薬学部の入試では、学力だけでなく面接を重視する大学が増えています。とくに推薦入試やAO入試では、面接の印象が合否に大きく関わることも。
でも、「何を聞かれるの?」「どう答えたらいいの?」と不安になる人も多いはずです。
この記事では、薬学部の面接でよく聞かれる質問とその意図、好印象を与える答え方のコツを10個にしぼって紹介します。さらに、話し方や表情のポイント、緊張を和らげる方法、直前チェックリストまでまとめているので、本番前の確認にもぴったりです。
面接が不安な方も、ぜひ参考にして自信を持って臨んでください!
1. 薬学部の面接って本当に重要?どんなことが見られるの?
薬学部の受験といえば、まず筆記試験をイメージする人が多いかもしれません。けれど、実は薬学部でも面接が合否に大きく関わるケースは少なくありません。
とくに私立大学では、学力試験と面接の両方で総合的に評価するところも多く、学力が十分でも面接で印象が悪いと不利になることがあります。逆に、筆記の点数がボーダーでも、面接での好印象が合格につながることもあるのです。
■ なぜ面接が必要なの?
薬剤師は、患者さんと向き合う**“信頼される専門職”**です。医師のように手術はしませんが、薬を通じて人の命や健康に関わる重要な役割を担っています。
そのため、薬学部の面接では次のような点が見られています:
• 人としっかり向き合えるか(コミュニケーション力)
• 薬剤師という仕事への理解と覚悟
• 人に安心感を与える誠実さや協調性
• 志望理由の明確さと将来のビジョン
つまり、ただ「薬に興味があります」というだけでなく、その気持ちをどう行動に移してきたか、どんな薬剤師になりたいかといった部分まで見られるのです。
■ 面接がある薬学部とない薬学部の違い
すべての薬学部で面接があるわけではありません。
たとえば、国公立大学では個別面接がないこともありますが、私立大学ではAO入試・推薦入試・一部の一般入試で面接を課すところが多く見られます。
また、面接がある場合でも、
• 点数化して評価される場合
• 合否判定に直接影響しない「参考程度」な場合
など大学によって扱いはさまざまです。ただしどちらの場合でも、「話し方」「受け答えの内容」「態度」などは今後の学びへの姿勢として見られていると考えておくのが安心です。
薬学部の面接は、人として信頼できるかどうか、専門職としての意識があるかを見極める場でもあるのです。
2. 薬学部の面接でよく聞かれる質問10選【基本編5選】
薬学部の面接では、「あなたがどんな人なのか」「どれだけ薬学に向き合っているのか」が問われます。ここでは特に聞かれやすい基本的な質問を5つピックアップし、それぞれの意図と答え方のポイントを解説します。
質問1:なぜ薬学部を志望したのですか?
▶ 面接官の意図
あなたが本気で薬学を学びたいと思っているのか、その動機と背景を知りたい。
▶ 答え方のヒント
• 興味を持ったきっかけ(体験や身近な出来事)を交えて話す
• 「人の健康を支える仕事に魅力を感じた」など、薬学ならではの視点があると◎
• 研究志望か臨床志望かを軽くふれておくのもよい
NG例:
「なんとなく理系の中で入りやすそうだったので…」
→動機が弱く見えてしまい、本気度を疑われます。
質問2:将来どんな薬剤師(研究者)になりたいですか?
▶ 面接官の意図
あなたが将来のビジョンを持っているか、目標に向けての姿勢を確認したい。
▶ 答え方のヒント
• 患者に寄り添う薬剤師なのか、研究開発に関わるのか方向性を明確に
• 「どんな働き方をしたいか」「なぜそう思うのか」まで語れると◎
NG例:
「とにかく有名な病院で働きたいです」
→名声や安定性だけにフォーカスすると、誤解を与えかねません。
質問3:高校生活で力を入れたことは何ですか?
▶ 面接官の意図
努力できる人かどうか、継続力や協調性があるかを見たい。
▶ 答え方のヒント
• 部活動、学業、ボランティアなど、どんなことでもOK
• 何を学び、どう成長したかを伝えるのがポイント
• チームでの活動なら「協力」「調整」のエピソードが効果的
NG例:
「特に何も頑張っていませんでした」
→やる気がない印象を与えるため、避けましょう。
質問4:他学部ではなく薬学部を選んだ理由は?
