ライフデザイン学部という学部名から連想されるイメージは人によってさまざまです。もともと「ライフデザイン(Life Design)」という言葉には、「自分の人生を設計する」「自分らしい生き方を創り出す」というニュアンスがあります。そこに学部としての「学び」が加わると、人間の生活全般を多角的にとらえ、個人や社会がより豊かに暮らすための方法を探究するというイメージが強くなります。
多くのライフデザイン学部では、心理学・社会学・福祉学・教育学・文化学・経済学など、生活や人生のあらゆる側面に関係する学問領域を横断的に学ぶことができます。さらに、「衣食住」「健康・福祉」「家族関係」「キャリア形成」など、実生活に密接に関わるテーマを扱うのが特徴です。
今回はライフデザイン学部の面接でどのような点が重視されるのか、よくある質問例や準備のポイントをわかりやすく、かつ文字数多めで紹介します。あなたが「なぜライフデザイン学部で学びたいのか」をしっかりと言語化し、面接本番で存分にアピールできるよう、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
1. ライフデザイン学部とはどんな学部なのか
1-1. 「人生の豊かさ」を多角的に考える学問
ライフデザイン学部では、人の暮らしや人生をより豊かにするための視点を学びます。たとえば、
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家族・コミュニティとの関係性(家族支援や地域福祉、子育て支援など)
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健康・福祉・介護(高齢化社会や医療・保健に関する知識)
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ファッション・インテリア・住環境(衣食住のコーディネート、住居学など)
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心理学・教育学(発達心理、キャリア教育、生涯学習など)
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経営・マネジメント(生活産業、サービス業、ビジネスとライフの両立など)
これらのテーマを組み合わせ、**「どうすれば個人や家族、地域社会が幸せになれるか」**を学問的に探究するのがライフデザイン学部の大きな特徴です。
1-2. 幅広い学問領域と実践
ライフデザイン学部は文系や家政系、社会科学系・人間科学系の学問領域を総合的に取り入れるケースがほとんどです。さらに、座学だけでなく、
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ボランティア活動や地域連携プロジェクトへの参加
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インターンシップやフィールドワーク
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実習・演習科目
などを通じて、実践的に学ぶ機会が多いのも特徴。これにより、「理論+実践」の両面から生活や人生をデザインしていく力を養うことができます。
1-3. どんな学生を求めているのか
ライフデザイン学部が求める学生像は、一般的に下記のような要素を含むことが多いです。
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人間や社会に関心があり、他者との関わりを大切にする
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生活や人生設計に関わる多様な分野に興味を持ち、学際的な学習意欲がある
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将来的には、人の暮らしや社会の発展に寄与したいという想いがある
こうした要素を面接でしっかりアピールするためには、「自分がなぜライフデザイン学部を志望したのか」「具体的にどのような興味・関心を持っているのか」を言葉で表現できるようにしておく必要があります。
2. ライフデザイン学部の面接で聞かれやすいテーマ
2-1. 志望理由・動機
面接ではまず「なぜライフデザイン学部なのか?」という志望理由は必ずと言っていいほど問われます。ここでは、
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ライフデザイン学部との出会いやきっかけ
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自分の興味・関心と学部の特性のマッチング
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将来、学びをどのように活かしたいのか
を中心に話せるよう準備するのが大切です。
例:
「幼い頃から祖父母を介護する母の姿を見て、高齢者福祉や家族の関係性に興味を持ちました。ライフデザイン学部では、高齢者介護や福祉だけでなく、家族や地域社会とのつながりも含めて学べると知り、志望しました。」
2-2. ライフデザインの捉え方
「ライフデザイン」という言葉は大学によって多少解釈が異なる場合もありますが、面接官が興味を持つのは「あなた自身がどのようにライフデザインを理解しているか」です。
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「ライフデザイン」とは何を指すのか、どう考えているか?
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ご自身の経験や将来観とどのように結びついているか?
