リテールマーケティング(販売士)検定とは?

3級、2級、1級違いを徹底解説

by info@remi.website

リテールマーケティング(販売士)は、商品やサービスを販売する際の戦略や手法を学ぶことができる資格です

「リテールマーケティング(販売士)検定」は、弁護士や司法書士、行政書士、税理士、会計士、宅建士などの「士業」とは異なり、一般的にあまり知られていません。しかしながら、販売のプロを目指す方にとっては、流通・小売分野で唯一の公的資格である「リテールマーケティング(販売士)」の資格取得は非常に有益です。

リテールマーケティング(販売士)検定試験には1級、2級、3級の3つのレベルがあります。

この記事では、リテールマーケティング(販売士)検定試験に関する基本的な情報から各レベルの違い、学習方法、資格取得のメリットまでを詳しく解説します。

1.リテールマーケティングとは?

とは?検定について説明する前に、リテールマーケティングとは何かを知る必要があります。

リテールマーケティングとは、小売業者が顧客を引き付け、製品やサービスを宣伝し、売り上げを伸ばすために使用する戦略や戦術のことです。具体的には、製品の価格設定、広告、ビジュアルマーチャンダイジング、カスタマーサービスなど、さまざまな活動が含まれます。

リテールマーケティングの目的は、顧客にとって前向きで忘れられないショッピング体験を提供し、小売業者の収益を最大化することにあります。これは、実店舗、eコマースビジネス、その他の小売業者を含む小売業界において不可欠な要素となっています。

2.リテールマーケティング(販売士)検定とは?

リテールマーケティング(販売士)検定とは、日本商工会議所及び各地商工会議所が実施する公的資格です。

リテールマーケティング(販売士)検定は、大規模小売店の販売員や売場責任者、店長クラスの方、一般小売店の経営者や従業員、コスト管理を求められる管理者、製造業、サービス業、卸売業などの販売業務担当者、そして流通・小売業界で活躍したい人に役立ちます。

受験者は検定に合格することで接客に関する基礎知識や、取扱商品に関する専門知識、売場や店舗を管理する能力、経済の動き全体からみた店舗経営に関する知識が身につくことが期待されます。

この資格は、販売士として必要な知識や技術を身につけることができるため、流通・小売業界での就職やキャリアアップに非常に有利です。検定試験は3つのレベル(1級、2級、3級)に分かれており、全ての級において以下の5科目で構成されています。

(1)小売業の類型
(2)マーチャンダイジング
(3)ストアオペレーション
(4)マーケティング
(5)販売・経営管理

ただし、それぞれのレベルで必要な知識や技術が異なります。3級はリテールマーケティングの入門的な知識を持つ人向け、2級は、リテールマーケティングにおける基本的な知識や技術を身につけた人向け、1級は、販売に関する高度な知識や経験を持ち、経営戦略やマーケティングの基礎に加えて、リテール業界の最新トレンドや事例にも精通している人向けの資格です。

リテールマーケティング(販売士)を取得することで、自己啓発やスキルアップにも役立てることができます。販売士としてのスキルアップや販売力の向上、マネジメントスキルの向上、販売職種以外の職種への転職や就職活動など、様々な目的に応じて取得することができます。

リテールマーケティング(販売士)の資格には、取得から5年間の有効期限が設定されており、有効期間を過ぎると失効してしまいます。有効期限内に、資格更新講習を受講するか、指定通信教育講座を履修することが必要です。ただし、2級・3級の場合、上位の級の試験に合格することで、認定証を提示すれば、更新講習や履修を免除されて資格を更新できます。

3.リテールマーケティング(販売士)検定を受験するための基本概要

①試験日

リテールマーケティング(販売士)の試験日は、各試験会場が定める試験日時と受験者の都合を調整して決めることができます。

※以前は年に2回実施されていまましたが、2021年度からネット試験方式に変わり、会場が空いている日時に予約ができるようになりました。

②試験会場

リテールマーケティング(販売士)の試験会場は、受験可能な試験会場から選択できます。会場の選択方法は、以下の2つです。

(1)インターネットの申込専用ページで選択
(2)商工会議所のホームページ内「商工会議所ネット試験施行機関」から試験会場を確認し選択できます

③申し込み方法

(1)インターネットで申し込む

インターネットで申し込む場合は、「マイページアカウント」を作成し、「申込専用ページ」から、受験会場を選び、空いている日時で試験を予約します。申込から3日目以降の予約ができます。

(2)各試験会場へ直接申し込む

各試験会場へ直接申し込む場合は、商工会議所のホームページ内「商工会議所ネット試験施行機関」から試験会場を確認し、試験会場へ直接申し込むことができます。

④合否判定

試験終了と同時に自動採点され、合否が判定されます。ただし、「科目合格」を利用した場合は、試験後に各証明書を確認した上で合否判定が行われます(判定には約2週間かかります)。

