高校生の進路選択でよくある10の悩み例と解決案

by Yuko

高校生が抱えている悩みの中で、進路については約半分の高校生が抱える悩みとなっています。高校生で進路を決めることは、今後の人生を左右する重要な決断をすることになるので、慎重になって考えすぎて悩んでしまう人もいれば、何から考えればよいか分からない人もいます。進学するのか就職するのか、進学するなら大学・短大・専門学校のどれを選べはよいのか、何学部を選べばよいのか、そもそも自分は将来何がしたいのか、自分は何に向いているのかなど、前向きに自分の将来について楽しんで考えられる人もいますが、多くの人は考えれば考えるほど不安を感じて、悩んでいるのではないでしょうか。

今回は、高校生の進路選択でよくある10の悩み例を取り上げ、その解決策を紹介していきます。今まさに進路選択に悩んでいる人、高校に入学して今後の進路選択について気になる人も是非参考にしてください。

 

 

高校生の進路選択でよくある10の悩み例

1.志望する大学に対して学力が足りないかもしれない
2.自分に向いていること、向いていないことがわからない
3.やりたいことが何かわからない、見つからない
4.社会に出るための能力があるか自信がない
5.就職するか進学するか決められない
6.大学・短大・専門学校どれを選択すればいいか分からない
7.進路に関する情報の集め方や選び方がわからない
8.自分で進路を決定する自信がない
9.経済的な理由で希望する進路にすすめないかもしれない
10.家族や先生の意見が合わない

 

 

1.志望する学校に対して学力が足りないかもしれない

気になっている大学や目指したい大学はあるけど、模試の判定をみて、自分の成績が安全圏内に入っておらず、自分自身の学力がたりないと悩むこと人も多くいます。志望校を他の学校に変えるべきかどうか悩むこともあるでしょう。

<解決策>

●試験日まで計画を立てて勉強する

試験日まで計画を立てて勉強することです。いつまでにどの分野をどこまでのレベルにまで上げるかを考え、達成しやすいようになるべく小さな目標にして細かく分けてステップアップできるように計画を立てると、一つ一つ目標をクリアするたびに達成感が得られ、次の目標の励みになり、勉強がはかどります。ただ試験日に向かって手あたり次第勉強をするよりも、具体的に予定を立てることで先が見え、不安感を軽減することもできるでしょう。

●悩む時間があったら、ギリギリのタイミングまで諦めず志望校を目指す

学力がないからと言って早い時期から目指したい学校を諦めるかどうか悩むことよりも、できる限りギリギリまで志望校にむけて成績を伸ばすことに全力を尽くすほうがよいでしょう。志望校を諦めると勉強へのモチベーションも下がり、のちに後悔をする場合もあるためです。

大学受験は基本的に私学であれば複数の大学を受験することができます。第一志望の大学以外にも滑り止めとして何校か私学の大学を受験することができるので、なるべくギリギリのタイミングまで諦めずに志望校を目指して頑張ってみることをおすすめします。

志望校を他の学校に変更を考えるタイミングとしては、11月末の模試の判定が出た時です。志望校のレベルから大きく離れている(D・E判定)ようなら、1月の大学共通テストまでに学力を上げるのは厳しいため、志望校を考え直すことも必要です。そこまで大きく離れておらず、試験の解答が単純なミスであったり、時間切れのために点数が取れていない場合ならそこから工夫して点数を伸ばせる可能性もあるので、そのまま第一志望を目指してみるのもよいでしょう。

 

 

2.自分に向いていること、向いていないことがわからない

自分がどんなことに向いていて、どんなことに向いていないのかを把握できていないと、進学するにも何学部がよいのか、就職する場合はどんな職種についたらよいのか、悩んでしまいます。
自分の適性を把握していなければ、将来就職した時も、その仕事が自分に向いていて得意であれば成果を上げあることができ、向いていなければその会社を退職することにもなりかねません。

<解決策>

●適性診断テストを受けてみる

いくつかの質問に答えることによって、自分の性格のタイプや向いている仕事、向いている学問などを知ることができ、進路選択をする上での参考になります。インターネット上で無料でできる診断もあります。複数の診断テストを受けてみると、自分の適性がだんだん把握できるようになるでしょう。
以下はおすすめの無料でできる適性診断テストです。参考にしてみてください。
リクルート スタディサプリ 進路 自己分析
https://shingakunet.com/rnet/column/bunseki/index.html
ベネッセ マナビジョン 適職・敵学診断
https://manabi.benesse.ne.jp/op/g45_tekikensa/jk01/
アクセス進学 親子で考える17歳の進路
https://pac.naninaru.net/

