Microsoft Officeは企業で働くうえで欠かせないスキルです!
MOS資格は、IT関係の仕事をする際に役立つ資格です。業務改善を考えている企業から近年注目が集まっています。
この記事ではMOS資格の概要、受験方法、MOS資格を取得するメリット、MOS資格の勉強方法など、MOS資格の取得に役立つ内容を解説します。ぜひ参考にしてください。
【MOS資格とは?】
MOSとはMicrosoft Office Specialist(マイクロソフト オフィススペシャリスト)略称です。Word(ワード)、Excel(エクセル)、PowerPoint(パワーポイント)、Access(アクセス)、Outlook(アウトルック)の使用能力を証明することを目的とした検定です。
Microsoft Office 製品の使用経験が6か月以上あるユーザーを対象としていますが、MOS 試験を受けるための要件ではありません。
Microsoft社が公式認定している国際資格のひとつのため、世界的に信頼度が高い資格として就職に有利です。また、業務効率化のために企業の内定者研修や社内研修にも使用される検定です。
日本においても400万人以上がMOS資格検定を受けている知名度の高い資格で、パソコンの資格検定の中でもトップクラスの人気です。就職するうえで役立つ資格のため、学生のうちから取得を目指す人も多くいます。
MOSは日本の国家資格ではなく民間の資格です。しかし、MOS資格検定は全世界で行われており、MOS資格を持っていれば、どの国でも通用しるため、国際資格と言えるでしょう。
MOS検定を受験する際は、基本的なパソコンの使い方と、各ソフトウェアの操作方法やデータ作成の知識が必要とされます。
MOS資格にはいくつかの科目があり、対象となるソフトや試験の難易度は様々です。
【MOS資格検定の科目・種類・内容】
それでは、MOS資格の科目や対象となるソフト、難易度などを見ていきましょう。
MOS資格検定には、受験科目が5科目あります。
Word(ワード)、Excel(エクセル)、PowerPoint(パワーポイント)、Access(アクセス)、Outlook(アウトルック)です。
ソフトウェアのバージョンごとに異なる試験科目があり、難易度は一般レベル(スペシャリストレベル)と上級レベル(エキスパートレベル)の2段階になっています。
一般レベル(スペシャリストレベル)は、基本的な機能の使用方法が中心のため、Microsoft Officeを初めて学ぶ方でも合格を目指すことが可能です。
上級レベル(エキスパートレベル)は、 組織としての文書管理、データ集計、グループワークや管理を目的とした機能のような、 生産性の高い機能が中心のため、難易度が高く、基本的な事務作業以上を目指すレベルです。
①Word(ワード)
Wordはパソコンで文書作成を行うためのMicrosoft Officeのソフトウェアです。
一般レベル(スペシャリストレベル)では「文書の作成と管理」「文字、段落、セクションの書式設定」「表やリストの作成」「参考資料の作成と管理」「グラフィック要素の挿入と書式設定」などの基本操作が問われます。
上級レベル(エキスパートレベル)では「文書のオプションと設定の管理」「高度な機能を使用した文書のデザイン」「高度な機能を使用した参考資料の作成」「ユーザー設定のWord要素の作成」などより高度な機能に関する知識が問われます。
WordのMOS資格検定科目には以下の種類があります。
難易度 |
|
一般レベル(スペシャリストレベル) | 上級レベル(エキスパートレベル) |
Word 365&2019 | Word 365&2019 エキスパート |
Word 2016 | Word 2016 エキスパート |
Word 2013 | Word 2013 エキスパートPart1、Part2 |
②Excel(エクセル)
Excelはパソコンで表計算を行うためのMicrosoft Officeのソフトウェアです。
一般レベル(スペシャリストレベル)では「ワークシートやブックの作成と管理」「セルやセル範囲のデータの管理」「テーブルの作成」「数式や関数を使用した演算の実行」「グラフやオブジェクトの作成」などの基本操作が問われます。
上級レベル(エキスパートレベル)では「ブックのオプションと設定の管理」「ユーザー定義のデータ表示形式やレイアウトの適用」「高度な機能を使用した数式の作成」「高度な機能を使用したグラフやテーブルの作成」などより高度な機能に関する知識が問われます。
ExcelのMOS資格検定科目には以下の種類があります。
難易度 |
|
一般レベル(スペシャリストレベル) | 上級レベル(エキスパートレベル) |
Excel 365&2019 | Excel 365&2019 エキスパート |
Excel 2016 | Excel 2016 エキスパート |
