法学部の面接どうする?

~法律を学ぶ熱意と論理力をどう伝える?~

by info@remi.website

法律は私たちの暮らしに深く関わっており、あらゆる場面でルールや秩序を支えています。そんな法律について体系的に学ぶ「法学部」は、社会問題に関心を持つ人や司法試験を目指す人はもちろん、幅広い分野に興味を持つ学生にも人気があります。

しかし、「いざ面接となると、どんな質問が来るの?」
「志望理由はどうまとめればいい?」
と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、法学部の面接のポイントをわかりやすくまとめました。志望理由の書き方から想定質問への回答例、当日のマナーまで幅広く解説しています。ぜひ最後までお読みいただき、面接対策にお役立てください。

1.法学部ってどんな学部?まずは基礎知識から

1-1. 法学部の特色

法学部では、社会を動かすルールや制度を理論的に学びます。たとえば、

  • 憲法:国家の仕組みや人権の根幹を定めるルール
  • 民法:私たちの生活に密接する契約や家族関係の法
  • 刑法:犯罪と刑罰を定める法
  • 商法:ビジネスや企業活動を規律する法
  • 行政法:国や自治体の行動と市民の関係を規律する法

など、分野ごとに**「何を守り、どのような秩序を築くか」**を学び、それらを使いこなす力を養います。

1-2. 法学部と他学部の違い

法学部の特徴は「条文や判例に基づき、論理的に物事を考える姿勢」です。

  • 経済学部が経済理論やビジネススキルを重視するのに対し、法学部は「社会のルールをどう構築するか」の視点が中心。
  • 政治学系の学部が政治制度や国際関係を扱うのに対し、法学部はより「法的観点」から社会の仕組みを分析します。

社会問題を幅広くとらえながらも、「条文をベースに規範的な解決策を探る」のが法学部の学びの本質です。

1-3. 卒業後の進路

法学部と聞くと、弁護士・検察官・裁判官などの**“法曹三者”**が思い浮かぶかもしれません。もちろん、司法試験を目指す学生は多いですが、それだけではありません。

  • 企業の法務部:契約書作成やリスクマネジメント
  • 公務員(行政職、警察官など):公共のルール作りや秩序維持
  • 民間企業の総合職:幅広い職種で法律知識を活かす
  • NPO・国際機関:人権問題や国際協力の現場で法律を駆使

近年はコンプライアンス(法令遵守)やリスク管理が重要視されるため、法学部卒の需要は多方面で高まっています。

2.法学部の面接で重視されるポイント

法学部の面接では、論理的思考力社会問題への関心、そして**「何のために法律を学ぶのか」という意欲**が評価対象となります。以下は、特に重視される3つのポイントです。

2-1. 法律を学びたい動機の明確さ

「なぜ法学部を選んだのか?」という質問は必ずと言っていいほど問われます。漠然と「正義を守りたい」だけでは弱い印象を与えるかもしれません。

  • 具体的なきっかけ:高校の公民や社会科の授業で憲法に興味を持った、新聞の社会問題報道を見て衝撃を受けた、など
  • 将来の展望:弁護士として弱者を支援したい、公務員として住民サービスを向上させたい、企業法務で国際取引に関わりたい、など

こうした要素を盛り込むと、説得力が高まります。

2-2. 社会問題に対する関心や視野の広さ

法学は社会や人間関係を扱うため、時事問題やニュースへのアンテナが求められます。面接官は、**「最近の社会問題にどう興味を持ち、どう考えているか」**を重視する傾向があります。

  • 政治・経済・国際情勢など幅広いテーマをキャッチアップ
  • 具体的な事例(少子高齢化、環境保護、労働問題、人権問題など)に対して自分なりの見解を持つ

といった姿勢があると、学習意欲や社会とのつながりを感じさせます。

2-3. 論理的な思考とコミュニケーション力

法学部の学びは、条文や判例をもとに論理的に筋道を立てて主張する力が不可欠。面接も同様で、

  • 「理由を含めて結論を述べる」
  • 「相手の問いを聞き取り、的確に答える」

このような意識で受け答えすると、**“法律家に求められる適正”**を感じさせられます。また、コミュニケーション力を試すために、面接官があえて反対意見を示してくる可能性もあります。そこで冷静に対応できるかどうかもポイントです。