⑤受験料+事務手数料

3級: 4,200円(税込)+550円(税込)
2級: 5,770円(税込)+550円(税込)
1級: 7,850円(税込)+550円(税込)

⑥試験科目の一部免除

3級:
・「3級販売士養成講習会」または「養成通信教育講座」を修了すると、一部の科目が免除されます。有効期限は受講修了日の属する年度の翌年度末までです。

・「商業経済検定試験」の所定の科目に合格しても、一部の科目が免除されます。有効期限は受験日の属する年度の翌年度末までです。

2級:
・「2級販売士養成講習会」または指定の通信教育機関で「2級養成通信教育講座」「販売士2級オンライン養成教育講座」修了者は、一部の科目が免除されます。有効期限は、受講修了日の属する年度の翌年度末までです。

※いずれも、受験日に有効期限を超えている場合は科目免除が適用されません。

⑦出題内容に対する問題数と配点(3級~1級)

(1)小売業の類型:問題数20問/配点20点
(2)マーチャンダイジング:問題数20問/配点20点
(3)ストアオペレーション:問題数20問/配点20点
(4)マーケティング:問題数20問/配点20点
(5)販売・経営管理:問題数20問/配点20点

⑧出題方法・試験時間

3級:
・出題方法:1科目あたり択一式正誤問題の小問10問、択一式穴埋め問題の小問10問(5科目合計で100問)
・試験時間:60分

2級:
・出題方法:1科目あたり択一式正誤問題の小問10問、択一式穴埋め問題の小問10問(5科目合計で100問)
・試験時間:70分

1級:
・出題方法:1科目あたり記述式穴埋め問題の小問10問、択一式穴埋め問題の小問10問(5科目合計で100問)
・試験時間:90分

リテールマーケティング(販売士)検定3級、2級、1級の違い

①3級のレベル

リテールマーケティング(販売士)検定3級は、マーケティングの基本的な考え方や流通・小売業で必要な基礎知識・技能を理解していることが求められます。受験者は、接客や売場づくりなど、販売担当として必要な知識・技術を身につけた人材を目指すことができます。

3級は、流通・小売業に限らず、BtoCの観点から社員教育に取り入れている卸売業や製造業などでも受験されています。つまり、消費者に直接商品を提供するあらゆるビジネスにおいて、この検定で求められる知識・技能は必要不可欠となっています。

②2級のレベル

リテールマーケティング(販売士)検定2級は、流通・小売業における高度な専門知識を身につけていることが求められます。具体的には、マーケティング、マーチャンダイジングなどに関する知識を深く理解し、販売促進の企画や実行をリードすることができる能力が必要です。また、店舗や売場を包括的にマネジメントできる人材を目指すことも求められます。2級は、幹部や管理職への昇進条件として活用されることもあります。

③1級のレベル

リテールマーケティング(販売士)検定1級は、経営に関する極めて高度な知識を身につけることが求められる検定です。この検定を取得することで、商品計画からマーケティング、経営計画の立案や財務予測等の経営管理について適切な判断ができる人材を目指すことができます。さらに、マーケティングの責任者やコンサルタントとして戦略的に企業経営に関わることができるようになります。1級取得者は、流通業界や小売業界においてリーダーシップを発揮することが期待されています。

4.リテールマーケティング(販売士)検定の学習方法

①3級

(1)ハンドブックによる独学

3級検定試験は、「販売士ハンドブック(基礎編)」から90%以上が出題されます。

(2)養成講習会の受講

「販売士資格取得講習会」とは、日本商工会議所が主催する、各地の大学や専門学校などで行われる講習会です。講習を受講し、予備試験に合格した場合、「販売・経営管理」科目が受験免除となります。受講修了日(予備試験合格日)の属する年度の翌年度末まで有効となります。

(3)指定通信教育講座の受講

日本商工会議所が指定した養成通信教育講座を通じて、「販売・経営管理」の科目について学習することができます。指定された教育機関にて全課程を修了し、かつスクーリングを受講・修了された方は、受講修了日の属する年度の翌年度末まで、「販売・経営管理」科目が免除されます。

<指定教育機関>
一般社団法人 日本販売士協会
一般社団法人 公開経営指導協会

②2級

(1)ハンドブックによる独学

2級検定試験は、「販売士ハンドブック(基礎編)」から80%以上が出題されます。

(2)養成講習会の受講

「販売士資格取得講習会」とは、日本商工会議所が主催する、各地の大学や専門学校などで行われる講習会です。講習を受講し、予備試験に合格した場合、「販売・経営管理」科目が受験免除となります。受講修了日(予備試験合格日)の属する年度の翌年度末まで有効となります。

(3)指定通信教育講座の受講

日本商工会議所が指定した養成通信教育講座を通じて、「販売・経営管理」の科目について学習することができます。指定された教育機関にて全課程を修了し、かつスクーリングを受講・修了された方は、受講修了日の属する年度の翌年度末まで、「販売・経営管理」科目が免除されます。

