FP2級は、年間15万人近くが受験する人気の国家資格です!
ファイナンシャルプランナーの資格は近年需要が高まっており、国家資格の中でも有数の人気資格になってきました。
この記事では、FP2級の実施機関や試験の種類、試験内容、合格基準や難易度などをご紹介させていただきます。ぜひ参考にしていただければと思います。
【ファイナンシャルプランナーとは】
ファイナンシャルプランナーは、お金に関する相談に答える仕事です。相談者は資産運用や生活費の調節、保険料、負債、奨学金、贈与などさまざまな金銭的事情を抱えています。その人たちの事情や要望を聞いて、最適な解決方法を見つける仕事です。相談者の生活が相談前よりも良くなることが目的です。
ファイナンシャルプランナーは、様々な相談内容を扱う仕事です。
日本FP協会がホームページ上で公開している、ファイナンシャルプランナーが扱う主な相談内容は多岐にわたります。
・家計管理:「貯蓄をするためには家計をどう見直したらいいの?」「家計管理の方法はどうすれば?」など
・老後の生活設計:「老後の生活費はどのくらいかかるの?」「老後の生活資金をどのように準備したらいいの」など
・教育資金:「子どもの教育資金はどう準備したらいいの?」「住宅ローンと教育費の両方を払っていけるのか不安」など
・年金・社会保険:「年金はいつからいくらもらえるの?」「出産や育児でもらえるお金って?」など
・住宅資金「いくらの物件なら購入できる?」「住宅ローンの負担を軽くしたい」
・資産運用:「退職金を運用したいがどのようにしたらいいの?」「投資信託などの金融商品の選び方を知りたい」など
・税制:「医療費控除を申請できる医療費には、どのようなものがあるの?」「配偶者控除は、パートで働いていても受けることができるの?」など
・保険:「いま加入している保険の内容がわからない」「保険に入りすぎていない?」など
・介護・医療費:「介護費用はどのくらいかかるの?」「介護保険ってどんなもの?」など
・相続・贈与「遺言など、相続の準備について知りたい」「孫に預金等を贈与すると税金がかかるの?」など
出典:日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/
誰もが身近に感じる相談内容を、これだけ幅広く扱うファイナンシャルプランナーは、需要のある資格といえます。
内容が幅広いだけに、目標のためにかかるお金のことを知りたい人から、生活に困窮しているような切実なお金の悩みを持った人まで、相談者も様々なタイプがいます。
ファイナンシャルプランナーは、どんな相談でも受けられるように、お金や経済の知識を備えていなければなりません。
【FP2級技能検定とは?】
ではFP2級技能検定とはどのようなものなのでしょう。概要を説明します。
①指定試験機関を選択
FP2級技能検定は、受験者が以下の2つの指定試験機関で実施されています。
(1)NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)
(2)一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)
FP2級技能検定は学科と実技の2部構成になっています。学科試験と実技試験は同日に行われます。学科試験が午前中に、実技試験が午後に行われます。ただし、その日学科または実技のみ受験することが可能です。
どちらか片方が合格で、もう片方が不合格の場合、次回の受験時に合格した試験の受験が免除されます。次回の受験申し込みの際に免除申請をする必要があります。
学科試験では両機関とも完全に同じ内容が出題され、実技試験は各機関で出題内容が異なります。出題レベルと評価方法に変わりはないので、資格としては同じものになります。受検者はどちらの機関を選択しても、合格すれば同じFP2級技能士の資格を持つことができます。
②FP2級技能検定「学科試験」の内容
学科試験はトータル120分で、全問マークシートの選択問題です。上にも記載したように日本FP協会ときんざいの学科試験内容は同じです。
FP2級学科試験の出題範囲は以下の通りです。
・ライフプランニングと資金計画
・リスク管理
・金融資産運用
・タックスプランニング
・不動産
・相続・事業継承
③FP2級技能検定「実技試験」の種類
FP2級技能検定の実技試験は、全5種類あります。
日本FP協会で実施しているのは「資産設計提案業務」の1種類で、きんざいが実施は「個人資産相談業務」と「中小事業主資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」「損保顧客資産相談業務」「資産設計提案業務」の5種類です。5種類それぞれの出題内容が異なります。
