日本語能力試験(JLPT)は、日本で勉強したり働いたりする外国人に有利な資格です!
この記事では、日本語能力試験(JLPT)の内容、レベル毎の違い、申し込み方法、受験料、取得のメリット、留学生が取得するメリットなど、知っておくべき様々な事を解説します。
日本語能力試験(JLPT)の受験を検討または計画中の方、あるいは会社で外国人を雇用することを検討または計画中の方はぜひ参考にしてください。
1.日本語能力試験(JLPT)とは?
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母国語としない外国人を対象に、最低レベルのN5から最高レベルのN1までの尺度で日本語能力を認定する試験です。日本語能力試験(JLPT)は日本を含む65カ国で実施されています。日本語能力試験(JLPT)は7月と12月の年2回(一部地域を除く)に実施され、受験者数は年間約60万人です。日本語能力試験(JLPT)は、基本的に日本語を母国語としない人が受験します。
日本語能力試験(JLPT)N1は、日本の国立大学への進学を希望する留学生にとって重要な証明書です。語学力を証明するだけでなく、日本の入国管理における優先基準にもなりました。
日本語能力試験(JLPT)は多肢選択式試験です。 ほとんどの問題は4肢択一式です(3 肢択一の問題もあります)。 試験は、外国人のカリキュラムに必要な重要な要素です。 (日本語を母国語にする人とはカリキュラムが異なります。)
2.日本語能力試験(JLPT)の特徴
日本語能力試験(JLPT)は、日本語の文法、語彙、文章をどこまで理解できるかを測るだけでなく、実際に必要な言語知識(文字・語彙・文法)、読解力、傾聴力の3要素の使用能力も測ります。
日本語能力試験(JLPT)各レベルの内容と難易度
日本語能力試験は、最も易しいN5から最も難しいN1まで5つのレベルに分かれています。
日本語能力試験(JLPT)のレベルごとの具体的な内容や難易度、日本語能力のレベルなどを詳しく解説します。
①日本語能力試験(JLPT)N5レベル
日本語能力試験(JLPT)N5の合格者は、基本的な日本語をある程度理解できるレベルと言われています。 日本語の読解力については、ひらがな、カタカナに加えて、基本的な漢字で書かれた定型的な文章を読むことができます。傾聴力に関しては、ゆっくり話される短い日常会話から必要な情報を拾い上げることができるレベルです。これで日本語の基礎は理解できたと言えますが、会話の速さによっては聞き取れない場合があり。
②日本語能力試験(JLPT)N4レベル
日本語能力試験(JLPT)N4の合格者は、基本的な日本語が理解できるレベルと言われています。日本語の読解力については、基本的な語彙や漢字で書かれた日常的な内容を読んで理解することができます。傾聴力も同様で、ゆっくり話される日常会話であればほとんどの内容を理解することができます。N5レベルとの違いは、定型的な文章でなくても読めて理解でき、短い会話でなくてもほとんどの内容が理解できることです。
③日本語能力試験(JLPT)N3レベル
日本語能力試験(JLPT)N3の合格者は、日常生活で使われる日本語をある程度理解できると言われています。読解力は、日常的な話題を理解するだけでなく、新聞の見出しからだいたいの情報を読み取ることができるレベルです。少し難しい内容の文章は、簡単な言い換え表現があれば理解できます。また、傾聴力に関しては、自然に近い会話速度でも具体的な内容を理解することができます。
④日本語能力試験(JLPT)N2レベル
日本語能力試験(JLPT)N2の合格者は、日常生活で使われる日本語だけでなく、より幅広い場面で使われる日本語もある程度理解できると言われています。新聞や雑誌の記事、評論などの内容や、話の流れや作者の表現意図が理解できる中高度の日本語レベルです。 傾聴力に関しては、日常会話はもちろん、ニュースの内容から登場人物同士の関係性を理解できるレベルです。
⑤日本語能力試験(JLPT)N1レベル
最難関の日本語能力試験(JLPT)N1の合格者は、幅広いシーンで使用されている日本語が理解できると言われています。少し複雑な内容の文章が読めるのはもちろん、抽象度の高い文章の内容や構造を理解することができます。傾聴力に関しては、自然な速度の会話を理解できるので、日本人とかなり近い感覚でコミュニケーションがとれるようになります。N1は、幅広いトピックスの複雑な日本語の意味、話しの流れ、表現を十分に理解できる読解力と傾聴力が備わっている証です。
3.日本語能力試験(JLPT)の申し込み方法
通常、テストは年に2回、 7 月に 1 回、12月に 1 回開催されます。
「MyJLPT インターネット申込み」のページからオンラインでJLPTの申請と登録ができます。 テストのレベルを選択し、オンラインで支払うと、受験票が送信されたときに、テスト会場が通知されます。
4.日本語能力試験(JLPT)の受験料
日本語能力試験(JLPT)の日本国内での受験料は6500円です。受験料の支払方法は、「クレジットカード(一括払い)」「銀行振込」「コンビニエンスストアでの支払い」の3つです。
受験料以外に、成績証明書の発行費用がかかります。これらの費用は原則として受験する外国人が負担するため、雇う会社が負担する費用はありません。出願時期は試験のタイミングによって決まるので、外国人社員が受験する場合は日程の確認が必要です。
日本語能力試験(JLPT)は海外でも受験できますが、海外での受験を希望する場合は、お住まいの国・地域の実施機関に問い合わせる必要があります。
5.日本語能力試験(JLPT)の注意事項
①日本語能力試験(JLPT)は指標の一つ
外国人人材の採用活動や能力評価において、日本語能力試験(JLPT)の取得状況は、あくまでも一つの指標です。日本語能力試験(JLPT)の問題構成上、日本語能力を総合的に測定することはできません。
