日本の大学のeスポーツにおける現状は?

日本経済大学の例と共にご紹介

by info@remi.website

eスポーツは驚異的な成長を遂げ、スポーツや職業として受け入れられるようになりました!

近年、eスポーツの教育は進み、eスポーツのライセンス取得も可能になってきています。世界の大学では、eスポーツプログラム、eスポーツのオプション、プロのeスポーツ教育を受ける機会があります。

eスポーツ教育がどこまで進んでいるか見てみましょう…

まずeスポーツの教育は、ゲーマーがプロの競技者になるためにeスポーツを学ぶことができるだけでなく、eスポーツを学ぶ学生は、様々なeスポーツ業界で働くための第一歩を踏み出すことができることを理解しなければなりません。

アメリカやイングランドの大学で取れるeスポーツのコースは、eスポーツの管理やマーケティングからトーナメントの組織化、技術的な側面まで様々です。プロのeスポーツアスリートには、従来のスポーツアスリートと同様に、コーチ、トレーナー、マネージャー、理学療法士が必要です。そしてもちろん、ビデオゲーム業界は、ゲームのデザイン、コーディング、出版においても多くの機会を提供しています。

この記事では、eスポーツの概要から、高校における教育、日本の大学におけるeスポーツ教育の現状、そしてeスポーツを取り入れている日本経済大学のコースについて解説します。

1.eスポーツとは?

すでにご存じの方が多いかと思いますが、とりあえずeスポーツがどんなものかを説明させていただきます。既に十分知っているという方は、とばして次へ進んでください。

eスポーツという名前は、electronic(エレクトロニック)を指す「e」と「スポーツ」という2つの英語の単語の組み合わせに由来するため、エレクトロニックスポーツやサイバースポーツなどとも呼ばれています。そして、競技者は「ゲーマー」として知られています。

eスポーツはリーグで編成され、競技はサッカー、バスケットボール、テニス、または他のスポーツと同様の方法で構成されています。ビデオゲームに応じて、個別またはチームでプレイできます。参加者は、イベントに参加し、ゲームの開発者またはスポンサーが授与する賞品でタイトルとお金を獲得するために、毎日トレーニングを行っています。

eスポーツが現在どれだけ重要視されているかというと、ゲームのための準備と競争に専念し、給料を受け取るプロの選手がいるということです。ゲーマーのパフォーマンスを向上させるために、さまざまな分野のコーチ、心理学者、フィジカルトレーナー、専門家からなるチームもあります。

eスポーツは、従来のスポーツと同様、巨大な物流システムを開発し、視聴者の注目を集めるためにイノベーションに投資してきました。たとえば、トーナメントを放送するTwitchなどのデジタルプラットフォーム、この分野のニュースを扱う専門メディア、チームや選手を支援するブランドはすべて、このエンターテイメント業界の構成要素です。

2.eスポーツと見なされるビデオゲームは?

すべてのビデオゲームがeスポーツと見なされるわけではありません。ビデオゲームは、画面(ゲームコンソール、コンピューター、スマートフォン、タブレットなど)でプレイできる全てのゲームであると理解されていますが、eスポーツであるためには、以下の基準を満たす必要があります。

・2人以上の参加者が互いに対戦できるように設計されている
・すべての競技者に明確なルールと同一の条件を設けある
・組織化されたリーグを開催し、公式大会を開催している
・視聴者とメディアの関心を引き付けるのに十分な数のゲーマーがいる

上記の条件を考慮すると、フォートナイト、リーグ・オブ・レジェンド、FIFA、コールオブデューティ、レインボーシックス、スタークラフトなどのビデオゲームは、eスポーツと見なされます。

3.最もプレイされているeスポーツは?

eスポーツをプレイできるデバイスは多種多様であり、それらを提供する開発者やプラットフォームも多数あるため、どのeスポーツが世界で最もプレイされているかを正確に特定することは困難です。ダウンロード数、イベントでの視聴者数、Googleでの情報の検索などの側面を考慮して、明らかに人気があるのは、以下の2つです。

