経営学部と言えば、文系の中でも男子学生が多いイメージがありますが、最近では経営学部の中にもファッションビジネスや観光経営学べる学科など、女子に人気の学科を提供している大学が増えており、経営学部を志望する女子学生も増加しています。そこで今回は、経営学部で学ぶ女子学生についてのイメージや就職先、必要なスキル、資格などを解説していきます。最後には女子に人気の職種が目指せる経営学部がある大学も紹介しますので、「経営学部に興味はあるけれど、経営学部で学んだ後の女子学生の就職先はどのようなところがあるのか？どんなスキルが身につくのか？」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

経営学部女子のイメージは？

経済学部の女子は「文系女子」です。文系女子には知識が豊富で表現力があり、感受性が豊かな人でコミュニケーション能力やサービス精神が高い人が多い傾向があります。そして、経営学を学ぶ人は、団体や組織に興味を持ち、その中でどのように自分が動けばよいか、周りの人をどのように動かせばその団体や組織がうまくいくかを学習するため、学際などのイベントではリーダーシップを発揮できる能力も持ち合わせています。会計学も学ぶため、金銭感覚も身に付きます。
つまり経営学部の女子には以下のようなイメージが挙げられます。
・知識が豊富で表現力がある
・感受性が豊かな人でコミュニケーション能力やサービス精神が高い
・リーダーシップを発揮できる
・金銭感覚がある

経営学部の女子の割合はどれくらい？

文系の中でも女子より男子のほうが多いイメージの経営学部ですが、実際、女子の割合は大学によって様々です。例えば、男子学生が多い明治大学では男女7:3ぐらいの比率ですが、立教大学では男女の比率はほぼ同じぐらいで、若干男子学生が多いぐらいです。女性も社会での活躍が増えており、経営に関する知識を身につけ、キャリアアップを意識する女子学生が増えていることから、経営学部を選ぶ女子学生が増えているのでしょう。

経営学部は女子の強い味方！

今まで、女子大生の就職先は企業や会社の事務、銀行や自治体の総合窓口業務などの「一般職」が多かったのですが、最近ではオフィスの定型業務やルーチンワークを自動化してくれる「RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）」や、人工知能「AI」に取って代わられつつあり、一般職の募集が減少しています。そのため、これからは女子大生も将来的に会社の管理職や幹部候補を目指す「総合職」で活躍できるようになる必要があります。

総合職は会社や企業内で複数の部署や業務を経験するため、幅広い能力を身に付ける必要があります。主に「事務系総合職」と「技術系総合職」に分かれ、そのうち文系出身者が多いと言われるのは「事務系総合職」で、経理や総務、法務、労務、人事、営業、企画などの職務を数年かけて順に経験し、各分野での経験を積み重ねながらキャリアアップを目指します。

経営学部は経営学、商学、会計学などを学ぶため、総合職で活かせる学びがたくさん用意されています。経営・組織戦略、マーケティング、財務・会計の3つの項目は就職後も大いに役立ちます。これから就職先の幅を広げていかなければならない女子大生にとって、経営学部の学びは強い味方となるでしょう。
最近では、女子大にも経営系学部や経営学が学べる学部が設置されるようになっています。

経営学部女子の就職先は？

文系女子である経済学部女子は知識が豊富で表現力があり、感受性が豊かでコミュニケーション能力やサービス精神が高い人が多い傾向があり、リーダーシップを発揮できる能力も持ち合わせています。その特徴と経営学の知識があれば、幅広い職業で活かすことができます。

例えば企業・会社の経理・営業・商品企画・広報・宣伝、金融業界では営業・ファイナンシャルプランナー、保険業界・不動産業の営業、飲食業界・食品業界の販売・経営、デザイン・アパレル業界接客業では接客・営業・バイヤー・企画、観光業界では旅行代理店の営業・企画、公社団体・官公庁の事務員、教師(中学校教諭・高校教諭)、経営コンサルタントなども経営学部女子が狙えるところです。

●企業・会社の経理・営業・商品企画・広報・宣伝などの部署に就くことが可能●

金融業界・・・営業・ファイナンシャルプランナーなど
保険業界・不動産業・・・営業など
飲食業界・食品業界・・・接客・販売・経営など
デザイン・アパレル業界・・・接客・営業・バイヤー・企画など
観光業界・・・旅行代理店の営業・企画など
公社団体・官公庁の事務員、教師(中学校教諭・高校教諭)、経営コンサルタントなど