受検者が得意とする分野や学びたい分野に合わせて選択することが可能ですので、5種類すべてを勉強する必要はありません。実技試験対策のテキストは種類別に出ているため、どの実技試験を受検するかを、先に決める必要があります。
④FP2級技能検定「実技試験」の特徴
(1)日本FP協会「資産設計提案業務」
日本FP協会により実施されている「資産設計提案業務」の出題範囲は以下になります。
・ライフプランニングと資金計画
・リスク管理
・金融資産運用
・タックスプランニング
・不動産
・相続・事業継承
(2)きんざい「個人資産相談業務」
きんざいにより実施されている4種類の実技試験の1つが「個人資産相談業務」です。出題範囲は以下の5つになります。
・金融資産運用
・不動産
・ライフプランニングと資金計画
・タックスプランニング
・相続・事業承継
日本FP協会の「資産設計提案業務」と同様、基本的に学科試験と同じ試験範囲のため、勉強がしやすく、お金に関わる基本的な知識を得たい場合は、この実技試験のために勉強することをお勧めします。
(3)きんざい「中小事業主資産相談業務」
きんざいにより実施されている4種類の実技試験の2つ目が「中小事業主資産相談業務」です。
中小企業の実務に関わる内容です。中小企業が所有する金融資産や不動産の運用、事業経営、税務などに関連する相談業務、中小企業の経営者に対する資金計画の提案業務などがあてはまります。
出題範囲は「個人資産相談業務」と同じ以下の5つになります。
・金融資産運用
・ライフプランニングと資金計画
・不動産
・タックスプランニング
・相続・事業継承
FP2級取得後に、FP1級取得を目指すなら、この「中小事業主資産相談業務」がそのまま試験対策になるのでお勧めです。また、中小事業向けのファイナンシャルプランニング業務を専門にしたい人にもお勧めです。
(4)きんざい「生保顧客資産相談業務」
きんざいにより実施されている4種類の実技試験の3つ目が「生保顧客資産相談業務」です。
生保商品と医療保険を中心に保険商品や保険計理、相続・贈与などについて問われます。
出題範囲は以下の4つになります。
・ライフプランニングと資金計画
・リスクマネジメント
・タックスプランニング
・相続・事業継承
生命保険に関するファイナンシャルプランニングの専門性を深めたい方にお勧めです。既に保険業界で働いている方や、将来的に保険業界で働きたい方向けの実技試験です。
(5)きんざい「損保顧客資産相談業務」
きんざいにより実施されている4種類の実技試験の4つ目が「損保顧客資産相談業務」です。
自動車保険、火災保険、地震保険、損害保険の4つを中心に、保険加入や年金プランの策定、税務に関する知識を問われます。
出題範囲は以下の4つになります。
・ライフプランニングと資金計画
・リスクマネジメント
・タックスプランニング
・相続・事業継承
損害保険に関するファイナンシャルプランニングの専門性を深めたい方にお勧めです。既に保険業界で働いている方や、将来的に保険業界で働きたい方向けの実技試験です。
⑤FP2級技能検定「実技試験」の内容
日本FP協会ときんざいは、どちらも記述式で、試験時間は同じ60分ですが、出題数と合計点数に違いがあります。日本FP協会の問題数は40問で100点満点。きんざいの問題数は全部で5題の事例形式で50点満点です。自分に合った方を考えて選択しましょう。
⑥FP2級技能検定の合格ラインと合格率
合格ラインは、日本FP協会ときんざいのどちらも約6割以上です。
学科試験の合格率は、日本FP協会は約35%~55%、きんざいは約20%~30% です。
実技試験の合格率は、日本FP協会の「資産設計提案業務」は約60%、きんざいの「個人資産相談業務」は約35%、「中小事業主資産相談業務」は約53%、「生保顧客資産相談業務」は約51%、「損保顧客資産相談業務」は約59%になっています。
合格率だけでみると、少し難しいように見えますが、FP2級受験者の中には企業からの団体試験で勉強せずに受ける人が多いため、しっかり勉強してきた人だけでいうと合格率は実際の数字より高いです。
【FP2級を取得するメリット】
①就職や転職に役立つ
FP2級技能検定は、家計の相談から、専門的な保険契約内容、不動産取引、税金、相続対策など幅広い分野を学習します。金融知識があることを証明できるので、金融業界や保険業界などで働きたい方にとって有利です。
FP2級技能検定は、会計士に比べると難易度は低いですが、企業からの知名度が高く、履歴書や面接でのアピールになり、就職・転職に有利です。
②さらに上の資格を目指せる
FP2級の資格を取得すれば、FP2級の受験資格を得られます。また、税理士や労務士のような士業クラスの資格および、日本FP協会が認定するAFP(Affiliated Financial Planner/アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)やCFP(Certified Financial Planner/認定ファイナンシャルプランナー)というファイナンシャル特化の資格を目指すこともできます。
