大学の進学を希望している高校生にとっての課題は、「自分は文系と理系、どちらの学部が向いているのか」という点です。
自分がどちらの適正なのか早い段階で把握しておけば問題ありませんが、どちらが自分に適しているのかいまいちわからない人は、大学受験の勉強もスムーズに進められないでしょう。
今回は、文系・理系それぞれのメリット・デメリット、文系・理系に向いている人の特徴などについて、詳しく解説しましょう。
文系のメリット
文系に進むとどのようなメリットがあるのでしょうか。次より説明しましょう。
学校の拘束時間が短い
大学の文系学部は理系学部のような研究や実験活動がありません。理系が行う研究などは時間を多く取られるため、理系を選ぶと拘束時間が長くなります。
しかし、文系であれば長時間にわたって拘束されることがありません。理系に比べたら必須の取得単位も少ないため、学業に多くの比重を置くことなく、サークル活動やバイトなどに時間を費やすことが可能です。大いにキャンパスライフを堪能できるでしょう。
数字に関する学習がない
義務教育および高校の授業では、国語や社会といった文系科目に加えて、数字による計算が主流の算数・数学、実験などを行う理科・化学も必須科目でした。そのため文系の科目は得意でも、理数系のテスト結果は良くなかったという人もいるかもしれません。
文系学部を選択した場合、理数系を学ぶ必要はありません。苦手だった数字を扱う学習をする必要がないため、のびのびと得意分野だけを勉強できます。
しかし、文系学部の種類において経済学部だけは数字を扱うので、数字が苦手な人は注意しましょう。
選択肢が多い
大学の文系学学部は、文学部および人文学部・経済学部・経営学部・法学部・外国語学部など幅広い学部が用意されているのが特徴です。理系学部と比べて選択肢が多いため、自分の得意分野を選びやすいといえるでしょう。
幅広いながらも理系のように専攻性が重要視されていないため、就職の際も希望の職種の種類を多く選べます。自分の得意分をのびのびと学べることが文系の強みです。
学費が安め
私立大学の場合、理系に比べると文系は学費が安い傾向です。それほど学費がかからずにキャンパスライフを堪能できます。
文系のデメリット
理系と比べて自由なイメージのある文系ですが、デメリットはどんな点なのか、次よりみてみましょう。
専門性が身に付かないケースもある
幅広い選択肢がある文系は、その自由さがデメリットになる場合もあります。理系のように研究やレポート提出など特化した学習をする機会、学習の拘束時間が少ないため、大学に4年通って何も身に付かなかったということも、決して珍しくありません。
在学中、自分から能動的に学習する意欲があれば、就職活動において有利となりますが、それを怠ってプライベートを楽しみ過ぎた場合はあとになって後悔する羽目に陥るかもしれません。
希望する就職先が理系優先の対応だと厳しい
就職活動する時期になり、就職希望先が理系だった場合、文系学部在籍というだけで厳しい結果となるでしょう。就職のために有利となる資格を取得するなどの努力・対策をしていればともかく、何もしていない場合は内定は取りづらいといえます。
唯一、経済学部であれば、数字を扱う学習をする機会もありますが、それ以外の学部だと理系で学ぶ知識を重要視する就職先は厳しい対応となるでしょう。
理系のメリット
数学・理科を主体とした学部である大学理系学部には、進学した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。次よりそのメリットを説明しましょう。
高度な専門的授業が受けられる
大学の理系では、それまでの学生生活と同様に授業を受ける形式ですが、それ以外に研究・実験・プログラミング学習など、それまでに経験したことのない高度な学習を行うのが特徴です。そのため、大学の理系学部でしか学ぶことができない、高度な知識・スキルを取得できます。
そして、理系で学ぶ知識、研究や実験は、確固とした論理をもとにして実施されるのが特徴です。あいまいな考えでは研究や実験の最終目標に到達することは不可能なため、最初から最後まで論理的思考をしっかりと身につけないといけません。
また、実践するだけでなく、自分が学んだ研究成果などを「こういう理由でこうなった」と、人に論理的に説明するスキルも必要です。それによって論理的な思考が身につき、それは今後の仕事・生活においても大いに役立つことでしょう。
就職活動において有利になる
理系は、就職活動において好印象となることが多いです。理系は大学で専門的な分野に特化した学習を行います。他の場所では不可能な経験を数年間にわたって行っているため、即戦力が期待できます。
特定の分野に関する知識・スキルがあることを証明できるのが、国家資格・民間資格で、就活において高ポイントとなりますが、理系も同様の扱いが期待できるでしょう。
理系のデメリット
理系のデメリットは、以下の通りです。
拘束時間が長い・勉強が大変
理系には、文系にはない研究や実験、プログラミング学習があります。これらは専門性が高いため、簡単に終えることはできません。そのため、研究や実験などが続くと学習にかかる拘束時間がますます長くなり、日々、勉強だけに時間が費やされることになるでしょう。
大学で広く深い知識を学びたいという目標で大学入学した人にとっては、大学は恵まれた環境であるため存分に勉強をすることが可能です。しかし、「大学=キャンパスライフを堪能する青春時代」という考えで入学した人は、日々、研究や実験に追われて損をした気分になるかもしれません。
国語や英語も学習が必要
大学以前の学生時代に、国語や社会、英語が苦手だった人は、大学入試の際は文系ではなく理系を選択する人がほとんどでしょう。しかし、大学の理系は決して国語や英語とは無縁ではありません。
