現代の食の世界では、美味しい料理を作るだけでなく、ビジネスとしての運営や経営戦略もとても大事です。この記事では、日本の大学で学べる飲食ビジネスのコースやプログラムを紹介します。食品の生産から流通、マーケティング、経営まで、幅広い知識と実践的なスキルを身につけられる大学をピックアップし、それぞれの特徴や魅力を詳しく見ていきます。飲食ビジネスの分野で活躍したい高校生の皆さんに、最適な学びの場を見つける手助けになればと思います。
1. 日本経済大学 経営学部 経営学科 飲食ビジネスコース
日本経済大学 経営学部 経営学科 飲食ビジネスコースは、食品の知識とマネジメント能力を強化し、飲食・食品業界のエキスパートを育成することを目的としています。このコースでは、食品開発や経営に関する深い知識を学び、経営や起業、事業承継など幅広いステージへの飛躍を目指します。
●特色ある科目
・フードビジネス:フードビジネスの基本を学び、マネジメントやフードコーディネートの技法を習得します。市場調査やマーケティング戦略についても学び、実際のビジネスシーンでの応用力を高めます。
・食文化論:世界各国の食文化を学び、食と社会の関係性を深く理解します。歴史的背景や文化的な影響を考察し、多様な視点から食文化を捉える力を養います。
・食と健康:食材の栄養価や健康への影響を学び、健康的な食生活の指導法を身につけます。科学的な知識を基に、バランスの取れた食事の重要性を理解します。
・食と安全:食品衛生の基礎知識を学び、実際の問題を解決する力を養います。衛生管理やリスク評価の手法を習得し、安全な食品提供のための実践的なスキルを身につけます。
●コースのポイント
・フードマネジメント演習:実践的な課題を通じて、問題解決能力とリーダーシップを育成します。現場での体験を通じて、理論を実践に移す力を強化します。
・飲食店経営:飲食店の経営に必要な知識とスキルを学び、経営や起業の実践力を高めます。経営計画の立案や運営管理の方法を具体的に学びます。
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2. 名古屋文理大学 健康生活学部 フードビジネス学科
名古屋文理大学 健康生活学部 フードビジネス学科では、食品や栄養、店舗運営、経営、起業のノウハウ、マーケティングを学びます。フードビジネスマイスター認定を通じて専門的な実践力を養い、商品開発マーケティング、食とデザイン、食空間プロデュース、食と環境、フードサイエンスなどの分野に特化した教育を提供します。
●学科の特長
・商品開発マーケティング:食品メーカーの商品企画や開発に必要なマーケティング理論やリサーチ手法を学びます。
・食とデザイン:パッケージデザインや販売促進に必要なデザイン力を習得し、食品の魅力を引き出します。
・食空間プロデュース:飲食店の経営に必要なスキルを学び、実践的なカフェ実習や製菓技法の授業を通じて即戦力を養います。
・食と環境:食品業界における環境問題や持続可能な食料システムについて学び、SDGsに対応する知識を深めます。
・フードサイエンス:食品の品質管理や衛生管理の技術を習得し、安全で安心な食品提供のための知識を学びます。
●食に関する3つの領域
(1)食品メーカー領域:商品や製造の知識を学び、実験や官能評価を通じて科学的思考を養います。
(2)食品流通領域:流通の仕組みや課題を学び、実際の事例を通して流通業界の理解を深めます。
(3)フードサービス領域:店舗運営や開業に必要なスキルを学び、実践的な企画提案やホスピタリティを身につけます。
●学生プロジェクト
食品商社や企業と連携し、商品開発や食育イベントの企画運営、研究発表などを通じて実践力を高めます。例えば、商品化や野菜摂取量の調査、食育イベントの企画、全国大会での研究発表などが含まれます。
3. 甲子園大学 栄養学部 食創造学科
甲子園大学 栄養学部 食創造学科は、2023年4月にフードデザイン学科から新たに生まれ変わりました。この学科では、食料生産から商品開発・販売、経営、心理的側面まで幅広い知識を学び、企業や地域との連携を通じて食の課題を解決できるプロフェッショナルを育成します。
●学科の特長
・食料生産:食糧経済学、食資源生産学、食糧生産システム、生産管理論、食と地域の実践演習
・食品加工・流通:食品加工学実践演習、食品製造学、食品衛生学、HACCP論、食品流通論、調理学実習I・II、食品デザイン論
