「大学は都会のほうがいい?それとも地方のほうが落ち着いている?」
進学を考えるとき、多くの人が学部や偏差値、就職率などを基準に大学を選びます。でも、実際に4年間(またはそれ以上)を過ごす「環境」も、充実した大学生活を送るうえでとても重要です。
都会の大学に行けば、便利な生活や豊富なアルバイト・就職のチャンスがある一方、地方の大学には自然に囲まれた落ち着いた環境や、密な人間関係が築ける良さがあります。
「就職のために都心の大学を選ぶべき?」「でも地方のほうがゆったり学べそう…」と迷っている高校生も多いはず。そこで今回は、「都心の大学」と「地方の大学」それぞれのメリット・デメリットを徹底比較! あなたにピッタリの大学環境を見つけるためのヒントを紹介します。
1. 都心の大学のメリット
① 交通の便が良い
都心の大学は、電車やバスの本数が多く、どこへ行くにもアクセスが便利です。駅から徒歩圏内にキャンパスがある大学も多く、通学にかかる時間や負担を減らせます。また、遠方から上京する学生にとっても、空港や新幹線の駅が近いため、実家への帰省がしやすいのも魅力です。交通の利便性が高いと、授業の前後にアルバイトやインターンに行くのもスムーズになり、時間を有効活用できます。
特に交通アクセスが優れている大学として、工学院大学(新宿キャンパス)は新宿駅から徒歩4分、さらに地下道で直結しているため雨の日でも濡れずに通学できます。学習院大学は目白駅から徒歩0分という好立地で、駅を出た瞬間にキャンパスが広がる環境。上智大学は「四ツ谷」駅から徒歩2分で、JR総武線や東京メトロ丸ノ内線・南北線の3路線が利用でき、アクセスの良さは抜群です。
関西でも、関西大学(千里山キャンパス)は阪急千里線「関大前駅」と直結しており、通学のしやすさが魅力。同志社大学(今出川キャンパス)も京都市営地下鉄烏丸線「今出川駅」に直結し、地下鉄を降りてすぐにキャンパスへ向かえます。
このように、都心の大学の中には駅から徒歩数分、あるいは駅直結で通学できる場所もあり、快適なキャンパスライフを送るうえで大きなメリットとなります。
日本経済大学 渋谷キャンパスの交通の便の良さ 日本経済大学 渋谷キャンパス は、東京の中心地である渋谷駅から徒歩3分という抜群の立地を誇ります。 【アクセスの特徴】 ・JR・東京メトロ・東急・京王「渋谷駅」から徒歩約3分 ・山手線をはじめとする複数路線が利用可能で、都内はもちろん、神奈川・埼玉・千葉からの通学もスムーズ ・渋谷駅は大規模なターミナル駅のため、乗り換えの利便性が高く、遠方からの通学でも負担が少ない ・駅近でありながら、落ち着いた環境で勉強に集中できるキャンパス設計 渋谷という都心のど真ん中にあるため、通学のしやすさはもちろん、授業後のアルバイトやインターン、就職活動にも有利な環境が整っています。ビジネスやエンタメの中心地に位置し、充実した大学生活を送りやすいのが大きな魅力です。
② アルバイトの選択肢が豊富
都心の大学では、飲食店やコンビニ、塾講師、オフィスワークなど、幅広い業種のアルバイトが充実しています。特に時給が高めな傾向があり、効率よく収入を得ることが可能です。
また、企業の本社や支店が多い都心部では、インターンシップや専門的なアルバイトの機会も豊富です。例えば、マーケティング会社でのアシスタント業務、IT企業のサポートスタッフ、アパレルブランドのショップスタッフなど、将来のキャリアに役立つ仕事を経験できるのも魅力のひとつです。
さらに、アルバイトの募集が多いことで、自分のライフスタイルに合ったシフトの調整がしやすいのもメリット。授業やサークル活動と両立しながら働くことができるため、学生生活の充実度を高める大きな要素になります。
③ インターンや就職活動に有利
都心の大学は、多くの企業の本社や支社が集まるエリアに位置しているため、インターンシップや就職活動を有利に進められる環境が整っています。
企業説明会や合同就職イベントが頻繁に開催され、気軽に参加できるのが大きなメリットです。地方の学生は遠征費や宿泊費をかけて参加しなければならないこともありますが、都心の大学なら授業の合間や放課後に参加しやすく、効率よく就職活動を進められます。
また、インターンシップの機会が豊富なのも都心ならでは。長期インターンや週1回から参加できるプログラムなど、多様な選択肢があるため、学生のうちから実務経験を積みやすいのもポイントです。特に、広告・IT・金融・メーカーなどの業界では、企業が大学と連携して学生を募集するケースも多く、学内での説明会や選考会に参加できることもあります。
