リハビリテーションの志望理由どうする?

「きっかけ・適性・将来像」を一本の物語にする

by info@remi.website

1. まず押さえる:「リハビリテーション学」とは何か

リハビリテーション学は、からだの機能活動参加の回復と拡大をめざし、患者さんの生活を再設計する学問領域です。代表的な専攻と役割は次の通りです。

  • 理学療法(PT):運動療法・物理療法・呼吸循環リハなどで動作・歩行・体力を改善

  • 作業療法(OT):日常生活動作(ADL)・就学/就労・高次脳機能・精神面を含む生活の再構築を支援

  • 言語聴覚(ST):ことば・飲み込み(嚥下)・聴覚・認知コミュニケーションの評価と訓練

  • リハ工学/義肢装具テクノロジーと補装具で機能代償・環境調整を実現

  • スポーツ・小児・老年・地域包括ケアなど、対象やフィールドに応じた専門化も進展

共通の根っこにあるのは、ICF(国際生活機能分類)の視点チーム医療エビデンスに基づく実践(EBP)、そして生活者中心の眼差しです。
→ 志望理由でも、「からだ」だけでなく「生活」と「社会参加」に目が届いているかが説得力を左右します。


大切な三つの観点:「志望理由の3要素」

  1. 動機(Why me?)

  • きっかけ:家族の骨折や脳卒中後のリハ、部活動のけが、ボランティア、地域福祉体験など

  • “医療のなかでもリハを選ぶ理由”:機能の回復=生活の回復という価値に共感、長期伴走に魅力、など

  1. 適性(Why fit?)

  • 観察力、継続力、コミュニケーション、学習習慣、身体運動/心理への関心

  • 具体例:解剖生理や体育・音楽・工作・発表活動、科学部でのデータ記録、介護体験の振り返り 等

  • 行動事実(いつ/どこで/何を/どうした/どう変わった)があるほど強い

  1. 将来像(Why now/this program?)

  • 関心領域:整形・神経・心肺・小児・高齢・嚥下・精神・地域など

  • 学びの一致:解剖学実習、卒業研究テーマ、地域連携実習、シミュレーション設備 など

  • 貢献の形:再入院の予防、社会参加支援、就労復帰、QOL向上の見える化 等

ワンポイント
「動機 → 適性 → 大学の学び → 将来の貢献」を一本のストーリーに結ぶと、読み手の記憶に残ります。


3.惜しい説明とは?

  • 「人の役に立ちたい」「運動が好き」だけで終わる → **誰の、どんな“生活の不自由”**をどう改善したいかまで書く

  • 職種の違いが曖昧 → PT/OT/ST/工学の境界と連携を自分の言葉で説明

  • 大学ごとの特色に触れていない → 実習・研究・地域連携など固有の学びと自分の興味を1つは結ぶ

  • 抽象語の連発 → 数値や手順(例:週3回×6週間で歩行距離△△m改善)を入れて具体化


4.良い志望理由の構造とは?

①導入(原体験・課題認識)
例)祖父の退院後、自宅での段差や外出の不安が生活の幅を狭めていると痛感。機能回復と環境調整の両輪で生活を取り戻すリハの価値に惹かれた。

②適性(強みと学び)
例)体育の動作分析レポートや科学部の実験記録で観察→仮説→検証の流れを大切にしてきた。地域のデイサービス見学で、声かけや小さな成功体験の積み重ねが意欲に直結することも学んだ。

③大学選択理由(学びの一致)
例)貴学の【地域包括実習/神経理学/高次脳機能支援】などの科目・実習は、活動・参加の改善を数値化したい自分の志向と一致する。

④将来像(貢献イメージ)
例)PTとして脳卒中領域に携わり、歩行再獲得までのクリティカルパス改善再入院予防に取り組む。

800字以上にする際は、学んだことが“行動”にどう変わったかを1つ追記すると密度が上がります。


5. 参考例
5-1. 理学療法

中学時代の前十字靭帯損傷で理学療法士の支援を受け、痛みの軽減だけでなく“できること”が増えていく実感が日常を変えることを体験した。高校では体育の動作分析で歩行周期筋活動に興味を持ち、科学部ではストレッチの可動域変化を測定誤差に配慮して記録した。貴学では解剖学実習神経理学療法、地域包括ケアでの在宅訪問実習に早期から触れられる点に魅力を感じる。退院後の生活に生じる移動・段差・外出不安に着目し、歩行速度・6分間歩行距離などの指標と主観的な自信を両方改善できる介入を追究したい。将来は脳卒中領域で歩行再獲得までのクリティカルパスを見直し、再入院予防社会参加の拡大に貢献する理学療法士を目指す。

