秘書というと華やかなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?
細やかな気配りをもって上司をサポートする秘書のお仕事。秘書の仕事を一言で表現すると「サポートのスペシャリスト」です。
秘書という仕事に憧れるけれど、実際にどんな仕事をするのか、未経験からどうやって秘書になるのか分からないという方は多いと思います。
この記事では、秘書の具体的な仕事内容や、求められるスキル、なり方、資格などを紹介します。
1.秘書とは?
秘書とは、多忙な上司が業務に専念できるよう、さまざまな調整やサポートを行うお仕事です。
ドラマなどのイメージから華やかな印象が強い秘書ですが、実際は上司のスケジュール管理や会議の準備など、地道な事務作業や調整業務がほとんどです。
また、会社にもよりますが、一般的に「個人秘書」と「グループ秘書」の2種類があります。
・個人秘書とは?
個人秘書とは、一人の上司の日常業務または個人的な業務をサポートする人を表す役職です。一般的にイメージされている秘書はこの個人秘書にあたります。
・グループ秘書とは?
グループ秘書とは、秘書室や秘書課に所属する人を表す役職です。チームで上司をサポートします。管理職や部署をグループでサポートするケースが多いですが、仕事量の多い社長や役員秘書に対してのグループ秘書もいます。
2.秘書の仕事内容とは?
秘書の仕事は、主に重役と呼ばれる社長や役員などの立場の人を補佐することです。企業だけでなく、弁護士事務所や病院などでも秘書が必要な場合があります。会社にもよりますが、基本的には上司が仕事に専念できるように、さまざまなサポートをするのが秘書の仕事内容です。
①スケジュール管理
秘書の最も重要な職務の1つは、上司のスケジュール管理や調整業務です。 企業の重役である上司は、社内会議や打ち合わせ、来客、訪問、出張など、スケジュールがぎっちりです。
スケジュール管理や調整業務では、移動時間や休憩時間を考慮しながらスケジュールを組み、交通手段の確保や必要書類の準備など対応事項をしっかりと確認しなければなりません。
例えば、上司が新しい会議の予定を立てようとしているときは、スケジュールを確認し、日時を調整し、会議室を予約します。
②電話・メール・郵便物対応
上司への電話やメールに対応します。秘書は、取引先から上司への連絡を受ける機会が日常的にあるため、ビジネスマナーに則って丁寧な対応をしなければなりません。簡単な内容の問い合わせについては、上司の代わりに秘書が答えることもあります。
上司宛の郵便物を開いてチェックし、重要度や緊急度に応じて対応することも秘書業務の1つです。
③資料作成
取引先への送付書類をはじめ、各種書類の作成は秘書の重要な仕事です。
場合によっては、上司が使用する会議資料や営業データの集計など、さまざまな業務用資料の作成を担当することもあります。ワード、エクセル、パワーポイントなどのオフィスソフトの基本操作スキルが必要な業務です。
④来客対応
上司の来客に対応することも秘書業務の1つです。秘書が訪問者にどのように対応するかが、来客が上司や会社に対して持つ印象に直接影響を与える可能性があります。
相手に好印象を与える言葉遣い、立ち振舞い、身だしなみを意識する必要があります。
⑤接待交際業務のサポート
秘書は、暑中見舞いや年賀状、慶弔電報、お中元やお歳暮などの季節の挨拶、贈答品の手配、お礼状の作成なども担当します。大切な取引先に失礼にならないよう、冠婚葬祭のマナーや対応を知っておく必要があります。
国外にも取引先を持つ企業では、文化、宗教などの多様性に配慮することも大切です。
⑥書類・備品の管理
上司に会議資料の提示を求められたらすぐに提出できるように、必要書類を分かりやすくファイリングし、不要な書類を廃棄し、上手に管理することも秘書の大切な仕事です。上司が求めるものをすぐに見つけられるように備品もしっかりと管理します。
3.秘書に求められるスキルは?
前述したように秘書の仕事は多岐に渡ります。秘書の仕事をこなすためには、どのようなスキルが必要なのでしょう?
