修士号と博士号の違いとは?博士号取るにはどうする

by GAWA_K

修士号・博士号は、なんとなく名前だけは知りつつもあまり一般的に馴染みがないために、具体的な意味がわからない、という人は少なくないでしょう。

果たして、修士号・博士号とは、どのような意味合いがあるのでしょうか。今回は、修士号・博士号の定義、取得方法・将来の就職先や向いている人の特徴などを、詳しく解説していきましょう。

 

修士号・博士号とは

大学で必要単位を取得して無事に卒業できると、学士号という学位を授与されます(短期大学の場合は短期大学士)。では、学士号とは異なる修士号・博士号とは、いったいどのような意味合いがあるものなのでしょうか。次より修士号・博士号の定義を説明します。

修士号とは

修士号とは、大学院にて修士課程・博士前期課程を修了したものに授与される学位です。修士号は英語だと「Master’s Degree」といわれており、日本では「マスター」とも呼ばれることもあります。

修士号を取得するには、「大学院に2〜4年在籍して必要単位を取得」が条件です。そして、修士論文の提出・最終試験に合格する必要があります。

修士課程は、学士(大学卒業)の段階で、大学教授に推薦をもらうパターンが多く、この段階で自分が大学院で研究したい分野を一つ選択しなくてはいけません。大学院に進学したら、大学よりさらに特化した専門性の高い研究を行ない、一定を実績を上げる必要があります。

晴れて大学院を終了して修士号を得た人材は、専門分野の深い造詣の所有、高度な専門性が必要な職業にて即戦力になる人材という評価を受けるでしょう。

博士号とは

博士(はくし)号とは、大学院にて博士課程・博士後期課程を修了したものに授与される学位です。英語では「PhD」「Doctor’s degree」、日本では「ドクター」とも呼ばれています。

博士号は以下のように2種類が存在するのが特徴です。

  • 課程博士:博士後期課程に3年以上在籍・博士論文の提出で合格したものが得られる学位
  • 論文博士:大学院の在籍期間は関係なく博士論文を提出して合格したものが得られる学位

医学部・獣医学部など医療系6年制の学部を卒業した人は、卒業した時点で「修士相当」の扱いになることが多く、大学院に進学したら博士課程に移行するのが一般的な流れとなっています。

博士号を取得した人材は、大学教員になることが多いですが、その専門性を活かして民間企業に就職するパターンも珍しくありません。

 

修士号のメリット・将来の就職先

修士号を習得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下より修士号のメリット・修士号の就職先を紹介しましょう。

修士号のメリット

修士号の取得を目指すメリットは、専門性の高い知識を身につけた証拠になることです。どんな企業においても修士号の取得があるだけで面接初期の段階で高い評価を得られて、内定をもらいやすいといえます。

高度な専門性を持っているため、どの企業も即戦力として期待される人材と評価してくれるでしょう。

また、大学院に進学することで、さらに2年間、将来に関して考える猶予ができることもメリットです。大学4年のうちに将来の夢が決まらなかった、あるいは4年を費やしても学力不足と感じる人もいるかもしれません。そのような人が世間体を気にして「とりあえず就職」という感覚で社会人生活を開始しても、仕事に集中できないでしょう。

しかし、大学院に進学して修士号の取得を目指した場合、大学より充実した環境で研究に没頭でき、さらに2年間自分の将来について熟考することができます。

修士号を取得したあとの進路

修士号を取得したあとの人材の就職先は、民間企業のメーカーの開発部などです。修士号の取得により、高度な知識・スキルを持っていないとできない業務を任されるでしょう。

また、理系の院生の場合、大学院の推薦制度があります。大学院の教授はさまざまな企業の強固なコネクションを持っていることが多いため、通常の就活よりも有利に就活を進められて早い段階で内定が出ます。

博士課程への進学も、修士号の取得のあとの選択肢の一つです。より専門性の高い研究をしたい人は、進学を希望します。

 

博士号のメリット・将来の就職先

博士号のメリット、取得後の進路を、以下より紹介しましょう。

博士号のメリット

博士号の取得を目指すメリットは、修士号より格段の専門性の高い研究に没頭できることです。通常の環境では習得できない高度な技術・知識の研究に没頭できるため、恵まれた環境で研究に集中できます。

また、修了後は、一般企業に加えて大学教授など働く選択肢が増えることもメリットです。企業への就職・教授などどんな分野においても、その道のスペシャリストとして高待遇で迎え入れてもらえるでしょう。

博士号という学位は海外でも通用することも、博士号の取得のメリットです。国内だけでなく海外も視野に入り働き先の選択肢が増えるため、将来の可能性が広がります。

博士号の将来の就職先

博士号を取得した人材の進路は、公的機関・民間企業の研究職・大学教員・医療機関などがあります。修士号と同じく大学院の教授から推薦を受けて、企業や機関から内定をもらうことも可能です。

また、身につけた高度な知識に加えて他の資格取得をして、コンサルティング業務を独立開業で始めるパターンもあります。

 

修士号が向いている人

修士号の取得はどのようなタイプの人が向いているのでしょうか。向いているタイプを以下より紹介します。

「研究」ではなく「勉強」が得意な人

大学院の特色は、それまでの学生生活とは格段に違う、恵まれた環境で研究に没頭できることです。大学院で実践することは今までの勉強・学習ではなく「研究」といっていいでしょう。そのため、大学院を修了して学位を得た場合、他の人には専門性の高い高度な技術・知識を身につけることが可能です。