5-2. 作業療法

祖母が退院後に料理や買い物を諦めた姿を見て、「動ける」だけでは生活は戻らないと気づいた。文化祭での調理工程の工程設計や、技術の授業での道具の工夫が、手の不器用さや記憶の不安を補うことに通じると感じ、作業療法に関心を深めた。貴学のADL/IADL評価高次脳機能障害支援住環境整備に関する学びは、本人の価値ある作業を取り戻すという自分の目標と一致する。将来は地域領域で、家族・ケアマネ・福祉機器と連携し、レシピの分割・音声メモ・配置替えなど生活の設計で再挑戦を支える作業療法士になりたい。

5-3. 言語聴覚

言葉が出にくくなった方が、「ありがとう」を再び伝えられた瞬間に立ち会い、言語の回復が人間関係と自己表現を回復させる力に感銘を受けた。合唱部での発声・呼吸の学びや、国語の文章要約の訓練は、構音・聴覚・認知コミュニケーションへの関心につながった。貴学の嚥下評価実習補助デバイスの活用、家族支援プログラムに魅力を感じる。将来は急性期から在宅までつなぐSTとして、嚥下と認知の包括的アプローチ誤嚥性肺炎の予防社会参加を支えたい。


6. 自己分析ワーク(10~15分で骨子をつくる)

  1. 原体験メモ(3分)

  • いつ/どこで/誰に対して/自分はどう感じ何をした?

  • その体験は機能・活動・参加のどこに関わる?

  1. 適性棚卸し(5分)

  • 得意:観察・継続・記録・説明・身体表現・工作・音楽 など

  • 事実:レポート本数、発表回数、ボランティア時間、部活での役割 等

  1. 将来像マップ(5分)

  • 興味領域(整形/神経/心肺/小児/老年/嚥下/精神/地域)

  • 改善したい課題(例:退院後2週間の転倒リスク嚥下食の導入就学・就労支援

  • 大学の科目・実習・研究室のうち、どれが直結する?

以上を箇条書きにし、テンプレへ差し込めば志望理由の土台が完成します。


7.オープンキャンパスで“聞くと詳細のわかる具体的な質問”例とは?

  • 学外実習の時期と評価法(どの領域をどの順に回る?フィードバックは個別?)

  • 解剖学・評価学の演習密度(1年次からの実技比重、記録の形式)

  • 地域連携(在宅訪問・通所施設・学校・企業との協働)

  • 研究・卒業研究テーマ(PT/OT/ST/工学それぞれの強み)

  • **多職種連携教育(IPE)**の具体例(模擬カンファレンス等)

  • 就職支援と初期キャリア(急性期/回復期/地域/小児などの割合、離職率の開示)

  • 学修サポート(リメディアル、ピア学習、模擬試験、OSCE的評価)

→ ここで得た具体情報を、志望理由の**第3段落(大学選択理由)**に反映すると説得力が一気に増します。


8. 面接で一貫性を出す「STAR」メモ術

  • S(状況):文化祭の車いす体験ブースで、段差越えに不安を訴える来場者が多かった

  • T(課題):安全に越える手順の標準化と、“できた”感を作る展示に改善

  • A(行動):段差高さ別の練習プロトコルを作成/声かけのキューを言語化/記録表を導入

  • R(結果):体験者の90%が自力越えを達成、アンケート満足度も上昇
    → 学び:小さな成功体験の設計が意欲を高め、活動・参加の広がりにつながる

この学びを自分の適性(観察・段取り・言語化)と結び、将来の貢献へ橋渡しします。


9.志望理由の流れの書き方例

①導入(150〜200字)
私は【原体験】を通じて、機能の回復が生活の回復につながるリハビリテーションの価値を実感しました。特に【領域】において、活動・参加の拡大が本人の自己効力感を高める点に魅力を感じ、継続的に並走できる職を志望します。

②適性(150〜250字)
高校では【科目・活動】に取り組み、【具体行動】を通して観察・記録・説明の力を培いました。ボランティアや体験学習では、小さな達成の積み重ねが意欲を生むことを実感し、声かけや環境調整の重要性を学びました。

③大学選択理由(150〜250字)
貴学の【科目・実習・研究】は、【関心領域】で評価と介入を往復しながら学ぶ自分の志向と一致します。特に【固有名詞】は、退院後の生活再建に必要な【目標】に直結すると考えます。

④将来像(100〜150字)
将来は【専攻】として【領域】に携わり、客観指標と本人の実感を両立できる支援で、再発・再入院の予防社会参加の拡大に貢献します。


10. 差がつく一文サンプル(必要に応じて差し替え)

