米国公認会計士になるにはどうする?USCPAの取得のすすめ

by GAWA_K

スキルアップ・キャリアップを図るために取得希望者が多いと言われているのが、米国公認会計士、通称USCPA(U.S. Certified Public Accountantの略)の資格です。

よく名前を聞くこの資格は、果たしてどれほどの魅力があり、どのような資格取得方法を行えばいいのでしょうか。

今回は、米国公認会計士に関して、以下のようなポイントについて説明しています。

  • 米国公認会計士の定義
  • 日本の会計士との違い
  • 米国公認会計士の資格取得のメリット
  • 米国公認会計士の資格取得試験の内容
  • 米国公認会計士の資格取得における注意点

米国公認会計士の資格取得を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

米国公認会計士って何?日本の会計士との違いは?

米国公認会計士(以下、USCPA)という名称はよく聞くけれど、具体的にどのような性質の職種および資格なのか、把握していない人もいるかもしれません。また米国の公認会計士は、日本の会計士とどのような違いがあるのでしょうか。

次より、USCPAの定義、日本の会計士との違いについて説明しましょう。

 

USCPAの定義

USCPAとは、米国公認会計士協会が認定した会計士資格およびその資格取得者のことです。公認会計士は、会社運営において不可欠といわれている、会社の会計や税務および財務などの仕組みについて理解している、経理に関するスペシャリストです。

経理に関する高度な知識とスキルを持っていることから、会社の経理関連の業務を任されるため、会社のなかでは重要な位置にいます。

公認会計士は、医師・弁護士と並ぶ「三大国家資格」という形容をされることが多く、今回取り上げているUSCPAは、アメリカの資格ながらも日本を含めた世界中から認知されている資格です。150ヵ国以上・およそ40万人がUSCPAを取得して、あらゆる分野で活躍しています。

公認会計士が行うさまざまな業務のなかで重要なのが監査業務です。この業務は同じ三大国家資格である医師の医療行為・弁護士の裁判行為と並び、公認会計士の資格取得者しか行えない独占業務といわれています。このような重要な任務を任される権利があるのも、USCPAの特色です。​

 

USCPAと日本の公認会計士の違い

同じ公認会計士という名称が付いているUSCPAと日本の公認会計士には、どのような違いがあるのでしょうか。

両者の違いは「日本の公認会計士の方が難易度が高い」という点です。扱う業務が高度な知識とスキルが不可欠であることはもちろんですが、日本に存在する公認会計士の人数を一定数に保つのも、難易度が高い理由とされています。

人数を必要以上に増加させると競争が激しくなるので、それを防止・抑制するために、難易度が高くなっているのです。

日本の公認会計士の資格取得試験は、合格するために約3,000時間もの時間を費やす必要があるといわれています。三大国家資格といわれているだけあって、数多い資格のなかでも、日本の公認会計士の資格はトップクラスの難易度といっていいでしょう。

それに対してUSCPAの資格取得試験の合格者は、年間約1万人です。合格者数でわかる通り難易度は日本の資格より優しく、受験生の大半は社会人であるため、仕事をしながらの学習も不可能ではありません。

資格取得は日本の資格より簡単ですが、資格取得者が多いため、取得後は競争が激しくなるでしょう。

 

米国公認会計士の資格取得のメリット

USCPAを取得した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。次よりUSCPA取得の具体的なメリットについて説明しましょう。

 

世界を股にかけて通用する

米国発の資格であるUSCPAは、世界中に名称が浸透している世界規模の資格です。グローバルな事業展開をしている企業にとっては、資格取得者は即戦力となるため、資格を持っているだけであらゆる国で重宝されるでしょう。

転職・就職活動においても、この資格を取得しているだけで高評価につながることも珍しくありません。日本以外では、カナダ、オーストラリアや香港といった国では、相互承認制度があるため、新たに会計士資格取得をする必要がないのも強みです。

 

英語スキルの証明になる

USCAPの資格取得をしているだけで、英語能力が優れている証明になります。USCPA資格は、経理・会計に関する高度な知識・スキルを持っていないと取得できませんが、それに加えて英語能力も重要なポイントです。

グローバルな環境で業務を行う機会の多いUSCPA資格取得者にとって英語力は必須で、自分の考えや主張を表現できて相手に伝達できる英会話能力も、持ち合わせていなくてはいけません。

グローバルな事業展開をしている会社、外資系企業にとって英語力は重要なので、英語が堪能であればあるほど、そのような企業では重宝されます。USCPA資格取得をしているだけで、その重宝されるポイントは証明されているため、高評価へとつながるでしょう。

 

業務の幅が広がる

会社経営における重要なポジションを任せられることの多い公認会計士は、あらゆる事業で通用する資格です。そのため、就職・転職活動においても重要な長所となり、キャリアアップ、収入アップを希望する人にとっての、大きな武器となるでしょう。

 