●自分の過去を振り返ってみる

過去に自分が体験したことを振り返って、幼少期から今まで好きなこと、苦手なことを両方リストアップしてみましょう。
幼少期から現在までずっと好きなことや夢中になれることがあれば、今後も好きでいられ、夢中になることができ、自分に向いていることであると考えられます。また、幼少期から現在になっても苦手なことは、今後も克服できない可能性が高いとみられます。そうやってリストアップすることで、自分の向いていること、不向きなことが見えてくるはずです。

 

 

3.やりたいことが何かわからない、見つからない

進路選択する時に、「自分は将来なにがやりたいんだろう」、「将来の夢は・・・」と、まず考え、はっきりしている人は比較的すぐに進路が決まり、やりたいことがわからない、見つからない人はそこから進路選択について悩み出します。
しかし、実際、高校生の年代でやりたいことを見つけることはかなり難しいことで、やりたいことや将来の夢がはっきりしている人は少なく、そうでない人のほうが多いようですが、ここである程度方向性を決めておかなければ将来後悔することになってしまいます。

<解決策>

●興味のあることから気になる職業を見つけだし、やりたいことにつなげる

興味のあることは、やりたいことやなりたい職業に繋がる可能性が高いので、まず興味のある職業を考えてみましょう。
例えば「写真」に興味があるとすれば、「カメラマン」「フォトスタジオスタッフ」「写真現像技術者」「カメラ販売店スタッフ」「WEBデザイナー」などそれに関係する職業を挙げてみましょう。そしてその中で「写真現像技術者」に興味を感じたら、写真現像技術者になるにはどのような勉強が必要なのか、資格などは必要か、どこで技術を学べるのかなど考えていきます。その中で美術大学の芸術学部で撮影準備や撮影、デジタル処理や暗室の技術などの基礎技術を学びたいなど、やりたいことがみえてきます。
このように、興味のあることから広げて考えていくと、やりたいことや将来の夢が出てくる可能性は高いのでためしてみましょう。

 

 

4.社会に出るための能力があるか自信がない

就職を選択した時に、今まで同世代の中で「学生」という守られた環境で12年間過ごしてきた自分はいざ卒業して社会に出た時にやっていけるのか、社会に出れる能力は備わっているのかと不安に思う人も多くいます。

<解決策>

●「社会人基礎力」を見直してみよう

社会に出た時に必要なスキルとして経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」というものがあります。大きく3つの能力に分けられ、さらに細かく12の能力要素にわけられています。

■前に踏み出す力(アクション)

一歩前に踏み出すことができ、失敗したとしてもめげずに粘り強く物事に取り組む力です。

・主体性 ・働きかけ力 ・実行力

■考え抜く力(シンキング)

疑問を持ち、分析をして課題解決に向けて考え抜く力です。

・課題発見力 ・計画力 ・創造力

■チームで働く力(チームワーク)

様々な個性をもった人達と共に、目標に向けて協力する力です。

・発信力 ・傾聴力 ・柔軟性 ・情況把握力 ・規律性 ・ストレスコントロール力

その中でも高校生に足りない能力は「主体性」「実行力」「課題発見力」であると言われています。
物事に進んで取り組めているか(主体性)、目的を設定して確実に行動できているか(実行力)、現状を分析して目的や課題を明らかにする力などが備わっているか(課題発見力)など、経済産業省のホームページでチェックして意識してみるとよいでしょう。

経済産業省のホームページ
https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/

 

 

5.就職するか進学するか決められない

進路選択の最初の選択として「就職」か「進学」の二つをまず決めなければなりません。高校を卒業したらすぐに社会人の道を歩み始めるのか、それともあと数年間学生として勉学に励むのか、この選択によって卒業後の人生も変わってくると思うと、どちらを選ぶべきか迷ってしまう人もいることでしょう。

<解決策>

●就職と進学のメリットとデメリットを知った上で決断する

それぞれのメリットとデメリットを知った上で、進学するか就職するかを考えてみましょう。

■就職を選ぶメリット■

卒業してすぐに働くので、進学する同年代よりいち早く社会にでて自分で稼ぐ力を身に着けることができ、自立することができます。正社員として会社で働くことで、進学した同年代がアルバイトで稼ぐよりも収入を多く得ることができます。会社によっては学歴に関係なく早く出世できる場合もあります。