ビジネスマナーや冠婚葬祭のマナーの知識はもちろん、相手が何を求めているのかを素早く理解する能力も必要です。さまざまなタスクを実行しなければならないので、基本的なスキルが多ければ多いほど秘書に向いています。
①コミュニケーション能力
秘書は、高いコミュニケーションスキルが求められます。秘書に必要なコミュニケーション能力とは、特に相手の気持ちや意図を理解する力、相手の話を聞く力のことです。
また、どんな相手に対しても笑顔で挨拶でき、相手に不快な思いをさせないようにすることも大切です。
②パソコンスキル
秘書の仕事には、会議やプレゼンの資料作成やデータ分析などもあります、をさまざまな文書を作成するためには、パソコンスキルが必須で、特にワード、エクセル、パワーポイントの基本操作は必須です。
③スケジュール管理能力
「2.秘書の仕事内容」でも紹介したように、秘書の最も重要な職務の1つは、上司のスケジュール管理や調整業務です。
秘書業務におけるスケジュール管理は大変複雑です。日々のスケジュールだけでなく、月間や年間のスケジュールも管理しなければならないため、素晴らしい管理スキルが求められます。
また、スケジュール管理には、調整能力も欠かせません。予約をするだけでなく、優先順位に応じてスケジュールを調整またはキャンセルする必要がある場合があります。何が緊急で何が後回しにできるかを考え、判断する管理能力が必要です。
④記憶力
人の顔や名前をすぐに覚えられるスキルがあれば、秘書としては大変有利です。 数回しか会っていないのに名前を覚えていると顧客側は、親近感を覚えます。
また、会食やパーティーで、上司が定かではない顧客の情報を尋ねられることもあります。名前だけでなく、会社名や役職も覚えておけば、上司の役に立つことができます。
記憶力は、顧客と良好な関係を築くために重要なスキルです。
⑤情報収集力と管理能力
秘書は、上司に情報収集を依頼されることがあります。例えば、取引先の情報や、最近の経済情報などをまとめた資料の作成です。情報の収集は容易ではありません。目的を明確に理解していないと、資料はまとまりがなくなり、簡潔すぎると欲しい情報が抜けてしまったりします。
限られた時間の中で必要な情報を収集しまとめるスキルも秘書にとって重要です。
秘書はまた、収集した情報を適時に活用するための管理能力も求められます。例えば、顧客管理も秘書の重要な仕事です。情報収集力と管理能力は密接に関係しており、両方のスキルがあるからこそ役に立ちます。
⑥ビジネスマナー
秘書は取引先や来客など、人と接する機会が多い仕事です。身だしなみや立ち振る舞いがきちんとしていなければ、会社自体の印象が悪くみせる可能性があります。秘書は基本以上のビジネスマナーを求められる仕事です。
4.秘書になるには?
秘書になりたいなら、直接秘書の仕事に応募するか、一般企業に就職して別の部署で経験を積んでから秘書になる方法があります。秘書課や秘書室のある会社を検索して、条件や仕事内容を確認してみてください。
秘書業務に特化した専門学校や短期大学の専攻もありますが、秘書になるために特に必要な学歴や、専門分野の勉強、資格は必須ではありません。 ただし、秘書として就職するためには、社会人としての一般常識とビジネススキルを身につけていることが前提条件となります。
そのため、まずは企業に就職し、社会人としての経験を積みながらスキルアップを目指すことをお勧めします。入社後に適性を認められ、配属や異動で秘書になるケースもあれば、転職して秘書を目指すこともできます。
一般的に、秘書になるために資格は必須ではありませんが、あると有利な「秘書検定」という資格があります。
受験するために必要な条件はないので、大学在学中に取得を目指すことができます。持っていると就職活動の際に秘書業務の基礎知識をアピールすることができます。
5.秘書になるために役に立つ資格は?
前述でも述べましたが、秘書になるために必須の資格はありません。しかし、秘書業務には経験者を採用する企業が多く、実績が問われることがほとんどです。
大学生はもちろん秘書の経験がないので、未経験でも応募することはできますが、他の学生に差をつけることが重要です。そのため、秘書として役立つ資格を持っていれば、他の人との差別化が図れます。
下記は、秘書として就職するために役立つ5つの資格です。
①秘書技能検定(秘書検定)2級
秘書検定とは、秘書に必要な知識やスキルが問われる試験です。秘書検定を取得すれば、秘書として必要な知識やスキルだけでなく、一般常識や敬語の使い方、ビジネス文書の作成、電話応対など、社会人として必要不可欠なスキルを身につけていることを証明することができます。
秘書検定は現在秘書として働いている人も受験する検定です。レベルは3級、2級、準1級、1級の4段階です。秘書を目指すのでしたら、2級以上の取得を目指すことをお勧めします。
秘書検定2級では、上司を適切にサポートするための優先順位や効率的な仕事の進め方など、実務に関わる問題が多く出題されます。
②CBS(国際秘書)検定・プライマリー
CBSとは「Certified Bilingual Secretary」の略で、英語と日本語を使いこなし、秘書としての能力を備えたオフィスのプロであることを証明できる資格です。一般的な実務処理能力に加えて、TOEIC500点以上程度の英語力も問われます。