その他、カフェや小料理屋、ショップなどを経営したり、こども関連のビジネスに関わったりと、経営学部女子の能力は様々なところで発揮することができます。

経営学部女子に必要なスキルや資格は？

経営学部の女性学生にとって、資格はキャリアの扉を開く鍵となります。例えば、日商簿記検定は、経理や財務の基本的な知識を証明し、事務職や経理職への道を開きます。また、MOS（Microsoft Office Specialist）は、ビジネスで必須のオフィススキルを証明し、あらゆる業界での就職に有利です。ファイナンシャル・プランナーの資格は、金融や保険業界でのキャリアに役立ち、顧客の資産管理やライフプランニングに関する専門知識を提供できます。さらに、TOEICの高スコアは、グローバル企業での就職や国際的なビジネス環境でのコミュニケーション能力を示します。これらの資格は、経営学部で学ぶ女性が自身のスキルを証明し、競争力のある就職市場で優位に立つための重要なツールとなります。資格取得に向けた努力は、自信の向上とキャリアの成功に直結します。

女性は結婚や出産によるキャリアブランクを経験することがあるため、男性よりもスキルを磨く必要があります。大学で組織運営の基礎知識やマネジメント能力、マーケティングに関する知識やスキルをしっかり学ぶことが重要です。また、就職活動に備えて、計画的に資格を取得することも大切です。以下では、経営学部の女子学生が就職活動時に役立つおすすめの資格をご紹介します。

●日商簿記検定2級以上

事務職希望の場合、有利になります。2級以上を取得していれば企業でも評価されやすくなっています。経営学部であれば大学の科目にもあるので、履修していれば3級レベルの合格はしやすく、2級合格率も上がるはずです。

●MOS(Micro Office Specialist)

マイクロソフト社製のWordやExcelなどのオフィスソフトのスキルを証明する国際資格です。事務職ではもちろん、その他の職でも資料や会議の議事録作成など、オフィスソフトを使う場面は多くあり、仕事を効率よく進めるためには必要な資格といえるでしょう。

●ファイナンシャル・プランナー2級以上

税金や社会保険、年金制度などに関する知識を身に付けて人生設計を行う、「お金の専門家」です。2級以上を取得しておくと主に金融、保険、証券、不動産業界や、一般企業の経理・総務への就職に役立ちます。就職のためだけでなく、自身の普段の生活や家計に関する身近なお金についても学ぶことができます。

●TOEIC(Test of English for International Communication)600点以上

日本語で言うと国際コミュニケーション英語能力テストのことです。高いスコアであればあるほど、実践的なビジネス英語力を持っていることをアピールすることができます。グローバルな企業での就職を希望する場合は、スコア600点以上を取得しておくと有利に就職活動を行うことができます。

これらの資格は就職後も大いに役立てることができるスキルとなります。その他にも経営学検定、経済学検定試験、マネジメント検定、統計検定(2級以上)、中小企業診断士、税理士、公認会計士、宅地建物取引士など、難易度は異なりますが、経済学部で取得を目指せる資格は多くあるので、興味がある資格があれば在学中に取得しておくことをおすすめします。

経営学部で学ぶ女性のためのキャリア開発ガイド

経営学部で学ぶ女性たちにとって、キャリア開発は重要なステップです。まず、自分の強みと興味を理解し、それに基づいてキャリアの目標を設定しましょう。次に、ネットワーキングの重要性を理解し、業界イベントやセミナーに積極的に参加して、貴重なコネクションを築きます。また、メンターシップはキャリア開発において不可欠です。経験豊富なメンターを見つけ、定期的なフィードバックとガイダンスを求めることで、キャリアの方向性を見極めることができます。さらに、実践的なインターンシップやプロジェクトに参加することで、理論を実践に移し、実務経験を積むことが重要です。これらのステップを踏むことで、経営学部で学ぶ女性は、自分のキャリアを積極的に形成し、成功へと導くことができます。

女子に人気の職種が目指せる経営学部がある大学

冒頭でもご紹介したように、最近では経営学部の中にもファッションビジネスや観光経営が学べる学科など、女子にも親しみやすい学科やコースを設けている学校が増えてきました。ここではどのような学科やコースがあるのか、ご紹介いたします。

淑徳大学(千葉・埼玉・東京)

経営学部 観光経営学科

「経済学」と「観光学」を同時に学ぶことができ、観光産業や観光地で活躍できる人材を目指すことができます。ゼミなどで実際に観光現場を訪れたり、そこで働く人々の話を聞いたりすることで、実践的な課題解決能力を身につけると同時に、現場で必要な経営学とホスピタリティ精神(おもてなし精神)を学び、観光産業を担うマネジメント人材としての能力を養います。

