あらゆるビジネスにおいて、会計というものはついてまわる領域です。
どんな会社でも金銭のやり取りを行うことから会計に関する知識は必須ともいえるでしょう。
そんなビジネス会計に関する検定があるのを学生の皆さんはご存知でしょうか?
「ビジネス会計検定試験」は、ビジネス会計に関するあらゆる知識の問われる試験です。
この検定試験は1級から3級まで存在し、自分のビジネス会計に関する理解度を企業に向けてアピールできる資格になります。
今回はそんなビジネス会計検定試験の概要や取得メリット、受験方法や勉強方法をご紹介いたします。
ビジネス会計検定試験取得するには:ビジネス会計検定試験概要
ビジネス会計検定試験はあらゆるビジネス会計に関する項目の中から、どれだけ自分が理解をしているかを測る試験です。
ビジネス会計検定試験は1,2,3級とレベル別に分かれており、数字が若い方がより上級のビジネス会計スキルがあるという事になります。
例年2,3級に関しては3月と10月の年に2回行われています。1級は3月のみ年に1回開催されています。
ビジネス会計検定試験はあらゆるビジネスパーソンに向けて開催されており、これからビジネスの世界に入る学生の皆様含め、社会人や経営者等あらゆる世代の方が受験対象です。
ビジネス会計検定試験の体系化
ビジネス会計検定試験では、先述したように3つのレベルに分けられています。
一つずつ見ていきましょう。
ビジネス会計検定試験3級
ビジネス会計検定試験3級は「基本財務諸表としての貸借対照表、損益計算書、およびキャッシュ・フロー計算書に記載されている項目と計算構造」を学習する必要があります。
ビジネス会計検定試験3級の到達目標は「会計の用語、財務諸表の構造・読み方・分析等、財務諸表を理解するための基礎的な力を身につける」事にあります。
ビジネス会計検定試験3級の出題範囲は以下の通りです。
・財務諸表の構造や読み方に関する基礎知識
財務諸表とはそもそも何なのかをはじめ、
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュ・フロー計算書
等の理解が必要になってきます。
・財務諸表の基本的な分析
財務諸表の基本分析を行える知識が必要になります。
- 基本の分析
- 成長率の分析
- 安全性の分析
- キャッシュフロー情報の利用
- 収益性の分析
- 1株あたりに関する分析
- 1人あたりに関する分析
上記2項目において基礎的な知識が必要になるのがビジネス会計検定試験3級になります。
問題形式はマークシート式で制限時間が2時間のテストです。
100点満点中70点以上の得点で合格になります。
ビジネス会計検定試験2級
ビジネス会計検定試験2級は3級の知識を前提とし、「有価証券報告書の連結財務諸表に記載されている項目と計算構造」を学習する必要があります。
ビジネス会計検定試験2級の到達目標は「企業の経営戦略や事業戦略を理解するため、財務諸表を分析する力を身につける」事にあります。
ビジネス会計検定試験2級の出題範囲は以下の通りです。
・財務諸表の構造や読み方、財務諸表を取り巻く諸法令に関する知識
会計の意義や制度に関する問題、連結財務諸表の構造と読み方に関する知識と応用力が求められます。
・財務諸表の応用的な分析
財務諸表の応用的な分析を行える知識が必要になります。
- 基本の分析
- 安全性の分析
- 収益性の分析
- キャッシュフローの分析
- セグメント情報の分析
- 連結倍率と規模倍率について
- 損益分岐点の分析
- 1株あたりに関する分析
- 1人あたりに関する分析
上記2項目において、3級で学んだ知識を活かし、応用的な分析を行う必要があります。
問題形式はマークシート式で制限時間が2時間のテストです。
3級同様、100点満点中70点以上の得点で合格になります。
ビジネス会計検定試験1級
ビジネス会計検定試験1級は2、3級の知識を前提とし、「会計情報に関する総合的な知識として、投資関連の各種ディスクロージャーや財務諸表と計算書類の総合的な理解を深める」必要があります。
また、概念フレームワーク、会計基準、内部統制やマネジメントにおける事業評価などにも活用できる企業価値分析の基本的な考え方や分析方法を学ぶ必要があります。
ビジネス会計検定試験1級の到達目標は「企業の成長性や課題、経営方針・戦略などを理解・判断するため、財務諸表を含む会計情報を総合的かつ詳細に分析し企業評価できる力を身につける」事にあります。
ビジネス会計検定試験1級の出題範囲は以下の通りです。
・会計情報に関する総合的な知識
会計情報に関するあらゆる知識が求められます。
主に下記の知識が必要です。
- ディスクロージャー
- 財務諸表と計算書類
- 財務諸表項目の要点
- 財務諸表の作成原理
ディスクロージャーに関しては、ディスクロージャーとはそもそも何なのかから始まり、会社法上・金融商品取引法上のディスクロージャーや証券取引所が求めるディスクロージャー、ディスクロージャーの電子化に関して知識が必要になってきます。