論文を読み解く・研究成果の発表の際は国語力がないとスムーズに行うことはできません。また研究発表の際は英語での発表をしなくてはならない場合もあります。
また国語・英語力も大学以前のレベルとは格段に上なので、研究や実験に加えて、国語・英語の勉強も行わなくてはいけません。
学費が高い
私立大学の学費は、文系に比べて学費が高いことが多いです。学ぶための設備が充実している分、学費が高く設定されているため、学費を抑えたいと考えている人は苦労するでしょう。
文系に向いている人
大学の文系学部に向いている人は、どのような特徴があるのでしょうか。次より文系に向いている人の特徴を紹介します。
映画や本、音楽が好きな人
文系人間は、音楽や小説、映画などの作品に詳しい人が多いです。リアリストの場合、映画や小説はフィクションのつくりごとだから関心を示さない人もいますが、文系人間はフィクションがいかに心を豊かにしてくれる効果があることを知っています。
そのようなものに日頃から親しんでいると心に潤いをもたらすだけでなく、豊富なボキャブラリーの蓄積、表現力の多様さを生み、それにより実生活でも円滑なコミュニケーションが可能になるのです。
また、小説などの活字に普段から慣れ親しんでいると、ボキャブラリーの引き出しが多くなり、文章力も向上します。自分の考えをしっかりと文章で構成するスキルが身につくでしょう。
人との交流が好きな人
文系人間は本ばかり読んでいて、人と接するのが苦手というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、自分の好きな映画や小説について、さまざまな人の意見を聞く・感想を言い合うのが好きな人も多いです。
また、文系人間は、論理的な思考よりも感覚的な発想をする人が多いため、人と話す場合のコミュニケーションスキルが長けている人が多いです。理系人間であれば、少しでも論理が間違っている場合、話をさえぎって間違いに突っ込みを入れるでしょう。
文系人間は、そのようなことをすると今の話の流れが止まってしまうため、聞き流して話の流れに身を任せるといった判断をします。自分の考えだけを押し通すのではなく、その場での楽しい雰囲気を重視するのが、文系人間の特徴です。
理系に向いている人
理系の学部に向いている人は、以下のような特徴があります。
物事をはっきりさせたい人
理系人間は、日本人の持つ「ことなかれ主義」が苦手な傾向があります。何か疑問点があった場合、それを受け流すのではなく自分が論理的に理解するまで追及する、好奇心旺盛な人が理系人間の特徴です。
数字に強い人
暗算をするのは面倒といった数字でも、計算機なしでできてしまう、数字を1つも間違えずにしっかりと記憶・記入できる人は、理系人間といえます。
人付き合いが得意でない、人付き合いがなくても平気な人
先述した通り、大学の理系に進むと研究や実験などに日々を費やされて、大学生として遊ぶ時間が減ります。しかし「大学は学ための場であって遊ぶところではない」「大学で自分の好きな分野を徹底的に学びたい」という人であれば、理系でも問題ないでしょう。
そのような人は、人付き合いが苦手、あるいは人付き合いがなくて1人の時間が多くても寂しくないという人が多いです。
文系・理系を選ぶ際のポイント
文系・理系のどちらに進むべきなのかわからない場合、まずは自分のやりたいこと、将来を夢を考えましょう。まず目標を設定して、そこからその目標に行くためにはどの大学のどの学部に入学すれば有利なのか、と考えると、学部が見つけやすくなります。
また、これまでの学生生活で、自分の最も自分の得意とする科目、テストで常に点数が良いのは何かに注目してみましょう。それにより文系・理系どちら向きの人間なのかがわかります。
まとめ
文系・理系には、それぞれメリット・デメリットがあります。今回解説したそれぞれの特徴をまとめてみましょう。
・文系のメリット、デメリット
- 学校の拘束時間が短い
- 数字に関する学習がない
- 選択肢が多い
- 学費が安め
- 専門性が身に付かないケースもある
- 希望する就職先が理系優先の対応だと厳しい
・理系のメリット、デメリット
- 高度な専門的授業が受けられる
- 就職活動において有利になる
- 拘束時間が長い・勉強が大変
- 国語や英語も学習が必要
- 学費が高い
それぞれの良い点・不便と感じる点を把握しておきましょう。
また、自分が文系・理系のどちらのタイプなのか、自己分析することも大事です。文系・理系それぞれのタイプは、好奇心旺盛という共通の点もありながら、それぞれ独自の特徴があります。
自分がどんなタイプなのかしっかりと理解することによって、文系・理系どちらの学部が見合っているのか、選択しやすくなります。自己分析もしっかりと行うようにしましょう。
大学生活の充実、そして就職活動を円滑に行うためには、入学前の学部選びが重要です。自分にふさわしい学部を見つけて正しい選択を実践し、充実した大学生活を目指しましょう。
数多い学部のどれを選択していいのか迷っている人は、日本経済大学の経営学部をおすすめします。日本経済大学・経営学部は、資格取得のための道も多く用意されているため、就職活動において有利となるでしょう。
「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。
■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)
都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持つ日本有数の留学生を抱える国際色豊かな大学です。