就職・転職活動の際に強い自己アピールの材料になるのが、所有している資格です。資格は専門性の高い知識・スキルを持っている証明になるため、実務の経験がなくても就活・転職の面接の際、有利になります。
しかし、いくら資格取得をしていても、その資格を活用できる業務に世間のニーズがないと意味がありません。どんな時代・世間の動向の変動があっても、常にニーズのある資格を選ぶことが大事です。
そこで今回は、いつの時代でもニーズのある不況に強い資格は何なのか、解説していきましょう。
いつの時代でも需要のある仕事とは?
不況であっても仕事に困ることのない資格を探すには、その前にいつの時代でも需要のある職種が何であるかを知っていないといけません。
好景気・不況に関係のない常に需要のある仕事は、以下の業種が代表格です。
- IT
- 介護・福祉系
- 士業
- 土木・設備系
IT業界は他の業界と違ってまだ歴史が浅いながらも、数十年で急速に進化を遂げた分野なので、その進化に人材がついていけないという状態が長年続いています。介護・福祉業界も、加速する高齢化社会に対して慢性的な人手不足が続いている状態です。
IT・介護・福祉ともにそれらに関連した資格を取得していれば、専門性の高い知識・スキルを習得していて即戦力が期待できる人材として、歓迎されるでしょう。
また、独占業務を担当できる士業は、いつの時代であっても需要があり仕事に困ることがないといわれている資格です。独立開業もしやすいため、高収入が期待できます。
土木・設備系の資格も、どんな時代であってもニーズがあるために、それらに関連した資格取得をしていれば、仕事に困ることはないでしょう。
不況に強い資格20選を紹介!
資格は、国家・公的・民間と3つの種類があり、それぞれ膨大なタイプの資格が存在します。そのため、資格取得を検討している人には、どの資格の取得を目指せばいいのか、どの資格が仕事に有利になるのかわからないという人もいるでしょう。
そんな悩みを解消してもらうために、当記事で厳選した不況に強い資格20選を、以下より紹介しましょう。
1.基本情報技術者
ITエンジニアの登竜門と言われている国家資格が基本情報術者です。ITに関する技術・管理・業務の基礎的な知識・スキルが身に付き、それをもとにさまざまな業務に活用できます。毎年10万人以上が受験しています。同じIT系の資格にITパスポートがありますが、それよりもワンランク上の位置にいるのが、この資格です。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html
2.応用情報技術者
基本情報技術者よりもワンランク上の位置付けになっているのが、応用情報技術者です。基本情報技術者と同様に、資格試験は技術・管理・業務の分野からの出題になりますが、資格名の通り、基本情報技術者で習得した知識・スキルの応用・対応力が要求されて、さらに深い知識も必要になります。
合格率も20%前半のため、決して優しくない難易度となっていますが、資格取得をすれば、幅広い業務に対応できるでしょう。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html
3.情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)
情報セキュリティスペシャリストは、2016年までこの資格名で試験が実施されていましたが、2017年以降は情報処理安全確保支援士という名称に変更しています。この資格を習得して身に付くのは、情報システムおよびシステム基盤の分析、セキュリティの知識や実践スキル、マネジメントや法的な知識などです。
ITが公私ともにあらゆる領域で浸透している現在において、最も重要なのがセキュリティです。その分野のスペシャリストは慢性的な人材不足であるため、この資格取得をしてセキュリティ情報に強い人材は、どの業務においても重宝されるでしょう。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sg.html
4.プロジェクトマネージャー
先述したIT系の3つの資格は情報処理推進機構という機関が資格管理・試験運営を行っていますが、プロジェクトマネージャーもその資格の一つです。
クライアントから提示された案件に対して、人材の確保とその役割分担、プロジェクトおよびチームの編成、納期までのスケジュール作成とその管理、クライアントや顧客への対応など、すべての業務の計画・管理・交渉を担当するのが、この資格取得者の役割です。また知識を活かしたコンサルティング業も行なえます。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html
5.日商簿記
企業の経営成績・財務状況を管理する知識・スキルを習得できるのが、日商簿記です。経営管理という誰でも簡単にできない重要な業務を担当するため、どの業界においても重宝されます。そのため、昔から毎年受験者は多く、資格の代表格という存在です。
日商簿記は、そのレベルに合わせて1〜4級と等級が用意されており、その人の実力に見合った等級を選択できます。1級試験に合格すれば、税理士の受験資格も得られるため、税理士になるためのステップとして受験する人も少なくありません。
6.宅地建物取引者
不動産取引において、複雑な内容を説明して公正な取引を実現させる役割が、宅地建物取引者です。この説明業務は不動産に関する多様な知識を持っていないとできないため、独占業務となっています。あらゆる業務に対応できる汎用性もあるため、取得したいと希望する人は少なくありません。就職・転職活動においても有効なアピールポイントとなります。
https://www.retio.or.jp/exam/exam_detail.html
7.社会福祉士
高齢化社会の加速化により年々重要視されている資格が、社会福祉士です。福祉に関する知識・スキルを習得できるため、高齢者福祉施設・障がい者や児童福祉施設・病院・地域包括支援センターなど、あらゆる現場で即戦力となります。また、資格手当の受給対象になる、他の福祉系の資格の際にも役立つなど、メリットも多数です。
https://www.sssc.or.jp/shakai/
8.社会保険労務士
通称「社労士」と呼ばれているのが、社会保険労務士です。労働基準法や厚生年金法などに関する複雑な書類作成・手続き代行・相談などを担当します。いくつかの業務は社労士の資格取得者にしかできない独占業務なので、いつの時代でもニーズのある業務を独占することが可能です。不況であっても独立開業して成功することもできるでしょう。
