経営学部と経営系大学院は何が違うのでしょうか?
ビジネスに興味がある方や、将来的に経営者になりたいと考えている方にとっては、この問いは非常に重要です。また、ビジネスの世界で成功を収めるには、適切な教育を受けることが必要です。
この記事では、経営学部と経営系大学院の違いに加え、アカウンティングスクール(会計大学院)の違いも解説します。
入学条件や学ぶ内容、就職先などの観点から比較してみることで、それぞれの教育機関の特徴を理解し、自分にとって最適な進路を選ぶことができるようになるでしょう。
1.経営学部、経営系大学院(MBA)、アカウンティングスクール(会計大学院)
まずは、経営学部、経営系大学院(MBA)、アカウンティングスクール(会計大学院)それぞれがどのようなものなのか知ることから始めてください。
①経営学部とは?
経営学部とは、大学において経営学を専攻する学部のことです。経営学とは、企業や組織の経営に関する学問分野であり、経営理論や経営戦略、マーケティング、会計、人事、財務などを学びます。
具体的なカリキュラムとしては、会計学、経済学、統計学、マーケティング、財務管理、人的資源管理などが挙げられます。また、ビジネス実務に必要なスキルやマナー、語学力の向上などを目的としたプログラムも用意されている場合があります。経営学部を卒業すると、企業や官公庁、非営利団体など様々な分野で経営に携わることができます。また、研究者や教育者として活躍することも可能です。
②経営系大学院とは?
経営系大学院とは、経営学部卒業者や社会人経験者などが入学し、経営に関する高度な専門的な知識や技術を学ぶ修士課程のことを指します。MBA(Master of Business Administration)とも呼ばれます。
MBAの修了生は、企業の経営層やコンサルタント、起業家など、ビジネスの分野でリーダーシップを発揮することが期待されています。MBAプログラムは、専門的な知識やスキルを習得するだけでなく、リーダーシップ、チームビルディング、コミュニケーション、問題解決能力などのマネジメントスキルを身につけることができることが特徴です。MBAは、ビジネススクールで提供されることが一般的ですが、一部の大学でもMBAプログラムを提供しています。
③アカウンティングスクール(会計大学院)とは?
アカウンティングスクール(会計大学院)とは、会計や財務分析などの専門的な知識を学ぶ大学院のことを指します。通常、経営学部や商学部を卒業した学生や社会人が対象となり、研究科目や実務演習を通じて実践的な会計・財務知識を身につけます。
会計大学院には、MBAコースと並行して修了資格となる修士(Master of Accounting)を取得できるプログラムもあるため、MBAと同様にキャリアアップを目指す人にとって人気のある選択肢となっています。また、一部の大学では、博士課程に進学するための修士課程の一環として会計大学院を設置している場合もあります。
2.学ぶ内容の違い
①経営学部と経営系大学院で学ぶ内容の違い
経営学部と経営系大学院(MBA)では、学ぶ内容や目的が異なります。経営学部では、ビジネスに関する広範囲な知識を学び、企業における経営戦略や経営の基礎理論を習得します。また、経営学部では様々な分野の基礎知識を学ぶため、ビジネスのみならず社会全体についての知識を深めることができます。
一方、経営系大学院(MBA)では、既にビジネスに関する基礎知識を持っている人が、より高度な知識を身につけることを目的としています。MBAプログラムでは、リーダーシップやビジネスマネジメント、マーケティング、ファイナンスなど、より実践的な経営スキルを学ぶことができます。また、MBAプログラムではビジネス界でのネットワーク構築が重視され、経営者やビジネスリーダーとの交流が促されます。
【経営学部】
⑴広い分野にまたがる基礎的な経営学を学ぶことができる。
⑵経営戦略、マーケティング、財務・会計、人事、法務、国際ビジネスなど、様々な分野を学ぶことができる。
⑶学部生ならではの広い人脈を築くことができる。
⑷実践的な演習や企業訪問、インターンシップなどの機会を通じて、現場でのビジネス経験を積むことができる。
【経営系大学院(MBA)】
