日商簿記2級は企業で働くうえで有利なスキルです!
日商簿記2級は、必要な財務諸表の数値を理論的に理解できるため、企業経営に役立つ知識として最も人気の高い資格の1つと言われています。
経営管理の現場で役立ち、あらゆる企業で求められる資格です。簿記3級と比べると、かなり難易度が高くなります。経営や企業活動の流れを分析できるようになり、貴重な人材として役に立つことができる資格です。
この記事では日商簿記2級の概要、受験方法、日商簿記2級を取得するメリット、日商簿記2級の勉強方法など、日商簿記2級の取得に役立つ内容を解説します。ぜひ参考にしてください。
【日商簿記2級とは】
日商簿記2級は、日本商工会議所が主催する資格試験です。経営活動を記録することにより経営・財政状況を明確にする技能が問われます。
試験内容は「商業簿記」と「工業簿記」に分かれています。幅広い業種の経営活動に対応した内容になっています。
「商事簿記」とは、購買活動や販売活動など、社外との取引を記録・計算するスキルであり、正確な報告(決算書作成)を行うための知識です。
「工業簿記」は、企業内の部門や製品ごとに、材料、燃料、人員などの資源の投入を記録し、計算するために不可欠な知識です。
基礎的な内容だった日商簿記3級に比べて難易度が大幅にアップし、より実践的な内容が多いため、就職・転職の際に高く評価されるでしょう。
2021年度から、「統一試験」「ネット試験」「団体試験」の3つの方式で実施され始め、受験しやすくなったので、日商簿記2級取得の機会が広がりました。
【日商簿記2級の日程・申し込み方法・受験料】
①日商簿記2級の日程
日商簿記検定2級の「統一試験」は、2月・6月・11月の年3回です。「ネット試験」で受ける場合は、随時施行が可能です。ただし、「統一試験」の前後は、「ネット試験」の施行休止期間が設けられているので、ホームページなどを必ず確認してください。
②日商簿記2級の申し込み方法
日商簿記検定は、地域の商工会議所が主催しています。日商簿記検定の試験日程は同じですが、申込方法及び申込期間は各商工会議所が定めるものとし、受験者は試験会場を管轄する商工会議所に申込方法を確認する必要があります。
「窓口持参」「インターネット」からの申し込みが主流ですが、他にも電話、郵送、郵便為替、コンビニ端末など様々な方法があります。複数の申請方法がある場所もあれば、1つのオプションしかない所もあります。
申し込みはたいてい試験日の1~2ヶ月前から受付けます。締切日以降は受付してもらえませんので、必要書類を揃えて早めに手続きをしましょう。
③日商簿記2級の受験料
日商簿記検定2級の受験料は4,720円です。
※受験時に変更になっている可能性があるので、詳細は受験前にご確認ください。
【日商簿記2級の内容】
①レベル
日商簿記2級程度は、株式会社の経営に役立つレベルです。企業の財務に必要な、高校レベルの商業簿記と産業簿記(原価計算を含む)。そして、財務諸表を読む力があり、数字から自社や取引先の経営内容を理解できます。
②出題範囲・重要度の高い分野
高度な「商業簿記」「工業簿記」(原価計算を含む)の修得と、株式会社での企業活動や会計実務に基づく知識が求められます。
特に、第2問における「連結会計」はよく出題頻度の高い問題であり、重要です。学生の苦手とする問題ですのでしっかりと勉強する必要があります。
「工業簿記」は出題傾向が比較的安定しているので、この科目で点数が稼げれば合格に近づきます。
③時間・合格基準・合格率
日商簿記2級の試験科目は「商業簿記」「工業簿記」(原価計算を含む)5題以内で、試験時間は90分です。合格基準は70%以上ですが、1科目ごとの得点は40%以上となっています。合格率は平均20~30%ほどです。
【日商簿記2級を取得するメリット】
①就職・転職に役立つ
日商簿記2級は、どの企業でも求人数が多い人気の資格です。会計事務所や税理士事務所、企業の経理部門など簿記が役立つ印象のある業界だけでなく、製造業や一般企業の営業職や製造部門などで活躍する資格です。企業が求める資格のランキングで常に上位にランクイン。また、求人の要件として「日商簿記2級歓迎」を求める企業も増えています。
社会人であれば、日商簿記2級は職種を問わず強力な武器となります。就職や転職の際、履歴書に記載できれば有利な資格と言えます。
②実務力に直結する
日商簿記2級の知識はそのまま仕事に活かせます。
資格の中には、実践に生かすには時間がかかる物が多く、国家試験ですらピンポイントな職務でしか役に立たないことがあります。
しかし、簿記は、資格取得のために学んだことがそのまま仕事に役立ちます。財務諸表の数字を読んで理解することで、企業の経営状況を理解し、自社や取引先の経営状況を分析することができます。
基本的な能力があって仕事をするのと、何も知らずにただ指示に従って仕事をするのでは、仕事の効率に大きな差があり、今後の成長やキャリアアップに影響します。
③期限がない
日商簿記は国家試験ではなく、検定試験です。
ほとんどの検定試験には有効期間があり、取得後3年または5年経過すると有効期限が切れるため、再度受験するか、更新する必要があります。しかし、簿記はその必要がなく、一度取得すると一生有効な資格となります。
