日本語能力試験 JLPT N2試験は、日本で勉強したり働いたりする外国人に有利な資格です!
この記事では、JLPT N2試験のテストの内容、期間、採点方法、申し込み方法、メリットなど、知っておくべき様々な事を解説します。
日本語能力試験JLPT N2の受験を検討または計画中の方、あるいは会社で外国人を雇用することを検討または計画中の方はぜひ参考にしてください。
1.日本語能力試験 JLPTの概要とレベル
日本語能力試験 JLPT N2について話す前にJLPTの概要とレベルについて簡単に説明します。
①日本語能力試験 JLPTとは?
JLPTは、The Japanese-Language Proficiency Testの略で日本語名は「日本語能力試験」です。その名の通り、日本語を母国語としない人の日本語能力を測定・認定する試験で、日本語の試験としては世界最大規模です。国内外の大学や会社で利用されています。
通常、日本では年 2 回実施されますが、他の国でも実施されています。JLPT試験は大抵、日本での進学や就職を計画している日本語学習者が受験します。
②日本語能力試験 JLPTのレベル
JLPTは、N1、N2、N3、N4、N5の5つのレベルに分かれており、N1が最上級レベル、N5が最初級レベルです。
N4とN5では、教室内で学ぶことが多い基本的な日本語をテストされます。
N3は、N4/N5とN2/N1の間の橋渡しとして機能します。
N2とN1 は、日常生活の様々な場面で使用される、幅広い範囲の日本語知識についてテストされます。
2.日本語能力試験 JLPT N2について
①JLPT N2の基準
JLPT N2試験は、基本的に中上・上級者向けの試験です。JLPT N2は、日常生活やさまざまな場面で使われる日本語をある程度理解できるかどうかを測ります。
試験には、以下ことに問題がないかどうかが判定されます。
⑴新聞や雑誌の記事や解説、簡単な批評など、さまざまな話題についてわかりやすく書かれた資料を読み、内容を理解する
⑵一般的なトピックに関する文書を読み、その内容や著者の意図を理解する
⑶日常や様々な場面で、ほぼ自然な速さで話される会話や報道などを理解し、その考えや内容を理解する
⑷登場人物の関係や提示資料の要点を理解する
②JLPT N2の試験科目
効率的に試験勉強をするためには、試験の構成を知っておくことが重要です。JLPT N2 試験は、主に2つの科目で構成されています。 2科目それぞれで、日本語のさまざまな側面についてテストされます。
⑴科目1:言語知識(文字・語彙・文法)・読解
言語知識と読解でテストされる能力は、以下のとおりです。
・言語知識(文字・語彙)
漢字読み(5問)/表記(5問)/語形成(5問)/文脈規定(7問)/言い換え類義(5問)/用法(5問)
・言語知識(文法)
文の文法1(12問)/文の文法2(5問)/文章の文法(5問)
・読解
短文の内容理解(5問)/中文の内容理解(9問)/統合理解(2問)/長文の主張理解(3問)/情報検索(2問)
⑵科目2:聴解
聴解でテストされる能力は、以下のとおりです。
課題理解(5問)/ポイント理解(6問)/概要理解(5問)/即時応答(12問)/統合理解(4問)
3.日本語能力試験 JLPT N2の語彙と漢字
約6,000の語彙と約1,000の漢字を習得する必要があります。多いように思われるかもしれませんが、すでにN3 ~ N5で約3,700の単語と650の漢字を習得したはずです。N2試験で出題される語彙と漢字には、N4とN5の基本的な名詞と動詞のほか、新聞、雑誌、簡単な評論などの難しい文章を理解するために必要なより複雑な用語が含まれています。
さらに、助詞の用法、過去形と現在形の動詞と、形容詞の丁寧語および口語の活用、文の組み合わせなどの文法の「ポイント」に精通している必要があります。N3で学習した内容に加えて、さらに約200の文法を理解する必要があります。テストを受ける前に、長い文章の読み書きに慣れておく必要があります。
JLPT試験は会話のテストがないため、N2試験で出題される語彙、漢字、文法を習得していれば、日本語を話すのが苦手な日本語学習者でも、合格することは可能です。ただし、日本での将来を真剣に考えているのであれば、日本語を話す能力は生活に不可欠であることを忘れないでください。
4.日本語能力試験 JLPT N2の試験時間
試験時間は「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」と「聴解」に分かれています。
⑴科目1:言語知識(文字・語彙・文法)・読解 105分
