10代の後半に差し掛かる高校生になると、自分の将来について考える人が出てきても珍しくありません。その中には「自分は大人になったら自分の会社を持って経営をしたい」「家の家業を継ぎたい」という明確なビジョンを持っている人もいるはずです。
そして、社会人として働く前に今のうちから経営について知っておきたい」「経営についてよくわからないから今のうちに体験してみたい」などと考えている人もいるかもしれません。
では、未成年の高校生のうちから経営に関わることは可能なのでしょうか。今回は、高校生と経営について、高校卒業後、大学に進学して経営学部を選んだ場合、どのような道があるのかなどについて、詳しく解説していきましょう。
高校生から経営に関わることは可能?
結論から言うと、高校生(未成年)での起業は可能です。ただし、すべて独力で行なえるわけではなく、ある条件をクリアしないといけません。それは親の承諾です。
民法第5条、商法第5条では、それぞれ以下のような意味合いの決まりが記されています。
- 民法第5条「未成年者が法律行為を行うには親権者の同意を得る必要がある」
- 商法第5条「未成年者が商行為を行うときはその登記をする必要がある」
未成年が起業をする場合、まず親など親権者の許しを得る必要があり、会社登記をするために提出する必要書類には、すべて親権者の同意書が必要なのです。
また、起業をするためには、資本金や初期費用などもかかり、企業に必要な資金は決して安くはありません。それらをすべて自己資金・あるいは親など他者からの資金提供によって用意できれば問題ありませんが、未成年ではまず不可能でしょう。
何よりも高校生は学業があるので、経営に専念すると学業が疎かになります。決して不可能ではない高校生の経営ですが、現実的には不可能といっていいでしょう。
高校生がお金を稼ぐ方法
高校生からの起業・経営は難しいですが、高校生が自分で働いてお金を得ることは可能です。未成年であっても高校生からのアルバイトは労働基準法により認められています。未成年は夜〜深夜の時間帯は働けないという制限はありますが、高校生になってからアルバイトに励む人は少なくないでしょう。
では、高校生がお金を稼ぐ方法にはどのような種類があるのか、以下より紹介しましょう。
アルバイト
アルバイトの種類は多岐に渡りますが、求人で「16歳、高校生可」という表記があれば、どんな職種であっても働くことは可能です。
ただし、深夜などの時間帯は働けないという制限があり、未成年でも時間帯に関係なく働かせる職場は労働基準法違反となります。
アフィリエイト
ブログやサイトを運営して、そこに載せた広告経由で購入者が居た場合、そのブログ・サイト管理人に報酬が入るシステムです。報酬を少しでも多く得るためには管理しているブログ・サイトに多くの閲覧者を呼び込む必要があり、そのためのアイデアを考えなくてはいけません。
やれば必ず報酬が得られるという保証はなく、成功すれば何もしなくても自動的に報酬を獲得できますが、数ヶ月〜数年運営して報酬がないといったパターンもあります。
ポイ活
ネット環境さえあれば、空いた時間に気軽にできるのがポイ活(ポイント活動)です。あらゆるポイントサービスに登録して、ポイントを稼ぐ方式ですが、地道な作業を積み重ねる必要があります。数百円〜数千円ぐらいが月の平均収入ですが、気軽にできる点がメリットです。
動画配信
YouTubeなどの動画配信サイトに動画を投稿して、広告収入を得る方法です。広告収益が可能になるには動画チャンネルの登録数などを満たす必要があり、動画を投稿しても閲覧者がいない・少ない場合は収益になりません。
成功すれば月に数十万〜数百万の収入になります。しかし、そのために動画配信者はさまざまなアイデアを考える必要があり、決して楽ではありません。また、閲覧者からの誹謗中傷を受けることもあり、一歩間違えると炎上騒ぎ・身バレなどによる個人情報特定などの被害もあります。
データ入力
ポイ活と同様、地道な作業なのが、データ入力です。単調作業であり報酬も決して高くないですが、地道にやり続ければそれなりの収入になります。
高校生がお金を稼ぐメリット・注意点
未成年である高校生がお金を稼ぐ行為はメリットがある反面、注意点もあります。メリット・注意点とは何か、次より紹介しましょう。
メリット
高校生が働くメリットは、お金を稼ぐ大変さを体験できる点です。高校生である程度の知識がある人は経営なんて簡単だろうと思う人もいるかもしれません。しかし頭の中で想定することと実際に働くのはまったくの別問題です。数百円〜数千円を稼ぐのがどれだけ大変なのか、アルバイトなどで身をもって体験できるでしょう。
また、実際の経営について肌で触れられることもメリットです。高校生がやる仕事は単調なものが多いため、実際の経営に触れる機会はありません。ただし、自分からバイト先の店長・社長に積極的にアプローチをすれば、その片鱗を見ることができるでしょう。
注意点
高校生であっても、ある程度の収入になると税金の問題が出てきます。年収が103万円以上になると所得税が発生するので、税金を納めなくてはいけません。
また、ネット経由で仕事をする場合、個人情報の漏えい・悪い業者に引っ掛かる・誹謗中傷・炎上騒動などに巻き込まれる可能性も少なくありません。
高校生が将来のためにやっておくべきこと
高校生の中には、高校生はもう子供じゃないと思っている人もいるでしょう。また、知識・スキルがある人は早くからサイトなどを作成して収益システムを構築できる人もいるかもしれません。
しかし、高校生はまだいろいろなことを吸収する時期です。そのインプット期間に色々なことを経験していれば、それが将来大いに役立つでしょう。