日本語の読解力と傾聴力は測定できますが、会話力を正確に測定することは困難です。 そのため、日本語能力試験(JLPT)の成績だけを採用の基準にすると、入社後に想像していた日本語能力とは違うかもしれません。
②日本語能力試験(JLPT)とコミュニケーションスキルは別物
日本語能力試験(JLPT)の成績と実際の日本語でのコミュニケーション能力は別物であると認識しておいた方が良いです。日本語能力試験(JLPT)N1、N2レベルであっても、日本語でスムーズにコミュニケーションが取れるとは限りません。コミュニケーション能力があまりないと、特に会話が重要な職場や職種ではうまくいきません。そのため、採用面接の際には、日本語の会話能力を十分に評価するように注意してください。
③日本語能力試験(JLPT)と文章力は別物
日本語能力試験(JLPT)には日本語の文法読解、聴解の問題が含まれていますが、日本語の作文能力を正確に測定することは困難です。そのため、特に仕事で文章を書く必要が頻繁にある職種の場合、日本語能力試験(JLPT)の結果だけでなく、実際に文章を書く能力を知る必要があります。仕事に必要な日本語能力を正しく理解したいなら、最小の際に簡単な筆記試験を会社で用意するのも一つの手です。
6.日本語能力試験(JLPT)を受験するメリット
①日本の入国管理で優遇を受けるポイントがつく
「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」では、日本語能力試験N1合格者に15ポイント、N2の合格者に10ポイントが付与されます。合計点が70点以上の場合、入国審査が優遇されます。
②日本の医師などの国家試験が受験できる
海外で医師などの免許を持っている人が、日本の医師などの国家試験を受けるためには、日本語能力試験N1の取得が必須とされています。
以下は、日本語能力試験N1の取得が必要な国家試験です。
・歯科医師
・看護師
・薬剤師
・保健師
・助産師
・診療放射線技師
・歯科衛生士
・歯科技工士
・臨床検査技師
・理学療法士
・作業療法士
・視能訓練士
・臨床工学技士
・義肢装具士
・救命救急士
・言語聴覚士
・獣医師
・愛玩動物看護師
③日本の准看護師試験が受験できる
海外の看護師学校養成所を卒業した方が、日本の准看護師試験を受験するためには、日本語能力試験N1の取得が必須とされています。
④日本の中学校卒業程度認定試験の一部科目の免除
外国籍等の受験者で日本語能力試験N1またはN2を有する人は、中学校卒業程度認定試験で国語の試験が免除されます。
EPA(経済連携協定)に基づく看護師・介護福祉士候補者の選考条件の一つである
EPA(経済連携協定)に基づき、インドネシア、フィリピン、ベトナム出身の看護師・介護福祉士候補者は、日本語能力試験N5(インドネシア、フィリピン)またはN3(ベトナム)以上の取得が必要要件の一つです。
7.留学生が日本語能力試験(JLPT)を取得するとどんなメリットがあるのか?
これから日本への留学を考えていたり、すでに留学している方は、日本語能力試験を受けるべきかどうか迷っている人もいるかもしれません。
留学生が日本語能力試験(JLPT)に合格した場合、どんなメリットがあるでしょうか? また、日本語能力試験の何級を取ればいいでしょうか?
日本で最も広く話されている言語は日本語であるため、日本で働き、生活したいのであれば、日本語を学ぶことは非常に重要です.
日本語を学ぶと、日本の大学への入学が容易になるだけでなく、就職が容易になるなど、様々なメリットがあります。さらに、日本人とのコミュニケーション能力と理解力が身に着くので、新しい環境に順応しやすくなります。
日本の大学や専門学校に入学するための、いくつかの要件の中に日本語能力試験(JLPT)N2レベル以上というものがあります。大学院でストN1を取得していなければなりません。
また、仕事をするには、日常会話レベル以上の日本語力が必要です。大企業で働いたり、病院で医療専門家として働くなら、より高度なビジネスレベル以上の日本語が必要です。その場合は日本語能力試験N1かN2の受験が必須です。日本で就職活動をしている留学生の約9割がN2~N1レベルだと言われています。
以上のことから、留学生が日本語能力試験(JLPT)を取得することは、メリットというより、マストということになります。
8.日本の大学へ進学を検討されている方へ
日本は外国人留学生が年々増加しており、外国人留学生の支援に前向きです。奨学金制度の拡充や住居の提供、卒業後の就職支援などを、国を挙げて行っています。
日本には700校以上と、国の規模に対して大学数が多く、留学先の選択肢が沢山あります。
日系企業に就職したい人や日本語能力を身につけたい人は、自分の勉強したい学部・学科のある大学や専門学校をじっくりと探して見つけてください。
外国人留学生の在籍数が多い大学は、公立大学では東京大学の4,000人以上、私立大学では早稲田大学の4,000人弱です。
そして、私立大学の中で2番目に外国人留学生の在籍数が多いのが「日本経済大学https://www.jue.ac.jp/」で3,000人弱の留学生が在籍しています。日本経済大学は、国際色が豊かで、留学生を多く受け入れていることで知られています。
■日本経済大学(都築学園グループ(学)都築育英学園)
都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持つ日本有数の留学生を抱える国際色豊かな大学です。
おわりに
日本語能力試験(JLPT)について説明させていただきました。
日本語能力試験(JLPT)は、外国人の日本語レベルを評価する目安の一つです。日本の大学や専門学校へ留学を検討中の方は、いますぐに日本語能力試験(JLPT)の取得に向けて勉強を開始してください!