③個人の生活で役立つ
FP2級で学習する内容は、家計の相談やライフプランの提案などが含まれます。金融関連の法令は毎年変更されるため、相続税の基礎控除引き下げなど個人の負担が増えていっています。仕事として生かすだけでなくご自分の、節税や資金繰りなど、様々な個人のお金の問題にFP2級の知識が生かせます。
【FP2級技能検定の勉強方法】
①独学で勉強する
FP2級技能検定の合格に必要な学習時間目安は150時間~300時間とされています。
ただし、ファイナンシャルプランナーに関連した仕事をしている方など、すでにある程度基礎知識が身に付いているなら、目安時間よりも少ない時間でFP2級技能検定の合格を狙えるでしょう。
また、FP3級技能検定に合格したばかりで、すぐにFP2級に向けて勉強を開始するなら、基礎ができているので、目安時間よりも少ない時間でFP2級技能検定の合格を狙えるでしょう。
独学で勉強すると、参考書や問題集を購入する以外の費用がかからないので、費用をあまりかけたくない方におすすめです。
実際の勉強方法を見ていきましょう。
(1)公式参考書を活用する
指定試験機関から発行されている公式参考書を使用することをお勧めします。日本FP協会ときんざいのどちらも、複数の参考書を販売しています。公式参考書は、実際の試験に似たものが作られているので、実技試験の種類に合わせた全て揃えて勉強するのが良いでしょう。まずは、公式参考書を何度も読み直して理解を深めましょう。
(2)公式問題集を活用する
公式参考書で理解を深めたら、公式問題集の出番です。こちらも、日本FP協会ときんざいのどちらも、公式問題集を販売しています。公式参考書と合わせて公式問題集を解いていくことが一番効率的です。
日本FP協会は、提携関係にある認定教育機関等からも問題集が出版されています。きんざいの場合は、模擬試験も実施しているので、実践力を高めるために活用するのもお勧めです。
(3)過去問を活用する
公式問題集で自信がついたら、過去問を解いてみましょう。当日の試験の流れに慣れるためにも、時間配分など、なるべく本番と同じ条件に近づけることが重要です。
②通信講座を受講する
独学で勉強することに自信がない方や、勉強の仕方が分からない方は、認定教育機関等が提供しているFP2級向けの通信講座を受講するのも良いでしょう。
予備校などと比べると比較的安価に学習することが出来ます。
自分でスケジュールを組んで計画的に学習しなければなりませんが、分からない所があれば専門知識を持つ講師に質問することができます。挫折しないためのスケジュールのサポートやアドバイスをももらえます。スマホのアプリから勉強できる通信講座もあるので、時間や場所に関係なく、学習できるのが魅力です。
③予備校に通う
独学や通信講座で挫折してしまった方や、今までに資格検定などで挫折してきた方は、費用は掛かりますが、直接通学して学ぶことをお勧めします。
スケジュールもしっかり組まれ、参考書や問題集を用意してもらえて、分からない所があればその場ですぐに講師に質問をすることが出来るのが大きなメリットです。また、周りに同じ勉強をしている人がいることもモチベーションアップにつながるでしょう。
③大学で学ぶ
大学進学を考えていて、将来的に企業で働く意思のある高校生は、ファイナンシャルプランナーの資格取得に必要な授業のある大学や専門学校、そして学部を選ぶことをお勧めします。
1番最適な方法は、就職したい業種の関連分野が学べる大学・学部に進学してファイナンシャルプランナーを取得することです。
経済学部をはじめ、様々な大学でファイナンシャルプランナー資格習得を目的とした授業を行っています
資格取得やインターンシップといったキャリアサポートが充実している、日本経済大学(https://www.jue.ac.jp/)の福岡校・渋谷校・神戸校の経営学部・経営学科の授業には、在学中に取得可能な資格にITパスポートが含まれています。
多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学(https://www.jue.ac.jp/)では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた支援をしています。1年次から将来のビジョンを持ち、専門分野を学べるのが日本経済大学の特徴です。
おわりに
FP2級技能検定資格を取得するために必要な内容やメリットを紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか?
FP2級の資格を取得すると就職・転職のためだけでなく個人の生活にも非常に役に立つ知識が得られます。ぜひ頑張って勉強してください!