勉強が苦手な人・勉強をして机に向かっている時間が長いながらも結果が出ない場合、それは勉強の進め方に問題があるケースが少なくありません。
その逆で、それほど勉強に時間をかけていないにも関わらず、しっかりと優秀な成績を残している人もいます。
この勉強ができない人・勉強ができる人の違い、それは効率の良い勉強法を知って、それを実践しているかという点です。
では、効率の良い勉強方法とは、具体的にどのような方法なのでしょうか。今回は勉強のやり方に悩んでいる人に向けた、次の2つのポイントについて解説しています。
- やってはいけない勉強方法
- 効率の良い勉強方法
効率の良い勉強の仕方について、次より説明していきましょう。
やってはいけない勉強方法
効率の良い勉強方法を知るには、その逆であるやってはいけない勉強の仕方を覚えておく必要があります。
それを知ることにより、どうすれば無駄を省いた効率の良い勉強法であるかが見えてくるでしょう。
では、やってはいけない勉強方法の特徴とは何か、以下より紹介します。
睡眠時間を削る
勉強に対して意欲のある人のなかには、睡眠時間を削って勉強を頑張る人もいるでしょう。
しかしその勉強方法は逆効果で非効率的な勉強方法です。
睡眠不足だと大脳皮質が思うように機能せずに、勉強したことが頭に入ってこなくなり、せっかくの努力が無駄になってしまいます。
適度な休憩・仮眠を行い、脳に休息を与えた方が効率は上がりますが、それをやらずに脳に負担ばかりかけてしまうと、情報がインプットできません。
長時間勉強する
勉強方法でよくある間違いが「勉強時間を長く費やせばそれだけ学べる」という考えです。
確かに勉強する意欲があり長い時間机に向かっていれば、勉強しない時間を過ごすより多くのことを学べるでしょう。
しかし、脳は長時間に渡って負荷をかけると記憶力が鈍ってしまい、かえって効率の悪い時間を過ごすことになります。
どんなに机に向かって勉強を頑張っても、身にならない結果となってしまうでしょう。
運動をしない
運動不足も勉強の天敵です。
勉強に集中してしまうと机に向かっている時間が長くなるため、つい運動不足に陥ってしまいます。
勉強に励むのは良いことですが、それが続いて運動をするくせがつかなくなってしまうのは危険な兆候です。
勉強に励むあまり運動不足に陥る、それでいて食事の用意さえ面倒なため外食・お手軽なジャンクフード・インスタント食品ばかり摂取してしまうと、エネルギーの消費不足・偏った栄養摂取に陥ります。
生活習慣が乱れると自律神経が正常に機能しないことが原因の不眠、体調不良が起きる可能性が高くなるでしょう。
睡眠不足・体調不良は脳に悪影響を及ぼし、いくら机に向かって勉強に励んでも、脳にインプットされにくくなります。
ながら勉強
勉強をしつつラジオや音楽を聴く、無音だと寂しいのでテレビをつけっぱなしにするというタイプの人もいるでしょう。
しかしそれは、勉強の効率化の低下につながります。
勉強をしながら何かを聴くという状態は、人間の脳にとって「マルチタスク状態」です。
やることが複数だと集中力が分散されるため、いくら長時間勉強に励んだとしても、脳は集中力が分散されたマルチタスク状態のため、インプット力・記憶力も分散された分だけ低下する仕組みです。
なかには、マルチタスク状態でありながらも、複数のタスクすべてに集中してインプット・記憶力が分散されない人もいます。
しかし、そのような人は珍しいタイプで、ほとんどの人は集中力が低下します。
参考書を買い過ぎる
多くの参考書を購入することは勉強に対しての意欲がある証拠なので、決して悪いことではありません。
しかし参考書を買い過ぎると勉強が散漫になってしまい、情報が頭に入らなくなります。
出版されている参考書は、扱うテーマが同じであってもそれぞれに特色があるため、あっちにも目を通す・こっちにも目を通すということを複数やっていると、脳が先述したマルチタスク状態に陥ってしまう可能性が高くなるでしょう。
その結果、集中力・情報の吸収率が低下して、勉強の成果が出なくなってしまいます。
また、参考書を多く買い込むことによる自己満足により勉強自体をしない、参考書が山積みになって勉強のための環境が整理されなくなり勉強がはかどらないといった危険性も起きやすくなります。
ノートに細かく書くのは逆効果
効率の良い勉強を進めるうえで重要と思われているのが、ノートづくりですが、その考えは100%正解とはいえません。
きれいな字でページを文字でびっしりと埋めて細かく説明する・色とりどりのマーカーできれいに線を引くなど、ノート作成の作業を一生懸命やっている人もいるでしょう。
しかしそれは勉強の効率化を図る作業とは、実は言えません。
多い文字数でページを埋めてノートの完成度を高くする作業は、「ノートづくり」それ自体が目的となってしまい、勉強を覚えるための課程の作業からかけ離れてしまう危険性があります。
また、完成度の高いノートができあがるとそれで満足してしまい、勉強の成果が出たと勘違いしてしまうケースも少なくありません。
ノートはあくまで自分自身の勉強に使うためであって、他人のためにつくる物ではないので、時間をかける必要はありません。
情報量の充実度などに力を入れずに、汚い文字でもいいので見やすく・わかりやすく、大事なポイントだけ書いてまとめることが大事です。
効率の良い勉強法
勉強を進めるにおいて、やってはいけない効率の悪い勉強法について説明してきました。
では、効率化をアップして身になる勉強方法とは、具体的にどのようなことをやればいいのでしょうか。
次よりおすすめの効率化の良い勉強方法を7つ紹介しましょう。
教科書を中心に勉強、暗記
