国際文化学部の志望理由は、「海外に興味がある」「英語が好き」だけでは伝わりにくく、興味→学びの設計→実践→将来の貢献という筋道で語ることが大切です。本記事は中立的でサンプルとしての考え方をまとめました。制度やカリキュラムの詳細は大学により異なるため、最新の公式情報で必ず確認してください。
国際文化学部で学べること
一般に国際文化学部では、以下のような領域を横断的に扱うことが多いです。
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異文化コミュニケーション(対人・組織・社会における文化差の理解と調整)
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地域文化研究・比較文化(地域・言語・歴史・宗教・価値観の比較的理解)
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文化政策・観光・コンテンツ(文化資源の活用、観光、メディア・ポップカルチャー)
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言語運用(英語を中心としつつ、第2外国語やアカデミックライティングの基礎)
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社会調査・データの初歩(質的調査・インタビュー、基礎統計の導入 など)
志望理由では、自分の問いをこれらの学びにどう接続するかを明確にしましょう。
志望理由の基本フレーム「3WHY+2HOW」
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WHY Field:なぜ“国際文化”の領域か
きっかけとなった体験や継続的関心(例:外国人観光客と地域の共存、移民・留学生の学習支援 など)。 -
WHY Learn:なぜ大学で学ぶ必要があるか
体験談の域を出て、理論・調査法・言語運用を体系的に身につける必要性。 -
WHY Me:なぜ自分が取り組むのか
自分の強み・価値観・活動との連続性。 -
HOW Study:入学後の学び方
想定する科目群(コミュニケーション/地域研究/言語/調査法)。 -
HOW Contribute:学内外への貢献・将来像
プロジェクト参加、留学の活かし方、卒業後の方向性(観光・教育・企業の国際部門・NPO 等)。
この5点をPREP法(結論→理由→具体→再結論)で束ねると読みやすくなります。
尺別テンプレ:30秒/90秒/3分
30秒(要旨)
結論(志望領域)→ 自分の問い → 学びの方法(国際文化×言語×調査)→ 将来の貢献
90秒(標準)
①関心の核(体験・観察)
②大学でこそ必要な学び(理論・方法)
③履修イメージ(科目群)
④実践(プロジェクト・留学)
⑤貢献(学内外)
3分(詳細)
①社会・地域で見た課題の構造化(関係者・制約・価値観)
②先行する視点への言及(「〜という見方がある」程度で中立に)
③自分の仮説と限界
④学びの設計(コミュニケーション理論+地域研究+調査法+言語)
⑤大学内の検証計画(小さく試す)
⑥将来の役割像(職種名より“役割”で語る)
志望理由の例文
*以下は書き換え前提の短文例です。あくまでも参考にしてみてください。。
例1:観光と地域共生
外国人観光客が多い地域で育ち、観光の賑わいと生活の不便が同時に存在する場面を見てきました。言語の壁だけでなく、行動様式や価値観の違いが誤解を生むこともあります。国際文化学部で、異文化コミュニケーションの理論と地域文化研究、基礎的な調査法を学び、観光の現場で何が起きているのかを当事者の声から把握したいです。入学後は、学内外のプロジェクトに参加し、案内表示や周遊設計の改善提案を小規模に試行します。将来は、観光と暮らしのバランスを設計し、地域と来訪者の双方にとって納得度の高いコミュニケーションを実装できる人材を目指します。
例2:留学生支援と学習環境
学校の留学生サポートに関わり、学習上の困難は語学力だけでなく、授業の進め方や評価方法の違いにもあると感じました。国際文化学部で教育・コミュニケーション・文化背景の視点を学び、“学び方の違い”を尊重した支援の在り方を探りたいです。入学後は、基礎統計と質的インタビューを組み合わせ、ニーズを可視化する小さな調査から始めます。将来は、教育機関や企業研修で異文化適応を支援する役割を担いたいです。
例3:メディアと文化表象
海外ニュースの受け止め方が国や媒体で大きく異なることに関心を持ちました。国際文化学部でメディア文化研究と批判的思考、データの基本を学び、情報の選び方・伝え方が文化理解に与える影響を検討したいです。学内では、海外記事の比較要約や、異なる視点からの報じ方を分析する演習に取り組み、将来は多言語で誤解を減らす情報設計に携わりたいです。
例4:移民・多文化共生
地域の日本語学習支援ボランティアに参加し、生活情報の伝達や学校との連携の難しさを知りました。国際文化学部で、言語支援・コミュニティ形成・文化的背景の理解を体系的に学び、小規模な教材作りやイベント設計を試します。将来は、行政やNPOと協働し、現場の声を政策やサービス設計に反映する橋渡し役になりたいです。
活動を“学び”に変えるコツ(変換フレーム)
SEA→MAPで整理すると、体験が“検証可能な学び”に変わります。
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S(Scene)状況/E(Event)出来事/A(Action)行動
→ M(Meaning)意味/A(Application)応用/P(Plan)計画
例:
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S/E/A:観光案内のボランティアで、道案内の誤解が頻発 → 地図記号・表現のズレを整理
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M:言語より「表象の違い」が障壁
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A:ピクトグラムと簡潔な二言語表現へ改良
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P:大学では調査法を学び、実証的に検証する
他学部とのちがいを理解する(併願の整理に)
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外国語学部:言語運用(通訳・翻訳・言語学)に重心が置かれがち
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国際関係/国際教養:政治・経済・国際協力・幅広い教養科目の比重が相対的に大きいことがある
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国際文化:文化・コミュニケーション・地域研究・メディア・観光・多文化共生など文化と社会の交点に焦点を当てやすい
※実際の設計は大学によりさまざまです。最新の公式情報を確認してください。
志望理由で評価されやすい観点
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一貫性:関心→学び→実践→将来が一本でつながる
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具体性:抽象語(国際理解・多文化共生)に具体例と行動を添える
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妥当性:「大学で学ぶ必然性」(理論・方法・言語)