将来、英語と日本語の両方を使う秘書として働きたい方や、外資系企業で働きたい方にはおすすめの資格です。
CBS(国際秘書)検定は「プライマリー試験」と「ファイナル試験」の2段階に分かれています。プライマリーに受験資格はありませんが、ファイナルは、プライマリーに合格していなければならないため、大学在学中に目指すのでしたら、プライマリーを取得してください。
③TOEIC
TOEICとは国際コミュニケーション英語能力テストの略称で、英語でのコミュニケーション能力を測定する国際試験です。他の資格試験のように合否はなく、英語力は点数で評価されます。
TOEICのテストは5つに分かれていますが、日本では一般的にリスニングとリーディングのテスト結果を基準にしています。満点は990点で、600点以上が履歴書に書いてアピールできる点数とされています。秘書を目指すなら最低でも600点以上を取得することをお勧めします。
④ ビジネス文書検定2級
ビジネス文書検定は、定型句を含む文書作成の能力やスキルを証明する資格です。ビジネス文書には、秘書だけでなく社会人が知っておくべき、決まった型や句があります。
ビジネス文書検定は、1級、2級、3級の3段階に分かれており、 2級と3級は選択式ですが、1級には実際にビジネス文書を書く実技試験があります。一般的に履歴書には2級以上から書けると言われていますので、就職活動に活かしたい場合は2級以上を目指すことをお勧めします。
⑤ビジネス実務マナー検定2級
ビジネス実務マナー検定は、ビジネス社会の基本ルールの理解度を測る検定です。適切な判断と行動、人間関係、マナーなどは円滑な仕事に欠かせません。社会人として必要な要素を学べますので、就職活動にも、修飾語にも活用できます。
ビジネス実務マナー検定は1級、2級、3級の3段階に分かれており、2級と3級は選択式ですが、1級には記述問題と面接があります。一般的に履歴書には2級以上から書けると言われていますので、就職活動に活かしたい場合は2級以上を目指すことをお勧めします。
6.秘書の将来性は?
秘書は、多くの会社や組織の活動や事業運営に必要な存在です。企業や組織の重役が本業に専念できるようにサポートする秘書の仕事は、近い将来なくなる仕事ではありません。
秘書の仕事は長く勤めれば務めるほど、上司と同じ目線で仕事をすることが求められます。そのような秘書が増えれば、秘書の重要性は今後ますます高まることが予想されます。
また、新たな産業が出現すれば、秘書が活躍する機会も増えると考えられます。
日本経済大学で秘書技能検定2級の資格取得を目指そう 幼稚園から大学院まで全国に30校以上の学校を展開する「都筑学園グループ」が運営する「日本経済大学」は、1968年に設立され、福岡県太宰府市に本部を置く私立大学です。現在、福岡、神戸、東京都渋谷区に3つのキャンパスがあります。日本経済大学には、経済学と経営学を中心とした2学部6学科18の専門コースがあり、非常に多くの留学生を受け入れる国際色豊かな大学です。 日本経済大学の経営学部は、福岡と東京渋谷の2カ所にキャンパスがあります。また、教育内容がキャンパスごとに異ならないようにするために特別な考慮が払われています。経営学、経営管理論、経営組織論を中心に、現代企業の合理的経営に関する理論研究と実践活動を有機的に組み合わせた教育を行い、 実践的な経営スキルを身につけ、「変化の時代」を生き抜くビジネスパーソンの育成を目指しています。 日本経済大学の経営学部(https://www.jue.ac.jp/department_top/)には、「経営学科」の他に「グローバルビジネス学科」「芸創プロデュース学科」3つの学科があり、10のユニークなコースが用意されています。 経営学部では、秘書技能検定の資格取得を目指すことができます。 ①日本経済大学・経営学科 意思決定できる合理的経営を学び、ビジネスチャンスを活かせる知識・技能を身につけます。経営学を習得しながら、様々な分野で活躍できる人材を育成します。 (1)総合経営コース (2)アトツギ・起業家コース (3)デジタル・ビジネスデザインコース (4)eスポーツ・アニメ産業コース (5)飲食ビジネスコース (6)SDGs・環境ビジネスコース ②日本経済大学・グローバルビジネス学科 ほとんどの授業が英語で行われることで高度な英語コミュニケーション能力が身につき、グローバルに活躍できるビジネススキルも養われます。入学後すぐに留学を経験し(必須)、英語力を高めていきます。 (7)芸能マネジメントコース (8)ファッションビジネスコース ③日本経済大学・芸創プロデュース学科 多様化・グローバル化するエンターテインメントビジネスの世界で活かせるプロデュース力を身につけます。経営学を習得しながら、ビジネスやファッション、音楽・映像業界で活躍できる人材を育成します。 (9)グローバルビジネスコース (10)エアラインビジネスコース
おわりに
秘書になるために必要な能力や方法を開設させていただきました。
もし、秘書としての仕事が決まったとしても、それで終わらせてしまわず、向上心を持って、成長し続けることが大切です。
上司にとってオンリーワンの秘書を目指してみてください!