また、旅行業、ホテル、ブライダル、エアライン、レジャー施設、鉄道などの分野から観光産業の経営実態に触れ、実践力も身につけることができます。在学中には、旅行業務取扱管理者、サービス接遇検定、TOEICなどの資格を取得することが可能です。さらに、将来観光の現場で活躍するために役立つ講座も提供されています。

大阪成蹊大学(大阪)

経営学部 経営学科食ビジネスコース

「企業経営」「公共経営」「食ビジネス」「スポーツビジネス」の各分野から選択し、コースに分かれて学びます。その中で食ビジネスコースは「経営学」、「食物学」、「情報学」を通じて「食」のマネジメント力を培います。

食品開発、食品流通、フードコーディネートに関する知識や、企業経営の疑似体験、ファームの農業体験を通じて食ビジネスの基礎を学習します。また、食料の生産から加工、流通、販売までの流れ(フードチェーン)を視察し、オリジナル商品の企画・開発と売場実習などを通じて食に関する企画や提案力を養います。カフェ経営実習なども実施しており、カフェやレストラン店舗の開業に必要な経営や企画、調理、メニュー開発などの知識とスキルを学ぶこともできます。

食品・飲料メーカー、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店や農業法人、外食・中食産業、商社など、食関連のさまざまな分野で活躍する人材を目指すことができます。

静岡産業大学 (静岡)

経営学部心理経営学科

静岡産業大学の経営学部心理経営学科には保育士養成課程が設けられており、保育士の知識だけでなく、「経営学」、「心理学」、「保育学」で、子供たちを心身ともにサポートし、現代の保育現場の課題を解決できる保育士の育成を目指しています。実際の保育園に近い環境で行える保育実習室や小児保健室、図画工作室、音楽室、調理実習室、ダンス場がある「こども教育棟」を設けており、演習・実習形式の科目が多く取り入れられています。

日本経済大学(福岡・兵庫・東京)

経営学部 グローバルビジネス学科 エアラインビジネスコース

航空業界を中心に観光産業を幅広く学ぶことができ、豊富な語学教育や世界に通用するおもてなしの心を磨き、高いコミュニケーション能力を身に付けることができます。また、JALと教育提携を結んでいるため、専門指導や実践研修を受けることがができます。「エアラインビジネス論」「エアライン実務」「ホスピタリビジネス」「航空産業論」など、経営学部ならではの特色ある科目で、空港業界への就職に必要な知識と実践力を養います。

経営学部 経営学科 飲食ビジネスコース

食品開発や経営に関する深い知識を学習し、飲食・食品業経営のエキスパートを目指すことができます。フードビジネスに必要なマネージメントやフードコーディネートの技法の基本が学べる科目や、「食文化論」「食と健康」「食と安全」などの科目、フードマネジメントの演習、飲食店経営を通して経営、企業・事業承継に役立つ知識を身に付けます。

経営学部 芸創プロデュース学科 ファッションビジネスコース

ファッションをデザインとビジネスの両側面から捉え、最先端のファッションビジネスを動かす力を身に付けることを目指します。ファッションビジネスの基本的な知識が学べる「ファッションビジネス概論」、「ファッション」・「インテリア」の色彩を中心にカラーコーディネーションをはじめとするコーディネーション力を身に付ける「色彩学」、ファッショ造形を行っていく際の計画と実際のプロセスについて演習を取り入れながら学べる「ファッション造形論」、その他「ファッションリサーチ」や「アパレル販売論」「ファッションマーケティング論」など、業界に特化したマーケティングやビジネスの知識を習得することができます。

まとめ

今回は、経営学部で学ぶ女子学生についてのイメージや就職先、必要なスキル、資格などについて説明し、女子に人気の職種が目指せる経営学部を持つ大学を紹介しました。経営学部と言えば、難しい学問のイメージがあり、男子学生が多いと思われがちですが、最近では経営学部内にも女子に人気のある学科を提供している大学が増えており、女子学生の経営学部志望者も増加しています。

感受性が豊かでコミュニケーション能力やサービス精神が高く、リーダーシップを発揮できる経営学部の女子学生は、幅広い分野での職種で活躍が期待されます。将来、自分の店を持ちたい、新しい商品やサービスを生み出す仕事に興味がある、またはコンサルタントの仕事を志望しているのであれば、経営学部での学びはあなたの将来の目標の実現に役立つでしょう。