▶ 面接官の意図
薬学部を選んだ理由に、明確な根拠があるかを確かめたい。
▶ 答え方のヒント
• 医学部・理学部との違いに触れながら、自分の志望理由を語る
• 「化学が得意」「人の生活を支える薬の知識に興味があった」など具体性を持たせる
NG例:
「医学部は難しかったので」
→消去法のような言い方はマイナス評価につながります。
質問5:薬に関わる仕事で大切だと思うことは何ですか?
▶ 面接官の意図
職業理解や責任感、倫理観があるかどうかを見たい。
▶ 答え方のヒント
• 「正確さ」「信頼性」「人とのコミュニケーション」などを軸に考える
• 自分なりの考えを加えて説明すると説得力が増す
NG例:
「薬を出すだけなので、あまり人と関わらないと思います」
→薬剤師の仕事の本質を理解していない印象を与えてしまいます。
3. 薬学部の面接でよく聞かれる質問10選【応用編5選】
ここでは、薬学部の面接で出されやすい応用的な質問をご紹介します。志望理由などの基本がしっかりしている前提で、あなたの考え方や人柄、専門職としての意識をより深く見られる質問です。
質問6:チームで協力した経験はありますか?
▶ 面接官の意図
薬剤師は医師や看護師、患者さんなど多くの人と関わる職業です。協調性や対人力があるかを確認しています。
▶ 答え方のヒント
• 部活や文化祭などのエピソードでもOK
• 自分の役割・工夫した点・得た学びを具体的に伝える
• 「うまくいかなかったけど改善した」経験も高評価になることも
NG例:
「特にありません。いつも1人で行動していました。」
→チームワークに不安がある印象を与えてしまいます。
質問7:薬の副作用についてどう考えますか?
▶ 面接官の意図
薬の利点だけでなく、リスクへの理解と説明責任をどう捉えているかを見ています。
▶ 答え方のヒント
• 「薬には効果と副作用がある」という基本的な認識を示す
• 患者にわかりやすく伝えることの大切さにも触れると◎
• 説明責任・信頼関係の重要性を意識するとより良い印象に
NG例:
「副作用は気にしすぎる必要はないと思います。」
→無責任に聞こえてしまうリスクがあります。注意深さや誠実さを忘れずに。
質問8:薬剤師に必要な資質とは何だと思いますか?
▶ 面接官の意図
職業理解と、自分が薬剤師に向いているかをどう考えているかを知りたい。
▶ 答え方のヒント
• 「正確さ」「責任感」「思いやり」「説明力」などから自分の考えを選ぶ
• その資質がなぜ重要なのか、自分とのつながりを話すと◎
NG例:
「誰にでもできる仕事だと思うので、特別な資質はないと思います。」
→仕事を軽く見ているように受け取られる可能性があります。
質問9:あなたにとって“信頼される”とはどういうことですか?
▶ 面接官の意図
薬剤師として人から信頼されるとはどういうことかを自分の言葉で語れるかを見ています。
▶ 答え方のヒント
• 信頼=「誠実さ」「責任感」「一貫した行動」など、自分の定義を考える
• 日常の中で「信頼」を感じた経験を例にすると伝わりやすい
NG例:
「信頼は…よくわかりません。」
→考えが浅く見えてしまうため、事前に自分の言葉で整理しておくのがベストです。
質問10:今後、薬学の分野で興味のあるテーマはありますか?
▶ 面接官の意図
薬学の勉強に対する興味の深さ、または将来の可能性への関心を見たい。
▶ 答え方のヒント
• ニュースや授業で知った内容でOK(例:ジェネリック医薬品、創薬、薬害問題など)
• 「なぜそれに興味を持ったか」を語ると、オリジナリティが出ます
NG例:
「特にありません。まだよくわからないので…」
→調べる姿勢がないと思われてしまうことがあります。小さな興味でもOK!