■就職を選ぶデメリット■

高卒のほうが大卒よりも募集している企業の数は少ないのが現状です。また、給料の面でも高卒のほうが大卒よりも少ない場合が多いので、生涯賃金(生涯で得る賃金の総額)も大卒に比べて少ない場合もあります。

■進学を選ぶメリット■

高校からさらに専門的な知識を学ぶため、高卒に比べると働く企業の選択肢の幅が広がります。また、進学することで将来について考える時間でき、じっくり将来のことを考えることができます。給料の面は、高卒よりも大卒のほうが生涯賃金が多い可能性があり、就職後の出世のスピードも速い傾向があります。

■ 進学を選ぶデメリット■

一番は学費がかかることです。家庭に余裕がない場合は奨学金制度も利用できますが、就職後に返済をしていかないといけないので、金銭的な負担は大きいです。そして、高卒よりも社会に出るタイミングが遅くなり、同年代で高卒で働いている人よりも自分で稼いで自立できるようになるまで時間がかかってしまいます。

早く社会に出て働きたい人や、早く自立したい人は就職を選ぶのがおすすめです。さらに専門的な知識を身に着けてから就職したい、もう少し将来についてじっくり考えたい人は進学をおすすめします。

 

 

6.大学・短大・専門学校どれを選択すればいいか分からない

進学することは決めたとしても、大学・短大・専門学校のうちどれに進学すればよいかまた決断しなくてはなりません。それぞれの違いがいまいち分からず、迷っている人もいます。

<解決策>

●大学・短大・専門学校のメリットとデメリットを知った上で決断する

就職と進学を決める解決策と同じく、それぞれのメリット、デメリットを知れば選択がしやすくなります。

■大学を選ぶメリット■

大学を卒業すれば「大学卒業資格」が得られ、資格を取得したり、就職する時に有利になることがあります。また、短大卒・専門卒に比べると就職の幅が広く、初任給や生涯賃金も高い傾向があります。

■大学を選ぶデメリット■

4年間の在学期間があるため、学費が高く、短大卒や専門卒に比べると社会にでるタイミングも大幅に遅れてしまいます。また、入試の難易度も高くなります。

■短大を選ぶメリット■

短大は2年で一般教養と専攻科目が効率よく学べ、専門的な技術や資格を取得することもでき、大学よりも早く社会にでることができます。そのため大学よりも学費が少なくてすみます。そして就職率も高いのも特徴です。

■短大を選ぶデメリット■

短期大学であるけど「大学卒業資格」を得ることができないこともあり、大学に比べると就職先の選択の幅が狭まります。また、大学のカリキュラムに近い内容を2年で学ぶび、1年後半から就職活動も始まるので、大学よりも忙しい日々を送ることになります。

■専門学校を選ぶメリット■

仕事の実務に必要なスキルが身に就き、社会で即戦力となることができます。資格試験対策なども行われ、技術と資格が必要な専門的な職業を目指す場合に有利です。

■専門学校を選ぶデメリット■

社会に出て即戦力になれるようなカリキュラムであるため、比較的忙しと言われています。また専門分野以外の知識を学ぶ機会が少ないため、入学してから進路を変更するのは厳しいでしょう。また、大学に比べると就職先の選択幅は短大と同様で狭いとい言えます

 

 

7.進路に関する情報の集め方や選び方がわからない

進路に関しての情報をうまく集めることが出来ないと、この先どのように進路を決めていけばよいのか分からず、立ち止まってしまうので、適切な情報を収集する方法も学んでおく必要があります。

<解決策>

●インターネットで調べる

まず、気軽に調べたいことを検索できるインターネットで調べてみましょう。学校の各ホームページには学部・学科の紹介やカリキュラム、学費、入試情報など一通り掲載されており、資料請求、問い合わせなどもできるようになっています。また、大学の偏差値が知りたいなら、「大学 偏差値」などと検索エンジンに入力すれば、各企業が調査した大学の偏差値一覧などがでてきます。自分が通いたい範囲内に行きたい学部がある大学を調べたい場合は「〇〇市 経済学部のある大学」と入力すると〇〇市付近の経済学部のある大学や経済学が学べる大学の一覧をまとめたサイトなどをみつけることができます。検索エンジンを上手く利用して、ほしい情報のキーワードを打ち込んで、探してみましょう。