⑴経営学部で学んだ基礎的な知識をより深く理解し、実践的なビジネススキルを身につけることができる。
⑵リーダーシップ、組織行動、経営戦略、ビジネスコミュニケーションなど、経営者として必要な高度なスキルを学ぶことができる。
⑶ビジネスにおいて重要なグローバルビジネスやサステナビリティ、イノベーションマネジメント、ビジネスエシックスなどの分野を学ぶことができる。
⑷企業人として必要な専門性の高い知識や、ビジネスプレゼンテーション能力、プロジェクトマネジメント能力、問題解決能力などを身につけることができる。
②経営系大学院(MBA)とアカウンティングスクール(会計大学院)で学ぶ内容の違い
経営学部とMBAでは、経営に関わる多岐にわたる分野を学ぶことができます。具体的には、戦略、マーケティング、財務、人事、組織、情報システム、会計、経済学などです。また、グループディスカッションやプロジェクトワークなどを通じて、コミュニケーション力やリーダーシップスキルを養うことができます。
一方、アカウンティングスクールでは、会計分野に特化した内容を学ぶことができます。具体的には、財務諸表の作成や分析、会計情報の解釈、税務、法務などが挙げられます。また、公認会計士や税理士などの資格取得を目指すこともできます。
経営学部とMBAは、経営に関わる幅広い分野をカバーし、ビジネスの全体像を把握することができます。一方、アカウンティングスクールは、会計分野に特化しており、財務面において専門的な知識を身につけることができます。どちらの学び方を選ぶかは、個人の目的やキャリアプランによって異なるでしょう。
【経営系大学院(MBA)】
⑴経営全般について学ぶことができる
⑵経営戦略、マーケティング、会計、財務などの基礎知識を学ぶことができる
⑶経営に関連する法律、倫理、人事などのトピックスについて学ぶことができる
⑷チームビルディングやリーダーシップなどの実践的スキルを磨くことができる
⑸キャリアアップに有利なネットワークを構築することができる
【アカウンティングスクール(会計大学院)】
⑴会計に特化した知識を深めることができる
⑵企業の財務諸表の作成や分析、監査などのスキルを磨くことができる
⑶税務やコンプライアンスなどの法律知識を学ぶことができる
⑷証券分析やポートフォリオ管理などの投資関連のスキルを磨くことができる
⑸公認会計士や税理士などの資格取得を目指すことができる
5.授業形態の違い
次に、経営学部、経営系大学院(MBA)、会計大学院(アカウンティングスクール)での授業形態の違いを説明します。
①経営学部
⑴講義や演習、ゼミなどの形式で学ぶ
⑵大規模な講義が多い
⑶全体的に学部生が多く、学部生同士での交流が盛ん
②経営系大学院(MBA)
⑴ケーススタディやディスカッション、チームプロジェクトなど、実践的な方法で学ぶ
⑵小規模なクラスで学び、積極的にディスカッションを行う
⑶経験豊富なビジネスリーダーや実業家を講師に招き、現実的なビジネスシナリオについての洞察を得ることができる
③アカウンティングスクール(会計大学院)
⑴講義や演習、ゼミなどの形式で学ぶ
⑵会計や財務、税務などの法的な知識を学び、実践的なスキルを磨く
⑶公認会計士や税理士などの資格取得を目指す学生も多く、そのための試験対策講座が設けられている場合もある
4.就職先の違い
以下は、経営学部、経営系大学院(MBA)、アカウンティングスクール(会計大学院)の就職先の違いの一般的な傾向です。
①経営学部
・大手企業の総合職や営業職、マーケティング職、人事職などに就職することが多い。
・中小企業やベンチャー企業の経営者、経営幹部、経理財務職などに就職することもある。
②経営系大学院(MBA)
・大手企業の管理職、経営企画職、グローバルビジネス職などに就職することが多い。
・コンサルティングファーム、投資銀行、ベンチャーキャピタルなどの金融・投資関連企業、国際機関、非営利団体などに就職することもある。
③アカウンティングスクール(会計大学院)
・会計事務所や監査法人などの公認会計士、税理士資格を持つ専門家として活躍することが多い。
・大手企業の財務部門や会計部門、内部監査部門、マネジメントアカウンティング職などに就職することもある。
5.入学条件の違い
