語学力を向上させたいですか?
語学力は、就職・転職・昇進を目指す上で大きなアドバンテージとなります。海外の大学に留学したい場合、その国の言葉が話せなければ単位を取得するのは難しいでしょう。
特に英語は世界中で使われている言語であり、グローバルな研究に関する学術論文は英語で書かなければなりません。
語学力を分かりやすく証明する最も簡単な方法は、資格を取得することです。
現在、日本で受験できる英語関連の資格や試験は数多くあり、どの資格を取得しようか迷っている方も多いのではないでしょうか。
語学資格にはそれぞれ特徴があり、自分に合ったものをうまく活用すれば、英語力をさらに伸ばすことができます。
この記事では、英語系をメインに、中国語と日本語の検定を含めた、人気の高い語学資格試験の15選と、その特徴や取得のメリットなどを紹介していきます。
【語学系の資格試験15選】
① TOEIC(英語)
② GTEC(英語)
③ TOEFL(英語)
④ IELTS(英語)
⑤ Cambridge English(英語)
⑥ PTEアカデミック(英語)
⑦ 英検(英語)
⑧ TEAP(英語)
⑨ 日商ビジネス英語検定
⑩ 国連英検(英語)
⑪ 観光英語検定(英語)
⑫ 技術英語能力検定(英語)
⑬ 全国通訳案内士(10か国語から1つ選択)
⑭ HSK(中国語)
⑮ 日本語能力試験JLPT(日本語)
① TOEIC(英語)
TOEIC(Test of English for International Communication)は、英語を使用するビジネスシーンでのコミュニケーション能力を測定するための英語資格試験です。TOEICは、日本でも多くの企業で採用されており、グローバルなビジネスシーンでの英語力証明に使われているため、TOEICスコアは就職や転職、昇格などのキャリアアップにつながる可能性があります。
TOEICは、1979年に米国ETS(Educational Testing Service)によって開発されました。現在、世界160カ国以上で年間600万人以上が受験しています。
TOEICは、リーディングとリスニングの2つのセクションで構成され、それぞれ100点満点です。リーディングセクションでは、ビジネス関連の文章を読み、その理解力を評価します。リスニングセクションでは、ビジネス関連の会話や講演を聞いて、その理解力を評価します。受験者は、それぞれのセクションで独立したスコアを受け取り、合計スコアは990点満点です。
TOEICの取得には、世界中の企業や大学で認知されており、グローバルなビジネスシーンでのコミュニケーション能力を証明することができます。また、TOEICのスコアは、受験者の英語力を客観的に測定することができ、自己評価や語学学習の目標設定にも役立ちます。
日本国内で受験する場合のTOEICの受験費用は、2023年現在7,810円(税込)です。試験会場は日本中に多数あります。TOEICは、実施回数が、頻繁に変わる試験であり、現在は、1月、3月、4月、5月、6月、7月、9月、10月、11月、12月の年10回開催されています。
② GTEC(英語)
GTEC(Global Test of English Communication)は、日本の英語教育企業であるベネッセコーポレーションが実施している英語能力検定です。GTECは、日常英会話を中心に、英語の「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の4つのスキルを総合的に評価するための試験です。
GTECは、1998年に開始され、年間受験者数は約100万人以上で、全国のベネッセグループ各地の会場で実施されています。
GTECは、「小学生~中学1年生向けのGTEC Junior」、「中学生~高校生向けのGTEC」、「大学生・社会人向けのGTEC」の3種類のテストがあり、レベル別に10タイプの問題タイプに分かれ、小学生から社会人まで継続的に英語力を測ることができます。
「中学生~高校生向けのGTEC」の問題タイプ「CBT」は、大学入試に利用でき、スコア利用可能大学が2022年度の入試で395校ほどありました。また、授業の一環として採用している中学校や高校も多く、学生を中心に人気があります。
GTECのテスト方式は、コンピュータベースの試験と筆記試験があり、スピーキングセクションでは、ビデオカメラを使用した録画評価が行われます。
日本の英語教育を念頭において問題が作成されるため、生徒は他の資格検定試験よりも問題に馴染みやすいのがメリットの一つと言えるでしょう
③ TOEFL(英語)
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、アメリカの非営利教育機関であるETS(Educational Testing Service)が実施する英語能力テストです。このテストの主な目的は、海外での学術的なコミュニケーション能力を評価することです。海外の大学院や大学などの教育機関への進学や留学を希望する人々が多く受験します。
TOEFLは1964年に開始され、毎年全世界で300万人以上が受験し、世界160カ国以上、11,500以上の大学・機関が入学選考、奨学金選考、単位認定など様々な場面で利用しています。