Excel 2013 | Excel 2013 エキスパートPart1、Part2 |
③PowerPoint(パワーポイント)
PowerPointはパソコンでスライド資料の作成やプレゼンテーションを行うためのMicrosoft Officeのソフトウェアです。
難易度は一般レベルしかありません。「スライドショーの設定」「ズーム機能」「印刷の設定」などの操作知識が問われます。
PowerPointのMOS資格検定科目には以下の種類があります。
難易度 |
一般レベル(スペシャリストレベル) |
Excel 365&2019 |
Excel 2016 |
Excel 2013 |
④Access(アクセス)
Accessはパソコンでデータベースを管理するためのMicrosoft Officeのソフトウェアです。
「Access2013」と「Access2016」の一般レベル(スペシャリストレベル)では「データベース設計の基本」「データベースオブジェクトの作成」などの基本操作が問われます。
「Access2016」以前のバージョンは、難易度が一般レベルのみでしたが、WordやExcellより難易度の高い機能のため、「Access365」と「Acess2019」は上級レベルの試験のみとなりました。
AccessのMOS資格検定科目には以下の種類があります。
難易度 |
|
一般レベル(スペシャリストレベル) | 上級レベル(エキスパートレベル) |
なし | Access 365&2019 エキスパート |
Access 2016 | なし |
Access 2013 | なし |
⑤Outlook(アウトルック)
Outlookはパソコンで文書作成を行うためのMicrosoft Officeのソフトウェアです。
難易度は一般レベルしかありません。「メールの作成や編集」「予定表やタスクの管理」などの操作知識が問われます。
OutlookのMOS資格検定科目には以下の種類があります。
難易度 |
一般レベル(スペシャリストレベル) |
Outlook 365&2019 |
Outlook 2016 |
Outlook 2013 |
【MOS資格検定の日程&受験方法・受験料】
①日程&受験方法
MOSの試験会場は「全国一斉試験」と「随時試験」から選択することができます。
「全国一斉試験」の開催頻度は毎月1~2回で、試験日の1か月半~1か月ほど前からオンラインで申し込みが可能です。受験場所は一斉試験実施会場から選択することができます。
「随時試験」は、全国約1,700の試験会場で、ほぼ毎日開催されています。直接会場に申し込みを行います。
どちらの受験方法でも、一般レベル(スペシャリストレベル)と上級レベル(エキスパートレベル)のMOS資格検定が受けられます。
②受験料
MOSの受験料は、9,800円(税込10,780円)または11,800円(税込12,980円)です。
それぞれ学生割引があり、7,800円(税込8,580円)、または9,800円(税込10,780円)です。
※受験時に変更になっている可能性があるので、詳細は受験前に公式情報をご確認ください。
【MOS資格を持つメリット】
①スキルを客観的に証明できる
Microsoft Officeのソフトウェアが使えることは、目に見えないスキルです。MOS資格を持つことは、その目に見えないスキルを客観的に証明することができます。履歴書には種類と難易度別に記載することができます。
②勉強したことが実務力に直結する
MOSの試験内容は、Microsoft Officeを使った資料作成やデータ管理など実務的なものであり、MOS資格を取得するためにした勉強が、仕事でのスキルアップに直接繋がります。
他にもExcelで家計簿をつけることができ、日常生活でも役立つことがMOS資格を持つことのメリットです。
③就職活動や転職活動に有利
Microsoft Officeは、社会人に必須のスキルです。Microsoft社が公式に認定しているので信憑性が高く、MOS資格を持っていることは、就職活動や転職活動の際の大きなアピールポイントとなります。
特に、事務職や秘書など、Microsoft Officeによる文書やデータ作成のスキルが仕事の成果に直結する職種ではMOS資格が有利です。
④世界で通用する資格
MOSはMicrosoft社が世界中で開催している資格試験です。いずれの国で受験しても、同じ難易度の問題が出題されます。世界共通の「合格認定証」や「デジタル認定証」がもらえるため、MOS資格は世界で通用します。
また、Microsoft社は、MOS資格検定に合格した学生がエントリーできるMOS世界学生大会を開催しています。学生のうちに将来仕事で役立つ実務スキルを身に付けておきたいならMOS資格を取得しておくことをお勧めします。
【MOS検定の勉強方法】