こうした環境の違いが、最終的な就職のしやすさにも影響を与えます。都心の大学では、企業との接点が多く、就職先の選択肢が広がるため、キャリアを重視する人にとっては大きなメリットとなるでしょう。
④ 充実した遊びやイベント
都心の大学に通うと、遊びやイベントの選択肢が豊富で、学生生活をより楽しめる環境が整っています。
映画館やショッピングモール、カフェ、テーマパークなど、気軽に訪れやすいスポットが多く、友達と一緒に充実した時間を過ごせます。また、美術館や博物館、ライブハウス、スポーツ観戦などの文化的なイベントも多く、勉強以外の刺激を得られる機会が多いのも魅力のひとつです。
さらに、都心では大学のサークルやイベントだけでなく、外部のコミュニティや企業が主催するワークショップ、セミナーなども頻繁に開催されています。興味のある分野の勉強会や、就活に役立つ講座に参加することで、スキルアップや人脈づくりにもつながります。
大学の授業やアルバイトだけでなく、遊びやイベントを通じて多様な経験ができるのは、都心の大学ならではの大きなメリットといえるでしょう。
2. 都心の大学のデメリット
① 生活費が高い
都心の大学に通う場合、生活費の高さが大きな負担になることがあります。特に家賃は地方と比べて大きく異なり、ワンルームの平均家賃が地方の倍以上になることも珍しくありません。
また、都心は物価が高く、食費や日用品の出費もかさみがちです。外食の機会が増えると、食費の負担はさらに大きくなります。カフェやコンビニが多く便利な反面、気軽に買い物をしてしまい、結果的に出費が増えることもあります。
交通費についても、都心は電車やバスの移動が多いため、定期代や移動費が積み重なると負担になります。地方のように自転車や徒歩で済ませることが難しい場合、毎月の交通費も考慮する必要があります。
こうした生活費の高さをカバーするためにアルバイトをする学生も多いですが、学業との両立を考えると、無理のない範囲でバランスを取ることが重要です。都心の大学に進学する場合は、奨学金や家賃補助制度、シェアハウスなどを活用しながら、賢く生活費を管理することが求められます。
② 落ち着いて勉強しにくい
都心の大学は便利で刺激の多い環境ですが、その分、勉強に集中しにくい要素も多いのがデメリットです。
まず、街が常ににぎやかで、人の多さや騒音が気になることがあります。大学周辺が繁華街やオフィス街にある場合、カフェや図書館で勉強しようとしても混雑していて、静かな場所を確保するのが難しいことも。
また、都心には遊びやアルバイトの誘惑が多いため、つい勉強以外の予定を優先してしまうこともあります。映画館やショッピングエリアが近いと、「ちょっと寄り道しよう」と思っているうちに、気がつけば勉強時間が削られてしまうことも。
さらに、都心の大学は学生数が多いことが多く、自習スペースや図書館の席がすぐに埋まってしまうという問題もあります。試験前になると、朝早くから席を確保しないと勉強できないこともあるため、計画的に学習環境を整える工夫が必要です。
このように、都心の大学では、勉強に集中するための環境づくりや時間管理が重要になります。誘惑に負けず、効率よく学べる工夫をすることが、充実した大学生活を送るためのポイントといえるでしょう。
③ 人間関係が希薄になりがち
都心の大学では、人とのつながりが薄くなりやすいというデメリットがあります。
まず、学生数が多いため、同じ学部・学科にいても顔を合わせる機会が少ないことがあります。講義によっては数百人規模の大教室で行われることもあり、クラスメイトとの交流が少なくなりがちです。また、履修科目の自由度が高い大学では、毎回の授業で違うメンバーと一緒になるため、継続的に関係を築きにくいという面もあります。
さらに、キャンパスが広く、学生が分散することも影響します。複数のキャンパスを持つ大学では、学部ごとに通う場所が異なり、他学部の学生と接点を持ちにくい傾向があります。授業が終わればすぐに帰宅したり、アルバイトやインターンに行く学生も多いため、自然とプライベートの時間を優先する人が増え、人間関係が浅くなることもあります。
また、都心は地方からの進学者が多いため、出身地の異なる人が多く、地元のつながりが少ないのも特徴です。そのため、自分から積極的にサークルやゼミ、イベントに参加しないと、友人関係を築くのが難しくなることがあります。