・財務諸表を含む会計情報のより高度な分析
3,2級で獲得した知識を基に、より高度な分析が行えるようになるのが望ましいです。
- 財務諸表分析
- 企業価値分析
の2項目に関するありとあらゆる知識がもろめられます。
問題形式はマークシート式及び論述式で制限時間が2時間30分のテストです。
200満点中論述式に関しては50点以上かつ全体で140点以上の成績で合格となります。
また、1級のみ準1級認定というものが存在します。
準1級は不合格者のうち120点以上を取得した受験者に与えられる資格です。
ビジネス会計検定試験取得メリット
取得メリット①:ビジネスにおいて必須の会計知識を学ぶことができる
ビジネス会計検定試験は上述したように、財務諸表等の会計に関する知識を学ぶことができます。
財務諸表でわかることは多く、ビジネスにおいて必須の技術であるといえるでしょう。
学生の皆さんに関しては、経済・経営に関するあらゆるニュースや記事の内容理解度を高める手助けになります。
また、将来的に管理職やマネジメントを行うようでしたら会計のスキルは必須です。
こういったスキルを3級から基礎を学びつつ、資格として認められるビジネス会計検定試験は資格の取得及び学習の両面からメリットがあります。
取得メリット②:就職に有利
ビジネス会計検定試験は就職に有利に働きます。
ビジネス会計の分野は今後社会人としてやっていく上で必須の能力であると何度も記述していますが、これを内定時・入社時にある程度わかっていることは採用する企業にとってもプラスであるからです。
段階的に取得が可能な検定なので、勿論3級や2級でも一定の評価はなされるでしょう。
会計を学びたい、実践したいという意欲を企業にアピールするポイントの一つになり得ます。
ビジネス会計検定試験受験方法
このようにビジネス会計検定試験は非常に魅力的な資格です。
ではどのようにビジネス会計検定試験を受験することができるのでしょうか?
ビジネス会計検定試験:日程
日程は2,3級は年に2回、1級は年に1回開催されています。
2,3級は10月と3月、1級は3月のみ開催されています。
詳しい日程は年によって変わるので公式サイトを確認しましょう。
ビジネス会計検定試験:受験資格
ビジネス会計検定試験は学歴・年齢・性別・国籍に制限はなく、誰でも受験することができます。
ビジネス会計検定試験:申し込み方法
ビジネス会計検定試験の申し込み方法はネットにて申し込みとなります。
ネットにて決済を行い、後日受験票が郵送する形です。
ビジネス会計検定試験:開催場所
ビジネス会計検定試験は
- 札幌
- 仙台
- さいたま
- 東京
- 横浜
- 新潟
- 金沢
- 静岡
- 名古屋
- 京都
- 大阪
- 神戸
- 岡山
- 広島
- 山口
- 松山
- 福岡
上記17箇所で開催されています。詳しい会場に関しては受験票に記載されています。
ビジネス会計検定試験:受験料
ビジネス会計検定試験は
(全て税込)
3級 4950円
2級 7480円
1級 11550円
の費用がかかります。
ビジネス会計検定試験の勉強方法
ビジネス会計検定試験の勉強方法に関しては過去問を解くことも大事ですが、何よりも財務諸表などの会計に関する知識をきちんと根本から理解することが大切になってきます。
各級の問題例が公式サイトにて公開されているので、受験しようと考えている方は一度目を通してみてはいかがでしょうか。
学生の皆さんにおいてはビジネス会計に関する授業を専攻できる学校を選ぶのも一つの手です。
日本経済大学では商学科にて会計・財務コースを設置しています。
会計の国際基準に精通した高度な教育体制を準備し、ビジネス会計で必要な会計学以外にも
- 簿記原理
- 原価計算論
- 税務会計論
- 会計監査論
等を学ぶことができます。
ビジネス会計検定試験の他にも税理士や公認会計士、簿記検定といった資格も在学中に取得が可能なコースになっています。
会計・財務に関するスペシャリストになるためのバックグラウンドが揃っているコースです。
また日本経済大学では資格取得奨励金給付制度を実施しており、ビジネス会計検定試験も勿論対象になっています。
級ごとに給付金が定められているので、習得のモチベーションに繋がります。
ビジネス会計検定試験を取得するには?:まとめ
以上、ビジネス会計検定試験の概要や取得メリット、受験方法や勉強方法をご紹介してきました。
ビジネスにおいて必ず必要になる会計の知識。
ビジネスパーソンとして学びながら資格を得ることができるのでまさに一石二鳥な資格です。
学生の皆さんにおいては、大学で学んだ知識の理解度の把握に使うのもよし、就職を有利にするために取得するもよしと受験するメリットの高い資格となっています。
是非一度受験を考えてみてはいかがでしょうか。