⑵科目2:聴解 50分
JLPT N2試験は、合計で155 分が与えられます。
5.日本語能力試験 JLPT N2の配点・合格点・合格率
N2 試験は2つの科目で構成されていますが、採点は「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」と「聴解」の3つに分かれています。
⑴科目1:言語知識(文字・語彙・文法)0~60点
⑵科目2:読解 0~60点
⑶科目3:聴解 0~60点
合計すると、総合配点は 0~180点になります。
N2試験の場合、合格点は総合点90点以上です。ただし、総合点95点に加えて、言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解の各科目で19点以上の合格点を満たす必要があります。つまり、総合点が90 点を超えていても、3つの科目すべてで科目の合格点を満たしていなければ合格できません。したがって、知識のバランスを取り、1つの科目に偏った点数の取り方を避けることが重要です。
合格率は実施年によって異なるうえに幅があり、だいたい35%~55%です。
6.日本語能力試験 JLPT N2に合格するための勉強時間
すでに漢字の知識がある方の場合、JLPT N2に合格するための学習には1,500時間ほどかかるといわれています。漢字の知識がほとんどない場合は、2,200時間以上かかるといわれています。
7.日本語能力試験 JLPT N2の勉強方法
①JLPT N2文法の勉強方法
N2の文法をマスターすると、JLPT がとても理解しやすくなります。N2で学ぶ必要がある文法の「ポイント」N3との差は約200です。
N2の文法には、多くの規則があり、おそらくその数と同じくらい沢山の例外があるので、注意が必要です。しかし、真剣に勉強すれば、問題の答えは実際には初めに感じるより簡単に思えるはずです。
Webサイトやオンラインにあるフラッシュ カードよりも、書籍の方がおそらく優れたリソースです。 特にN2レベル以上になると、日本語文法のニュアンスを捉えるのは難しくなります。 N2文法を勉強する本としては、「AN INTEGRATED APPROACH TO INTERMEDIATE JAPANESE(中級の日本語)」がお勧めです。
②JLPT N2読解の勉強方法
JLPT N2の読解はレベルが高いので力を入れて勉強しましょう。大抵の場合、記事や本から抜粋された特定の内容が出題されます。
読解の練習には、実際の日本語の記事、特に日本の中学生向けの記事を読むことに集中することをお勧めします。 NHKの「NEWS WEB EASY」は、小学生や中学生、日本に住んでいる外国人向けに発信されるWebニュースですので、お勧めです。
通常、読み方には少しふりがながついています。しかし、そこまで役立つことはありません。できる限りふりがなに頼らないことが重要です。
③JLPT N2聴解の勉強方法
日本語をよく聞き慣れている人にとってはそこまで難解ではない、最も簡単な科目であると言われます。
だからといって、リスニングの勉強を過小評価しては失敗につながります。問題がどんどん流れるため簡単に遅れを取る可能性があります。メモを取るために使えるメモ用紙が渡されますが、書き取るっている間に時間がなくなる可能性があるため、あまり頼りすぎないようにしてください。リラックスして、各質問に答えることが大切です。
聴解セクションにそなえるためにお勧めの方法は、ポッドキャストや、日本のテレビニュース、テレビ番組など、適切な日本語を使用するものを学習に使用することです。
また、「日本語能力試験公式問題集」には、リスニング用のCDが付属しています。問題は実際のテストと同じペースで出題されるため、練習に最適です。リズム感をつかんで、実際のリスニングテストに臨むことができます。
④JLPT N2の勉強の最終段階
JLPT N2の最終的な準備方法は、「JLPT N2 公式問題」を、時間を測って解くことです。Web上にJLPT N2の公式問題がありますので、検索してPDFをダウンロードしてください。
N2の公式問題を何度も解くことで、テスト形式と、3つの科目で出題される問題に慣れることができます。
公式問題を、時間を測って本番の試験と同じように受けることで、制限時間内に完了するように脳を訓練することができます。JLPT試験本番で試験終了時間になると鉛筆を置かなければなりません。時間内にテストを受けることに慣れることができれば、最後に見直しをすることすら可能になります。
6.日本語能力試験 JLPT試験の申し込み方法
