保健医療学部を目指しているけれど、面接が不安…そんな人も多いのではないでしょうか。
「どんな質問が出るの?」「どう答えればいいの?」と迷ってしまう人もいると思います。
保健医療系の面接では、『志望動機』『人柄』『将来のビジョン』など、学力以外の部分がしっかり見られます。
特に、医療の現場を支える職種を目指すからこそ、誠実さや協調性も大切な評価ポイントになります。
この記事では、よくある質問やその答え方、準備のコツ、緊張しないためのアドバイスまでわかりやすく紹介します。
1. 保健医療学部とは?どんな学科があるの?
『医療系に進みたいけど、医学部以外ってどんな選択肢があるんだろう?』
そんな疑問を持っている高校生も多いと思います。
保健医療学部とは、看護師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・放射線技師・言語聴覚士など、医療現場を支える多くの専門職を養成する学部です。大学によっては、救急救命士や臨床工学技士、保健師・助産師の養成課程も含まれることがあります。
■ 保健医療学部で学べる主な分野
・看護学科:看護師・保健師・助産師などを目指す
・理学療法学科:運動機能の回復やリハビリテーションを専門にする
・作業療法学科:日常生活や社会復帰に必要な動作支援を行う
・臨床検査学科:血液や組織などを調べて診断の手助けをする
・放射線技術学科:レントゲンやMRIなどの画像診断・治療機器を扱う
・言語聴覚学科:ことばや飲み込みに関するリハビリを行う
これらはいずれも、『国家資格が必要な』医療専門職であり、現場では医師や歯科医師と連携しながら働く『チーム医療の一員』としての役割を果たします。
■ 大切なのは『人の役に立ちたい』+『専門職としての意識』
保健医療学部を目指す理由としてよく聞かれるのが『人の役に立ちたいから』という思いです。
もちろんその気持ちは大切ですが、面接ではさらに一歩踏み込んで、その気持ちをどのような職業・働き方につなげたいのかを語ることが求められます。
たとえば、
『高齢者と関わる仕事がしたい』→理学療法や作業療法への興味
『人の話をしっかり聞くのが得意』→言語聴覚士への関心
といったように、自分の個性や経験から“自分に合った医療職”を選んでいることが伝わると、より説得力のある志望動機になります。
2. 面接では何が見られている?他学部との違いとは
保健医療学部の面接では、学力試験では見えない人柄や考え方、将来への意識が重視されます。
特に医療職を目指すうえで、責任感・共感力・誠実さなどがあるかどうかが問われます。
では、他の学部と比べて、どんな点が違うのでしょうか?
■ 保健医療系の面接で重視されること
① 志望動機の深さと明確さ
『なぜこの職種なのか』『なぜこの大学なのか』まで考えられているかが見られます。
② 人柄とコミュニケーション力
将来、患者さんや他職種の人と関わる職業であるため、相手の話をきちんと聞く力や、わかりやすく伝える力があるかをチェックされます。
③ 医療職としての責任感や覚悟
命や健康に関わる仕事を目指す以上、『向いているか』ではなく『本気で目指しているか』が問われます。
■ 他学部とここが違う
文学部や経済学部などの面接では、興味・関心の広がりや学問的な志向が問われることが多いですが、保健医療学部では、『将来どんな医療従事者になりたいか』『人にどう関わっていきたいか』といった『人との関係性』や『社会とのかかわり』に対する考え方が重視されます。
さらに、チーム医療においては他の医療職と連携する場面が多く、『協調性』や『柔軟性』も面接の中で自然に見られていると言えるでしょう。
■ 面接官はここを見ている!
・人と接する仕事への適性はあるか
・現場の現実にある程度理解があるか
・入学後も継続して努力できそうか
・真面目さと、話すときの落ち着きがあるか
【まとめ】
『話し方が上手いか』よりも、『思いや考えを誠実に伝えようとしているか』が評価されます。保健医療学部の面接は、あなたが『どんな人』で、『どんな医療者を目指しているか』を伝えるチャンスです。
3. よく聞かれる面接質問と意図【頻出7問】
① なぜ保健医療の道を選んだのですか?
意図:職業への理解と、志望動機の強さを知るため。
ポイント:『人の役に立ちたい』という気持ちに加え、きっかけとなった経験や出来事を交えて話す。
NG例:『なんとなく医療に興味があった』『親が医療関係だから』
答え方の例:
『小学生の頃に入院した経験があり、看護師さんや理学療法士さんに支えられたことが心に残っていました。人に寄り添う仕事の大切さを感じ、高校生になってから医療職について調べる中で、私も誰かの支えになれる仕事に就きたいと思うようになりました。』
② なぜこの学科(職種)を選びましたか?
意図:なぜその職種を選んだのか、明確な理由があるかを知るため。
ポイント:複数ある医療職の中で、自分に合っている理由を具体的に語る。
NG例:『なんとなく合っていそう』『手に職をつけたかった』
答え方の例:
『中学生のときに祖母が脳卒中で倒れ、言語訓練を受けていたのを見たことがきっかけです。言語聴覚士の方が、根気強く丁寧に支えていた姿に感動し、私も人の「声」や「ことば」を取り戻す手助けができるようになりたいと思いました。』
③ チーム医療で大切だと思うことは何ですか?
