ウェブ解析士という資格をご存じでしょうか?
現代社会において、企業や個人が認知度を広げるためには、Webマーケティングの知識は必須と言えます。自社のWebサイトやデジタル広告を運用するには、ユーザーの行動や目標設定に関するデータを扱う知識が不可欠です。
こうしたウェブ関連における知識の需要により、アクセス解析やKPI設定に必要な知識を理解できるようになる「ウェブ解析士」の資格に対する人気が高まっています。
この記事では、ウェブ解析士資格取得のために知っておくべきことと、大学で取得しておくべき理由を紹介させていただきます。
1.ウェブ解析士とは?
まずはウェブ解析士とはどのようなものか詳細を説明させていただきます。
Webマーケティングを行う場合、アクセス解析の知識だけでなく、KPI設定やプロジェクトファシリテーションなど、幅広いスキルが必要になります。
しかし、以前はそのような知識やスキルを体系的に習得する環境も、習得したスキルを評価する基準もありませんでした。
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)は、このような状況を問題視し、ビジネスで活躍できるウェブ解析のプロフェッショナルを育成するため、 2010年にウェブ解析士という認定資格を設け、講座と認定試験を開始しました。
ウェブ解析士の資格には、「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」の3種類があります。 以下はそれぞれについての詳細です。
① ウェブ解析士
ウェブ解析士は、WebマーケティングやWeb解析の基礎知識を身に着けることで、社内のWebマーケティング業務の遂行と効率化を目指す資格です。
学習例としては、Webマーケティング用語の定義を学習した上で、アクセス解析データを目的に応じて適切に活用する方法、Web解析による問題の発見方法と改善方法などがあります。
Webマーケティングの基礎を学びたい方、Webマーケティングについて初めて学ぶ方に適した資格です。
②上級ウェブ解析士
上級ウェブ解析士は、WebマーケティングやWeb解析の応用知識を身につけ、データを正しく認識した上で、クライアントや社内経営陣に対して説明や説得をし、業績につながる新規事業などを提案できる人材を目指す資格です。
学習例としては、KPIの設定、事業計画に沿ったWebマーケティングの企画・立案などの分析結果、時系列分析の理論など事業の収益性を高めるための業務効率化手法、課題の抽出、提案、分析結果に対するコメントやアドバイスの仕方などがあります。
すでにウェブ解析士を取得済みで、より詳しい知識やスキルを身につけたい方、また、長くWebマーケティングに携わってきた方におすすめの資格です。
③ウェブ解析士マスター
ウェブ解析士マスターは、大学や企業などの教育機関で講師として講義するために必要な知識やスキルを身につけることを目的としています。
例としては、WebマーケティングやWeb解析に関する教育や研修のためのスキルや知識を身につけます。Webマーケティングのプロ講師として働きたい方のための資格です。
2.ウェブ解析士取得の流れ
将来的に上級以上を目指したい方でも、まずはウェブ解析士の資格を取得する必要があります。特に大学生は、ウェブ解析士の取得から始めると良いでしょう。以下に、ウェブ解析士の資格取得までの流れをご紹介します。
①ウェブ解析士の試験範囲を学習
「ウェブ解析士認定試験公式テキスト」で、ウェブ解析士のカリキュラムを学ぶことができます。ウェブ解析士認定試験の問題は、このテキストの内容に基づいています。
認定試験合格する近道は、ウェブ解析士認定講座を受講することです。ウェブ解析士認定講座の受講は任意ではありますが、デジタルマーケティングへの理解を深め、他の受講者とつながり、講師の実務経験を学ぶ機会でもありますので、受講をお勧めします。
講座はさまざまな講師が担当しますが、基本的には1日で4時間から5時間の授業を終える形式が採用されています。価格は全コース一律税込11,000円です。
②ウェブ解析士認定試験を受験
試験勉強後は、ウェブ解析士認定試験を受験してください。試験は基本的にZoomやブラウザなどのオンライン形式で、随時様々な担当者が実施しています。
③ウェブ解析士認定試験合格後はレポート提出
ウェブ解析士認定試験に合格しても、すぐに認定されません。合格しても受験日から2週間以内に認定レポートを提出しないと合格が取り消されてしまいます。認定レポートを提出後1ヶ月以内に認定書が送られてきます。
また、取得後も資格を維持するためには、毎年フォローアップテストに合格し、年会費6,600円(税込)を支払わなければなりません。
3.ウェブ解析士取得にかかる費用
①ウェブ解析士認定講座を受講する場合
・公式テキスト: 4,400円
・受講料:11,000円
・受験料(認定料含む): 17,600円
・合計:33,000円
②ウェブ解析士認定講座を受講しない場合
公式テキスト:4,400円
試験費用(認定費用込): 17,600円
合計:22,000円
4.ウェブ解析士の合格率と難易度
ウェブ解析士の認定を取得するのはどれくらい難しいのでしょうか?