このように、都心の大学では人間関係が流動的になりやすいため、友人を作るには自ら行動を起こすことが大切です。積極的に交流の場を活用すれば、新しい出会いも多く、充実した大学生活を送ることができるでしょう。
3. 地方の大学のメリット
① 落ち着いた環境で学べる
地方の大学は、静かで落ち着いた環境の中で勉強に集中しやすいのが大きなメリットです。
都市部と比べて人や車の往来が少なく、キャンパス周辺には自然が多いことが特徴です。都会のような騒がしさがないため、授業の合間や放課後もリラックスして過ごせます。特に、図書館や自習室は比較的空いていることが多く、試験前でも混雑せずに落ち着いて勉強できる環境が整っています。
また、地方の大学では、学生一人ひとりに対するサポートが手厚いことも魅力です。少人数制の授業が多く、教授やゼミの仲間との距離が近いため、質問しやすく、深い学びを得られる機会が多くなります。大学内での人間関係が密接になりやすいため、互いに刺激を受けながら勉強できる点も、地方大学ならではの良さといえるでしょう。
こうした環境の良さを持つ地方の私立大学としては、北海学園大学(札幌市)や東北福祉大学(仙台市)のように、都市部に近いながらも落ち着いたキャンパスを持つ大学があります。また、金沢工業大学(石川県)や静岡理工科大学(静岡県)のように、広大な敷地の中で専門的な学びに集中できる大学も魅力的です。
関西では、京都産業大学(京都市北区)や近畿大学(奈良キャンパス)のように、緑豊かな環境の中で学べる大学もあります。特に京都産業大学は、京都市内の利便性と自然環境の両方を兼ね備えている点が特徴です。
九州エリアでは、立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)のように、国際色豊かで自然環境にも恵まれた大学があります。温泉地・別府にあるため、リラックスしながら学べるのも魅力のひとつです。
都市部の大学と比べて、地方の大学は勉強に集中しやすい環境が整っているのが大きなメリットです。「静かな場所でじっくり学びたい」「自然の中で充実したキャンパスライフを送りたい」と考えている人にとって、地方の大学は魅力的な選択肢となるでしょう。
日本経済大学 福岡(太宰府)キャンパスの環境の良さ 日本経済大学 福岡(太宰府)キャンパスは、自然に囲まれた静かな環境で勉強に集中しやすいのが魅力です。広々としたキャンパスには自習スペースや図書館が整備され、落ち着いた雰囲気の中で学べます。 また、学問の神様・太宰府天満宮が近く、歴史と文化を感じながら学生生活を送れるのも特徴です。福岡市内へも電車で約20分とアクセスしやすく、都会と自然のバランスが取れた環境が整っています。家賃も比較的安く、安心して一人暮らしができる点も大きなメリットです。
② 生活費が安い
地方の大学は、家賃や食費などの生活費を抑えやすいのが大きなメリットです。
特に家賃は、都心と比べて半額以下になることもあり、ワンルームや広めの部屋でも手頃な価格で借りることができます。学生向けのアパートや寮も充実しており、費用を抑えながら快適な生活を送ることが可能です。
また、地方は物価が比較的安く、スーパーや飲食店の価格も手頃です。自炊をすればさらに節約でき、都心に比べて食費の負担を軽減できます。交通費も、電車やバスの利用頻度が少なく、自転車や徒歩で移動できる環境が整っているため、毎月の支出を抑えやすいのも特徴です。
このように、生活コストを抑えつつ、勉強や趣味に時間を使えるのは、地方大学ならではのメリットといえるでしょう。
③ コミュニティが密接
地方の大学は学生同士や教授との距離が近く、温かいコミュニティが形成されやすいのが特徴です。
学生数が比較的少ないため、同じ授業やゼミで顔を合わせる機会が多く、自然と仲良くなりやすい環境があります。サークル活動や学内イベントも活発で、学部や学年を超えた交流が生まれやすいのも魅力です。
また、教授との距離が近いこともメリットのひとつ。少人数制の授業が多く、質問や相談がしやすいため、より深く学ぶことができます。さらに、地域とのつながりが強い大学では、地元企業や自治体と協力した活動に参加できる機会も多く、実践的な経験を積めるのも魅力です。
このように、地方の大学は人と人とのつながりを大切にしながら学べる環境が整っており、温かいコミュニティの中で充実した大学生活を送りたい人にぴったりの選択肢といえるでしょう。