このような質問は、「自分なりに考えているかどうか」が大事です。正解を探すよりも、誠実に、丁寧に伝える姿勢を心がけてください。
4. 面接で差がつく話し方と表情のポイント
薬学部の面接では、「何を話すか」だけでなく、「どう話すか」も重要な評価ポイントになります。内容がしっかりしていても、話し方や表情で損をしてしまう人は意外と多いのです。
ここでは、面接官に好印象を与えるための、話し方・表情・態度のコツをご紹介します。
■ 声の大きさと話すスピードに注意
• 声はいつもより少し大きめ・はっきりと
→ 小さな声だと自信がないように聞こえてしまいます。
• 話すスピードはゆっくりめに
→ 緊張すると早口になりがち。落ち着いた印象を与えるには、間を取る意識が大切です。
ポイント:
「少しゆっくり+語尾まではっきり」が基本。
■ 表情とアイコンタクトで信頼感アップ
• 笑顔は無理に作らなくてもOK。でも、硬すぎない表情を意識
• 話すときは、ときどき面接官の目を見るようにしましょう。
→ 常に目を見る必要はありませんが、目線を下げすぎないことが大切です。
ポイント:
相手と会話している意識を持つだけで、自然な表情になります。
■ 姿勢としぐさも見られている
• 椅子に深く座りすぎない/猫背にならない
→ 背筋を伸ばして座るだけで、落ち着いた印象に。
• 手をガチャガチャ動かしたり、髪を触ったりするのは避けましょう。
→ 緊張していても、静かな所作を心がけるだけで印象はぐっと良くなります。
ポイント:
「姿勢・手元・足元」もチェックされている意識を持とう。
■ 話す内容は「自分の言葉」で伝える
• 原稿を丸暗記して話すと、どうしても不自然になります。
→ 多少言い間違えても大丈夫。それよりも、考えて話していることが伝わる方が高評価です。
ポイント:
練習では「覚える」より「慣れる」を意識しましょう。
面接では、たった数分のやりとりでも、声・表情・姿勢・言葉選びから、あなたの人柄や誠実さが伝わります。
「うまく話すこと」より、「相手に伝える姿勢」を大切にしてください。
5. 面接直前のチェックリスト&緊張対策
面接当日は、どうしても緊張してしまうもの。事前に準備をしておくだけで、落ち着いて本番にのぞむことができます。ここでは、直前に確認しておきたいポイントをまとめました。
■ 面接当日のチェックリスト
• □ 受験票・筆記用具・学生証などを忘れていないか
• □ 指定された服装(スーツや制服)が清潔かどうか
• □ 髪型や身だしなみは整っているか
• □ 面接会場までのルートと所要時間を確認済みか
• □ 約束の時間より10〜15分前に到着予定か
■ よくある失敗とその対策
・緊張して早口になる
→ ゆっくり話すことを意識し、語尾まで丁寧に話すよう心がけましょう。途中で息を吸って落ち着くのも効果的です。
・声が小さくなる
→ 面接官にしっかり届くように、いつもより少し大きめの声で話すのがポイントです。
・覚えていた答えを忘れて焦る
→ 丸暗記ではなく、話の流れやキーワードを頭に入れておくと、アドリブでも対応しやすくなります。
・表情が硬くなる
→ 軽く笑顔を意識しながら話すと、緊張がやわらぎ、相手にも安心感を与えられます。
■ 緊張を和らげるコツ
・面接前は深呼吸を3回して気持ちを落ち着ける
・自分のノートやメモを見て、準備してきた自信を思い出す
・「緊張してもいい。自分の言葉で話そう」と声に出してみる
緊張は悪いことではありません。それだけ真剣な証拠です。
大切なのは、「準備した自分を信じて、落ち着いて臨むこと」です。
おわりに
薬学部の面接では、特別な言葉や完璧な答えを求められているわけではありません。大切なのは、薬学への思いや将来への考えを、自分の言葉で誠実に伝えることです。
今回ご紹介した質問やポイントをもとに、自分の経験や気持ちを整理しておくことで、きっと落ち着いて面接に臨めるはずです。
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