MOSは実務で役立つレベルに設定されているため、難易度はそこまで高くありません。一般レベル(スペシャリストレベル)との合格率は約80%、上級レベル(エキスパートレベル)の合格率は約60%です。
MOSの合格基準は1,000点満点中700点以上と言われています。しかも、700点が合格基準点という訳ではなく、特に上級レベル(エキスパートレベル)の場合700点より低くても合格することがあります。
難易度が高くないので独学でも合格を狙うことが可能です。しかし、自分で勉強すると長続きしないなど自信がない方はパソコン教室や通信講座を利用するのも良いでしょう。
MOS資格を取得するために勉強を開始するには、まず初めに必要なMicrosoft Officeのソフトウェアがパソコンにインストールされている必要があります。
MOS検定の各勉強方法の特徴や詳しい内容を見ていきましょう。
①独学で勉強する方法
・テキストを購入する
MOSは、独学でも十分に合格が狙えます。使用する参考書や問題集は、MOS対策のために作られたものを購入することをお勧めします。自分にとって見やすく勉強しやすいと思えるテキストをじっくり選んでください。特に、始めたばかりの人はなるべく分かりやすい物を使う用にしましょう。
また、難易度と様々な種類の科目があるため、自分が受けようとしている科目とテキストに相違がないか確認してから購入しましょう。
・試験日を決める
自分が試験を受ける日を決めましょう。学習スケジュールが立てやすくなります。試験日を決めないと、つい怠けてしまい、受験が先延ばしになってしまう人が多いでしょう。早めの合格を目指すなら、受験日決めておく方が合格に近づきます。
・テキストを読む
パート毎などに区切って読み終わるスケジュールを決めましょう。テキストを購入後、1週間ほどを目安とすることをお勧めします。1パートを読んで、練習問題を解くということを繰り返しながら進めることで、内容を理解しているか確認できます。
1度テキスト全部を終了したら、最初から再開しましょう。細かい部分が理解できるようになり頭に定着します。
・実践問題を解く
MOSには過去問がありません。類似した模擬テストのようなテキストを購入して、何度も繰り返し解いていきましょう。
・時間配分を考える
どんな試験にも言えることですが、時間配分は重要です。合格に必要な得点は7割程度なので、完璧を求められているわけではありません。時間配分をしっかり考えておき、制限時間以内に解くことを目指しましょう。1問1問にじっくり時間をかけていると最後まで解ききれず、絶対に解ける問題を逃してしまう可能性があります。
迷っている問題には印をつけておき、時間が余ったらじっくり解くという方針でできるように練習しておきましょう。
②パソコン教室に通う
普段パソコンを使わない方や、Microsoft Office(マイクロソフトオフィス)をほとんど使用したことがないなら、まずはパソコン教室に通う方がよいでしょう。独学で始めると、最初のうちはかなり苦戦して、モチベーションが下がってしまう可能性が高いです。
MOS “パソコン教室”や”MOS” “スクール”などで検索して、ご自分の通いやすい教室を見つけてください。
③通信講座を受講する
通いやすい場所にパソコン教室が見つからない場合、通信講座の受講も良いでしょう。”MOS” “通信講座”で検索するとランキングなども出てきますので、料金や内容を比較して自分に合った講座を見つけてください。
④大学で学ぶ
大学進学を考えていて、将来的に企業で働く意思のある高校生は、MOS資格取得に必要な授業のある大学や専門学校、そして学部を選ぶことをお勧めします。
1番最適な方法は、就職したい業種の関連分野が学べる大学・学部に進学してMOSを取得することです。
以下は、MOSが取れる大学の主な学部です。希望する大学のホームページなどで確認してみましょう。
・経済学部
・経営学部
・法学部
・文学部
・商学部
・外国語学部
・社会学部
・教育学部
・工学部
資格取得やインターンシップといったキャリアサポートが充実している、日本経済大学の福岡校・渋谷校・神戸校の経営学科、グローバルビジネス学科、SDプログラムには、在学中に取得可能な資格にMOSが含まれています。
多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた支援をしています。1年次から将来のビジョンを持ち、専門分野を学べるのが日本経済大学の特徴です。
おわりに
MOS資格を取得するために必要な内容を紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか?
MOS資格を持っていると社会に出て様々なメリットがあります。将来の就職活動、転職活動、スキルアップを目指して、是非MOS資格の取得を目指してみませんか?