高校生に進学した場合、そろそろ問題となって浮上してくるのが、自分の将来についてです。高校生の中には、高校入学して早々に、大学合格を目指して受験勉強に励む人もいるでしょう。
しかし、10代後半で徐々に大人になっていく時期であるとはいえ、高校生はまだ10代です。自分の将来について考えるのはまだまだ先の話と考えている人も決して珍しくありません。
では、高校卒業後、進学するか就職するかどちらを選ぶか悩んでいる人、あるいは自分は将来何をすればいいのかわからない人は、どうやって進路を決定すればいいのでしょうか。
今回は、高校生が進路を決めるタイミング、自分の将来を決める方法について、詳しく解説します。
高校生の進路はいつ決めればいいの?
高校によっては高校1年の時点で進路の調査などがあり、その頃から進路を決定している人も珍しくありません。では、高校生活において、進学・就職といった進路は、いつ頃決定すればいいのでしょうか。その問題について、以下より説明しましょう。
いつでも問題ない
高校卒業後の進路は、具体的にいつ決めるといった決まりはなく、おおざっぱに言えば、「高校3年間の在学中であればいつでも構わない」という答えになります。
また、高校卒業までに卒業以降の進路を絶対に決めなくてはいけないという決まりはなく、卒業後に学生でも社会人、またフリーターといった肩書きに該当しない、「無職」であっても問題ありません。
ただし、その人が無職であっても、働いてもいない、学生でもない立場で家にいても、親やその周辺が許してくれる環境でなくてはいけません。また、何もしない立場でいると近所を出歩いても、白い目で見られることでしょう。
高校在学中に進路について考えることを放棄すると、無職になって先述したような気まずい立場となる可能性もあります。そのような事態を回避するためにも、進路は早ければ早いほど目標が定まって、今後について行動しやすくなるといえるでしょう。
「とりあえず大学進学」でも問題ない
大学への進学希望の理由は、「サークル活動や飲み会など、大学生時代でしかできない遊びを堪能するため」という人もいます。大学に学びに行かないでそのような動機で大学に入学するのは不順なのでは、と思う人もいるかもしれません。しかし、それは決して不純な動機ではないのです。
大学は、高校よりさらに全国からさまざまなタイプの人種が集まって多くの出会いが待っています。そのような人たちと交流してサークル活動やさまざまな遊びを満喫するのが大学生活の醍醐味であり、人生で大学時代が一番楽しかったという人も少なくありません。
大学は現役合格であれば高校卒業後の19歳になる年度に入学しますが、中には浪人を重ねて20歳を超えて入学する人もいます。20代といえば成人で大人扱いをされる年齢ですが、大学生の年齢は4年生でも20代前半であり、見る人によっては子供です。
大学生の立場は社会の構造に組み込まれていない期間である「モラトリアム」と言われている時期なので、大学在学中の時点で、将来について考えていない人は決して珍しくないのです。大学4年の就活の時期になってようやく動き出す人もいれば、卒業してからもまだ先が見えない人もいます。
また、大学に入学してさまざまな経験をして、自分のやりたいことが見えてきたという人も少なくありません。「将来の夢はないけれどとりあえず大学入学」は決して間違った考えではないのです。
進学を希望する場合
進学を希望する場合、高校在学中にどのようなスケジュールを消化すればいいのでしょうか。次より学年別の進学スケジュールについて説明します。
高校1年から進学を希望している場合
高校1年は、以下のようなスケジュールで進みます。
・5月
高校入学して1ヶ月少し経つと待っているのが、高校生活最初の試験である中間テストです。大学によっては高校時代の成績も重要な評価材料にするところもあるので、この時点で大学進学を決めている人は、この段階で気を引き締めて取り掛かりましょう。
・6月
高校1年では高校によって6月ごろに進路ガイダンスがあります。この段階ではまだ自分の不得意な科目があっても十分に克服できる期間なので、はっきりと大学・学部・学科を決める必要はありません。どのような選択肢があるのかを知っておきましょう。
・8月
8月は長期の休みを満期する時期ですが、大学ではオープンキャンパスを実施しています。大学がどんなところか体験しておくといいでしょう。
・9月
2年生から文系・理系に分かれるのでこの時期に決めておきましょう。
・11月
この時期は、大学の学祭で賑わう時期です。高校とは規模の違う学祭を体験しておきましょう。
・3月
2年に進級する前に春休みがあるので、1年で学んだことを復習しておきましょう。
高校2年で進学希望を決めた場合
高校2年の進学スケジュールは以下の流れが一般的です。
・4月
高校2年は文系・理系にクラスが分かれるため、勉強内容がより明確になります。徐々に志望大学が固まりつつある時期です。
・6月
この時期になると大学の案内パンフレットが配布されます。多くのパンフレットを取り寄せればそれだけ参考になるので、目を通しておきましょう。
・8月
夏休みはまだすべてを勉強に費やす必要のない時期ですが、遊びを満喫し過ぎないように勉強もがんばりましょう。
・11月
進路面談などが増える時期なので、自分の希望を固めておきましょう。
・2〜3月
大学の入試のための概要(推薦など)を調べておきましょう。
高校3年で進学を決めた場合
高校3年の進学スケジュールは、以下の通りです。
・5月
学校推薦型選抜・総合型選抜を勘あげている人は、推薦書が必要なので先生に相談しましょう。
・7月