TOEFLは、「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の4つの主なスキルでアカデミックな英語能力を評価します。また、TOEFLは、iBT(Internet Based Testing)と呼ばれるテスト方法を使用して、インターネット経由で実施されます。
TOEFLは、海外の大学進学など、海外でアカデミックなコミュニケーション能力が求められる場面で必要とされます。また、TOEFLはアメリカの多くの大学や研究機関が採用しているため、アメリカでの学術的な活動においても優れた資格とされています。
しかし、TOEFLは受験料が高く、試験の難易度も大変高いことが課題です。TOEFLの受験を検討する際には、十分な準備期間を設け、効果的な学習方法を確立することが重要です。
④ IELTS(英語)
IELTS(International English Language Testing System)は、英国文化協会、英国大学入学委員会、IDP教育が共同で実施する英語能力試験で、世界中で広く受験されています。
IELTSは1980年に開始され、主に留学、就職、移住などの目的で受験されます。能力評価の主な4つのスキルは、「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」で、日常の英語コミュニケーション能力を評価できます。IELTSは、英語圏の国で勉強したり仕事をしたりしたい人が多く受験します。
IELTSは、世界で年間300万人以上が受験しています。また、テスト方式は、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があり、それぞれ留学や就職などの目的に応じて受験することができます。
ELTSは、アメリカの大学や研究機関に加えて、IELTSはイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏の国での学術活動のための優れた資格と見なされています.
しかし、IELTSは大変難しい試験で、受験料も高いです。IELTSを受験するなら、十分な準備期間を確保し、効果的に学習をすることが重要です。
⑤ ケンブリッジ英語検定(英語)
ケンブリッジ英語検定(通称ケンブリッジ英検)は、英国の大学であるケンブリッジ大学が運営する、英語を母国語としない人々の英語能力を評価することを目的とした、100年以上の歴史を持つ英語資格検定です。大学、企業、政府、省庁など、世界中の機関で認定され、使用されています。
ケンブリッジ英検では、一般英語試験、ビジネス英語試験、学術英語試験、子供向け英語試験の4つのカテゴリに分かれていて、各カテゴリにはさまざまなレベルのテストがあります。毎年世界中で250万人以上の受験者がおり、年間に4回の試験が実施されます。
ケンブリッジ英検は、「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4つのスキルを評価するコンピューターまたは筆記ベースのテストです。
ケンブリッジ英検を受験するリットは、国際的に認められた英語力の証明書を取得できること、世界中の大学や企業によって認められていることです。また、ケンブリッジ英検では、英語学習者にとって非常に役立つ英語学習用の教材とリソースも沢山提供しています。
⑥ PTEアカデミック(英語)
PTEアカデミック(Pearson Test of English Academic)は、Pearsonが開発した英語能力評価試験で、世界中の教育機関や企業で広く認められている資格です。試験形式は「リスニング」「リーディング」「スピーキング」「ライティング」の4つのセクションで構成されています。
主な対象者は、第二言語として英語を学んでいる方、または留学を希望している方です。2009年から始まった、まだ比較的新しい国際的な英語能力試験ですが、受験者は年々増加傾向にあります。試験は365日実施されており、受験者は日時を自由に選ぶことができます。
PTEアカデミックの特徴は比較的短いテスト時間で、結果は通常5営業日以内に発表されることです。また、出題形式が多様で、AIがリスニングとスピーキングを採点するため、公正かつ正確な評価が得られます。そのため、世界中の大学や企業から高い評価と認知を得ています。
PTEアカデミックを取得すると、留学や海外で働く際の入学および雇用の要件を満たすのに役立ちます。英語力の証明として自己PRにも役立ちます。また、話す・書くなどのコミュニケーション能力を重視する企業や団体での採用にも有利に働く可能性があります。
⑦ 英検(英語)
英検(実用英語技能検定)は、日本で最も有名な英語力を測定するための資格試験です。1963年に一般財団法人日本英語検定協会によって開始されました。英検は、国際コミュニケーションに必要な英語力を評価するための試験で、日本国内で英語を学習している人を対象としています。