しかし、大学院へ進学する人の中には、大学院はあくまで大学の延長であって研究ではなく「勉強」と捉えている人もいるでしょう。そのような人は、過去の学生生活で行なった勉強の手順が得意なのであって、研究はそれほど向いていないかもしれません。

確固とした答えがある学校の勉強と違い、研究は一つの答えが簡単に出ないものです。研究に没頭すればするほど新しい発見があり、それが研究の醍醐味といえますが、あくまで勉強が得意な人の場合、はっきりとした答えが出ないと不安に感じるかもしれません。

もちろん修士課程で学んだことは無駄にはならないので、研究ではなく勉強が得意な人は、博士課程に移行せずに修士号で修了する流れがいいといえるでしょう。

短期集中型の人

過去の学生生活で長時間机に向かっての勉強が苦手だったため、短期集中型で要点を押さえる・暗記するというやり方をしていた人は、博士号でなく修士号が向いているでしょう。

大学院の研究は長期間にわたって行ないます。長時間、研究に没頭する集中力がないと務まらないため、より長期にわっての集中が必要な博士号が向いていないかもしれません。

就職を有利にしたい人

修士号を取得した人は、それだけ専門性の高い知識を身につけた証拠になるため、各企業は即戦力を期待して、重要なポストを用意してくれるでしょう。大学院からの推薦もあるため、内定はすぐに決まるケースが多いです。

 

博士号が向いている人

博士号が向いている人はどのようなタイプなのか、その特徴を以下より紹介しましょう。

自分の専攻を深く追求したい人

大学の4年間を得てそのまま就職するのではなく、自分が専攻をさらに学びたいという人は、博士号が向いています。大学は高校、過去の義務教育よりも学習のための環境が充実しているので、より専門性の高い学習を進めることが可能です。

しかし大学の4年間で満足できなかった場合、研究の意欲がありながらその気持ちを中断してそのまま就職するのは、不完全燃焼といえるでしょう。そのような要望に応えてくれるのが、ハイレベルな環境が整った大学院という場所なのです。

そのような自分の興味を追求したい人は、数年間研究に没頭できる博士課程が向いています。

集中力が続く人・忍耐力がある人

興味のあることに没頭して気がついたら何時間も経過してしまう経験が多々ある人、長時間気持ちが途切れない集中力のある人は、博士号の取得が向いています。

大学院で実施される研究は、長期間にわたって行うものであり、簡単には研究成果が出ません。何日間も研究を続けて急に研究経過が激変して、また1からやり直しというパターンも珍しくないでしょう。このようなこと何度も続くと、集中力が続かず挫折してしまう人も少なくありません。

長期間の研究が苦にならない人、何があっても気持ちが折れない人は、博士号の取得が向いています。

好奇心旺盛な人

研究の世界では、最新情報の更新頻度が高いことで知られています。最新の情報・論文が発表されて、今後はそれらが主軸になっていくのかと思ったら、また最新の情報が発表されるというパターンは珍しくありません。

人によっては、最新の情報が飛び込んできて頻繁に変わる研究成果、長期間を費やしてもはっきりとした結果が出ない研究に対して、苛立ちを感じる人もいるでしょう。

しかし、そのような環境を楽しめる人は、博士号に向いています。好奇心旺盛であれば、最新の情報は今まで知らなかった発想が新たに加わることなので、こんなに楽しいことがないでしょう。また、そのようなタイプの人は常に各所をチェックして最新の情報を取り入れる作業を、義務ではなく自然と行なえます。

新たな研究成果が出るたびに喜びを感じる、好奇心旺盛な人であれば、長期間の研究も苦にならないでしょう。

自分の将来をじっくりと考えたい人

大学院の博士課程は3〜5年です。同世代は高校卒業をした数年前に社会人として働いている人もいるでしょうが、自分が何が向いているか、どんな仕事をしたいか時間をかけてじっくり考えたい人は、数年間、研究に没頭できる博士課程が向いています。

コミュニケーション・トークスキルに自信がある人

大学院生というと研究に没頭して人との交流がほとんどないというイメージがありますが、研究の世界では自分の自説・研究成果を以下に他者に伝えて理解してもらえるかが重要になります。それを円滑に行わないと研究は進まないといっていいでしょう。コミュニケーションスキルがあり自分の考えを伝えるのが上手な人は、博士号の取得に向いています。

まとめ

大学院は、先鋭的で高度な知識・技術を習得できる貴重な機関です。そのような場所に「就職したくないからあと数年学生生活をするか」という軽い気持ちで進学すると、長続きはしないでしょう。

大学院に進学しようか検討している人は、修士号・博士号という学位の種類およびその特徴を知っておくことが大事です。また、取得する際のメリットや取得後の進路などはどうなっているのか、頭に入れておくことも大事です。

大学院で身につく技術・知識は専門性の高い高度なものですが、取得するためには長期間の集中力も必要です。修士号・博士号が本当に自分にふさわしいかどうか、じっくりと考えてから行動しましょう。

 

 

「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。

 

■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)

都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立された大学です。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は、経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持っています。日本有数の、留学生を抱える国際色豊かな大学です。

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