出願のためのさまざまな準備をする時期です。準備を進めておきましょう。
・8月
勉強に費やす夏になりますが、息抜きも兼ねてオープンキャンパスを体験するのもいいでしょう。
・9〜10月
総合型選抜の出願、実施の時期です。
・11月
学校推薦型選抜の出願、総合型選抜の合格発表の時期です。早い人はこの時期に合格します。
・12月
国公立大学の募集要項の発表、私立大学の一般選抜出願、学校推薦型選抜の合格発表の時期です。私立大学の大学入学共通テスト利用入試出願も開始されます。
・1月
大学入学共通テスト、国公立大学2次試験の出願、私立大学一般選抜が実施される時期です。
・2月
総合型選抜・学校推薦型選抜の合格発表はこの時期まで続きます。また私立大学の一般選抜合格発表および入学手続きもこの時期から開始です。
・3月
国公立大学・私立大学の合格発表・入学手続きがすべて完了する時期です。4月から晴れて大学生になります。
就職を希望する場合
就職を希望する場合は、1〜2年の進路ガイダンスでその旨を先生に伝えましょう。早くて1年の時点で会社訪問などを行なうケースもあります。進みたい道によって資格取得をすすめられることもあり、そのための勉強をすることもあるでしょう。
高校3年になって就職の希望が変わらない場合は、7月ごろに学校に求人票が公開されるので確認しましょう。先生・親との面談のあと、会社訪問を行ないます。
9月になると、書類提出および入社試験・面接という流れです。もし入社試験に落ちた場合は10月も就職活動を続行します。3月までに内定がもらえたら、入社までに学生とは違う社会人としての心構えを持つように、気持ちを切り替えましょう。
自分の将来を決める方法
高校に入学しても自分が何をやりたいのか、どんな仕事をすればいいのかわからない人もいるでしょう。そんな人のために、自分の将来を決めるきっかけになる方法を、以下より紹介しましょう。
自分の「好き」を出発点にする
自分が何をやりたいのかわからない人は、まず自分が好きなもの・得意なもの、その逆に苦手なものを把握しましょう。
例えば、人と話す・大勢でワイワイするのが好き・得意な人の場合、「経営者」「営業職」「プロジェクトマネージャー」「コンサルタント」といった、それに適した職業を選択できます。それぞれの業種は、さらにさまざまな職種に分類されているので、そこから自分に向いている・興味のあるものを見つけましょう。
また、その逆で人と話すのが得意ではないという人もいるでしょう。そのような人には「事務職」「製造業」「職人」「プログラミング業務」といった職業があります。
そして、自分の好きなものが「サッカー」の場合、選手・コーチだけでなく、サッカー関連のメーカー・マスコミ(雑誌・web)といった選択も可能です。
本を読む
多くの書籍に目を通すことも、自分の選択肢を増やす手段です。読書のメリットは情報のインプットですが、「それはインターネットでもできるだろう」と思っている人もいるでしょう。確かにネットであればわからないことがあっても、検索すれば気軽に情報を得られます。
しかし、ネットの情報はスマホで気軽に読めることを前提としているのが前提です。それと違い、本は1冊分の情報量があるため、読破することによって確実に活きた情報となって、脳内にインプットされるでしょう。
また、読書は映像や音がない活字だけの世界であり想像力も要求されるので、脳内が活性化されて、アイデア・発想力も鍛えられます。進路を決める際に大いに役立つでしょう。
先輩・大人の話を聞く
周囲の先輩・大人の話を聞いて参考にするのも、自分の進路決定に役立ちます。先輩・大人に限らず自分より年上の人は、みんな10代を経験しているので、かつての自分を思い出しながら「高校時代はこういうことをやっておくと将来役立つ」といった具体的なアイデアを提供してくれるでしょう。
また、多くの人の話を聞くことで、コミュニケーション能力も鍛えられます。社会人になったらさまざまなタイプの人たちと仕事で接する必要があるため、将来役立つでしょう。
特に年配の人にとって、年下の若い人は可愛い存在です。そんな若い人が自分を頼って話を聞かせてくださいといってきた場合、とても喜んでくれて、親身になってアドバイスをしてくれるでしょう。
まとめ
高校生は年齢でいうと10代後半であり、青春真っ盛りの時期です。人によっては友達と遊ぶのに忙しくて自分の進路について考えるのは後回しという人もいるでしょう。
その考えは決して間違ってはいませんが、将来について考えて行動するのは早くて損をすることはないので、早めに行動して後で楽をしたい人は早めに動くことをおすすめします。
勉強が決して得意でない人、苦手科目がある人も高校1年から行動していれば、十分に苦手科目を克服できます。また、進学ではなく就職を希望する人は、具体的にどんな仕事が自分に向いているか、じっくりと検討して就職活動を行なうことが大事です。
将来のためにさまざまなことを参考にして、将来の方向性を決めましょう。
「日本経済大学」では、留学生の就職活動の支援を目的とした、留学生対象の専門ゼミを開講しています。そこでは、BJTビジネス日本語能力テストの受験を推奨し、学習も行っています。
■日本経済大学(都築学園グループ / (学)都築育英学園)
都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし1956年に設立された大学です。2018年に開学50周年を迎えた日本経済大学は、経済・経営の実学に特化した2学部6学科17の専門コースを持っています。日本有数の、留学生を抱える国際色豊かな大学です。