国文学科を志望する際には、なぜこの学科で学びたいのか、その理由をしっかりと持つことが大切です。
受験では、学部や学科への熱意や興味を具体的に示すことが求められるため、志望理由書は合否を左右する重要なポイントとなります。
そこで今回は、国文学科を目指す受験生に向けて、合格した先輩たちの体験談や志望理由をまとめ、国文学科への想いや魅力をどのように伝えればよいのか、その書き方のコツを解説していきます。
国文学科の魅力とは？
言葉の美しさを学ぶ
国文学科では、日本語の美しさや表現方法について深く学ぶことができます。
具体的には、『源氏物語』や『万葉集』といった古典文学から近現代文学まで、日本語で書かれたあらゆる文献を研究対象とします。
言葉のリズムや表現の多様性を学ぶことで、日本文化の繊細さや情緒に触れることができるのが魅力の一つです。
実際に国文学科の学生は、「教員の解説を聞きながら源氏物語を読む授業や、歌舞伎の表現を学ぶ授業を通じて、日本語の持つ奥深さや独特の表現に魅了され、より深く国文学を学びたいと感じるようになった」と語っています。
日本文化の歴史を理解する
国文学科では、日本の歴史や社会の変遷に合わせて発展してきた文学を深く学ぶことができます。
たとえば、平安時代から江戸時代、現代に至るまでの文学作品を通じて、その時代ごとの人々の考え方や価値観、風習を知ることができるのです。
国文学科で学ぶ学生は、「日本語の歴史的変遷や、その時代背景に触れることで、当時の人々がどのような世界観を持っていたのかを知ることができ、現代の日本文化をより深く理解するきっかけになった」と述べています。
また、国文学科では江戸時代の商家の書状などの古文書を実際に読み解く授業もあります。
こうした体験を通じて、日本文化の発展や変化を実感しながら学べることは、他の学科では得られない貴重な経験となります。
国文学科での学びは、日本語の美しさを学ぶだけでなく、歴史や社会と文学がどのように関わってきたかを探求するものでもあります。
日本語の「くずし字」を読む授業を通じて、江戸時代の商家がどのように手紙を書いていたかを知り、その時代の価値観や生活様式に触れることができます。このように、国文学科では言葉と歴史を繋げて学び、日本文化全体への理解を深めることができます。
国文学科を志望する理由を考える
自分の経験から志望理由を考える
志望理由を考える際には、自分の経験や興味をベースにすることが非常に重要です。
例えば、高校時代に古典文学を学ぶ中で言葉の持つ深い意味や背景に興味を持った経験や、日本の伝統文化に触れることでその表現方法に感銘を受けたことなど、自分がなぜ国文学に興味を持ったのかを具体的に伝えることが効果的です。
ある大学生は、国語の授業で「万葉集」を学んだ際、その美しい表現やリズムに惹かれたことが国文学科を志望するきっかけとなったと語っています。
この学生は、文学を通して日本の歴史や文化、そして言葉の美しさに触れることで、「言葉の持つ力」や「人々の感情の表現」をもっと深く知りたいと思うようになり、国文学科への進学を決意しました。
また、別の大学生は、普段から読んでいた小説やエッセイを通じて言葉の力に感動し、「自分自身も言葉を通して人に感動を伝えられるような人間になりたい」と考えたそうです。
このように、自分自身の体験や感動をもとに志望理由を考えることで、より説得力のある内容を作成することができます。
日本語の可能性を探求したい
国文学科を志望する理由の一つに「日本語の持つ多様性や可能性を探求したい」という思いを挙げることもできます。
日本語は、言葉の使い方や表現方法が非常に豊かであり、同じ言葉でも異なる意味やニュアンスを持つことが多いです。
この言葉の奥深さに興味を持ち、国文学科でその魅力を追求したいと考える受験生も少なくありません。
実際に合格した国文学科の学生は、共通テストの国語が「実用文」や「論理国語」を重視するようになったことに違和感を覚えたことをきっかけに、日本語の「実用性」だけでなく「文学的な意味」や「感性を育てる力」を探求したいと思うようになったと語っています。
彼は、「文学を学ぶことで、自分自身の中にある言葉の可能性を引き出し、感情や思想をより豊かに表現できるようになりたい」と考えた結果、国文学科を志望しました。
このように、日本語が持つ多様な表現力を探求し、自分自身の成長に繋げていきたいという思いを志望理由に盛り込むことで、国文学科での学びへの熱意を示すことができます。
国文学科で学びたいこと
古典文学の魅力を追求