米国公認会計士の資格取得試験の内容

USCPAの資格取得をするには、資格取得のための試験を受験して合格する必要があります。次より試験内容や受験資格などについて説明しましょう。

試験内容

試験は、PC画面に表示される問題をみて回答を入力する方式です。出題科目は全部で4科目となっています。

・FAR(Financial Accounting & Reporting / 財務会計)
あらゆる場面での会計知識およびその知識を応用したスキルを問う科目。

・BEC(Business Environment & Concepts / 企業経営環境・経営概念)
取引の背景と会計的意義の知識、およびその知識をビジネス上で活用する能力を問う科目。

・REG(Regulation / 諸法規)
職業倫理と法的責任の知識、その知識を業務において応用する能力を問う科目。

・AUD(Auditing & Attestation / 監査および諸手続き)
監査手続き、監査証明業務に関する知識、その他の基準などの知識、その知識を業務で応用する能力を問う科目。

出題は、4択問題形式・シミュレーション形式の2種類で、各科目は5つのテストレット(問題群)によって分けられている仕組みです。

どの科目も1〜2テストレットは4択問題形式となっており、2テストレットが終了すると、それぞれの科目は以下のようなテストレットへ移行します。

  • FAR、REG、AUD:3つのシミュレーション(Task-basedSimulation)
  • BEC:2種類のシミュレーション(Task-basedSimulation2つとWrittenCommunication)

テストレットは1つ終了すると休憩を取ることも可能です。

 

受験資格

日本で開催されるUSCPA資格試験の受験資格は、以下のような決まりです。

  • 日本国籍および日本の永住権を所有
  • 日本に長期滞在中の外国人(在留カード所有)
  • 米国国籍

以上の条件を満たしたうえで、身分証明書としてパスポートの提示が必須です。なお、外国人で短期滞在の場合、日本国内での受験はできません。

試験会場

日本のUSCPA試験は、東京・大阪の2つの地域で行われます。

・東京会場
会場名:御茶ノ水ソラシティ
住所:〒101‐0062 東京都千代田区 神田駿河台4‐6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア5階
電話番号:03‐3258‐9151

・大阪会場
会場名:大阪中津試験会場
住所:〒531‐0071 大阪府大阪市北区 中津1‐11‐1 中津センタービル7階
電話番号:06‐6376‐5811

 

受験日

日本のUSCPA試験は、1年中受験申し込みが可能です。会場の休業日以外1年を通して試験が行われているので、自分の都合に合わせて受験できます。各科目の受験回数、受験する科目の順番に決まりはありません。

 

受験料金

日本で受験をする場合、追加料金が発生する仕組みなので、海外で受験するより料金がかかります。通常料金は1科目$238.15ですが、日本の受験の場合は追加料金が1科目につき$371.55発生するので、1科目の料金は合計$609.7です。

 

1科目ごとの受験が可能

USCPA受験は「全4科目を18ヶ月以内にすべて合格すれば取得」というルールです。そのため、一度に4科目すべてに合格する必要はないので、18ヶ月以内に1科目づつ合格して積み重ねていけば、無理なく資格取得ができるでしょう。

 

米国公認会計士の資格取得における注意点

USCPAの資格取得試験に備えるための学習時間は、1,000時間とも3,000時間ともいわれています。そのため、計画的かつ効率的な学習スケジュールを立てないといけません。

では、USCPA資格試験の勉強法における注意点とは何か、次より説明しましょう。

 

4科目の順位を決める

USCPA試験は4科目によって構成されており人によって得意分野箱となりますが、最も多い受験の順番は、以下のものです。

  • FAR / 財務会計
  • BEC / ビジネス環境及び諸概念
  • AUD / 監査及び証明業務諸手続き
  • REG / 諸法規

FARは、USCPAの基礎となる分野であり、FARを十分に理解していないと、他の科目であるBECやAUDも理解できません。そして、4科目のなかでも勉強の範囲が広いのがFARなので、先に学習して試験合格をした方が、その後の試験勉強も楽になるでしょう。

また、AUDは、4科目のなかで難易度が高い科目といわれています。FAR合格後にAUD受験にチャレンジして、早い段階で難問をクリアというパターンを選ぶ人も少なくありません。

自分に見合った受験の順番をあらかじめ決めておくと、学習パターンもつくりやすくなるでしょう。

 

通信講座・スクールを利用する

USCPAの各科目に関してある程度の知識があれば、独学も決して不可能ではないでしょう。しかし、知識やスキルの乏しい状態から合格を目指して勉強をする場合、独学だと数年の期間を費やす可能性もあります。そして、そこまで時間を費やして合格まで辿り着けないケースも珍しくないでしょう。

知識・スキルが乏しい人、あるいは自分でスケジュールを組むのが苦手な人は、通信講座・スクールの利用がおすすめです。

通信講座であればUSCPAに関する専門家である講師陣が揃って、効率的かつわかりやすい指導をしてくれるので、無理なく学習が進められます。独学に比べると費用がかかりますが、確実に成長が実感できるでしょう。

 

まとめ

米国公認会計士、通称・USCPA資格は、取得することによって、多くの可能性が広がりキャリアップに貢献できる資格です。資格取得するのは決して簡単ではありませんが、自分に合った効率の良い勉強方法を見つけて、試験合格を目指しましょう。

 

 

「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。

■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)

都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持つ日本有数の留学生を抱える国際色豊かな大学です。

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