(1)フォートナイト
フォートナイトはサードパーソン・シューティングゲーム(TPS)で、メインテーマはサバイバルです。2017年に開始されて以来、プロとアマチュアのプレーヤーだけでなく、何百万人ものファンを獲得しています。フォートナイト・ワールドカップは毎年開催され、2020年と2021年には医療崩壊のために中止されましたが、2019年には1億ドルの賞金が授与され、決勝戦は200万人以上が視聴していました。

(2)リーグ・オブ・レジェンズ
リーグ・オブ・レジェンズは、一般的に「LoL(ロル)」という頭字語で略されています。2009年に作成されたアクションおよびストラテジーゲームで、参加者は自分の基地を守り、相手の基地を破壊する必要があります。また、世界大会もあり、2021年には計7,300万人以上が視聴しました。年間トーナメント数が最も多く、2,500を超えるeスポーツの1つです。

4.高校のeスポーツ

現在、世界中の何百もの高校に、eスポーツクラブやチームや、より正式なeスポーツの課外活動に至るまで、eスポーツの様々な選択肢があります。アメリカでは、2019年までに15の州がeスポーツを高校の代表チームのスポーツとして認めており、特にイリノイ州では100の高校がeスポーツの選択肢を提供しています。そのため、イリノイ州立大学にはロケットリーグ、リーグ・オブ・レジェンド、オーバーウォッチなど競争力のあるeスポーツチームが12チーム以上存在します。

2019年7月に、世界的にも人気のあるeスポーツ「フォートナイト」の世界大会がアメリカのニューヨークで行われました。ソロ部門において、16歳の少年が優勝しまし、賞金はなんと300万ドル(約3億3,000万円)でした。

アメリカの大学や高校のeスポーツは、他国よりも進んできました。しかし、他の国々でも、eスポーツ産業の可能性をすぐに認識しはじめ、ヨーロッパではサマースクールも一般的になり、ロシアは2016年に世界で初めてeスポーツをスポーツ分野として認めました。

日本のeスポーツは、法整備の遅れ、認知度の低さなどを理由に、世界から後れをとってきました。しかし、2019年10月に国体で初めてeスポーツの大会である「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」が開催されました。その後、プロeスポーツチームのスポンサーが増え、異業種からの参入も増えてきています。近い将来日本でもeスポーツブームが巻き起こる可能性は高くなってきました。

最近、日本国内でもeスポーツの認知度が高まりをみせていることで、高校のクラブ活動などでeスポーツが導入されるようになってきました。eSports専攻を導入している高校もいくつかでき、2022年4月にはeスポーツを専門にした「eスポーツ高等学院」も開講が決まっています。

5.大学のeスポーツ

アメリカ、イングランドを中心に、世界中の大学でeスポーツ学科が増えています。

日本でもすでに多くの専門学校でeスポーツの競技者を養成する学科を設けています。しかし、大学ではサークルや部活、研究会などは増えてきていて、授業に取り込む所もあるものの、学科として設置されている所はまだほとんどありません。

現在、eスポーツのコースや授業などがある大学以下になります。

(1)ネットの大学 managara(新潟産業大学が設置する通信制大学):eスポーツコース

ゲーム会社のKONAMIが企画・運営する「esports 銀座 school」と連携した、ハイレベルな設備・実践環境の中で、現役で活躍するプロの講師陣に、実技だけでなく、イベント企画や動画編集・配信、ゲーム実況などを幅広く教わります。

(2)近畿大学・情報学部:esports Arena(イースポーツアリーナ)

2022年4月に近畿大学の情報学部では、国内最高クラスの設備を備えたeスポーツ施設を開設し、授業やサークル、イベントとなどeスポーツに関係する様々なことに活用できる機会が与えられています。その一環として、eスポーツに関する基礎的な知識・文化やイベントの企画・運営について学ぶ「eスポーツ」の授業が開講されています。