  • ICF視点:「心身機能・活動・参加のどこにボトルネックがあるかを見立て、環境要因も含めて介入を考えます。」

  • EBP:「先行研究で効果が示された介入を基盤に、本人の価値観臨床状況を統合して意思決定します。」

  • 在宅・地域:「退院後2週間の不安が大きい時期に、転倒・嚥下などハイリスク課題へ重点介入します。」

  • 数値×物語:「歩行速度0.2m/sの改善と、『近所の公園に一人で行けた』という参加の回復を両立させたい。」


11. 出願前の最終チェックリスト

  • □ “なぜ医療の中でリハなのか”が明確

  • PT/OT/ST/工学の理解と自分の軸が一貫

  • 大学固有の学び(科目・実習・研究)に言及

  • 数値・行動・固有名詞が最低1つずつ

  • 患者・家族・地域への価値が書かれている

  • □ 400〜800字版でも冗長表現がない

  • □ 面接で同じストーリーを3分で話せる


12. まとめ:志望理由は“生活を取り戻す設計図”

志望理由は、きっかけ → 適性 → 学び → 将来の貢献をつなぐ設計図です。
生活の再構築というリハの核心に沿って、あなた自身の言葉で仕上げましょう。

日本経済大学・経済学部・商学科について】

日本経済大学の福岡キャンパスと神戸キャンパスにある商学科は、世界に通用するビジネスリーダーを育てる教育を行っています。ここでは、「人」と「お金」、さらに「流通」と「情報」のグローバルな動向を学び、国際的な視野を持った専門家としての道を切り開くことができます。

コース概要:

会計・財務コース: 財務分析や会計の知識を深め、金融業界や会計業界で活躍するための土台を築きます。
マーケティングコース: マーケティングの理論と実践を学び、消費者行動の理解を深めます。
ホテル・観光ビジネスコース: 観光業界の専門知識を身につけ、ホスピタリティ業界でのキャリアを目指します。

学びの流れ:

1年次: 基礎科目と語学を中心に、ビジネスの基本を学びます。
2年次: ゼミ選択によって関心のある分野を深堀りし、専門知識を強化します。
3年次: 専門ゼミでテーマを設定し、実践的な研究に取り組みます。
4年次: 研究を深め、論文作成を通じて専門性をさらに発展させます。

カリキュラム詳細:

基礎科目: 文系数学やビジネスライティングなど、広範な教養科目から始まります。
語学科目: 英語を始めとした多言語でのコミュニケーション能力を磨きます。
専門科目: 商学入門から始まり、経営学、簿記、経済学などの専門知識を修得します。
SDプログラム: 地域貢献やキャリアデザインなどの実践的な学びも経験します。

卒業後のキャリアパス:

卒業生は会計事務所、空港、ホテル業、観光産業など多様なフィールドで活躍が期待されます。

資格取得:

在学中には、高校教諭一種免許(商業)、TOEIC®、簿記検定など、実務に役立つ資格の取得を目指せます。

このように、日本経済大学の商学科では、基礎から応用、実践まで段階的にビジネススキルを磨き、国際的な舞台で活躍するための幅広い教養と専門知識を身につけることができます。

日本経済大学で学ぶ】

幼稚園から大学院まで全国に30校以上の学校を展開する「都筑学園グループ」が運営する「日本経済大学」は、1968年に設立され、福岡県太宰府市に本部を置く私立大学です。現在、福岡、神戸、東京都渋谷区に3つのキャンパスがあります。非常に多くの留学生を受け入れる国際色豊かな大学です。

日本経済大学は、多彩な分野において学びを展開し、現代の変化に対応する力を養成しています。経済の国境を超えた時代において、経済や経営の領域においてもよりグローバルかつ多角的な視点を持つことが必要とされています。このような状況に応えるため、日本経済大学では経済学と経営学を中心とした2学部6学科18コースを展開しており、学生たちの可能性を広げる教育を実践しています。

2021年度には、経営学科 AI産業コースの発展として、「デジタル・ビジネスデザインコース」を新設。このコースでは、目まぐるしく変化する社会に対応するため、デジタル技術をより深く学び、ビジネスの現場で活用できる先進的なスキルを身につけることができます。さらに、オンライン上での留学プログラムを導入するなど、新しい時代に適応した「学びのニューノーマル」を進め、世界に通用する人材の育成を目指しています。

経済の変動や技術の進化が激しい現代において、日本経済大学は学生たちが変化に対応し、グローバルな視野を持って活躍できるような教育環境を提供しています。

是非、日本経済大学ホームページ(https://www.jue.ac.jp/)にて確認してみてください。

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