などの質問に対しては、単に「人生設計のことです」だけでなく、「自分がこういう生き方をしたいから、そのヒントを得るために学びたい」といった具体性を持たせると良いでしょう。
2-3. 興味のある分野・社会課題
ライフデザイン学部は非常に幅広い領域を扱うため、「あなたが特に関心を持っているテーマは何ですか?」と聞かれる可能性が高いです。たとえば、
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少子高齢化と家族関係の変化
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子育て支援や教育環境の改善
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キャリアデザインや女性の社会進出とライフバランス
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衣食住のコーディネートや健康づくり
自分がピンときたテーマを一つか二つ選び、何が問題だと感じていて、どのように関わりたいと思っているのかをまとめておきましょう。さらにニュースや統計データなどの最新情報も知っていると、説得力が増します。
2-4. 将来のビジョン
ライフデザイン学部卒業後の進路は、福祉施設や教育関連、企業の人事・広報、地域振興団体、サービス業など多岐にわたります。ただ、面接官は「漠然とした考え」よりは「どうしてその進路を考えているのか」という動機を知りたいものです。
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「卒業後どんな仕事に就きたい? その理由は?」
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「ライフデザイン学の知識をどのように活かす?」
たとえば、子育て支援に興味があるなら「保育士や児童福祉の道を考えている」「子どもの発達心理や家族のコミュニケーションを深く学びたい」など具体的に伝えられると好印象です。
3. 面接対策のポイント
3-1. 志望動機を明確にする
**「なぜライフデザイン学部を選んだのか」**を徹底的に深掘りしましょう。他の学部との違いも意識すると良いです。人間科学や家政学、社会福祉学など、似た領域のある学部は多数存在しますが、「ライフデザイン学部ならではの特徴」に魅力を感じた理由を言葉にすることで説得力が増します。
志望動機の整理例
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きっかけ: 家族や身近な人との関わり、あるいは自分自身の経験(ボランティアやアルバイト、学校での経験など)。
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学部との接点: その経験がライフデザイン学部で学ぶテーマ(福祉、教育、地域、健康、衣食住など)とどう結びついているのか。
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将来像: 卒業後にどんな職業・活動をしたいと考えているか。それによって社会や自分の人生にどのような価値を生み出したいか。
3-2. カリキュラム・プログラムの理解
大学ごとにライフデザイン学部のカリキュラムには個性があります。たとえば、
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フィールドワークやボランティアを重視
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心理学やカウンセリングに力を入れている
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生活学・家政学寄りの科目が多い
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経営・マネジメント系の学問も取り入れている
自分が志望する大学の公式サイトやパンフレットをよく読み、「どの科目に特に興味があるか」「どの先生の研究テーマに惹かれるか」などを具体的に把握しましょう。本番で「貴学の○○という授業を受けて、家族関係の支援について学びたい」と言えると、しっかり下調べをしている印象を与えます。
3-3. 社会的な課題にアンテナを張る
ライフデザイン学部は、個人の生活や人生設計だけでなく、社会全体の変化や問題も幅広く扱います。少子高齢化、共働き世帯の増加、コロナ禍による生活スタイルの変化、テクノロジーと生活の融合など、日常生活に直結するテーマが山ほどあります。
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ニュースや新聞、SNSなどで最新の話題をキャッチアップする
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興味を持った話題は自分なりの意見や疑問点をメモしておく
こうした習慣を続ければ、面接で「最近気になっている社会問題は?」と聞かれたときにも、しっかり自分の考えを伝えられます。
3-4. 実践的な活動やエピソードをアピール
ライフデザイン学部は「実践的学び」を重視する傾向が強いです。面接では、これまでの学校生活や部活動、ボランティア、アルバイトなどで得た人間関係や生活・暮らしに関わる経験を具体的に語ると良いでしょう。
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「子どもと関わるボランティアで学んだこと」
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「介護施設での体験」
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「家事や料理を通じて感じた暮らしの知恵」
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「家族とのコミュニケーションで心がけてきたこと」
これらのエピソードを通じて、「人の暮らしや人生に密接に関心がある」という姿勢を面接官に伝えられます。
4. 実際の面接で想定される質問例と回答のヒント
ここでは、ライフデザイン学部の面接で想定される代表的な質問例を挙げ、それぞれの回答ポイントを解説します。
4-1. 志望理由に関する質問
質問例:
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「なぜライフデザイン学部を志望しましたか?」
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「他の学部と比べて、ライフデザイン学部の魅力は何ですか?」
回答のポイント:
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きっかけとなる具体的なエピソード
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ライフデザイン学部の学際性・実践性のどこに惹かれたか
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将来像との結びつき
例回答(要約):