効率の良い勉強方法の代表格は、教科書一冊を集中的に使って暗記を中心に行うことです。
先述した通り、学力をつけるために多くの参考書に手を出す人もいるでしょうが、集中力・吸収力が分散されて勉強の成果が出ません。
そのため、色々と手を出さずに基本中の基本である教科書の内容を集中的に覚えるようにしましょう。
教科書の勉強は、ほぼ1冊暗記するくらいの気持ちで挑むのがおすすめといえます。
教科のなかには問題を解くタイプもありますが、あらゆる教科で重要なのは暗記です。
内容を理解していなくても暗記さえしていれば、とりあえずはクリアできるので、暗記に力を入れることが重要といえるでしょう。
大事な項目はノートにメモをするのもいいでしょう。ノートは、細かく丁寧に書くのは時間の無駄なので、大雑把でもかまいせん。
復習をしっかりと行う
勉強で大事なのは予習よりも復習です。
いくら机に向かって複雑な課題をクリアしたとしても、翌日になって忘れてしまってはせっかく机に向かっての努力が無意味となってしまいます。
しつこいくらいの地道な反復作業を行い、脳にインプットすることが大事といえるでしょう。
効率的な復習方法は、予習をしたその日のうちに反復することです。
予習をするとそれだけで理解をして身についたと思い込んでしまいます。
予習をしたけれど完全に忘れてしまった→再び予習するという作業の繰り返しになってしまい、次のステップに進むことができません。
予習→再び予習で1からやり直しのパターンではなく、予習→復習のパターンを脳に定着させることが大事です。
一定期間を置いてから復習する作業を行うのも、完全に覚えるために必要なことなので、やるように心がけましょう。
ルーティーン化を行い勉強時間を定着させる
勉強をする癖がついていない・あるいはやろうと思っても他の誘惑に負けてしまい机に向かいづらいという人もいるでしょう。
そのような人におすすめなのが、勉強のルーティーン化です。
ルーティーンとは、「決まった動作や手順」「日課」という意味で定義されています。
日常生活で決まった時間に行う「朝起きて顔を洗う」「食後に歯を磨く」などがルーティーンの一例です。
毎日行うルーティーンは身体に染みつき脳内に記録されているので、その時間にその作業をやらないでいると、心身ともにソワソワとして不安になってしまいます。
そのような人間の身体や脳の仕組みを利用して、決まった時間に机に向かう、教科書を広げる行為をルーティーン化すると、無理のない勉強が行えます。
ルーティーン化に成功して勉強を始めると脳内も自然と勉強モードになるので、無理して集中力を高める必要もありません。
目につく場所に張り紙をする
勉強において大事な要素である暗記をスムーズに行うには、部屋のあらゆる箇所に張り紙をすることです。
日常生活の目につく場所に暗記しなくてはいけない大事なポイントを書いた張り紙をすれば、日常生活を送りながら無理のない暗記が行えるでしょう。
机に向かって意識的に脳内に情報を詰め込む暗記方法の場合、脳に負担がかかりスムーズに覚えることはできません。
その打開策が、脳に負担をかけない日常生活に暗記ポイントを溶け込ませる方法です。
あらゆる箇所に張り紙をすると、生活空間の見栄えが悪くなるというデメリットもありますが、勉強の効率化を図りたい人はぜひチャレンジしましょう。
勉強の全体像を掴んで計画を立てる
勉強を効率的に進めるには、勉強を開始する前に勉強自体の全体像を把握しておくことです。
どのようなことを覚えれば全体のゴールまで辿り着けるかを予想して、その予想に沿って計画を立てましょう。
計画・スケジュール作成を怠ると、ゴール地点が見えずに勉強の方向性が拡散してしまいます。
それによって集中的な勉強が行えない・大事なポイントを覚えられない事態に陥るでしょう。
事前にしっかりと全体像を把握して、ゴールを見据えた勉強をすることが大事です。
計画・スケジュールを組む際は先述したルーティーンも決めておくといいでしょう。
声に出して読んでみる
テキストを声に出して読み上げる音読は、記録力アップの効果があります。
音読は、目で文字を認識する→声を出すという二段階の作業という手間があるため脳に記憶されやすくなるのです。
また、目で見てなおかつ声を出すという行為を行うため、脳はそれ以外の余計なことを考える余裕がなく、脳にインプットされやすくなります。
また、黙って教科書を読み続けることによって生じたストレスも、声を出す行為によって発散されて、脳も活性化も期待できるのです。
解答をみて暗記する
勉強を進めていくうえで、どうしても理解できない疑問点があったら先に回答を見て覚えておきましょう。
疑問点があった際、その疑問を完全に解消して理解することも大事ですが、それを続けてしまうと疑問点の解決に時間を取られてしまい、全体的に見た場合効率的とはいえません。
勉強を進めると知識が深まり、最初にわからなかった点が理解できるので、疑問点が出たらそこで止まらないようにしましょう。
まとめ:自分に見合った勉強方法を見つけよう
今回は、7つの効率的な勉強方法について紹介しましたが、この7つの方法すべてが万人に相応しいとは限りません。
人それぞれの性格や生活スタイル・ペースがあるため、自分に見合った勉強計画・スケジュールを立てる必要があります。
例えば、几帳面で普段からしっかりとしたスケジュールで生活をしている人の場合、その真面目な性格のため、何から何まで細かい作業をしてしまい、その結果、非効率な勉強方法を続けてしまう恐れもあるでしょう。
勉強を進めるうえで、自分にとって何が重要か・重要で内科を見極めることが肝心です。
今回の記事を参考にして、無駄なものを省いた、自分にふさわしい効率的な勉強方法を見つけましょう。