・研究開発:食品開発論、食品物性論、分析化学、食品官能評価論、食品官能評価実習、スポーツ栄養、食品バイオテクノロジー、食品バイオテクノロジー実験
・食品ビジネス:食の情報学、ビジネスデータ分析演習、食品産業論、消費行動論、ビジネス心理学、食品マーケティング実践演習、食品関連法規
・店舗経営:簿記会計入門、起業入門、6次産業化論I・II、店舗経営論、店舗経営実践演習
・食生活と健康:食生活・食文化論、機能栄養学、公衆栄養学、ライフステージ栄養学、介護の食事実習、医薬品・サプリメント論、フードスペシャリスト論、フードコーディネート論
●施設・設備
食品製造学実験室、食品学実験室、食品栄養学実験室、食品官能評価実習室、共同機器センターなどがあり、各種の製造機器や実験機器を整備しています。
4. 九州産業大学 グローバル・フードビジネス・プログラム
九州産業大学は、2023年4月にグローバル・フードビジネス・プログラム(GFBP)を新設しました。このプログラムは、食のビジネスをグローバルな視点で学び、持続可能な社会の発展に貢献する人材を育成することを目指しています。
●プログラムの特長
・食のビジネスの広がり:農林水産業、食品工業、卸売業、小売業、飲食業など、多岐にわたるフードビジネスの領域を学びます。
・グローバルな視点:世界的な食市場の成長や海外需要の獲得、持続可能な生産の要請に応える知識とスキルを身につけます。
・文理芸融合の教育:経済学・経営学・地域学・食品科学・芸術学などの多彩な視点から、生産から消費までの食の流れを学びます。
・実践的な学び:少人数教育と現場重視のアプローチにより、即戦力として活躍できる人材を育成します。
プログラムには、商学部 経営・流通学科、地域共創学部 地域づくり学科、生命科学部 生命科学科、芸術学部 ソーシャルデザイン学科、地域共創学部 観光学科、国際文化学部 国際文化学科が参加しています。
5. 東亜大学 医療学部 健康栄養学科 フードビジネスコース
東亜大学 医療学部 健康栄養学科 フードビジネスコースでは、「食をビジネスにすること」「ビジネスとして食をとらえること」を基本に、食物、調理、衛生、栄養の4つの側面から専門知識を学びます。また、マネジメント、マーケティング、販売、流通の現場センスも養い、食のプロフェッショナルを目指します。
●学びの特色
・食空間の専門知識:食空間やテーブルコーディネートの方法を学びます。
・食文化創出能力:食品の適切な扱い方や調理技術、献立作成、大量調理を学びます。
・フードビジネス業界への就職・起業:食の安全・安心・おいしい・楽しいを提供する知識と技術を習得し、多様な店舗で活躍できる能力を身につけます。
6. 流通科学大学 商学部 経営学科 フードビジネスコース
流通科学大学 商学部 経営学科 フードビジネスコースでは、フードビジネスの知識に加え、経営学や店舗デザインも学び、実践力を身につけます。学生は経営学や食科学の理論を学び、フードビジネスの役割と持続可能な発展方法について理解を深めます。コースでは、「フードコーディネート論」や「食品学基礎」、「経営管理論A」などの基礎科目を中心に学び、展開科目で食のビジネスや社会の動向を理解し、業界の課題解決力を養います。
●カリキュラム
・基礎科目:フードコーディネート論、食品学基礎、経営管理論A
・展開科目:フードビジネスの仕組み、食に関する社会の動向、課題発見と問題解決
●授業の特長
「調理学実習」での調理学習や「店舗デザイン実習」でのマーケティングとインテリア知識の活用を通じて、人気店の構想を練ります。また、経営者視点を養いながら、フードロスや環境問題などの食に関する課題にも取り組みます。
7. 日本大学 生物資源科学部 食品ビジネス学科
日本大学 生物資源科学部 食品ビジネス学科では、農場から食卓までのフードシステムを学び、実践的に食の未来を追究します。食料資源・環境、食品産業、食品・食文化の3分野を柱に、経済学・経営学・社会学・栄養学・調理学など多彩な視点から幅広い知識を深めます。
●学科の特長
・実践的学び:フィールドリサーチ、海外フードシステム現地研修、調理学実習、フードコーディネート実習など、現場重視の実習科目を多く配置。
・即戦力育成:フードスペシャリストやフードコーディネーターなどの資格取得支援。
・幅広い就職先:食品関連産業への就職が多く、企業経営や継承に役立つ人材を育成。
●カリキュラム