9.行政書士
官公署にて行なう手続き代行を担当するのが、行政書士です。飲食店や運送業に関する許可を取るには複雑で手間のかかる手続きが必要ですが、行政書士はそれらをすべて代行します。行政書士は、弁護士や司法書士と同様に難易度が高いですが、行政書士は他の士業に比べると比較的合格しやすいといえる国家資格です。
10.中小企業診断士
文字通り中小企業が抱えている問題や課題に関して、適切なアドバイス・サポートを行なうのが、中小企業診断士です。豊富な知識とコミュニケーション能力が必要とされます。幅広い人脈を構築すれば、独立開業しての成功も不可能ではありません。
https://www.j-smeca.jp/contents/007_shiken.html
11.不動産鑑定士
不動産の売却・贈与・賃貸などを希望する依頼主に対して、その人が所有する不動産を、確かな鑑定スキルで価値を提示するのが、不動産鑑定士です。不動産に関する複雑な法律の相談や解説、不動産コンサルティングも行ないます。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/kanteishi/shiken.html
12.電気主任技術者
あらゆる電気設備に関する仕事を担当するのが、電気主任技術者です。この資格は扱える電圧によって第一種・二種・三種と等種が分かれており、第三種が最も電圧が低い決まりになっています。工場・商業施設・ホテル・大学や病院など、資格取得さえすれば、あらゆる場所で働けるでしょう。
https://www.shiken.or.jp/examination/e-chief03.html
13.ボイラー技士
工場や商業施設にあるボイラーを扱う専門家がボイラー技士です。ボイラーはそのタイプによって資格がなくても扱うことは可能ですが、ある一定の大きさを超えた場合、ボイラー技士の資格が必要になります。近年は資格がなくても扱える安全性の高いボイラーも少なくないですが、ボイラー技士の需要は続いていくでしょう。
https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikaku122.htm
14.危険物取扱者
火災の原因となる燃料物を、正確なスキルと知識を持って安全な取り扱いを担当するのが、危険物取扱者です。この資格取得者が担当する環境は、工場・塗料メーカー・薬品会社・ガソリンスタンドなどがあります。業務を行なう場所は多岐にわたるため、仕事に困ることはないでしょう。
https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/
15.ファイナンシャルプランナー
税金や保険、資産運用や不動産に関する問題を抱えた人に対して、正しい知識とコミュニケーション能力を駆使して、相談者に見合ったライフプランを提示する役割が、ファイナンシャルプランナー(FP)です。
税金や年金などに関する豊富な知識に加えて、相談者に対していかに複雑な仕組みをわかりやすく解説できるかという、高度なトークスキルも必要になります。
https://www.jafp.or.jp/aim/fptoha/fp/
16.保育士
昔から根強い人気のある資格が保育士です。保育士の仕事は、無資格であっても問題のない保育園も多数あるので、決して取得が必須なわけではありません。しかし、保育士資格を取得しているだけで、保育に関する知識・スキルをすでに持っている証明になり、正社員登用・給与の待遇などに大きな差がつきます。
仕事だけでなく日常における子供の接し方にも資格の知識は大いに役立つので、公私ともに便利な資格といえるでしょう。
https://www.hoyokyo.or.jp/exam/
17.ケアマネージャー
介護・福祉施設にて、現場のプラン作成・管理や相談などあらゆる業務を総括する立場なのが、ケアマネージャー(介護支援専門員)です。介護・福祉に関することだけでなく、管理業務などあらゆる知識を習得する必要があります。そのため、介護・福祉以外の業務にも対応できる汎用性のある資格であり、転職の際にも有利になるでしょう。
18.介護福祉士
介護福祉現場で働く際のプロフェッショナル専門家の証明が、介護福祉士です。介護の業界は慢性的な人手不足であり、この資格を取得さえしていれば、即戦力が期待できるため、すぐにチームリーダーのような重要なポジションを任せてもらえます。それにより給与アップも比較的早く実現するでしょう。国家資格であるため、転職の際も有利に働きます。
19.メンタルヘルスマネジメント検定
心にかかる負担を軽減させて、心の病の未然防止を業務としているのが、メンタルヘルスマネジメント検定の資格取得者です。メンタルヘルスを行わないでいると業務全体に損害が生じるので、近年は各企業において、メンタルヘルスおよびそれに精通した人材が重要視されています。
https://www.mental-health.ne.jp/
20.医療事務
医療業界は、高齢化社会が進む近年および将来、今度ますます重要性が増してくる業界です。そのため、医療事務全般を担当するこの資格も、需要が途切れないと予想されています。医療機関は全国あらゆるエリアにあるため、働く場所も困ることはないでしょう。
まとめ
国内・国外にある資格は、国家・公的・民間とあらゆるタイプがあり、その数は数えきれないほどあります。資格のタイプによって、受験費用・受験勉強の時間などに大きな差があるのも特徴です。
まずは、自分がどの資格に適しているかを確認することが大事です。企業に所属して多様な仕事を引き受けたい・独立開業をすぐにしたいなど人によって目標は異なるので、将来を見据えた資格選びが必要といえます。
今回の記事を見て、自分にはどんな資格がぴったりなのか、それを見つけるきっかけになってくれたら幸いです。
「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。
■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)
都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立された大学です。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は、経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持っています。日本有数の、留学生を抱える国際色豊かな大学です。