「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」という意味合いのあるSDGsは、国連総会が2015年に採択した「17のゴール」によって成り立っているものです。紛争・貧困・差別・気候変動といった、世界中で起こっている問題に対して、2030年までに解決・達成することを目標に掲げています。
世界中から関心が寄せられているSDGsは、日本の各大学も積極的に取り上げて、学習の一環として取り組んでいることをご存知でしょうか。
今回は、SDGsが学べる大学について、当記事が厳選した15の大学を紹介します。
1.東京大学
東京大学は、SDGsとの方向性が合致する東京大学未来協創推進本部登録プロジェクトを結成・推進しています。プロジェクトで進めているのは、以下の分野です。
- 人間支援工学分野
- 新エネルギー分野
- 人間支援工学分野
- 共創まちづくり分野
- 気候変動科学分野
- グローバル気候力学分野
それぞれが、障害者のための教育・新エネルギー・雇用問題・少子高齢化問題・気候変動などを取り上げて、日々研究を続けています。
https://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/about/sdgs.html
2.慶應義塾大学
慶應義塾大学では、SDGsに対して、そして目標達成の年として設定されている2030年以降の「Beyond SDGs」を見据えて、独自の取り組みを行なっているのが特徴です。
大学では、日本の未来を背負う学生たちに能動的にSDGsの方針を考えてもらうために、塾生会議を発足させました。紛争や天災、各種問題に対応できる知識・応用力・実行力を養い、身につけてもらうことが会議の目的です。
数々の課題の検討、それに対応するための活動だけでなく、大学内の学部・学科を超えた多くの仲間たちとの協力・団結力を養うことも、この会議では期待しています。
学生だけでなく教職員が一体となって、SDGs、Beyond SDGsに取り組む方針です。
https://www.global-sdgs.keio.ac.jp/sdgs/
3.立命館大学
立命館大学は、「世界に共通する課題・世界とつながりチャレンジする学園」というテーマで、SDGsに取り組んでいます。立命館大学が具体的に取り組んでいることは、以下の通りです。
- カーボンマイナスの挑戦(CO2減少を実現するために)
- ライフサイクルアセスメント
- イネの形崩れ防止
- 大学院生による健康の研究
- 京都の絶滅寸前種の定植
- 防災研修会の講義
シームレス・多様性を重視した方針を打ち出して、日々活動しています。
https://www.ritsumei.ac.jp/sdgs/
4.上智大学
カトリックの伝統と信念を推進し受け継いできた上智大学は、SDGs発足以前から、国際性の教育・研究活動、人種・国の分断に対する諸課題に取り組んできました。
従来の建学理念に加えて、SDGsが掲げる人類社会の発展・人間の尊厳を守るために、上智大学は独自の取り組み方をしています。
「貧困・環境・教育・倫理」といったさまざまな問題に取り組み、人間の尊厳の尊重・社会的責任の育成を掲げて、人材育成を行なうのが目標です。
5.横浜国立大学
横浜国立大学は、世界の変革を掲げて発足したSDGsの理念に強く賛同して、大学内でもSDGsの核活動を実践しています。
大学として、SDGsの達成のためにどんな役割ができるのか、従来の学校の理念と照らし合わせて、先進性・実践性・国際性・開放性を主軸として、大学全体が一丸となって取り組みを行なっているのが特徴です。
横浜大学が取り組んでいるのは、「風力発電を備えた電力システム研究」「深海資源探査と環境保全研究」「地域実践教育センターの取り組み」「横浜国立大学男女共同参画宣言」などです。
6.明治大学
開校時に「同心協力」「権利自由」「独立自治」を建学の精神としてきた明治大学では、紛争・貧困など人間の尊厳を守るためのSDGsの理念に強く賛同して、SDGsに関するさまざまな教育研究活動を行っている大学です。
LGBTの兆候がある子ども及びその家族の交流会・海外でのSDGs交流・スポーツを通じたSDGs活動、環境問題への取り組みなど、その活動は多岐にわたります。特にジェンダー問題に関する問題は多く取り上げており、真の平等・自由を追及しているのが特徴です。
https://www.meiji-sdgs.jp/efforts/
7.北海道大学
「接続可能な未来をともにつくる」をキャッチコピーに掲げて、SDGsに大学全体で取り組んでいるのが、北海道大学です。多様性の尊重・ポスト・コロナの社会創造をテーマに大学の理念とSDGsの目標が合致した活動を行なっています。
その活動内容は、気候変動研究、環境報告書の発表、農業活動、こころとカラダのライフデザインなどです。
8.京都大学
京都大学は、長年の伝統によって築き上げてきた倫理観・学術性・国際的視野を活かして、SDGsに積極的に取り組んでいます。
その活動の一つが、「エコ~るど京大」です。エコ〜るど京大とは、SDGs・環境問題に対して、学生と教員が協力して活動するネットワークです。
京大内においてエコ・SDGsを学ぶための学校という意味合いがあるエコ〜るど京大にて、多くの学生・教員を超えた多くの有志が、SDGsについて取り組んでいます。
9.東北大学
東北大学は、「「社会にインパクトある研究」でSDGsに取り込んでいます。「社会にインパクトある研究」とは東北大学の研究プロジェクト群の名称で、経済・社会が抱える問題に対して研究を行っています。