2021にWACAウェブ解析専門家協会が発表した受験者数と合格者数によると、合格率は61%ほどです。
60%以上というと難しくないようにも感じますが、決して簡単に合格できる資格でもありません。ある程度しっかり対策してからチャレンジしないと簡単ではないことは間違いありません。
ウェブ解析士の認定試験で特徴的なのが、テキストの持ち込みが可能なことです。試験中に分からないことがあればテキストを参照することができます。膨大な量のテキストを覚える必要もないところは勉強がしやすいと言えるでしょう。
ただし、試験は60問/60分の四択式です。テキストを見ながら問題を全部解こうとすると、絶対に時間が間に合いません。重要なポイントはしっかり暗記して受験する必要があります。
5.大学在学中にウェブ解析士を取得するメリット
①体系的に知識を習得できる
体系的にWebマーケティングに関する知識を習得できます。カリキュラムは毎年更新されるので、常に最新の知識と情報を得ることができます。
アクセス解析だけでなく、Webマーケティングに必要な一般的な知識を身につけることができるので、アクセス解析以外にも目を向け、KPIを意識した計画を立てることができ、それを踏まえて効果的なWebマーケティングができるようになります。
②実践力がつく
ウェブ解析士は、知識だけでなく、Web分析ツールを使用してレポートを作成する能力も必要です。ウェブ解析士の資格を習得することで、実践的なスキルも身につけることができます。
③転職に有利
ウェブ解析士の資格取得者としての実力を証明できます。ウェブ解析士の認定カードを受け取り、認定者名簿に掲載されることで資格が証明されます。
ウェブ解析士の資格の有無を重視するWeb関連企業が増えており、就職や転職の際に有利となります。また、ウェブ解析専門家協会に依頼して、ウェブ解析の専門家を必要とする企業を紹介してもらうことも可能なため、ウェブ解析のプロとして働くことができるかもしれません。
④希少性がある
多くの人が持っている役に立つ資格が就職に役に立つとは限りません。ただし、他の人が持っていない資格を持つことは役に立つ可能性があります。ウェブ解析士は、2010年に開始され、まだ10数年しか経っていない資格ですので差別化が図れる資格といえるでしょう。
⑤比較的合格しやすい
ウェブ解析士は、費用が安く、短期間で取得がしやすい資格です。5時間の講習と1時間の試験で、合格すれば終了します。他の資格試験に比べて非常に短期間で学べます。
⑥人間関係が広がる
目標は、ウェブ解析士の合格ではありません。得た知識をもとに、会社に貢献することができなければ意味がありません。Web業界、広告代理店、メディア、人材業界など、様々な企業で働く人々が保有する資格です。
開催されているセミナーやイベントに参加することで、自分とは別の資格を持つ専門家と知り合うこともできます。ほとんどのウェブ解析士は、公認会計士だったり、ソーシャル メディアの専門家だったり、別の資格を持つ専門家である可能性が高いです。
すべての資格を取得することは不可能ですが、自分が必要な知識を持つ専門家とつながることはできるのです。
⑦学割制度がある
大学や専門学校が学校法人会員に加盟している場合、学割制度が適用されます。
学割制度を利用すると、ウェブ解析士認定試験、教科書等の割引が受けられ、ウェブ解析士に合格しても卒業まで年会費が免除されます。
日本経済大学では奨励金が給付されます 日本経済大学は、幼稚園から大学院まで全国に30以上の学校を展開する「都築学園グループ」が運営する1968年に開校した大学です。福岡県に本部を置き、神戸三宮、東京渋谷と3つのキャンパスがあり、経済学と経営学を中心に、2学部6学科18の専門コースがあります。 日本経済大学では、資格取得やインターンシップなどのキャリアサポートも充実しており、高い就職率を誇ります。 日本経済大学では、文系・理系の資格を問わず、より幅広い資格取得に取り組む意欲を高めるために、様々な資格取得奨励金給付制度を設けています。 情報関係の資格一つに「ウェブ解析士認定試験」もあり、合格すると奨励金¥33,000が給付されます。 多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた個人の活動を支援しています。自分の将来像を持ち、1年次から専門分野を学べるのも日本経済大学の魅力です。 経済学部や経営学部を受験することを検討中の方は、是非一度ホームページ(https://www.jue.ac.jp/)を見て下さい。
おわりに
ウェブ解析士の概要、取得の流れ、費用、合格率と難易度、大学在学中にウェブ解析士を取得するメリットを紹介させていただきました。
ウェブ解析士の資格がなくても、Web分析やマーケティングを行うことはできます。そのため、ウェブ解析士の資格を取得しただけでは、ダイレクトに就職につながるとは言い切れません。しかし、ウェブ解析士の資格取得のために身につけた知識を活かして、就職後の実践に生かすことは大いに可能です。