国文学科では、源氏物語や枕草子といった古典文学を学ぶことができます。
これらの作品は、日本の文学史において非常に重要な位置を占めており、その表現や内容は現代にも通じる普遍的なテーマが多く含まれています。
古典文学を学ぶことで、日本の歴史や文化、当時の人々の考え方に触れることができ、言葉を通して時代を越えたコミュニケーションを体験することが可能です。
ある合格者は、「高校の授業で『源氏物語』を学んだ際、登場人物の心情や日本の四季の描写に感動し、この作品を通じて日本文化の奥深さを知りたいと思った」と述べていました。
また別の国文学科の学生は、上代から近現代までの幅広い文学作品を通じて、言葉の使い方や時代ごとの価値観を学ぶことで、自分の中になかった新しい価値観や感性を身につけることができたと語っています。
国文学科では実際に伝統芸能に触れる機会もあり、例えば京都の南座での歌舞伎鑑賞を通じて、文学作品が映像や舞台で表現される様子を体験することができます。
こうした実践的な学びを通じて、古典文学の世界をより深く理解し、その魅力に触れることができるのも国文学科ならではの魅力です。
現代文学との比較
国文学科では、古典文学だけでなく、現代文学も学ぶことができます。
例えば、太宰治や三島由紀夫といった現代作家の作品を通じて、現代の社会や人々の考え方に触れることができるのも魅力の一つです。
古典文学と現代文学を比較することで、日本文学が時代とともにどのように変化してきたのかを理解することができます。
ある国文学科の学生は、「文学作品を通じて、日本語の変遷や表現方法の違いを学ぶことで、現代の私たちが持つ価値観や感性がどのように形成されてきたのかを知ることができる」と語っています。
現代文学を学ぶことで、現代の社会問題や人間関係についての洞察力を深めることができ、文学が持つ現代的な意味や役割についても考えるきっかけとなります。
こうした古典文学と現代文学を横断的に学ぶことができるのが国文学科の特徴であり、文学の多様性と日本文化の奥深さを理解することができるでしょう。
志望理由の書き方のポイント
具体的な体験を盛り込む
志望理由書を書く際には、具体的な体験やエピソードを盛り込むことが非常に重要です。
単に「日本語に興味がある」「文学を学びたい」という一般的な理由だけでなく、自分がどのような経験を通じて国文学科への興味を持ったのかを詳しく記述することで、説得力のある志望理由書を作成することができます。
例えば、ある受験生は「高校時代に初めて『枕草子』を読んだとき、自然や日常の描写の美しさに心を打たれ、そこから日本文学に対する興味が湧いた」という体験を志望理由書に盛り込んでいました。
このような具体的なエピソードを加えることで、なぜ国文学科で学びたいのかという自身の想いがより明確に伝わります。
また、言語表現に感動した経験や、古典文学の中で自分の価値観に影響を与えた作品について言及することも効果的です。
実際の体験を交えて書くことで、読み手に「この受験生は本当に国文学に対して熱意を持っている」と感じさせることができます。
自分の将来と結びつける
志望理由を書く際には、自分の将来の目標やキャリアプランと結びつけることも重要です。
国文学科で学ぶことが将来の目標にどう役立つのかを明確にすることで、入学後の学習意欲や将来の展望をアピールできます。
例えば、「将来は日本語教師として海外で日本文化を広めたい」「出版社で働き、日本文学の魅力を広める仕事に携わりたい」といった具体的な目標がある場合、その思いをしっかりと伝えることが大切です。
実際にある受験生は、「国文学科で学ぶことで、日本語の表現方法や文学の歴史を理解し、その知識を活かして将来は日本文学の翻訳家になりたい」という志望理由を述べていました。
このように、自分の将来の目標と国文学科での学びを関連付けることで、志望理由書はより具体的で説得力のある内容になります。
さいごに
国文学科を志望する理由を考える際には、自分自身の経験や興味をベースにしつつ、日本文学や言語に対する理解や興味を深めていくことが大切です。
実際の体験談や志望理由書の書き方のポイントを参考にしながら、自分だけのオリジナルな志望理由を見つけてみてください。
受験は大変な道のりですが、国文学科での学びを通じて得られる知識や経験は、きっとあなたの人生を豊かにしてくれるでしょう。志望理由を明確にして自信を持って受験に臨んでください。
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