試験は年3回程度実施され、毎年360万人以上が受験しています。試験方法は「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能を評価する形式で、級によって異なります。英検には、英検5級から1級までの6段階があります。英検5級は、初級レベルの英語力を持った人を対象としています。英検1級は、英語力が高く、英語圏の大学で講義を受講できるほどの方を対象としています。
英検を受験すると、日本の中学・高校・大学への進学、就職・転職などに有利になる可能性があります。大学の入学要件や、企業の採用要件に設定されていることもあります。また、英検を受けることで、自分の英語力を評価し、次のステップの目標を設定することができます。
⑧ TEAP(英語)
TEAP(Test of English for Academic Purposes)は、上智大学と日本英検協会が共同開発した大学入試向けの英語運用能力測定試験です。
大学での学習や研究において、英語で資料や文献を読む能力、英語で講義を受ける能力、英語で意見を述べる能力、英語で文章を書く能力をより正確に測る試験です。全国482大学で採用されている資格です。
1年に3回試験が行われ、「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能が測定されます。
すべての試験内容は、留学を含む大学教育で遭遇する状況を考慮して作成されています。難易度の目安としては、日本の高校生の英語力を測るのに最適な英検準2級~準1級程度です。
一度に合否が決まる従来の受験とは異なり、年3回の受験機会があり、受験者の選択肢が広がります。
⑨ 日商ビジネス英語検定
日商ビジネス英語検定は、日本商工会議所が2003年に開始したビジネス英語能力評価試験です。2023年度からリニュアルされ新たな形式・内容で施行されることになりました。
日商ビジネス英語検定は、ビジネスに必要な英語力を測ることを目的としています。主な対象は、ビジネスパーソンや、将来ビジネスに携わる学生です。試験方法は「スピーキング」「リスニング」「リーディング」の3技能を測定します。
日商ビジネス英語検定に合格することで、ビジネスに必要な英語力を身につけていることが証明されます。また、ビジネスにおけるコミュニケーション能力が向上し、国際的なビジネスに携わる機会が増える可能性があります。また、企業における採用の選考基準として、日商ビジネス英語検定を設定している場合もあります。この資格を取得することで自己PRが強化され、就職活動のアピールポイントとなるでしょう。
⑩ 国連英検(英語)
国連英検(国際連合公用語英語検定試験)は、1981年から公益財団法人日本国際連合協会が主催する英語能力試験です。これは、英語を共通語として使用する国際社会におけるコミュニケーション能力を測定することにフォーカスした試験です。
試験は全国の主要都市で年2回開催されます。特A級~E級までの計6級の試験で、中学生から社会人、シニアまで幅広い層を対象としており、誰でも受験できます。
主な対象者は、国際社会での活躍を目指す学生・社会人です。国連英検を取得するメリットの1つは、国際社会でのコミュニケーション能力を証明できることです。また、国際機関や国際企業への就職・転職時に有利になる可能性が高い資格です。
⑪ 観光英語検定(英語)
観光英語検定は、全国語学ビジネス観光教育協会が1989年に設立した資格検定です。
観光分野に特化した英語力を測る試験であり、観光分野でのキャリアアップに役立つとされています。比較的規模は小さいものの専門性の高い試験であり、これまでに20万人以上が受験してきました。
英語力を測る資格検定は色々ありますが、観光分野に特化していることが観光英語検定の特徴です。
観光英語検定は、空港やホテル、観光地などでの外国人とのコミュニケーションを想定した設問で構成されており、観光業に従事する方、海外旅行を楽しみたい方、観光時に英語でコミュニケーションを取りたい方などが多く受験しています。
英語能力試験には3級、2級、1級の3種類があります。2級と3級は筆記試験とリスニングです、1級は筆記試験とネイティブスピーカーとの面接で構成されます。就職や転職で評価されるのは2級と1級と言われています。
⑫ 技術英語能力検定(英語)
技術英検は、一般社団法人日本能率協会JMA・JSTC技術英語委員会が主催する検定試験です。
1981年に公益社団法人日本工業英語協会が開始し、2020年5月に工業英検(工業英語能力検定)から技術英検(技術英語能力検定)に変更になりました。
技術英検は他の英語能力認定試験とは違い、理学や工学分野などで使用する英語に関する語学力を問う試験です。エンジニアや科学論文の翻訳者の英語力を客観的に評価します。
法律で認定されているわけではないので制度上は民間資格に当てはまりますが、日本工業英語協会は文部科学省に後援されているため技術英検の立ち位置は国家資格と変わりません。
法的な認定を受けていないので民間資格の範疇に入りますが、文部科学省の後援を受けているため、国家資格の立ち位置と大差はありません。
技術英検は、科学・技術分野の研究者、企業のエンジニア、科学・技術文書の作成や翻訳に携わる人々、科学・技術分野の翻訳者などが受験します。工業高校、高等専門学校、大学などの学生も受験します。
