行うという、2つの顔を持つのが、セールスエンジニアです。セールスエンジニアは、エンジニアとして開発に関わり、さらに営業担当者と同行してクライアントに直接提案を行います。
営業職としてのセールスエンジニアが行う業務は、クライアントとの交渉の場で自社のサービス・製品の詳細を説明して、いかにサービス・製品を導入すればクライアント側にメリットがあるのかを解説する役割です。営業が本職の人材と同伴するため、セールスエンジニアが単独で飛び込みなどを行うことはありません。
セールスエンジニアは、エンジニアとしてのスキル・知識も必要ですが、自社のサービス・製品を魅力的にクライアントへ伝えるプレゼン能力・トークスキルも重要です。
プロジェクトマネージャー・リーダー
プログラミングなどの実務を行うのではなく、プロジェクト全体を総括する役割が、プロジェクトマネージャーです。プロジェクトの計画から各チーム編成、振興の管理、トラブル処理対応などを行います。
そして各チームに在籍するのがチームの責任者であるプロジェクトリーダーです。リーダーはチーム内の管理を行いますが、あくまでまとめ役であり具体的な業務はマネージャーの指示に従います。
現場での実務担当はチームに所属するエンジニア・プログラマーであるので、マネージャーは実務を行いません。ただし、リーダーはチームに所属しているため、実務も行います。
マネージャー・リーダーともにチームの人材に指示を出してまとめる役割をするため、リーダーシップ・統率力がないと務まりません。マネージャーはコミュニケーション能力なども必須ですが、実務に関する知識・スキルも多少なくてはいけません。
マーケティング業務
IT業界では、マーケティング業という仕事もあります。IT業界における主なマーケティング業は、以下の2種類です。
webマーケター
Webマーケターの業務内容は、マーケティング知識を活用してネットでの収益や集客をアップを実現させることです。どのような層にクライアントの製品・サービスのニーズがあるのか、ターゲット層にとどかせるためにはどうすればいいのか、具体的な戦略を立てて実践します。
また、その戦略にかかる費用・運用方針なども、具体的な金額を算出して、プランを提示することも、webマーケターの業務です。
データアナリスト
データアナリストは、データを分析して、現在及び将来の消費者・市場の動向を予想して、そのニーズに沿った製品・サービスの提案をします。
どちらの業務も、膨大な情報量の収集、知識の蓄積が必須となっています。クライアントの悩みを見抜いて、どのような提案がクライアントに適しているか、分析力・判断力が重要となる職種です。
未経験の文系がITスキルを身につける方法
文系出身でIT業務未経験者で、理系学部でITに関する専門性の高い知識・スキルを学んでいない人材であっても、IT業界で仕事をすることは可能です。
しかし、ITに関する知識・スキルは、持っていればそれだけ仕事も円滑にこなせて、エンジニアやプログラマーといった現場の人材とも意思の疎通がしやすくなります。
では、文系のIT未経験者が、ITに関する知識を身につけるには、どのような手段があるのでしょうか。次よりその方法を紹介しましょう。
資格取得
就活や転職活動にて自信が持っている知識・スキルの証明になるのが、資格です。IT人材に人気の資格は、「ITパスポート」「基本情報技術者試験」などの国家資格が有名です。そちらも簡単に取得できる資格ではありませんが、IT関する基礎的な知識が身につくので、資格取得の学習に挑戦してみるのもいいでしょう。
プログラミングを学習する
IT業界での希望の職種がプログラマー・エンジニアでなくても、プログラミング言語の学習を行うことは決して無駄ではありません。実際にどのようにして製品・サービスが出来上がっていくのか、というその抜本的な構造を知っておけば、現場の人材であるプログラマー・エンジニアの苦労や気持ちなどもわかります。
プロジェクトのチームを総括する立場になった時、プログラマー・エンジニアの立場も理解できて、どのような指示をすれば納得してくれるか、管理がしやすくなるでしょう。
プログラミング学習は、独学でも不可能ではないですが、スクールや通信講座の利用がおすすめです。専門家である講師陣のわかりやすい指導・学習プランの提供により、効率の良い学習が行えます。
自分の特性を磨く
文系人間特有のコミュニケーション能力、文章力、英語力などを磨くことも重要です。先述した通りこれらの特性は、IT業界においても重要な武器となります。外資系企業との交渉時に英語スキルが堪能であれば、スムーズに業務が進行できるでしょう。
まとめ
「ITに関する仕事は理系専門だから無理だろう」と決めつけている文系の人もいるでしょう。しかし、文系学部で学んだ知識・スキルは、IT関連の業務でも十分にニーズがあります。
自分の持っている得意分野が、IT業務でどのように活かせるのか、IT業務内容の種類をしっかりと確認しましょう。また、文系人間として理系の知識もある程度は身につけておくことも大事です。
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