●本で調べる

インターネットよりも正確で信頼ある情報が手に入るのは、やはり書物です。インターネット上の情報は専門家だけでなく様々な人が書き込めますが、書物はそれぞれの専門家の手によって出版されているので、インターネットよりも正しい情報が手に入ります。インターネットと併用しながら本屋さんの教育コーナーなどで高校生に向けた進路の決め方の本や、大学の情報がまとめられた本などを探してみましょう。

●学校の先生・予備校の先生や友人、先輩に聞く

学校の先生や予備校の先生は教育のプロなので、何度も進路相談に携わってきているため、いろいろタイムリーでリアルな情報を教えてもらうことができるはずです。先生に聞きづらい場合は、進路選択を経験した先輩でもよいですし、友人なら情報交換などするとお互い刺激にもなるはずです。

●オープンキャンパスに、就業体験などに参加してみる

進学する場合は大学や専門学校のオープンキャンパスに参加し、就職する場合は就職を支援する企業などが行う職業体験イベントなどに参加してみると、気になる大学や職業などの情報も集まります。

 

 

8.自分で進路を決定する自信がない

一生に関わる重要な決断をするとなると、自分で進路を決定することを不安に感じてしまう人もいるでしょう。「自分で決めた道がもし間違ってしまったら?」と考えると怖くなってしまいます。

<解決策>

●1~7の解決策を実行して自信をつける

1~7の解決策を実行して自分自身のことを理解し、この先どんな進路を選びたいのかがみえてくれば、自分の進路も自然と自信をもって選べるようになります。それに、例え進路選択が間違ったとしても、この先長い人生、努力次第で修正するチャンスはいくらでもあるはずです。ここで全て人生が決まってしまうと考えず、今の時点で考えてベストな選択をするつもりで臨んでください。

 

 

9.経済的な理由で希望する進路にすすめないかもしれない

進学となると学費に関しての問題もでてきます。家庭の経済状況によって行きたい学校の学費が高く、目指すことがが難しいというような悩みもでてくるでしょう。

<解決策>

●奨学金を受ける

奨学金は進学にまとまったお金が必要であるけれども家庭の事情により経済的な余裕がなく、支払うことが困難な学生に向けて、学費の付与や貸与を行ってもらえる制度です。
奨学金制度には卒業後に返済が必要な「貸与型奨学金」と、返済をしなくてもよい「給付型奨学金」があります。
「貸与型奨学金」は年収の上限や家庭内の状況にもよりますが、借りれる率は高く、「給付型奨学金」のほうは
審査が厳しいため、簡単には借りれない奨学金となっています。
経済的な理由で進路を悩んでいる場合は、一度奨学金が受けれるか確認してみましょう。

 

 

10.家族や先生の意見が合わない

自分が行きたい学校があったとしても、家族や先生に反対されたりすると、進路選択への意欲も低下していまいます。

<解決策>

●論理的に説得する

まずは、なぜ自分はその進路を選んだのか、その後どう歩んでいきたいのか、その進路に向けてどんな努力をしているのか、その進路にある程度の覚悟を持って選んでいるのかなどを、反対する家族や先生に伝えて説得してみましょう。その時に、合格率や就職率、進学にかかる費用、就職後の平均的な賃金など具体的な数字も伝えることで、より論理的に伝えることができます。

●選択を見直してみる

説得しても反対される場合は、自分の選択が本当に将来、後悔しない選択ができているかどうか、考え直してみましょう。もしかすると、一時的な感情で進路選択をしていて、家族や先生はそれを見抜いた上で反対をしていることもあるかもしれません。一度冷静になってアドバイスを受けてみることも大切です。

 

 

まとめ

高校生で決める進路選択は、今後の人生を左右する重要なものです。高校生で自分がやりたいことや将来の夢、卒業後の進路を考えることは難しいことですが、適性診断テストなどで自己分析を行って自分自身のことをよく知り、選択する進路に関してもその進路を選んだ時のメリットデメリットを考慮して考えると自分にあった進路選択ができるようになってきます。あとは、自分が選んだ進路に自信をもって突き進んでいきましょう。ここでいろいろ悩んだ経験は、きっと社会に出て働くうえで役に立つはずです。

 

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