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協働性:異なる価値観を尊重し合意をつくる姿勢
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再現性:一度の成功談ではなく、次もできる行動原理
NGになりやすい表現と安全な言い換え
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NG:「英語が得意だから国際文化学部」
OK:「英語を手段として、異文化間の合意形成を学びたい」 -
NG:「海外の方が○○」
OK:「私が経験した環境では○○。一方で△△という特徴も見られ、双方の良さを活かしたい」 -
NG:「とにかく留学したい」
OK:「留学では○○を検証し、帰国後に□□のプロジェクトで成果を還元したい」
志望理由書チェックリスト20
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冒頭で志望分野と自分の問いが明確か
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体験→学び→計画の流れが自然か
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抽象語に場面・行動・数が添えてあるか
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「大学で学ぶ必然性」が書けているか
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言語は手段として位置づけたか
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調査・分析の初歩に触れているか
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他者の視点(住民・来訪者・行政・企業)を併記したか
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一般化の断定を避け、中立的表現になっているか
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将来像は役割で語れているか
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逆質問の準備があるか(学び・実践の機会に関するもの)
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誤字脱字・表記ゆれがないか
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文字数・書式が要項準拠か
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参考にした情報の出所管理ができているか
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体験談が長すぎず、分析に比重があるか
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自分の限界と次の一歩を書けたか
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PREPで段落が読みやすいか
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固有名詞のスペル・年号の整合が取れているか
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面接で口頭要約できる内容か
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第三者レビューを受けたか
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最後に**再結論(要約)**を置いたか
面接対策(頻出質問と答え方の軸)
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志望理由を30秒で:結論→理由→具体→貢献
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異文化で難しかった経験:状況→課題→行動→学び→応用
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留学の目的:検証テーマと帰国後の還元計画
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関心の社会課題:定義→原因の仮説→自分の関与→学びでの検証
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日本語/英語どちらでも:専門語は平易な定義を添える
逆質問の例
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「異文化コミュニケーションを実地で学ぶプロジェクトや、学外連携の機会はありますか。参加条件があれば準備したいです。」
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「質的調査の入門科目で、インタビュー設計から倫理まで扱う機会はありますか。」
小論文・課題型選考への備え
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テーマの分解:用語定義→論点→立場→根拠→反論処理→結論
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情報の扱い:出所が明確な一次・二次情報に限定し、断定を避ける
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図表の活用:関係図・因果仮説を簡潔に示す
1週間で仕上げる準備プラン
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D-7〜5:志望理由(90秒版)→録音・改善
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D-4:頻出問10に回答素案作成(日本語/英語)
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D-3:逆質問3本を“学びの機会”に寄せて用意
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D-2:オンライン面接の環境テスト
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D-1:提出物・持ち物最終確認
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D-0:要約カードで最終練習、時間内回答を徹底
まとめ:志望理由は「問い→学び→実践→貢献」
国際文化学部の志望理由は、自分の問いを中心に、言語・理論・調査を手段として設計し、学内外の実践に落とし、将来の役割につなげることが鍵です。テンプレはあくまで型。あなたの体験・価値観に置き換えて、一貫性と具体性を担保してください。
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