1年次は食品ビジネスの基礎を学び、2年次から本格的な専門教育が始まります。3年次にはゼミ形式での専門教育が進み、4年次には卒業研究を行います。
8. 中村学園大学 栄養科学部 フード・マネジメント学科
中村学園大学 栄養科学部 フード・マネジメント学科は、食ビジネスのプロを養成することを目指しています。食品の生産から消費までの全プロセスをカバーし、食品ビジネスや栄養学、マーケティングなど幅広い分野を学びます。国内外の企業や大学との連携により、実践的な知識とスキルを身につけることができます。
●学科の特長
・実践的な学び:第一線で活躍する講師による授業やインターンシップを通じて、実践力を養います。
・グローバルな視点:ハワイ大学との連携により、海外での学びと実践経験を積むことができます。
・資格取得サポート:HACCP管理者資格や食品表示診断士など、食品関連の資格取得を強力にサポート。
●カリキュラム
・基礎科目:食品ビジネスの基本、栄養学、マーケティング
・展開科目:調理学実習、店舗デザイン実習、フードコーディネート
●教育目標
食品の新たな価値を創造し、食産業の発展と地域産業の活性化に貢献できる「食のスペシャリスト」を育成します。また、食品の高付加価値化を実現するための知識とスキルを養い、グローバルな課題にも取り組む広い視野を持った人材を育成します。
大阪成蹊大学 経営学部 食ビジネスコースは、食に関するビジネスの知識と実践力を養成することを目的としています。学科では、経営学やマーケティング、食品科学など多様な分野を学び、実際のビジネスシーンでの応用力を高めます。インターンシップや企業連携プロジェクトを通じて、実践的な経験を積むことができます。
●学科の特長
・経営学と食品科学の融合:フードビジネスの基礎から高度な専門知識まで幅広く学習。
・実践的な学び:インターンシップや企業連携プロジェクトを通じて現場経験を積みます。
・資格取得支援:食品関連の資格取得をサポートし、就職に有利なスキルを身につけます。
●カリキュラム
・基礎科目:経営学、マーケティング、食品科学
・実践科目:調理学実習、店舗デザイン実習、フードコーディネート
9. 大阪成蹊大学 経営学部 食ビジネスコース
大阪成蹊大学 経営学部 食ビジネスコースは、食ビジネスを通じて社会に喜びと豊かさを実現することを目指しています。経営学、食物学、情報学の3領域からなる文理融合の学びにより、食品・飲料メーカー、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、外食・中食産業、農業法人、商社など、食関連分野で活躍できる人材を育成します。
●学科の特長
・食と農の基礎を学ぶ:食品開発や流通、フードコーディネート、アグリビジネスに関する知識を習得します。グループ演習や農業体験も含まれます。
・企画・提案力を養う:フードチェーンの視察やPBL(課題解決型)授業を通じて、食の企画・提案力を身につけます。
・課題解決力を身につける:卒業研究では、食ビジネスの課題を解決するための調査・研究、商品開発、イベント企画運営などに挑戦します。
10. かなざわ食マネジメント専門職大学
かなざわ食マネジメント専門職大学は、日本初の食ビジネスに特化した大学で、社会の変化と多様化に対応しながら、食のプロフェッショナルを育成します。経営学、食物学、情報学の3領域を学び、フードビジネスの課題を解決する力を養います。
●カリキュラム
・1年次:基礎学力の強化と専門科目の理解を目指します。
・2年次:フードビジネスのマネジメントに応用し、臨地実習を開始。
・3年次:他分野の学びを広げ、創造力と応用力を高めます。
・4年次:企業での臨地実習と卒業研究を通じて、4年間の学びを集大成。
●実践的な教育
・4年間で合計600時間の企業での臨地実習を実施。
・学内での実習科目も豊富に用意され、発想力と実践力を深めることができます。
11. 公立大学法人 宮城大学 食産業学群 フードマネジメント学類
宮城大学 食産業学群 フードマネジメント学類では、食のプロフェッショナルを育成します。経営学、食品科学、情報学の視点から、食品産業における課題を解決する力を養います。学生は基礎から応用まで幅広く学び、卒業研究や実習を通じて実践力を身につけます。
●カリキュラム
・基礎科目:食品開発、食品製造・加工、食品流通、食の安全・安心
・応用科目:マーケティング、経営管理、グローバルフードシステム、食品企業経営
●特徴