維持費などもかからないため、時間やお金の面でプレッシャーがなく、将来の仕事や他の資格取得に向けて余裕を持って取り組めることも大きなメリットです。
④より高い資格につながる
日商簿記2級で学べる知識は、さらに難しいと言われる資格にもつながります。
例えば、IT系の国家資格の基礎情報技術者試験や応用情報技術者試験において、決算書を読むのが苦手な技術者がかなり多いです。しかし、簿記の知識があれば問題ありません。
加えて、中小企業診断士という経営コンサルタントにつながる資格にも役に立ち、誰もが苦手とする財務・経理の分野に精通することで難易度は一気に下がります。
簿記の勉強を続けて1級を取得すれば、その後は税理士や会計士にも挑戦できます。
【日商簿記2級の勉強方法】
まずは、過去問から出題傾向を把握することが重要です。特に工業簿記は出題傾向が安定しているので、完璧に近づけましょう。
①基礎知識の吸収
簿記の基礎知識を学ぶなら、たくさんの参考書を使うのではなく、1冊をしっかりと選び、きちんと理解ながら勧めましょう。1度だけではなく、繰り返し読むことをお勧めします。最低でも3回は読むようにしましょう。
1度目は、分からない所を深掘りしすぎない方が良いです。細かいことは気にせず、日商簿記2級の全体的なレベルを把握するつもりで読んでください。
2度目は、仕訳、決算、決算表、工業簿記の仕訳、原価計算など重要点を理解しながら読み進めていきましょう。
3度目は、分からないところがないか確認しながら読んでください。この段階でわからないことがあれば、よく読み、さらに分からない部分は深掘りし、理解することに努めます。
それぞれの仕訳がどのような会計事象を表しているのかを確認しながら、ひとつひとつ読むことで、仕訳に対する理解を深めることができます。
「工業簿記」の勉強から始めることをお勧めします。
「工業簿記」は簿記3級まではなく、2級で追加される新しい分野のため、理解するのに時間がかかる可能性が高いです。「工業簿記」を先に勉強しておくと後から慌てなくて済みます。
②繰り返し問題集を解く
問題集の出力は、参考書と同じように1冊に絞って、何度も練習を繰り返しましょう。
始めのうちはヒントがないと解きにくいため、参考書から答えを探しましょう。参考書なしでもわかるようになってきたら、時間を計測するなど、本番に近い状況を想定しながら、より実践的なアプローチをとります。
問題集を答えていくと、自分の弱点が理解できます。
2度目以降は、答えが分からなくてもすぐに答えを見ず、ねばって答えを考えるようにしましょう。
何度も繰り返すことで、問題集の答えを覚えてしまい、途中の回答プロセスの理解が曖昧でもなんとなく感覚で正解してしまい、理解している気になってしまうことがあります。
そうなってしまうと、何度問題集を繰り返し解いても成長しなくなります。答えに至るまでのプロセスをきちんと納得しながら解いていってください。
自分が先生の立場で生徒に教えるつもりで丁寧に説明できるようになることを意識すると良いでしょう。問題への理解が大きく深まるだけでなく、類似問題にも対応しやすくなるのです。
③過去問に挑戦する
問題集を繰り返し解き、基礎を理解して数多くの問題を解けるようになったら、次は過去問に挑戦してみましょう。
過去問は、実際の試験と同じ時間で区切り、本番だと思って挑むと良いでしょう。過去問で8~9割程度の得点が取れた場合、かなり理解している状態です。
5割、または5割以下場合は圧倒的に勉強不足です。もう1度参考書から始めて、問題集を繰り返してから、再度過去問に挑戦してください。
また、簿記2級の試験範囲は頻繁に変わるので、過去問だけに頼らず、自分で最新の試験情報を調べることも忘れずにしましょう。
④大学で学ぶ
大学進学を考えていて、将来的に企業で働く意思のある高校生は、日商簿記検定に必要な授業のある大学や専門学校、そして学部を選ぶことをお勧めします。
1番最適な方法は、就職したい業種の関連分野が学べる大学・学部に進学して日商簿記検定を取得することです。
以下は、簿記が学べる大学の主な学部です。希望する大学のホームページなどで確認してみましょう。
・経済学部
・経営学部
・商学部
資格取得やインターンシップといったキャリアサポートが充実している、日本経済大学(https://www.jue.ac.jp/)の福岡校・渋谷校・神戸校の経営学科、商学科には、在学中に取得可能な資格に日商簿記が含まれています。
多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学(https://www.jue.ac.jp/)では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた支援をしています。1年次から将来のビジョンを持ち、専門分野を学べるのが日本経済大学の特徴です。
おわりに
日商簿記2級を取得するために必要な内容を紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか?
日商簿記2級を持っていると社会に出て様々なメリットがあります。将来の就職活動、転職活動、スキルアップを目指して、是非日商簿記2級の取得を目指してみませんか?