通常、テストは年に2回、 7 月に 1 回、12月に 1 回開催されます。
「MyJLPT インターネット申込み」のページからオンラインでJLPTの申請と登録ができます。 テストのレベルを選択し、オンラインで支払うと、受験票が送信されたときに、テスト会場が通知されます。
7.日本語能力試験 JLPT試験の受験料
JLPTの国内での受験料は6500円です。受験料の支払方法は、「クレジットカード(一括払い)」「銀行振込」「コンビニエンスストアでの支払い」の3つです。
JLPTは海外でも受験することができますが、海外で受験する場合には各国や地域の実施機関へ問い合わせる必要があります。
8.オンライン講座で学ぶ
JLPT N2に合格することを真剣に考えているなら、オンライン講座を受講することを検討してください。独学で勉強しているけれどももう少し日本語の理解を深めたい方や、早くJLPT N2に合格したい方にお勧めです。
9.JLPT N2を取得するメリット
日本で就職や進学を考えているなら、JLPTが役に立ちます。JLPT N2、N1合格者は優遇されるため、日本への入国時にも有利です。
さらに、JLPT N2試験に合格することは、日常の状況やさまざまな状況で使用される日本語をある程度理解できる能力を測定したい日本語学習者にとって、適切な目標となります。
①就職・転職・キャリアアップに有利
日本企業において外国人を採用する際の条件としてJLPTの認定レベルを導入している企業が多くなっています。
JLPTの認定レベルが必須条件ではないにしても、日本語レベルが客観的にわかると、面接の際のアピールになります。
すでに日本企業に勤めている外国人社員も日本語能力試験(JLPT)を継続して受験し、認定レベルが上がれば、会社での評価に繋がり、昇進につながる可能性があります。
②高度人材ポイント制のポイントが付与される
「高度人材ポイント制」とは、専門的な技術や知識を持つ外国人材を受け入れるために、ポイントを付与することで出入国在留管理上の優遇措置を講ずる制度のことです。
「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」に分けて、それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントが付けられます。合計ポイント数が70ポイント以上の外国人は、出入国在留管理上の優遇措置を受けることができます。
JLPT N1またはN2を保有している外国人は、ポイント付与の対象です。N1を取得していると15ポイント、N2を取得していると10ポイントが付与されます。
③日本の中学校卒業程度認定試験で国語の試験科目が免除される
外国籍の人が日本の中学校卒業程度認定試験を受験する場合、日本語能力試験N1またはN2を保有していると「国語」の試験が免除されます。5教科のうち1教科だけでも免除されると楽になるため、事前にJLPTのN1もしくはN2を取得すると良いでしょう。
④日本の大学・専門学校への入学条件の1つを満たす
外国人が日本の大学や専門学校へ進学するには、JLPTのN2以上が必要です。JLPTのN1又はN2レベルの日本語能力がないと、日本語で行われる授業を理解できない可能性が高いです。
また、学校の単位を取得できる学校もありますし、卒業後に日本の企業に就職活動する際にも有利です。
10.日本の大学へ進学を検討されている方へ
日本は外国人留学生が年々増加しており、外国人留学生の支援に前向きです。奨学金制度の拡充や住居の提供、卒業後の就職支援などを、国を挙げて行っています。
日本には700校以上と、国の規模に対して大学数が多く、留学先の選択肢が沢山あります。
日系企業に就職したい人や日本語能力を身につけたい人は、自分の勉強したい学部・学科のある大学や専門学校をじっくりと探して見つけてください。
外国人留学生の在籍数が多い大学は、公立大学では東京大学の4,000人以上、私立大学では早稲田大学の4,000人弱です。
そして、大学の中で2番目に外国人留学生の在籍数が多いのが「日本経済大学」で3,000人弱です。日本経済大学は、国際色が豊かで、留学生を多く受け入れていることで知られています。
都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持つ日本有数の留学生を抱える国際色豊かな大学です。
おわりに
「日本語能力試験 JLPT N2取るにはどうする?」を最後までお読みいただきありがとうございました。この記事がお役に立てば幸いです。頑張ってJLPT N2に合格してください!