歯学部を目指すうえで、面接を不安に感じている人は多いと思います。
「どんなことを聞かれるの?」「どう答えたらいいの?」と悩んでいませんか?
歯学部の面接では、志望理由だけでなく、将来の目標や人柄、考え方まで見られています。
この記事では、よく聞かれる質問、答え方のコツ、印象アップのポイントなどをわかりやすく紹介します。
面接が初めての人でも、自信を持って臨めるように一緒に準備していきましょう。
1. 歯学部の面接はどんな目的で行われるの?
『筆記で点が取れれば合格できる』と思っていませんか?
歯学部の入試では、実は面接が大きな役割を果たします。特に推薦入試や総合型選抜では、学力よりも面接の評価が決め手になるケースも珍しくありません。
では、歯学部の面接はどんな目的で行われているのでしょうか?
■ 歯科医師としての資質を見極めるため
歯科医師は、単に技術を持つだけでなく、患者さんとの信頼関係を築く力や、責任感・倫理観が求められる仕事です。
そのため、面接では『知識や偏差値では見えない部分』が見られています。
面接官が特に注目するのは以下のような点です:
・志望理由は明確か
・将来のビジョンを持っているか
・誠実で信頼できそうな人柄か
・患者とのコミュニケーションを大切にできそうか
■ 『歯学部』ならではの視点もある
医学部と並んで専門性が高い学部ですが、歯学部には独自の特徴があります。
たとえば、審美性(見た目の美しさ)への意識や、保険診療と自費診療のバランス感覚など、より現実的な視点も問われることがあります。
また、『開業』や『地域医療』といった将来的な視点を持っているかどうかも、面接での評価につながる場合があります。
■ 面接が『足切り』ではなく『差がつく場』になることも
中には『面接は形式だけで、大きな影響はない』と思っている人もいるかもしれません。
でも、受験者のレベルが拮抗している場合、最終的に面接の印象が合否を分けることも少なくありません。
特に、歯学部では『人として信頼できるか』『患者と向き合う姿勢があるか』が重視されるため、『話し方』『考え方』『表情や姿勢』も含めて評価されます。
2. 歯学部の面接でよく聞かれる質問【基礎編】
歯学部の面接では、基本的な質問を通して『志望動機』『将来像』『人間性』などを確認されます。
ここでは、特に聞かれやすい4つの質問と、答えるときのポイント、ありがちなNG例をご紹介します。
■ 質問1:なぜ歯学部を志望したのですか?
この質問は、面接でほぼ必ず聞かれます。大切なのは『歯科医師になりたい理由』を、自分の経験や考えと結びつけて話すことです。
ポイント:
・家族や自身の歯科体験など、具体的なきっかけがあると説得力が増す
・歯科医療のどんなところに魅力を感じたかを言語化する
NG例:
『理系だから』『親が歯科医だから』だけで終わってしまうと、主体性が弱く見られてしまいます。
■ 質問2:将来どんな歯科医師になりたいですか?
面接官は、あなたが将来のビジョンを持っているか、そしてそれが現実的かを見ています。
ポイント:
・対象(子ども、高齢者、地域など)や役割を具体的にする
・『患者との信頼関係を大切にしたい』『予防歯科にも関心がある』など、思いが伝わる言葉を選ぶ
NG例:
『開業して儲けたい』など金銭的なことばかり話すのは、印象が悪くなる可能性があります。
■ 質問3:高校生活で力を入れたことは?
歯科の話題以外でも、あなたの人柄や努力の姿勢を見るための質問です。
ポイント:
・部活動や委員会、アルバイトなど、何でもOK
・『そこで何を学んだか』『どんな工夫をしたか』を話すと良い
NG例:
『特にありません』『全部中途半端でした』は避けましょう。小さな経験でも、自分なりの気づきがあれば十分です。
■ 質問4:なぜ医学部ではなく歯学部なのですか?