学生は4年間で専門知識を深め、実際のビジネスシーンで応用できるスキルを習得します。産学連携プロジェクトやインターンシップを通じて、実務経験を積むことができます。
12. 静岡英和学院大学短期大学部 現代コミュニケーション学科 フード・ビジネス(ユニット)
静岡英和学院大学短期大学部 現代コミュニケーション学科で学生は、「医療事務」「ファッション・ビューティ」「観光・ブライダル」「ビジネス・マネジメント」「ライフ・デザイン」「イングリッシュ・コミュニケーション」「フード・ビジネス」の7つのユニットから自由に選択・組合せが可能で、仕事に直結した知識やスキルを実践的に学べます。フード・ビジネス(ユニット)では、地域の食材や食文化を学び、食品マーケティング、流通、販売までの知識を習得します。
●学科の特長
・科目紹介:商業ラッピング、フードコーディネート論
・目標とする資格:商業ラッピング検定、サービス接遇検定、フードコーディネーター、カラーコーディネーター検定
・想定される職業:飲食店プロデュース、食品メーカースタッフ、百貨店やスーパーのスタッフ
13. 金城大学短期大学部 ビジネス実務学科 フードビジネスコース
金城大学短期大学部 ビジネス実務学科 フードビジネスコースでは、食の専門家である「フードコーディネーター」の資格取得が可能です。学生は食の商品開発や企画、飲食店のプロデュースなど、フード業界で幅広く活躍するための知識と技能を学びます。
●学科の特長
・必修科目:フードコーディネートユニット、クッキングユニット、フードマテリアル演習
・目標とする資格:フードコーディネーター、クッキング演習関連資格
・想定される職業:食品メーカー、飲食店プロデュース、百貨店・スーパーのスタッフ
●カリキュラム
学生は、実際のビジネスシーンに即した実践的な学びを通じて、フードビジネスのプロフェッショナルを目指します。
14. 名古屋文化短期大学 フードビジネス専攻 フードビジネスコース
名古屋文化短期大学 フードビジネス専攻 フードビジネスコースでは、商品開発やマーケティング、フードコーディネートの知識を学びます。「食をつくる・魅せる・伝える」能力を養い、産学連携プロジェクトを通じて実践力と即戦力を身につけます。
●学科の特長
・専門知識:フードビジネスの基礎から食に関する幅広い知識を習得
・実践的学び:カフェ実習や商品開発でのビジネススキル習得
・柔軟な適応力:多様な職種に対応できる技術と知識を育成
●カリキュラム
・フードマネジメント:飲食業界の基本知識と出店計画の企画を学びます
・カフェ実習:器選び、盛り付け、テーブル演出を実践
・食の開発と企画:地元企業や他大学と連携し、商品・レシピ開発を行い、プレゼン力も養います
15. 新島学園短期大学 キャリアデザイン学科 フードビジネス専攻
新島学園短期大学 キャリアデザイン学科 フードビジネス専攻は、2025年4月に新設される専攻です。この専攻は、食品産業が地域経済に果たす重要な役割を理解し、食品ビジネスに関する専門知識と実践力を養うことを目的としています。学生は商品開発、マーケティング、マネジメント、流通などの分野を学び、企業や地域の現場でのフィールドワークを通じて実践力を高めます。卒業後は、食品・飲料メーカーや外食産業、地域活性化など幅広い分野での活躍が期待されます。
●学科の特長
・商品開発とマーケティング:食品の商品開発やマーケティング戦略を学びます。
・実践的なフィールドワーク:企業や地域の現場での実習を通じて、現実のビジネスシーンを体験します。
・幅広い就職先:食品・飲料メーカー、外食産業、地域活性化など、多岐にわたる分野での活躍を目指します。
・産地との連携:群馬という恵まれた「産地」で学び、地産地消や産学連携に取り組みやすい環境で学ぶことができます。
・専門家による特別講義:「フードビジネス」の専門家による特別講義を通じて、現場で必須とされる資格や役立つスキルを習得します。
・フィールドスタディ:起業や地域の「食」の現場から学ぶ実践的なカリキュラムを提供します。
おわりに
この記事では、日本の大学で提供されている飲食ビジネスに関するコースやプログラムについて紹介しました。美味しい料理を作るだけでなく、ビジネスとしての運営や経営戦略を学ぶことで、幅広い知識と実践的なスキルを身につけることができます。これから飲食ビジネスの分野で活躍したい高校生の皆さんにとって、最適な学びの場を見つける手助けとなれば幸いです。