(3)群馬パース大学・作業療法学科:eスポーツの授業

eスポーツはゲームという活動を通して、障がい者が社会とのつながりを持つきっかけになるため、近年「リハビリテーション」としても注目されています。授業にeスポーツを取り入れ、障がい者スポーツについて学びます。

(4)育英短期大学・現代コミュニケーション学科:eスポーツ演習の授業

配信環境の構築、広報物の作成、配信動画の編集などを学習し、eスポーツイベントの企画・運営に必要な能力を身につけます。

日本経済大学経営学部・経営学科eスポーツ・アニメ産業コース

上記の4つの大学以外にeスポーツに力を入れている大学が日本経済大学です。

「eスポーツ・アニメ産業コース」では、日本が誇るゲームやアニメなどのコンテンツ産業を牽引する、未来のエキスパートを育成します。専門機器を駆使した演習を行いながらイラストレーションやアニメーション、編集技術といった映像制作スキルを習得し、そのスキルを活用した映像配信も実践。eスポーツをはじめとする多様なコンテンツ分野で活躍できる人材育成プログラムを多数展開します。

①eスポーツ・アニメ産業コースの特色ある科目

(1)マンガ・アニメ・ゲームコンテンツ演習

「マンガ・アニメ・ゲームコンテンツ入門」や「マンガ・アニメ・ゲームコンテンツ基礎」で培った基礎力を応用し、学内外での展示と評価を意識したレベルの表現活動に取り組みます。その際には自身ならではの表現や適切なテクニックを模索し、完成させた作品は学内外の企画へ出品します。

また、「Clip studio」等のデジタルの表現に取り組み、高度で今日的なコンテンツを創作できるようにスキルを培い、自身の創作活動に活かせるようになります。

(2)マンガ・ゲーム文化論

我々が日常的に触れている「マンガ」「アニメ」「ゲーム」といったポップカルチャーを題材に、その歴史と社会との関係、メディアとしての特性を学びます。

(3)コンテンツ産業論

現代は、音楽イベント、You Tube、オンラインゲーム、テーマパーク、サブスク動画配信など多種多様な「ポピュラー・カルチャー」のコンテンツが存在しており、それらに随時アクセス可能な状態となっています。

受講生は、毎回設定されたあるキーワードに関して、さまざまなポピュラー・カルチャーのコンテンツを参照しながら、現在のメディアと文化の状況、さらには今日の社会のありようについて検討し、知見を得ていきます。

(4)エンタテインメント法務

「音楽」であれば著作権、「映画・ドラマ」であれば原作権、「芸能人」であれば肖像権。これらのワードは、一般の人にもよく知られた、エンタテインメント界に関連した法律用語です。そのような、エンタテインメント業界内で交わされるビジネス会話として必要な法律知識、その基礎を学ぶことで、ビジネス視点からエンタテインメントを考える方法にアプローチします。エンタテインメントにはスポーツやゲームなども含まれますが、音楽と映画のような、多くの人の理解を得やすい身近なテーマを学びます。

(5)メディア文化論

まず、日本が推進する「クールジャパン」という戦略を学びます。次に、「マンガ」と「アニメ」の歴史や現状、さらに将来までを俯瞰しながら、「コンテンツビジネス」の基本を身につけます。そして、最後にメディア文化論の視点から「クールジャパン」を考察します。

②eスポーツ・アニメ産業コースのポイント

「eスポーツ・ゲームビジネス論」(仮称)では、eスポーツの各国における動向やゲームタイトルの分析、ゲーム産業のビジネスモデルについて学びます。また、配信動画の企画や制作も実践します。

おわりに

世界のどこであっても、現在または近い将来、eスポーツを学び、eスポーツ分野での資格を取得し、大学のeスポーツコースを受講する人が多くなるでしょう。プロのeスポーツ選手になる可能性が増えることは明らかです。世界をリードするゲーマーの1人になることを熱望している人も、今日最もエキサイティングで先進的なeスポーツ業界で職を探している人も、チャンスはもうすぐ訪れるでしょう。

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