3.法学部「面接対策」の流れ

面接を成功させるには、次のステップで準備を進めると効果的です。

  1. 大学・学科のリサーチ
    • カリキュラムやゼミ内容、教授陣の研究分野を調べる。
    • その大学の法学部ならではの特徴(例えば「国際関係法に強い」「司法試験対策が充実」など)を把握する。
  2. 志望理由書の整理
    • 自分の興味や将来像と大学の特色をいかに結びつけるかを明確に。
    • 「なぜ他大や他学部ではなく、ここで法律を学びたいのか」を論理的に説明できるようにする。
  3. ニュースや時事問題のチェック
    • 政治や社会問題、国際問題など、時事ネタをある程度把握する。
    • 「自分ならこう考える」という視点を整理し、簡潔に語れるようにしておく。
  4. 模擬面接・練習
    • 実際に声に出して練習する。
    • 質問の答えをただ暗記するのではなく、結論→理由→具体例の流れで論理的に説明する習慣を身に付ける。
  5. 面接当日のマナーや所作
    • スーツや身だしなみ、入退室の所作など基本を押さえる。
    • 質問を最後まで聞き、的確に答える練習をしておく。

4.法学部面接でよくある質問&回答のコツ

では、法学部の面接でどんな質問が出やすいのかを具体的に見てみましょう。回答のポイントもあわせて解説します。

4-1. 志望動機に関する質問

質問例:

なぜ法学部を選んだのですか? 将来はどう活かしたいと考えていますか?

回答のポイント:

  • 興味のきっかけ:高校時代の社会科の授業、時事問題への関心、身近な法律トラブルの体験など
  • 大学の特徴:志望先の強み(司法試験対策・国際法・公共政策など)と結びつける
  • 将来像:法曹を目指すのか、公務員や企業就職を考えているのか、ある程度の方向性を示す

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4-2. 社会問題に関する質問

質問例:

最近のニュースで気になった法律関連のトピックはありますか? それについてどう考えていますか?

回答のポイント:

  • 具体的な時事ネタを一つ挙げる(憲法改正問題、外国人労働者、選挙制度、著作権法など)
  • 自分なりの見解を示し、理由を論理的に組み立てる
  • 結論を押し付けるより、「多角的な観点があるが、自分はこう思う」と冷静に話す

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4-3. 進路や将来の目標に関する質問

質問例:

具体的に弁護士を目指していますか? それとも公務員など他のキャリアを考えていますか?

回答のポイント:

  • 明確な目標があれば、その道に進みたい理由を述べる
    • 例:「弁護士として社会的弱者を支援したい」「検察官になり、社会正義の実現を目指したい」など
  • まだ決めきれていない場合は、興味分野を示しつつ、「入学後に広く学び、将来の選択肢を探りたい」でもOK
  • 大学院やロースクール進学を視野に入れているなら、その意欲も伝える

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4-4. 倫理観・人権意識に関する質問

質問例:

もしあなたが法律と自分の考える正義がぶつかったとき、どう対応しますか?

回答のポイント:

  • 法律は社会的合意のルールである一方、個人の正義感とも衝突する可能性がある
  • 法の原則を踏まえつつ、問題点を整理し、立法論や法改正の必要性を考えるなど、多角的なアプローチを示せると良い
  • 単に「法律を遵守すべき」「個人の正義が優先」と極端に振れるのではなく、バランス感覚を意識

4-5. 過去の失敗・挫折経験への質問

質問例:

これまでに経験した挫折や失敗は何ですか? それをどう乗り越えましたか?

回答のポイント:

  • どんな失敗でも構わないが、**「なぜ失敗したか」「どう立ち直ったか」**を強調
  • 法学部の面接では、問題点を分析し、原因を究明する論理的思考や、周囲の意見を聞いて協調性を発揮したなど、“法律を学ぶ者らしい”態度が伝わると言動をまとめると好印象

5.法学部「志望理由」の書き方~具体例あり

志望理由を書くときは、以下の3点を意識しましょう。

  1. 興味のきっかけ・背景
  2. なぜその大学の法学部で学びたいか(大学の特色)
  3. 将来のキャリアビジョンや社会貢献

志望理由書の一例

【例文】
私は高校で政治経済の授業を受ける中で、憲法が国民の権利や義務をどのように定め、社会を形成しているかに強い興味を抱きました。特に日本国憲法が保障する基本的人権の理念に感銘を受け、これをより深く学ぶことで、社会の不条理や格差問題に具体的な手段で関わりたいと考えるようになりました。
貴学の法学部は、少人数ゼミを通じて判例を詳細に検討する機会が多く、学生同士のディスカッションを重視する点に魅力を感じています。私は他者の意見を取り入れながら、自分の主張を論理的に展開するスキルを身につけたいです。将来的には弁護士を目指し、高齢者や障がいを持つ方など、法的支援が行き届きにくい人々をサポートすることに貢献したいと考えています。

