大学における商学部と経営学部の違いをわかりやすく紹介

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商学部と経営学部の違いってなんだろう?

大学で何を学びたいかよりも、大学を卒業したら、ある程度安定した企業に就職したいと考えている人は、商学部や経営学部への進学を考慮し始めているかもしれません。

しかし、非常に多くの人が、商学と経営学に差はないと思っていて、違いを理解できていません。実際、商学部と経営学部は似ていますし、同じ括りにしている大学もあります。しかし、実際は商学と経営学には異なる点があるのです。

この記事では、大学における商学部と経営学部で「学ぶこと」「メリット」「就職先」「取得を目指せる資格・スキル」の違いを徹底的に解説していきます。

1.商学部と経営学部で学ぶことの違いは?

①商学部で学ぶこと

商学とは「商い」、つまり商売に関する学問のことで、モノの売り買いによって生じる売上や利益など、商業全般やお金の流れについて学びます。

商学とは、物を売買することで生じる売上や利益など、商売全般やお金の流れを学ぶことです。

商売と聞くと小売店をイメージしてしまうかもしれませんが、商売をするというのは個人店でも企業でも同じです。金融業や貿易など形態は異なっても、提供する商品やサービスがあり、それを欲する消費者がいれば商売と言えます。「商売=ビジネス」ということです。

経営学の理論や分析手法に加え、「経営」というものを解明するために、経済学や心理学、社会学など他分野の理論や分析手法を参考にし、それらを巧みに組み合わせながら研究を進めるのが特徴です。さまざまな学問分野を浅く広く勉強できる学問とも言えます。

商学部では、基礎科目として「マクロ経済学」「ミクロ経済学」「統計学」のような経済学や、「経営論」「組織経営論」「マーケティング」「ファイナンス」のような経営学を学びます。2年次以降になると、商学をより専門的に学べるコースに分かれることが多く、マーケティング、会計、マネジメントなどの分野ごとにビジネスの世界をさまざまな角度から総合的に学びます。

また、税理士や公認会計士の資格取得を目指す学生向けの講座がある大学や、習得した知識を実践するため、実際に企業と連携して商品企画を行う「演習」を採用している大学が多くあります。

商学部は、広く浅く学ぶことも、専門性を追求することもできる選択肢の幅が広い学部と言えるでしょう。商学部は、経営学部と比べると企業に入るための仕事の訓練の場とも言えるかもしれません。

②経営学部で学ぶこと

経営学とは、企業や会社、組織運営に関わるすべてのことを多角的に見て、「より良くするために何ができるか」を考える学問です。

異なる考えを持つ個々によって形成された組織で発生するあらゆる種類の現象を研究します。経営学は単一の分野に分類することはできず、経済学、心理学、法律、社会学など、さまざまな学問的側面を網羅しています。

また、経営学部では、事業の継続性(長期的・恒久的な視点からの経営・事業)を確保するための戦略を学びます。持続可能な企業や組織を目指し、存続させる方法を知るための学問です。

企業や組織の経営について、財務、会計、マーケティングなどを様々な視点から学びます。また、経営に伴う経済知識や法制度の理解も必要です。

経営学部では「経営論」や「組織経営論」に加え、「マーケティング」「ファイナンス」「人材マネジメント」などを学び、個々の組織における問題解決力を養います。企業や会社を経営する方法について詳しく学びたいなら、経営学部が最適です。その他にも「経営哲学」「経営史」「経営文化」「SDGs」などとにかく沢山あります。

つまり経営学部とは、さまざまな切り口から経営を学ぶ学部であり、会社を経営していくために未来を予見する力と、現代社会のルールを理解する力を身につけることができます。

③商学部と経営学部で学ぶ授業例を紹介

具体的に商学部や経営学部で実施されている授業例をケースで紹介します。

商学部のケーススタディ:

  • 例1: 「小売業の売上向上戦略」 – 小売業における商品配置、プロモーション戦略、顧客サービスの改善による売上向上の事例を紹介します。
  • 例2: 「Eコマースの成功事例」 – オンラインショッピングサイトのマーケティング戦略や顧客体験の最適化による成功事例を探究します。

経営学部のケーススタディ:

  • 例1: 「スタートアップの成長戦略」 – 新興企業が直面する課題とそれを克服するための経営戦略を分析します。
  • 例2: 「企業のCSR活動とその影響」 – 企業の社会的責任活動が企業イメージや財務成績に与える影響を検証します。

2.商学部と経営学部で学ぶメリットの違いは?

商学部と経営学部では学修科目が異なるため、得られるメリットにも違いがあります。メリットの違いも理解して、学部選択に役立てましょう。

①商学部で学ぶメリット

商学部はビジネス全般を研究対象としているため、研究領域が広く、学生は自分の興味に基づいて研究内容を選択することができます。

また、ニュースなどで取り上げられる話題が授業内容に出てくる機会が多いため、面白い講義が多いです。

商学部にはビジネスに強い関心を持っている人も多いため、将来ビジネスリーダーを目指す人や、起業を目指す人から刺激を受けることができますし、将来的なつながりも築くことができます。

商学部に進学すると、他の学部と比べて、早い段階で企業での働き方や、社会人としての知識が身に付きます。

②経営学部で学ぶメリット

経営学部では、経営管理、労務管理、生産管理など、企業経営全般に関する知識を身につけることができます。理論だけでなく、実際の企業活動やそれが市場に与える影響について、さまざまなケーススタディを通じて実践的な内容を学ぶことができます。経営に関する知識や情報が多いということは、就職活動の際に非常に役立ちます。

また、NPOや自治体など公益性の高い団体でも経営学部で培った組織問題解決力は役に立ちます。自分で事業計画を作成し、新しい会社を立ち上げる、つまり起業するという道も考えられます。

3.商学部と経営学部の就職先の違いは?

