小学校教員になるにはどうするのか?

by GAWA_K

小学校の先生と聞いて「公務員だから生活が安定している」「多感な子どもたちを相手にするから大変そう」とイメージする人は少なくないでしょうが、では、実際、小学校の教員とは、どんな仕事内容なのでしょうか。

今回は、小学校教員について、以下の点について解説します。

  • 小学校教員の仕事内容
  • 小学校教員の平均年収
  • 小学校教員になる方法
  • 小学校教員に向いている人

安定している公務員の一種として、あるいは子どもが好きだからという理由で、小学校の教員を就職先に考えている人は、今回の記事を参考にしてくれたら幸いです。

 

小学校教員の仕事内容

小学校教員とは、いったいどのような立場なのか、その定義や業務内容について以下より説明しましょう。

 

小学校教員の定義

小学校教員という仕事を定義した場合、その定義は以下のようになります。

  • 小学校に在籍する満六歳から満十二歳の児童に指導を行う
  • そも指導内容は、各教科の授業、学校の行事など特別活動の指導など
  • それら指導を通して、児童たちの知・徳・体といった「生きるための活力」を育むのが目的
  • また、児童の個性・人間性の形成および育成なども目的

小学校は9年間にもおよぶ義務教育においてのスタート地点であり、スタートから6年間もの長い期間を費やす学校生活の場所です。そのような場所で児童たちを指導する立場である小学校教員は、重要な役割と言えるでしょう。

中学・高等学校と続く学力の基礎部分を指導し、それと同時に社会性・協調性・豊かな心の育み、心身ともに健康的に過ごせる体力を育てます。

 

具体的な業務内容

小学校教員が行う主な仕事は、生徒への学習指導です。小学校で学ぶあらゆる教科、国語・算数・理科・社会・音楽・図工・体育に加えて、特別教科である道徳の授業を一任します。中学・高校の教員であれば教員1人につき担当する科目は1つのみですが、小学校の教員はすべてを担当するのが特徴です。

2020年度からは小学校・高学年から外国語・プログラミング教育なども加わったために、多くの科目に関する知識・指導スキルを持ち合わせていなくてはいけません。

そして、それら授業を円滑に行うための計画および教材の作成、他の先生方との授業研究も行います。教員という個人でありながらも小学校という組織に所属している以上は、他の先生方とのチームワーク・意思疎通も円滑に行わなくてはいけません。

また、遠足や運動会といった学校行事・クラブ活動の指導・準備も、小学校教員の重要な仕事です。行事によっては学校だけでなく生徒たちの家族や地域との連携も必要なので、連絡も怠ってはいけません。

児童が小学校に在籍している間の年齢は、豊かな人間性を育むための重要な時期です。その時期の児童たちを預かる小学校教員は重要な役割となるため、多くの仕事を円滑に進める必要があります。

 

小学校教員の平均的な年収

総務省が調査した『平成30年 地方公務員給与の実態』によると、小学校教員の基本月給は全国平均で389,347円、年収にすると693万円になります。
性別や地域差で見てみましょう。

  • 男性教員:400,964円
  • 女性教員:379,815円
  • 特別区立(23区)の教員:438,624円
  • 政令指定都市立の教員:392,427円
  • 都道府県立の教員:388,701円
  • 市立の教員:340,031円
  • 町村立の教員:325,914円

このような差額が生じていますが、これはそれぞれの地域手当が原因です。

小学校教員は、他の職種と同じく60代(勤続年数35年を超えると)月給は減少する傾向で、退職時には403,866円が給料の平均になります。

地方公務員である小学校教員は、福利厚生も充実しており、民間のサラリーマンより高給であるといえるでしょう。

 

小学校教員になる方法

小学校の教員になるためには、教員免許を取得→教員採用試験を受験して合格という手順を踏まなくてはいけません。

教員免許を取得するためには、以下のような2通りの方法があります。

  • 教職課程のある学校を卒業
  • 教員免許認定試験を受験して合格

この2つの方法について、それぞれ説明しましょう。

 

教職課程のある学校を卒業

小学校教員の教育課程のある学校は、以下の種類があります。

 

大学

教員免許の取得において最も一般的なのが、教職課程のある4年制大学です。学校に入学して必要な単位を取得する→卒業後各都道府県の教育委員会に必要種類を提出して申請することによって、教員免許状が授与されます。

大学在校時、教職家庭では、小学校教員としての必要な知識を学ぶだけでなく、実際に学校に出向いての教育実習という実践的な経験をすることも可能です。

大学に在籍して卒業しても教職課程で学んでいない場合、小学校教員にはなれません。小学校教員を目指す場合、もう一度入学して最初から教職課程を受ける必要があります。

しかし、通信教育や必須科目だけを習得することによって、小学校教員になれるための条件を満たす場合もあるため、社会人になってからでも小学校教員を目指すことは可能です。

 

短大

4年制の大学以外では、短期大学でも小学校教員の免許状の取得が可能です。短大のなかでも小学校教員免許の一種である「小学校教諭2種免許状」の取得が可能なところでは、「こども学科」「児童教育学科」「初等教育学科」といった学科が用意されています。

そのような学校では、免許状取得のための教育者、保育者としての専門知識を学ぶことが可能です。短大によっては、採用試験の対策・就職支援講座など、小学校教員になるためのサポート体制が充実しているところもあります。