この例は、「なぜ憲法に興味を持ったか」「大学の法学部の特徴」「将来の目標」をスムーズに結びつけています。具体的なエピソード将来像が示されている点がポイントです。

6.面接当日のマナーと心構え

6-1. 基本的な身だしなみ・服装

  • 黒や紺のスーツを着用し、シャツやブラウスは清潔感のある色を選ぶ
  • 靴や髪型にも注意を払う
  • 表情はなるべく柔らかく、しっかりと相手の目を見る

6-2. 入室・退室の動作

  • ノックは3回が一般的(大学によっては指定がある場合も)
  • 面接官の「どうぞ」の声がかかってからドアを開け、丁寧にお辞儀をしてから入室
  • 椅子に座るのは促されてから
  • 退室時も一礼を忘れずに、「ありがとうございました」と挨拶してからドアを閉める

6-3. 話し方のポイント

  • 結論→理由→具体例の順番で話すと、論理的かつ簡潔な印象になる
  • 知らないことを聞かれても、わからないことを素直に伝えつつ、「こう考えています」と自分の視点を示すよう心がける
  • 相手の質問を最後まで聞き、論点がズレないように答える

6-4. 緊張対策

  • 深呼吸をしてゆっくり話す
  • 事前に模擬面接や録音・録画で練習し、自分の癖や話すスピードを把握しておく
  • 「多少の失敗は許される」と考え、笑顔と素直さを大切に

7.法学部面接:失敗を防ぐための注意点(NG例)

  1. 法律知識をひけらかし過ぎる
    • 高校生レベルで詳細な条文暗記をしても、面接官は「実用性や理解度」を重視する
    • どれだけ深い内容を話すかよりも、興味の背景や論理的思考を伝えるほうが大切
  2. 志望理由が漠然としすぎる
    • 「正義を守りたい」だけでは抽象的で印象が弱い
    • 具体的な体験や将来の展望を盛り込み、なぜ法学かを論理的に説明
  3. 面接官の問いに答えず一方的に話す
    • 相手の質問を無視して持論を展開するのは印象ダウン
    • まずは質問の意図を汲み取り、ポイントを押さえて回答する
  4. 時事問題の知識不足
    • 法律は社会と直結しているため、最低限のニュースチェックは必要
    • 全く知らないと、関心が低いと思われかねない
  5. 態度が硬すぎる・自信なさすぎる
    • 無表情やボソボソ話すと、真面目さよりも不安感を与えてしまう
    • 適度な声量、ハキハキとした口調で、前向きな姿勢を示そう

8.Q&A:法学部面接でよくある疑問

Q1. 「専門的な法律用語」はどこまで覚えるべき?

A. 高校生レベルで無理に専門用語を詰め込む必要はありません。判例名や条文番号よりも、社会問題への関心自分なりの意見形成能力を重視する大学が多いです。必要最低限の法学用語(憲法・民法・刑法・人権・権利義務など)を理解しておけば十分です。

Q2. 「まだ将来はっきり決まっていない」のはマイナス?

A. 必ずしもマイナスではありません。法学部でいろいろ学んだ上で進路を探りたいという姿勢もOK。ただし、興味分野をいくつか挙げられるようにしておくと、より好印象です。

Q3. 「公務員試験の受験予定」がある場合は話したほうがいい?

A. もちろんです。具体的に「地方公務員として住民サービスに貢献したい」「国家公務員として政策立案に携わりたい」といった将来像があれば、大学での学びとセットで語ると良いでしょう。

Q4. 面接官とのやりとりで反論されたらどうする?

A. 法学部の面接では議論形式になることがあります。反論された場合は、**「相手の意見を受け止めたうえで、自分の主張を再整理」**するのが大事。相手を否定するのではなく、根拠や論拠を示して丁寧に説明すると評価が高いです。

9.まとめ:法学部の面接は「論理性」と「社会への関心」をアピール

法学部を志望する皆さんは、社会問題を見つめるまなざし問題解決への情熱が重要です。面接でも、

  1. 法学部を選んだ理由:明確な興味のきっかけ+将来ビジョン
  2. 論理的な思考プロセス:結論→理由→具体例の型で話す
  3. 時事問題へのアンテナ:社会と法を繋げて考えられるか
  4. 素直さ・コミュニケーション力:相手の話を聞き、的確に応答する

これらを意識すると、あなたの熱意と適性がきっと面接官に伝わるはずです。

法律は、私たちの暮らしを支え、問題を解決し、権利や自由を守る頼もしいツールです。法学部でその仕組みを学び、多様な視点を身につければ、未来の進路は大きく広がります。ぜひ入念に準備して、面接本番では自分の想いをしっかりと伝えてください。応援しています!面接頑張ってください。

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