ウィンタースポーツの代表格であるスノーボード(スノボ)は、競技としてもレジャーとしても人気が高く、全国の高校・大学でも取り組む学生が増えています。とくに近年では、オリンピックやX-GAMESなど国際大会に出場する日本人選手が増えたことを背景に、スノーボードを本格的に続けたいと考える高校生・受験生が大学選びにおいて「スノボに強い大学」を意識するケースが増えてきました。
しかし一方で、野球やサッカーなど他のスポーツに比べて、スノボは「大学での強豪校情報」や「部活動の実態」が表に出にくい競技でもあります。そのため、どの大学が強く、どんな環境が整っているのかを正確に把握するのは難しいという声もあります。
本記事では、そうした疑問を解消するために、「スノボに強い大学」をテーマに、全国レベルで活躍する大学やその特徴、大学でスノーボードを続けるメリットと注意点などを、3つの視点からわかりやすく解説していきます。
スノボに強い大学とは?その定義と評価基準
「スノボに強い大学」とは、単にスキー場に近いだけでなく、競技としてスノーボードに取り組むための環境が整っている大学を指します。ここでいう「環境」とは、以下のような要素を含みます。
1. 全国大会での実績や選手輩出歴がある
スノーボードにおける大学の強さを測るうえで、全日本学生スキー選手権大会(インカレ)などの公式戦での実績は大きな指標です。とくにアルペンやスロープスタイル、ビッグエア、ハーフパイプといった各種目で上位入賞している大学には、競技力の高い選手が多数在籍していることがわかります。
2. 指導者やサポート体制が整っている
スノボは個人競技の側面が強いものの、大学では指導者やコーチ陣による継続的なサポートが行われているかが重要です。特に体育会系スキー部にスノーボード専門コーチがいる場合や、元プロ選手・五輪経験者がコーチとして関わっている大学は、トレーニングの質が高い傾向にあります。
3. 練習環境とアクセスの良さ
雪山での練習を必要とする競技であるため、大学から近隣のスキー場へのアクセスの良さや、**年間を通じた練習環境(雪上・オフトレの両面)**が整っているかも大きな要素です。
たとえば、長野や新潟、北海道などにキャンパスがある大学では、冬期に効率よく雪上練習ができるほか、オフトレ施設(ジブパーク、トランポリン、フィジカルトレーニングルームなど)を保有しているケースもあります。
4. 学生主体の活動が活発
大学によっては、体育会所属ではなく、学生主体のスノーボードサークルやクラブ活動として競技に取り組んでいる場合もあります。この場合でも、大会出場や自主練習の環境が整っていれば、高いレベルで競技を継続することが可能です。
スノーボードと大学生活を両立する魅力とは?
高校生が「大学でもスノボを続けたい」と考える背景には、単なる趣味ではなく、競技としてスノーボードを続けながら、学業やキャリア形成も両立したいという意識の高まりがあります。
大学でスノボに打ち込むことには以下のようなメリットがあります:
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自己管理能力の向上:個人競技ゆえに、トレーニングや大会準備を自ら計画・実行する力が身につきます。
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全国レベルの大会出場:インカレや学生選手権に出場することで、競技者としての実力を試すことができます。
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仲間とのネットワーク形成:全国から集まるスノボ愛好者・競技者とつながることができ、将来のキャリアや活動の幅が広がります。
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スポンサーや指導者の目に留まる機会:実績を重ねれば、プロ契約やメディア出演のチャンスも得られる可能性があります。
実績と環境で見る「スノボに強い大学」──注目校を紹介
ここからは以下は、UNIVAS CUP(第96回全日本学生スキー選手権大会)男子部門のポイントランキングに基づき、技術的観点や競技体制、大学のスポーツ戦略との関連性を踏まえて、より専門的・重厚に再構成しました。
参照:https://univas.jp/enjoy/univas-cup/article/622511/
スノーボード・アルペン系で強い大学は?注目の7校を紹介!
冬の大学スポーツといえば、スキーやスノーボードの全国大会も見逃せません。今回は、UNIVAS(大学スポーツ協会)男子ランキングを参考に、特にスキー・スノーボードの**アルペン競技(GS・SLなど)**で存在感を放つ大学をピックアップしました。それぞれの強みや特徴に注目して紹介します。
中央大学(1位・100ポイント)
UNIVAS男子ランキングで唯一の**三桁得点(100ポイント)を記録したのが中央大学。
特にジャイアントスラローム(GS)やスラローム(SL)**といったアルペン競技で強く、複数学年にFISポイント保持者が在籍しているのが特徴です。競技者層が厚く、長期的に安定した強さがあります。
また、SAJ公認コーチとスポーツ心理サポートが連携した「競技サポートユニット」も整備されており、技術・メンタル両面の強化体制が整っています。
日本体育大学(2位・70ポイント)
スポーツ系大学の代表格・日体大は、運動生理学やバイオメカニクスの研究室と競技部が連携。
インカレでも男子アルペン種目で上位入賞者を輩出し、しっかりとポイントを積み重ねました。
特筆すべきは、授業で学んだ知識を実際のトレーニングに活かす**「デュアルキャリア型モデル」**。学びと競技を両立させる教育環境が魅力です。
東海大学(3位・65ポイント)
総合大学である東海大学は、毎年個人・団体ともに安定した得点をマーク。
アルペン競技ではターンの精度が高い滑りが持ち味で、さらにクロスカントリー系種目にも取り組むことで、得点源の分散化に成功しています。戦略的なチーム運営が光ります。
早稲田大学(6位・50ポイント)
都心にキャンパスを構えながら、スキー部としても健闘しているのが早稲田大学。
合宿型の集中トレーニングを通じて、クロスカントリーやアルペン種目で上位をキープしています。
注目すべきは、学生主体でクラブマネジメントを行っている点。男子も健闘していますが、女子部門では同年度に100ポイントで総合首位を獲得しており、男女ともに実力派です。
法政大学(8位・40ポイント)
スポーツ科学研究センターの先端設備を活用し、ジャンプやターンの運動学的なデータ解析を進めている法政大学。
今は中堅クラスの得点ながら、データを基にした分析型トレーニングを強化しており、将来的な上位進出が期待されます。
専修大学(9位・35ポイント)
今後の成長が楽しみな専修大学は、1・2年生中心の若いチームでポイントを獲得。
特にアルペンGSでベスト30に入る選手もおり、世代交代を進めながら着実に成果を出しています。
また、OBや外部コーチとの連携プログラムによって、ノウハウの継承にも力を入れています。
東洋大学(10位・30ポイント)
法政大学と同様に、スポーツ科学研究センターの計測環境を雪上競技にも活用中。
ジャンプ・ターンなどの運動学データを蓄積し、分析ドリブンな育成に取り組んでいます。
現在は30ポイントで中堅クラスですが、今後の育成体制強化により上位進出が期待される大学です。
まとめ|スノーボードを通して広がる大学進学の可能性
スノーボードが好きで続けたいと思っている高校生にとって、大学は単なる練習場所ではなく、「競技と学びを融合させ、自己実現を目指すステージ」です。
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雪質や立地だけでなく、大学の支援体制や学問との相性を重視すること
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卒業後の進路も含めて、競技とキャリア形成をつなげて考えること
これらを意識することで、スノーボードという競技を「人生を豊かにする一部」として大学進学に活かすことができるでしょう。自分の滑りと未来を、自分の力でデザインしたい——そんなあなたにこそ、スノーボードが強い大学での学びが力になるはずです。