意図:協調性や対人関係に対する姿勢を知るため。
ポイント:実体験や学校生活での例と結びつけると説得力が出る。
NG例:『自分一人で頑張ること』『自分の意見を通すこと』
答え方の例:
『文化祭の実行委員をしたときに、意見の違いがあってもうまく調整して進める大切さを学びました。医療でも、患者さんのために多職種が協力することが大切だと思います。一人ひとりが自分の役割を理解し、相手を尊重する姿勢が必要だと感じています。』
④ 高校生活で力を入れたことは?
意図:努力する力、継続力、人柄を見たい。
ポイント:活動の規模よりも、そこで何を学んだかが重要。
NG例:『特に頑張ったことはありません』
答え方の例:
『部活動でバレーボールを3年間続けました。キャプテンとしてメンバーをまとめる難しさを経験し、相手の意見を聞くことの大切さや、粘り強く取り組む姿勢が身につきました。この経験は医療現場でも活かせると考えています。』
⑤ あなたの長所と短所を教えてください。
意図:自己分析力と、成長意欲を見たい。
ポイント:短所も「改善に取り組んでいる」という前向きな姿勢を加える。
NG例:『長所も短所も特にありません』『完璧主義です(補足なし)』
答え方の例:
『私の長所は、人の話を最後まで丁寧に聞けることです。友人から相談を受けることも多く、安心感があると言われます。短所は緊張しやすいところですが、最近は人前で話す機会を増やして克服しようと努力しています。』
⑥ 将来、どんな専門職になりたいですか?
意図:目指す方向性と、職業理解の深さを見たい。
ポイント:「どんな患者に、どのように関わるか」を明確に描けると◎
NG例:『まだ何も考えていません』『とりあえず国家資格を取ってから考える』
答え方の例:
『将来は、高齢者の生活を支える理学療法士として、地域での訪問リハビリに携わりたいです。通院が難しい方にも運動の機会を届け、元気に日常生活を送ってもらえるような支援をしたいと思っています。』⑦ 他の医療職ではなく、なぜこの職種を選んだのですか?
意図:志望の本気度と、調べたかどうかを見たい。
ポイント:他職種との違いを理解したうえで、自分の適性や関心を説明する。
NG例:『医師は大変そうだから』『看護師は夜勤があるから』
答え方の例:
『看護師や医師のように直接治療するのではなく、検査を通じて正しい診断や治療の支えとなる臨床検査技師の役割に魅力を感じました。裏方として医療を支える姿勢に共感し、正確さを求められる点にも自分の性格が合っていると思いました。』
4. 面接対策で差がつく3つの準備ポイント
面接は一発勝負のように思えるかもしれませんが、実は事前の準備で印象は大きく変わります。
特に保健医療学部では、志望動機の深さや職業理解が重視されるため、『どれだけ自分の考えを整理しておけるか』が合否に直結します。
ここでは、差がつくために押さえておきたい3つの準備ポイントを紹介します。
① 志望動機は『経験+調べたこと』で深める
『人の役に立ちたい』という気持ちだけでは、他の受験者と差がつきません。そこで大切なのが、『なぜこの職種なのか』を自分の体験や調べた内容と結びつけて説明することです。
たとえば、
『祖父の入院をきっかけにリハビリの大切さを知った』+『大学のカリキュラムで在宅支援に力を入れていると知った』のように、自分の経験と情報収集の両方を盛り込むことで、本気度と具体性が伝わります。
② 将来像をできるだけ具体的に考えておく
保健医療学部の面接では、『卒業後にどんな医療従事者になりたいか』もよく聞かれます。そのためには、実際の医療現場や業務内容をしっかり理解しておくことが必要です。
・どんな患者さんと関わりたいのか
・どんな場所(病院、地域、在宅など)で働きたいのか
・その中で自分はどう役立ちたいのか
これらを具体的にイメージしておくと、面接での受け答えに『自分らしさ』と『信頼感』が出てきます。
③ 医療職に求められる人柄を意識しておく
医療の仕事は、知識や技術だけでなく、人柄や姿勢がとても大切です。面接では、次のような資質が自然と見られています。
・患者に寄り添える思いやり
・多職種と協力できる協調性
・自分の意見を持ちつつ、人の話を聞く柔軟さ
これらを強調するために、これまでの学校生活でそれが表れているエピソードを準備しておくと安心です。『患者さんの立場になって考える力があるか』は、どの職種でも共通のポイントになります。
5. 緊張しやすい人のための面接当日アドバイス
面接に緊張するのは当たり前です。大切なのは、『緊張しても大丈夫』と前向きにとらえること。以下のポイントを押さえておけば、落ち着いて本番に臨めます。
① 深呼吸と姿勢を整える
緊張したら、ゆっくり深呼吸をして背筋を伸ばしましょう。それだけで、声や表情も自然になります。
② 暗記より“伝える”意識
準備した文章を丸ごと覚える必要はありません。大切なのは、自分の言葉で思いを伝えることです。
③ 目線は眉のあたりを意識
緊張して目が泳ぐときは、面接官の眉のあたりを見るようにすると、自然な視線になります。
④ 前日はしっかり準備と睡眠
持ち物(受験票、筆記用具、スーツなど)は前日チェック。早めに寝て、体調を整えましょう。
少しくらい言葉が詰まっても構いません。伝えようとする気持ちが、一番の好印象につながります。
おわりに
保健医療学部の面接では、あなたの思いや考えを落ち着いて伝えることが大切です。
準備をして、自分の言葉でしっかり伝えましょう。
焦らず、あなたらしさを大切にしてください。
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