④ 大学のブランド力が地域で強い
地方の大学は、その地域内での評価が高く、就職に有利に働くことが多いのが特徴です。
全国的な知名度は都心の有名大学に及ばないこともありますが、地元企業や自治体との結びつきが強く、卒業生が多く活躍しているため、地域内での信頼度は高い傾向にあります。特に、その地方に根ざした業界や企業では、地元大学出身者を積極的に採用するケースも多く、安定した就職先を見つけやすいメリットがあります。
また、地域に貢献する活動やインターンシップの機会も豊富で、在学中から地元の企業や自治体と関わることができるため、卒業後もスムーズにキャリアを築きやすい環境が整っています。
このように、地方の大学はその地域でのブランド力が強く、地元での就職を希望する人にとって有利な選択肢となるのが大きな魅力です。
4. 地方の大学のデメリット
① 交通の便が悪い
地方の大学は、公共交通機関の本数が少なく、移動が不便に感じることがあるのがデメリットです。
都市部のように電車やバスが頻繁に運行しているわけではなく、1時間に数本しかない路線も珍しくありません。そのため、通学やアルバイト先への移動に時間がかかることもあります。また、大学が郊外にある場合、最寄りの駅やバス停から徒歩でかなりの距離を歩かなければならないケースもあります。
さらに、地方では車が必須となることも多く、免許を取得しなければ自由に移動しづらいこともあります。特に、休日に遊びに行く際やアルバイトをする際は、自家用車や自転車がないと行動範囲が制限されるため、都市部のような気軽な移動が難しくなります。
このように、地方の大学では交通手段を事前に考えておくことが重要で、車を持つかどうかや、生活圏内での移動手段をしっかり計画することが必要になります。
② アルバイトや就職活動の選択肢が限られる
地方の大学では、アルバイトや就職活動の選択肢が都市部に比べて少ないというデメリットがあります。
まず、アルバイトの求人は、飲食店やコンビニ、スーパーなどの接客業が中心になりやすく、都市部のように高時給のオフィスワークや専門的な仕事を見つけるのは難しいことがあります。また、店舗数が少ないため、希望する職種の募集がなかったり、シフトの融通が利きにくいこともあります。
就職活動に関しても、大手企業の説明会や面接が都市部で行われることが多く、参加するために新幹線や飛行機を利用する必要がある場合もあります。インターンシップの機会も都市部に比べると限られているため、企業研究や実務経験を積むためには、都市部まで移動することを考慮しなければなりません。
このように、地方の大学ではアルバイトや就職活動の選択肢が少ないため、計画的に動くことが大切になります。都市部の企業に就職したい場合は、早めに情報を集め、必要に応じて短期滞在なども視野に入れるとよいでしょう。
③ 娯楽が少ない
地方の大学は、都市部と比べて遊びや娯楽の選択肢が限られることがデメリットの一つです。
映画館やショッピングモール、大型のイベント会場などが少なく、都心のように気軽に遊びに行ける場所が少ないため、休日の過ごし方がワンパターンになりがちです。また、ライブやコンサート、最新の映画公開が都市部より遅れることもあり、エンタメの充実度に物足りなさを感じることもあります。
飲食店やカフェの数も限られているため、新しい店を開拓する楽しみが少ないと感じる人もいます。特に、流行に敏感な人にとっては、最新のグルメやファッションを楽しむ機会が少なくなるかもしれません。
その反面、自然豊かな環境を活かしたアウトドア活動(キャンプ、ハイキング、釣りなど)を楽しめるのは地方ならではの魅力です。都市部のような娯楽は少ないものの、自然の中でゆったりとした時間を過ごしたい人には向いている環境といえるでしょう。
結論
「都心の大学」と「地方の大学」、どちらにもメリット・デメリットがあり、重視するポイントによって最適な選択は変わります。
✔ 就職やインターンの機会を重視するなら都心
✔ 落ち着いた環境で学びたいなら地方
✔ アルバイトや遊びの選択肢を広げたいなら都心
✔ 生活費を抑えて充実した大学生活を送りたいなら地方
大学生活は4年間という長い時間を過ごす大切な場です。自分にとって何が優先かをよく考え、納得のいく選択をすることが、充実した学生生活につながるでしょう。どんな環境でも、自分の努力次第で最高の大学生活を送ることができます!