「祖母の介護体験を通じて、人の暮らしを豊かにする仕組みに興味を持ちました。ライフデザイン学部では福祉や家族関係だけでなく、社会や文化、心理学など多方面から人の生活を探究できるため、自分の視野を広げられると感じています。将来は福祉関連の仕事に就きたいので、実践的な学びが多い貴学での学びに大きな魅力を感じています。」
4-2. 関心のある社会問題やテーマ
質問例:
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「生活や家族に関わる社会問題で、今注目しているものはありますか?」
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「その問題はなぜ深刻だと考えますか? どんな解決策があると思いますか?」
回答のポイント:
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自分が問題と思う理由を明確に
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解決策やアプローチを自分なりに考える
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具体的なデータや事例があると◎
例回答(要約):
「私は子育て支援の課題に興味があります。共働き家庭が増加している一方で、保育施設や地域サポートの不足が問題だと感じます。データでは待機児童の数が依然として多く、育児と仕事の両立が難しい家庭が多いです。解決策としては、保育士の待遇改善や地域ボランティアの仕組みづくりなど、家庭・地域・行政・企業が連携できる体制が必要だと考えています。」
4-3. 将来のビジョンや進路
質問例:
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「卒業後はどのような進路を考えていますか?」
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「ライフデザイン学部で学んだことを、どのように活かしたいですか?」
回答のポイント:
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職業や活動の方向性をある程度具体的にイメージ
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その道を目指す理由や背景
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ライフデザイン学部での学びとの関連
例回答(要約):
「将来は、福祉や介護の現場で活躍したいと考えています。高齢者の方々の生活の質を高め、またそのご家族の負担を軽減できるよう、家族ケアや地域連携の仕組みについて学びたいです。ライフデザイン学部でなら、心理学や社会福祉、医療・保健知識などを総合的に吸収し、現場で本当に役立つノウハウを身につけられると思っています。」
4-4. 自己PR・長所短所
質問例:
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「あなたの強みは何ですか? それをどう活かしたいですか?」
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「あなたの弱点は何ですか? どのように克服していますか?」
回答のポイント:
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ライフデザイン学部の目指す人物像に関連付ける(例:コミュニケーション力、協調性、思いやり)
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弱点については克服への姿勢や具体的な努力を示す
例回答(要約):
「私の強みは、相手の話にじっくり耳を傾ける傾聴力だと思います。保育所でのボランティア活動でも、子どもたちが何を求めているかを丁寧に聞きとることができました。ライフデザイン学部で学びを深めて、さらに専門知識を身につけ、将来は親御さんや高齢者の方々への相談支援など、人の心に寄り添う仕事をしたいです。一方で、多少優柔不断な面があるので、今後は決断力やリーダーシップを磨く努力もしていきたいと思います。」
5. 面接当日の心構え・注意点
5-1. 表情や態度、マナー
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清潔感のある服装(制服・スーツ)の着用
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入室・退出時の挨拶とおじぎのタイミング
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適度な笑顔やアイコンタクト、背筋を伸ばす姿勢
ライフデザイン学部は「人との関わり」を重視する学部ですから、相手に与える印象にも注意しましょう。
5-2. 自分の言葉で話す
事前に準備した文章を丸暗記するのではなく、キーワードや要点を覚えて自分の言葉で話すと、より自然に思いが伝わります。面接官との会話のキャッチボールを意識してください。
5-3. 分からないことは素直に
想定外の質問を受けることもあります。無理に知ったかぶりをせず、「まだ十分に勉強できていませんが、○○には興味があるので、入学後にしっかり学びたいです」のように前向きな姿勢を示しましょう。
6. まとめ
ライフデザイン学部は、生活や人生をより豊かにするための学問を多角的・学際的に学ぶ学部です。面接では以下のポイントが重視される傾向にあります。
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なぜライフデザイン学部を志望するのか
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他の似た学部(家政学部、人間科学部、社会福祉学部など)との違いを踏まえた上で、具体的な志望動機を述べる
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ライフデザインに関する考え方や関心領域
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自分がどのような社会問題や生活上の課題に興味を持っているか、どのようにアプローチしたいか
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将来のビジョン
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学びをどう活かして、どのような進路・仕事に就きたいのか
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人との関わりに対する姿勢
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面接では表情やコミュニケーション力も見られる。誠実さや共感力を伝えられると好印象
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面接は自分をしっかりアピールするチャンスです。緊張は当然ありますが、事前準備をしっかり行い、自分の興味や思いを**「自分の言葉で」**伝えましょう。ライフデザイン学部はあなたの人生をより豊かにし、他者の暮らしにも貢献できる知識や実践力を身につけられる学びの場となるはずです。
あなたの健闘を心から応援しています!