<指定教育機関>
一般社団法人 日本販売士協会
一般社団法人 公開経営指導協会

③1級

(1)ハンドブックによる独学

1級検定試験は、「販売士ハンドブック(基礎編)」から70%以上が出題されます。

(2)指定通信教育講座の受講

日商指定の教育機関が実施する「養成通信教育講座」は1協会のみです。

<指定教育機関>
一般社団法人 公開経営指導協会

5.リテールマーケティング(販売士)資格取得のメリット

①3級取得のメリット

(1)販売業界での就職・転職の強みとなる

リテールマーケティング(販売士)3級は、販売業界において、基礎的なマーケティングや販売知識を身につけたことを証明するものであり、求人条件にも明記されることがあります。資格を取得することで、就職や転職の際に他の応募者よりも優位に立つことができます。

(2)販売技術や接客スキルの向上につながる

リテールマーケティング(販売士)3級試験では、販売業界における基本的な知識や技術を問われます。これらを学ぶことで、販売業務に必要なスキルを身につけることができ、仕事の現場での業務効率やサービスレベルの向上につながります。

(3)スキルアップの機会が増える

リテールマーケティング(販売士)3級資格を取得することで、スキルアップの機会が増えます。例えば、取得後には、リテールマーケティング(販売士)2級や1級の取得を目指すことができます。また、資格取得を契機に、販売業界以外の関連業界への転職を考えることもできます。

②2級取得のメリット

(1)高度な専門知識を身につけることができる

流通・小売業における高度な専門知識を身につけることができます。商品の企画やマーチャンダイジング、販売促進の企画・実行、店舗・売場のマネジメントなど、幅広い知識を身につけることができます。

(2)幹部・管理職への昇進に有利になる

取得した資格が、幹部・管理職への昇進に有利になる場合があります。経営に関する高度な知識を身につけることで、業務の幅が広がり、責任あるポジションにつくことができます。

(3)自己啓発やスキルアップにつながる

取得した資格は、自己啓発やスキルアップにつながることがあります。特に、流通・小売業界に興味がある人や、将来的に自分でビジネスを立ち上げたい人にとっては、販売士資格は有用なスキルとなるでしょう。また、資格取得によって自信がつき、仕事に取り組む姿勢やモチベーションの向上にもつながることがあります。

③1級取得のメリット

(1)高度な専門知識の習得

リテールマーケティング(販売士)資格1級は、経営に関する極めて高度な知識を身につけ、経営計画の立案や財務予測等の経営管理について適切な判断ができる能力が求められます。そのため、資格を取得することで、高度な専門知識を習得することができます。

(2)スキルアップとキャリアアップの可能性

リテールマーケティング(販売士)資格1級は、マーケティングの責任者やコンサルタントとして戦略的に企業経営に関わることができる人材を目指すことができます。そのため、資格取得者は、スキルアップやキャリアアップの可能性が高まります。

(3)経済的な報酬の向上

リテールマーケティング(販売士)資格1級を取得することにより、企業の経営に対して高度な専門知識を提供できることができるため、経済的な報酬の向上が期待できます。

(4)経営に対する幅広い視野と深い理解

リテールマーケティング(販売士)資格1級を取得することにより、商品計画からマーケティング、経営計画の立案や財務予測等の経営管理について深い理解ができます。そのため、経営に対する幅広い視野を持つことができます。

日本経済大学でリテールマーケティング(販売士)の取得を目指す

日本経済大学の経済学部・商学科では、国際的な視野を備えたビジネスリーダーを育成することを目標としています。具体的には、「人」や「お金」、「流通」や「情報」の動きをグローバルな視点から捉える能力を養成し、商学の知識と教養、そして国際視野を備えたビジネスリーダーを育成することを目指しています。

日本経済大学の経済学部・商学科では、在学中に取得可能な資格として「リテールマーケティング(販売士)」があります。この資格について、1級または2級を取得した場合、資格取得奨励金が支給されます。

日本経済大学について

日本経済大学は福岡キャンパス、神戸三宮キャンパス、東京渋谷キャンパスの3キャンパスを有しています。経済学を中心に幅広い学問分野を扱っており、学科やコースから自分に合った分野を選択することができます。個性的な分野に特化して、他と差別化を図ることができるという特長があります。

日本経済大学HP:https://www.jue.ac.jp/
日本経済大学・経済学部・商学科:
https://www.jue.ac.jp/department_top/commerce/

おわりに

リテールマーケティング(販売士)は、様々な業種で働く方にとって役立つ資格です。

大学生でしたら、大学在学中に資格取得を目指すことをお勧めします。大学では、様々な知識や技術を学ぶことができるため、それらを活かして資格取得に取り組むことで、より高度なスキルを身につけることができます。また、資格取得によって、就職活動においても強みとなることがあります。

販売管理ができるようになれば、自分自身のスキルアップにつながるとともに、新たなキャリアチャンスを手にすることもできるでしょう。

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