では、将来に向けて高校生のうちにやっておくべきことは何か、次より紹介しましょう。
資格を取得する
おすすめなのが資格取得です。資格の種類によっては高校生が資格取得のための試験を受験をしている資格もあり、高校生からの資格取得は決して早くはありません。
資格取得のメリットは、専門性の高い知識・スキルを習得できることですが、そのような知識を持っている証明にもなることです。就職活動・転職活動においても資格取得をしているだけで、即戦力が期待できるので、有利になります。
また、その資格取得により得た知識が、別の資格取得試験の際に役立つことも多々あるので、資格取得は決して損はしません。
多くの人に会い、話を聞く
高校生は若くて吸収力があるため、インプット作業に力を入れることをおすすめします。そのインプット作業の中でも特におすすめなのが、色々な人に会って話を聞くことです。
特に自分より年上の人は自分より年齢を重ねた分だけさまざまなことを経験しています。そのような人生の先輩は成功だけでなく幾つもの失敗も経験して、さらにそこから教訓を得ているはずです。そのような豊富な人生経験は自分の今後の人生においても大いに役立つでしょう。
人と話すのが苦手な人でも、先述したバイト先の店長や社長などに自分から思い切って話をしてみましょう。基本的に自分より若い人がこちらの話に興味を持ってくれて、悪い気になる人はいません。喜んで色々な話をしてくれるでしょう。
それでも人と話すのが苦手な人は、ネット上でもさまざまなタイプの人と接してみるのもおすすめです。ネット上であれば、場所・距離などの物理的な問題も関係ないため、多くの人と交流できるでしょう。
読書をする
高校生のインプット作業でさらにおすすめなのが、読書です。多くの成功者は自分の成功哲学・半生を書籍にして発表しています。その人が数十年かけて築き上げた仕事上の哲学がほんの数十分〜数時間で読めて吸収できるのが、読書の強みです。
成功者はその本の中で成功だけでなく数多くの失敗談も書いていることが多く、その失敗からさらに多くのものを得ています。今後の人生の参考になるでしょう。
経営学部で得た知識が活かせる仕事
高校生の時から大学進学の際は、経営学部に進学しようと決めている人もいるかもしれません。経営学部では、企業経営の経営・労務・生産管理など、経営に関する全般的な学習を行ない、実務的な知識・スキルを身につけます。
そのような知識は、大学卒業後、どのような仕事で活かすことができるのでしょうか。大学の経営学部で得た知識が活かせる仕事について、以下より紹介しましょう。
起業・家業を継ぐ
経営学部に進学する人は、最初から「自分の会社を持ちたい」「家の店を継ぐ」という確固とした目的を持っている人もいます。そのような人は、経営学部で学んだ最新の経営情報を習得して、卒業後に自身の事業に活かします。家業を継ぐ場合は、経営者としての視点で多角的な知識を学び、家業をより発展させたいというケースが少なくありません。
経営学の基礎的な知識から最新情報まで幅広い学習で身に付いた知識は、卒業後も大いに役立つことでしょう。
金融・保険業界
経営学部で学ぶことは経営に加えて、財務・会計などの知識も学びます。それにより習得した知識は金融・保険業界でも大いに活かすことが可能です。
IT業界
IT業界というとエンジニアやプログラマーなど理系の専門職というイメージがありますが、開発のプロジェクト・チームを総括するマネジメント・市場へのマーケティングなどは、経営学で学んだ知識が活かされます。
経営学部の学習に加えて、在学中にIT関連の資格取得をすれば、就活の際に有利になるでしょう。
コンサルティング業
経営学で学んだ豊富な知識・スキルは、コンサルティング業にも適しています。経営学部での学習に加えて、資格取得をすれば、独立開業も決して不可能ではありません。
まとめ
高校生は、まだ未成年であるため、将来の夢に思いを馳せる時期でもあります。しかし、中には現実を見て起業をしたいと考えている高校生もいるでしょう。確かに未成年である高校生の身分で起業を考えているのは、現実的だと言えます。
しかし中にはさまざまなメディアに成功者が出ているのを見て「僕もあんなふうにお金持ちになりたい」と良い点だけを見ている高校生もいるかもしれません。
もし、将来は自分の会社を持って事業をやりたいという考えがある場合、高校生のうちからさまざまなことを経験してみることをおすすめします。アルバイトでも家の手伝いでもいいので、お金を稼ぐ苦労・楽しさを体験するのもいいでしょう。
また、本格的に経営学を学びたい人は、日本経済大学の経営学部への進学もおすすめします。日本経済大学の経営学部は、「グローバルビジネス学科」「芸創プロデュース学科」「経営学科」と3つの学科があり、それぞれ多彩なコースが用意されており、経営に関するさまざまな学習・実務が経験できます。
「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。
■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)
都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立された大学です。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は、経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持っています。日本有数の、留学生を抱える国際色豊かな大学です。