この質問は、進路選択の理由を深掘りするために聞かれることがあります。
ポイント:
・歯科医療ならではの魅力(口腔の健康が全身に与える影響、手技を使った治療など)を話す
・自分の興味・関心が『歯』に向いていることを明確に伝える
NG例:
『医学部は難しかったから』という理由だけでは、歯学への本気度が伝わりにくくなってしまいます。
【まとめ】
このような質問では、うまく話すことよりも、あなた自身の考えや経験を『自分の言葉で』丁寧に伝えることが何より大切です。
3. 志望動機はどう語る?差がつくポイントと例文紹介
歯学部の面接で最も重視されるのが『志望動機』です。
なぜ歯科医師を目指すのか、なぜこの大学なのか、面接官はその理由の『深さ』と『納得感』を見ています。
ここでは、志望動機を伝えるときのコツと、良い例・悪い例を交えて解説します。
■ 志望動機で差がつく3つのポイント
① 自分自身の経験と結びつける
→ 身近なエピソードや感情を通じて語ることで、説得力が出ます。
例:『小さい頃に歯科治療で救われた』『祖父母の入れ歯を通じて関心を持った』など。
② 歯学のどんな点に魅力を感じているかを明確にする
→ 『口腔から全身の健康を支える重要性』『手技と理論が融合する点』など、独自の視点があると印象に残ります。
③ 将来のビジョンにつなげる
→ 志望理由が『どんな歯科医師になりたいか』と結びついていると、面接官に本気度が伝わります。
■ 良い例と悪い例の比較
良い例:
『私は、子どものころ歯のトラブルが多く、定期的に歯科に通っていました。いつも丁寧に対応してくださった先生の存在が、私にとって大きな安心感でした。将来は、患者さんにとって“怖くない歯医者さん”として、子どもから高齢者まで安心して通える歯科医院をつくりたいと思っています。』
→ 自分の経験をベースに、感じたこと・目指す将来像まで一貫して語られており、好印象です。
悪い例:
『親が歯科医なので、自然とそうなりました。仕事も安定していて、自分に向いていると思います。』
→ 嘘ではないかもしれませんが、受け身で選んだ印象になりやすく、『自分で進路を考えている』感じが伝わりにくくなります。
■ 志望動機を深めるためのヒント
・高校で生物や化学を学んだときの興味
・医療現場を見学した経験(オープンキャンパスや病院実習)
・地域や社会で歯科医師が果たす役割への関心
【まとめ】
自分が何にひかれ、何を目指しているのかを言葉にすることは簡単ではありませんが、『なぜ?』を何度も自分に問いかけてみることで、少しずつ言葉になります。
4. 将来のビジョンがカギになる理由
歯学部の面接では、『将来、どんな歯科医師になりたいか』『そのために大学で何を学びたいか』といったビジョンが、合否を左右する重要なポイントになります。
なぜなら、面接官はあなたの“覚悟”や“成長の意欲”を、ここから読み取っているからです。
■ 『歯科医になりたい』だけでは足りない理由
もちろん、「歯科医になりたい」という思いは大前提です。
でも、それだけでは他の受験者との差がつきません。多くの人が同じような志望理由を語る中で、どれだけ自分なりの将来像を持っているかが大きな差になります。
たとえば、
・どんな人を対象にしたいのか(子ども、高齢者、地域の人など)
・どんな場所で働きたいのか(地元、離島、海外、訪問歯科など)
・どんな役割を担いたいのか(予防、審美、教育、研究など)
こうした視点を持つことで、あなたの志望はより現実的で具体的なものになります。
■ ビジョンを語るときのポイント
① 理想だけでなく、現実への理解も入れる
→ たとえば、『地方では歯科医不足が課題と知り、地元での開業に関心を持った』など。
② 経験とつなげる
→ 『介護施設でのボランティア経験から、高齢者の口腔ケアの大切さを実感した』など、自分の体験をきっかけに語ると説得力が増します。
③ 大学でどう学びたいかを加える
→ 『予防歯科に強い貴学のカリキュラムに魅力を感じている』など、大学の教育内容と将来像がつながっていると、明確な目的意識が伝わります。
■ ビジョンがあると面接官が安心する
将来のビジョンを持っている受験生は、入学後のモチベーションが高く、途中で挫折しにくいと見なされます。
面接官は、『この人は歯学部でしっかり学び、卒業後も社会で活躍してくれるだろうか?』という視点で見ているため、将来への考え方が語れることは大きなプラス評価になります。
【まとめ】
小さな目標でも構いません。
『患者さんに寄り添える歯科医師になりたい』『地元に貢献できるような診療所を開きたい』
——その言葉が、『あなただけのストーリー』になるのです。
5. 面接で印象を良くするための実践アドバイス
面接では話の内容だけでなく、話し方・態度・表情など、全体の印象が評価に大きく関わります。
ここでは、歯学部の面接で良い印象を与えるためにできる、具体的な対策をまとめました。
■ 声・表情・姿勢はシンプルに意識するだけで変わる
・声は、普段より少し大きめにはっきりと話す
・無理に笑う必要はありませんが、表情が硬くなりすぎないように意識する
・椅子に深くもたれず、背筋を伸ばして座ることで、誠実な印象を与えられます
→ これらは難しいことではありませんが、練習しておくことで自信につながります。
■ 丸暗記ではなく、“自分の言葉”で話す練習を
準備した内容をそのまま覚えて話そうとすると、緊張したときに頭が真っ白になってしまうことがあります。
大切なのは、話す内容の流れを理解し、自分の言葉で言い直せることです。
おすすめの練習方法:
・スマホで録音して聞き返す
・友達や先生に話してみる
・話す内容を箇条書きにしておく(文章丸暗記はしない)
■ よくある緊張ミスとその対策
・早口になってしまう → 一文ごとに間を取るよう意識
・表情がこわばる → 面接前に深呼吸を3回
・視線が落ちる → 面接官の眉あたりを見る意識でOK
面接官は、完璧な受け答えよりも、誠実な姿勢を大切にしています。
■ 面接当日のチェックポイント
・受験票や筆記用具などの持ち物を前日までに準備
・服装は清潔感があるか(制服orスーツ)
・集合時間より10〜15分前に到着する余裕を持つ
・面接前にトイレに行って身だしなみを確認
→ 直前にバタバタすると、落ち着きがなく見えてしまいます。余裕のある行動も好印象の一部です。
【まとめ】
面接は、“面接官と話す試験”であると同時に、“あなた自身を伝える時間”です。
緊張しても大丈夫。大切なのは、誠実に、落ち着いて、自分の思いを言葉にすることです。
おわりに
歯学部の面接では、自分の思いや考えを落ち着いて伝えることが大切です。
内容よりも、誠実な姿勢が相手に伝わります。
しっかり準備して、自分らしく臨んでください。
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