短大で取得できる第2種免許状は、4年制大学で取得できる免許状は第1種と比べると、取得必須の単位に違いがあります。第1種は合計67単位ですが第2種は45単位です。

どちらも小学校教員になれるための免許状であることに変わりはないですが、実際に教員になった場合、昇格などの際に第1種のほうが有利となるケースがあります。教員として出世を考えている場合、第1種の取得を検討したほうがいいでしょう。

 

大学院

大学院では、小学校教諭専修免許状の取得ができます。この免許状は、小学校教諭第一種免許状に加えて大学院での修士学士の取得を果たし、必要科目単位を修めることによって取得できる免許状です。大学院に進学する前に第1種免許状の取得を完了していれば、大学院進学後は必要単位数が軽減されます。

専修免許状の取得は、より専門的な学習をしなければいけないため、取得すれば高度や知識・能力を持っている証明になるのが特徴です。

地域によっては、小学校教員の管理職になるための条件として、この免許状の取得が必須となっている場合もあります。

 

教員免許認定試験を受験する際の注意点

教職課程を経て教員免許を取得したからといって、自動的に小学校教員になれるわけではありません。受験における大事ないくつかのポイントを押さえておくことが大事です。では、その大事なポイントについて以下より説明しましょう。

 

試験日程・受験資格を把握しておく

教員採用試験の日程は、全国の自治体によって多少異なりますが、主に毎年3月終わり〜4月にかけて願書受付が行われます。試験は1次・2次試験の2段階に分けられて1次試験は6〜7月、2次試験は8〜9月ごとに開催されることが多いです。

受験資格は、以下の通りです。

    • 教員免許状の所有
    • 満18歳以上で年齢条制限に達していないこと
    • 地方公務員法・学校教育法の欠格事項に該当していないこと

教員免許状の所有以外は、難しい条件が提示されることはありません。
試験の日程・受験資格ともに事前に頭に入れておくと、申請時、スムーズにことが進むでしょう。

 

試験内容を把握しておく

教員採用試験は、筆記試験・面接試験・実技試験・適性試験の4通りの構成になっていることが多いです。自治体によって異なる場合もあるので、事前に確認することが大事です。では4つの試験の特徴をみてみましょう。

 

筆記試験

筆記試験で取り上げる内容は、一般教養・教職教養・専門教養・小論文の4つです。専門教養で問われる内容は、学校の校種などによって異なります。

 

面接試験

筆記試験以外で、教育に関する考え方・人格を確認するのが、面接です。面接の種類は個人面接・集団面接・討論形式・模擬授業などがあり、自治体によっては複数回行う場合もあります。

 

実技試験

自治体によって実施されるのが実技試験です。各種競技、運動、音楽における歌唱・ピアノ、オルガン演奏などを行います。英語による会話、ディスカッションなども実技試験の一種です。

 

適性検査

自治体によっては、適性検査が行われる場合もあります。教員として求められている適性を客観的に判断するのが目的です。

自治体によって試験内容が異なるので、事前に確認しておきましょう。

 

小学校教員に向いている人

安定した職種である小学校教員ですが、やるべきことも多いため決して楽な仕事ではありません。では、どんなタイプの人が小学校教員に向いているのでしょうか。次より見てみましょう。

 

子どもが好きな人・子ども目線で物事が考えられる人

小学生は、まだ世間の常識をはっきりと把握していない、人間としての成長段階であるため、接し方・教え方に注意を払わなくてはいけません。人間として成長段階のため失敗も多いですが、この時に自分と同じ価値観で接してはいけません。

あくまで子供の目線で接することが大事ですが、それができるのは、普段から子どもたちが好きで、子どもと長時間接しても苦にならないタイプです。

失敗ばかり起こす子どもたちに対して、深い愛情を持って接することが自然にできる人であれば、小学校教員の一連の業務もスムーズに行えるでしょう。

 

指導が得意な人・教え上手

小学校教員は、授業だけでなく道徳や常識もしっかりと子どもたちに教えないといけません。「人に物事を教える」という比重が大きいのが、小学校教員の仕事の特徴といえます。

そのため、人に物を教えるのが得意な人・教え上手説明上手な人であれば、小学校教員の仕事を円滑にすすめられるでしょう。そして教えることによって、いままでできなかった・理解しなかったことを理解してくれた時に、大きな喜びを感じで、自分のことのように嬉しい気持ちがある人であれば、小学校教員に向いています。

逆に個人主義で自分のことは自分でする・他人の世話にはならないという人の場合、小学校教員は向いていないかもしれません。

 

まとめ

今回は、地方公務員の一種である小学校の教員について、以下のポイントを解説してきました。

      • 小学校教員の仕事内容
      • 小学校教員の平均年収
      • 小学校教員になる方法
      • 小学校教員に向いている人

具体的な業務内容、年収、小学校教員になるための方法などを詳しく解説したので、なんとなくイメージしていた小学校教員の詳細が理解できたと思います。

小学校の教員を将来の夢に考えている人は、今回の記事を参考にして、自分が本当に小学校教員に向いているのかどうか、検討してみましょう。

 

 

「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。

■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)

都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持つ日本有数の留学生を抱える国際色豊かな大学です。

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