商学部か経営学部のどちらを選ぶか決める際に気になるのは、卒業後の就職先も大きいですよね?どのような企業や会社、組織に就職するのでしょうか。

結論から言うと、商学部と経営学部の就職先の違いは、ほぼありません。

商学部と経営学部の卒業生はどちらとも、大学で得たスキルが幅広く応用できるため、さまざまな業種から大きな需要があります。

どちらの学部からも、総合商社、金融機関、メーカーのような人気業種に就職する人が比較的多いです。さらには、国税庁、中央官庁、都道府県庁、市役所などの行政で公務員として活躍している人も多くいます。

また専門職に就くなら、エコノミスト、データアナリスト、会計士、ファイナンシャルプランナー、ファイナンシャルコンサルタントなどがあります。

商学部と経営学部出身の平均年収は、500万円~650万円ほどと言われています。

例えば、地方銀行で就職する場合、初任給の年収300万は、平均600万くらいが多いようです。

卒業した大学、地域、仕事内容、雇用形態によってさまざまではありますが、安定した収入が期待できる職種と言えます。

また、大手求人サイトの求人募集を見ると、正社員採用のエコノミストの年収は450万円~1,500万円ほどで、契約社員であっても400万円~700万円ほど稼げるようです。

エコノミストの年収・給料は、地域、仕事内容、雇用形態によってさまざまではありますが、責任感が伴う重要な業務のため、雇用形態が契約社員であっても、ある程度の高収入が期待できる職種と言えます。

キャリアパスの具体例

商学部の卒業生は、総合商社や金融機関でのビジネス戦略立案や市場分析の職に就くことが多い傾向にあります。一方、経営学部の卒業生は、企業の経営管理や人材管理、さらには起業家として自身のビジネスを立ち上げる道を選ぶこともあります。ただし、学生自身で様々な選択肢を選ぶので多様で広い視野を持って、就職先を選べることになります。

4.商学部と経営学部で目指せる資格とスキルの違いは?

就職に結びつく資格やスキルも重要な要素です。商学部と経営学部で、目指せる資格やスキルにはどんな違いがあるのでしょうか?

実は、資格やスキルも商学部と経営学部では大差ありません。しかし、目的によって少し違うので一応確認してみましょう。

①商学部で得られる資格とスキルは?

商学部で学んだことに関連する資格を取得すれば、商学部で学んだことを仕事に活かすことができます。

商学部で取得しておくと大変有利な資格は、「公認会計士」「税理士」です。また、会計学科などを専攻する場合、大学、学科、コース等によっては、「簿記」に合格することを単位取得の条件にしている所もあります。簿記の知識は、会計事務所、企業の経理部門などだけでなく、起業する際にも必要となりますので、在学中に3~2級を取得すると就職活動で有利になるでしょう。

他にも「中小企業診断士」「ファイナンシャルプランナー」「社会保険労務士」「通関士」「証券アナリスト」などがあります。

また、教職課程では、中学校の社会科、高校の公民、商業科の教員免許取得を目指すことも可能です。

②経営学部で得られる資格とスキルは?

経営学部で取得しておくと有利な資格としては、お金に関する専門家であることを証明する「ファイナンシャルプランナー」、お金の出入りや取引を記録するための「簿記」、小売業に関する知識を学ぶ「販売士」などがあります。

また、「上級ビジネス実務士」「上級情報処理士」などは、大学で単位を修得すれば授与される資格です。

効率的に作業し、ビジネスの生産性を向上させるために、経営学は幅広いスキルを必要とします。経営学のプログラムでは、現代のビジネスを形成する歴史的、政治的、文化的、倫理的、および制度的要因に重点をおいて、経営について学びます。また、情報技術、計算能力、および研究における貴重なスキルを習得し、経営陣の理論、研究、および実践を評価するスキルを開発します。

おわりに

商学部と経営学部の違いは理解できましたでしょうか?

「商学」とは、企業の具体的な活動や、企業と消費者との関係に着目した学問であり、「経営学」は、企業経営の視点から企業管理などの経営理論を学ぶ学問です。

商学部または経営学部のどちらも就職に対する有利さはさほど違いはありません。どちらの学位も常に大きな需要があり、将来性があります。

大学で学びたいこと、将来就きたい業種や企業を考えて、じっくり検討してみてください。

日本経済大学・経営学部について

日本経済大学の経営学部は福岡校・渋谷校にあります。

日本経済大学の経営学部は以下の3つの学科に分かれています。

経営学科
グローバルビジネス学科
芸創プロデュース学科

多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた支援をしています。1年次から将来のビジョンを持ち、専門分野を学べるのが日本経済大学の特徴です。

是非、参考にしてみてください。

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