経営学部、経営系大学院(MBA)、会計大学院(アカウンティングスクール)は、それぞれのプログラムが異なる専門性や目的を持っているため、入学条件が異なります。
経営学部は、大学の学部の一つであり、大学入学資格(高校卒業など)を満たせば入学できます。経営系大学院(MBA)は、経営学部卒業者や社会人などが対象で、実務経験を持つ者が多いため、入学条件に実務経験が必要な場合があります。そして、アカウンティングスクール(会計大学院)は、公認会計士や税理士などの資格を取得し、会計分野で専門的な知識やスキルを身につけたい人を対象にしています。そのため、入学条件には、会計士試験の受験資格や経験年数が必要な場合があります。
①経営学部
⑴大学入学共通テストまたは高等学校等の学力評価による入学試験を受験
⑵各大学によって入試方法が異なる
⑶学力以外の要因(面接、エッセイ、推薦入学等)で合否が決まる場合がある
②経営系大学院(MBA)
⑴大学卒業または同等以上の学歴を有すること
⑵一定以上の職務経験を有すること(1年以上〜10年以上など、大学やプログラムによって異なる)
⑶英語力が必要な場合がある
⑷GMAT(Graduate Management Admission Test)やGRE(Graduate Record Examination)などの標準化テストを受験することが求められる場合がある
③アカウンティングスクール(会計大学院)
⑴大学卒業または同等以上の学歴を有すること
⑵一定以上の職務経験を有すること(2年以上〜5年以上など、大学やプログラムによって異なる)
⑶簿記検定や公認会計士試験などの資格を有している場合、入学要件が緩和されることがある
⑷TOEFL(Test of English as a Foreign Language)やIELTS(International English Language Testing System)などの英語力の標準化テストを受験することが求められる場合がある
おわりに
経営学部、経営系大学院、アカウンティングスクールそれぞれの入学条件や学ぶ内容、就職先などについて詳しく解説してきました。
経営学部、経営系大学院、アカウンティングスクールは、どれも将来的にビジネスの世界で活躍したいと考えている方にとって魅力的な選択肢です。
それぞれの教育機関には独自の特徴があり、自分にとって最適な進路を選ぶためには、それらを理解する必要があります。
日本経済大学 経営学部で学ぶ 資格取得やインターンシップといったキャリアサポートが充実している、日本経済大学の福岡校・渋谷校に経営学部があります。 日本経済大学の経営学部には、「グローバルビジネス学科」「芸創プロデュース学科」「経営学科」の3つの学科があり、10のユニークなコースが用意されています。 ●日本経済大学・グローバルビジネス学科 ほとんどの授業が英語で行われることで高度な英語コミュニケーション能力が身につき、グローバルに活躍できるビジネススキルも養われます。入学後すぐに留学を経験し(必須)、英語力を高めていきます。 ・芸能マネジメントコース ・ファッションビジネスコース ●日本経済大学・芸創プロデュース学科 多様化・グローバル化するエンターテインメントビジネスの世界で活かせるプロデュース力を身につけます。経営学を習得しながら、ビジネスやファッション、音楽・映像業界で活躍できる人材を育成します。 ・グローバルビジネスコース ・エアラインビジネスコース ●日本経済大学・経営学科 意思決定できる合理的経営を学び、ビジネスチャンスを活かせる知識・技能を身につけます。経営学を習得しながら、様々な分野で活躍できる人材を育成します。 ・総合経営コース ・アトツギ・起業家コース ・デジタル・ビジネスデザインコース ・eスポーツ・アニメ産業コース ・飲食ビジネスコース ・SDGs・環境ビジネスコース 多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学(https://www.jue.ac.jp/)では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた支援をしています。1年次から将来のビジョンを持ち、専門分野を学べるのが日本経済大学の特徴です。 是非参考にしてみてください。