このプロジェクトはSDGs発足前から活動していましたが、SDGsが掲げる目標と共通している部分も多々あるので、SDGs達成のための貢献度も高いです。「持続可能で心豊かな社会の創造」が東北大学版SDGs活動の方針となっています。
https://impact.bureau.tohoku.ac.jp/sdgs.html
10.関西学院大学
関西学院大学は、創造性に長けた人材育成を進めると同時に、「教育・研究・経営」とリンクさせたSDGs推進のための活動を行なっているのが特徴です。
「誰一人取り残さない」を理念に掲げているSDGsは、関西学院大学が掲げている精神・目標と深い親和性があり、力を入れて、SDGs活動に取り組んでいます。
https://kgc2039.jp/sdgs/initiative/
11.広島大学
広島大学では、SDGsに関するさまざまな取り組みを行なっています。その取り組みの事例は以下の通りです。
- アフリカの貧困問題の解決
- 地震・地形に関する研究
- SDGs人材の育成
- 環境報告書の発行
- 地域の課題解決に貢献する研究
- 一般市民を対象とした健康講座・体力測定会の実施
- 光合成活性と植物バイオマスの上昇に関する研究
https://nerps.hiroshima-u.ac.jp/efforts/
12.信州大学
信州大学は、SDGsの17のゴールの一つである「安全な水とトイレを世界中に」の達成に向けて活動しています。ゴール達成のために信州大学が結成したのが「信州大学アクア・イノベーション拠点」です。
信州大学には以前から水に関する研究に力を入れており、そのための材料技術が豊富にあります。
それらを駆使して、海水などあらゆるタイプの水源から使用可能な水の製造・循環をする「革新的な造水・水循環システム」の構築に力を入れているのが特徴です。
水循環社会を実践して安全で豊かな社会の実現、そしてSDGsのゴール達成を目指して生活の質の向上を目指しています。
https://www.shinshu-u.ac.jp/coi/problem/sdgs.php
13.岡山大学
岡山大学は、地域密着型のSDGs活動を行なっているのが特徴です。地域との強いパートナーシップを結び、SDGs推進に力を入れています。
地球温暖化や気候変動、エネルギー問題、農業、生態系。植物、遺伝。がんや健康、感染症、高齢化、教育など、さまざまな問題に取り組んでいるのが特徴です。
14.国際連合大学
国際連合大学は、SDGsが掲げるゴールすべてを達成するための研究分野が揃っています。国際連合大学の強みは国内だけにとどまらず世界各地に研究機関を有している点です。
高度な専門的な課題に対応可能なグローバルネットワークを持っており、400人以上の研究者が180を超えるプロジェクトに関わっています。
豊富なアイデア・知識をもとにSDGsの取り込みに大いに貢献できることが、この大学の特色です。
15.日本経済大学
日本経済大学の経済学部・経済学科には、SDGs・環境ビジネスコースが用意されています。このコースについては、次の段落で紹介しましょう。
日本経済大学
日本経済大学の経済学部・学科には、社会問題に目を向けて解決策を生み出す思考力・それを実践する行動力・積極性を養う「SDGs・環境ビジネスコース」があります。
このコースは、SDGsをテーマとしたコースで、SDGsビジネスの基礎・応用が学習できるコースです。SDGsが掲げているゴールである環境・貧困・食糧危機・教育・差別・紛争といった世界規模の問題、そしてローカルな地域問題まで、幅広い分野の解決策・実践力を育成します。
学生たちもただ教わるのではなく、発想力・行動力を鍛えて、自主的に活動していくことを推進していくことも、このコースの特徴です。
また、在学中にさまざまな資格取得のサポートも行なっています。SDGs活動のために必要な知識・スキルの習得だけでなく、就活にも有利になるでしょう。
https://www.jue.ac.jp/department_top/general_business/sdgs_environmentalbusiness/
まとめ
SDGsは、世界中で起きているあらゆる問題を解決するための、重要な要素です。紛争や差別・貧困や格差社会といった太鼓の昔から抱えている根深い問題、そして各地域が持つローカルな問題まで、幅広い解決策のための知識・スキルが要求されます。
そして、そのような世界規模で起こっているムーブメントにしっかりと対応して、学業に取り組んでいる大学も決して少なくありません。
日常生活と決して無関係ではないSDGsについて深く学びたい人は、SDGsに大々的に取り組んでいる大学への進学を検討してみてはいかがでしょうか。
「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。
■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)
都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立された大学です。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は、経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持っています。日本有数の、留学生を抱える国際色豊かな大学です。