⑬ 全国通訳案内士(10か国語から1つ選択)
全国通訳案内士は、観光庁が実施する試験に合格し、居住都道府県で登録された方に与えられる国家資格です。日本国内において外国人旅行者の案内や通訳を行う人材の能力を評価する試験です。質の高いサービスを提供できる通訳案内士の養成と、外国人旅行者の観光促進に貢献することが目的の資格です。
全国通訳案内士の仕事は、訪日外国人旅行者を日本の観光地に案内したり、旅行中のサポートをすることです。日本の歴史や地理に精通し、風土や文化など日本の魅力を外国語で説明する必要があります。外国語が得意な通訳だけの仕事ではないということなのです。
全国通訳案内士試験に合格すれば、通訳案内士としての資格が取得でき、旅行会社などへの就職・転職に有利です。また、通訳案内士の資格は、国際的な観光業界でも有効であり、海外での活躍の場が広がります。さらに、受験者は試験に合格することによって、自身の観光知識や語学力の向上にもつながります。
ただし、全国通訳案内士の合格率は10%前後と、大変難しい国家資格です。全国通訳案内士を受験するなら、十分な準備期間を確保し、効果的に学習をすることが重要です。
⑭ HSK(中国語)
近年、英語だけでなく中国語もグローバル展開に欠かせないものになってきていますので、代表的な中国語の検定を1つ紹介します。
HSK(漢語水平考試)は、中国語を母国語としない人の中国語能力を評価するテストです。第二言語として中国語を学習している人々の中国語能力を客観的に評価し、世界中の人々に中国語教育の基準を提供することが目的です。
HSKの開発は1984年に北京語学院(現:北京語言文化大学)で始まり、1992年に中国で国家レベルの試験として正式に実施されました。現在、約120の国と地域で実施されている国際中国語資格です。
HSKはレベル1からレベル6までの6つのレベルで構成されており、それぞれが異なるレベルの中国語能力に対応しています。受験者数は年々増加しており、日本国内の受験者数は約4万人。2023年現在、HSKは年間12回実施されており、受験形式には、パソコン形式と紙形式があります。
また、中国への留学、大学進学、中国での就職、など、多くの場面でHSKが求められることがあります。また、HSKスコアは、中国語教育機関や企業における中国語能力の評価にも利用されています。HSK合格証明書は、中国語学習者の資格の証明となります。
⑮ 日本語能力試験JLPT(日本語)
最後の1つは、外国人が日本に留学したり就職したりするための日本語の資格を紹介します。
日本語能力試験JLPTは、日本国内外で日本語の能力を評価するための標準化テストです。試験は日本語教育に携わる機関・団体である公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催しています。
JLPTは、日本語学習者の能力を評価し、その能力を共通の基準で比較することを目的にしています。試験の対象は、日本語を学ぶ外国人や日本語を母語としない日本国籍者など、日本語学習者です。
日本語能力試験JLPTにはN1~N5の5つのレベルがあります。試験は年2回実施され、一般的に7月と12月に実施されています。試験方式は、筆記試験で、約2時間から3時間半かけて行われます。
JLPTを取得するメリットは、日本語を学習する上でのモチベーション向上や、日本での就職や留学、日本語能力の証明書としての利用が挙げられます。また、最近では日本国内における、外国人の採用においてJLPTの取得が求められることがあります。
国内外を問わず多くの日本語学習者が受験しています。JLPTは、日本語学習者の能力評価において世界的な標準として認知されており、日本語の普及や国際化に貢献しています。
おわりに
語学力強化に強い人気の資格試験15選とその試験について紹介させていただきました。
就職、転職、昇進などのキャリアアップのために語学系の資格取得を目指そうか考えているのでしたら、是非参考にしてください。気になる資格がありましたら、公式ホームページで再度きっちり確認してください。
日本経済大学で資格取得を目指そう 幼稚園から大学院まで全国に30校以上の学校を展開する「都筑学園グループ」が運営する「日本経済大学」は、1968年に設立され、福岡県太宰府市に本部を置く私立大学です。現在、福岡、神戸、東京都渋谷区に3つのキャンパスがあります。日本経済大学には、経済学と経営学を中心とした2学部6学科18の専門コースがあり、非常に多くの留学生を受け入れる国際色豊かな大学です。 日本経済大学の経営学部は、福岡と東京渋谷の2カ所にキャンパスがあります。また、教育内容がキャンパスごとに異ならないようにするために特別な考慮が払われています。経営学、経営管理論、経営組織論を中心に、現代企業の合理的経営に関する理論研究と実践活動を有機的に組み合わせた教育を行い、実践的な経営スキルを身につけ、「変化の時代」を生き抜くビジネスパーソンの育成を目指しています。 日本経済大学では、独自の資格取得講座や、資格試験に必要な科目を含む各種講義を行っています。また、文系・理系の資格を問わず、より幅広い資格取得に取り組む意欲を高めるために、様々な資格取得奨励金給付制度を設けています。