リテールマーケティング(販売士)1級の受験を検討されていますか?
「リテールマーケティング(販売士)」は、弁護士、司法書士、行政書士、税理士 、会計士、宅建士など「士業」とは異なり、あまり知られていません。
しかし、販売のプロになりたいと思われるのでしたら、流通・小売分野で唯一の公的資格である「リテールマーケティング(販売士)」の資格取得は役に立ちます。
リテールマーケティング(販売士)の検定試験には1級、2級、3級があります。
1級を保有していることは、店長・経営者レベルの知識と技量があるとみなされます。中・長期的な経営戦略の立案や、緻密なマーケティング分析に基づいた販売計画のプランニングなど、経営者としての資質の有無を問う試験です。
この記事では、リテールマーケティング(販売士)検定「1級」を受験するための基本的な情報から、メリットや勉強方法までを徹底解説します。
1.リテールマーケティング(販売士)検定とは?
リテールマーケティングとは、小売業者が顧客を獲得し、その顧客に商品やサービスを購入してもらうすべての方法のことを指します。
日本商工会議所が実施する「リテールマーケティング(販売士)検定試験」は、販売・流通における唯一の公的資格です。
「リテールマーケティング(販売士)検定試験」には1級から3級まであり、全ての級において以下の5科目で構成されています。
(1)小売業の類型
(2)マーチャンダイジング
(3)ストアオペレーション
(4)マーケティング
(5)販売・経営管理
2.リテールマーケティング(販売士)1級を受験するための基本概要
①リテールマーケティング(販売士)1級の受験資格
リテールマーケティング(販売士)1級の受験資格に年齢、学歴などの特別な制限はありません。誰でも受験することができます。
②リテールマーケティング(販売士)1級の試験日
リテールマーケティング(販売士)1級は、各試験会場が定める試験日時と受験者の都合を調整して決めることができます。
※以前は年に2回実施されていまましたが、2021年度からネット試験方式に変わり、会場が空いている日時に予約ができるようになりました。
③リテールマーケティング(販売士)1級の試験会場
リテールマーケティング(販売士)1級の試験会場は、受験可能な試験会場から選択できます。会場の選択方法は、以下の2つです。
(1)インターネットの申込専用ページで選択
(2)商工会議所のホームページ内「商工会議所ネット試験施行機関」から試験会場を確認し選択できます
④リテールマーケティング(販売士)1級の申し込み方法
リテールマーケティング(販売士)の申し込み方法には、インターネットで申込む方法と、各試験会場へ直接申し込む方法の2種類があります。
(1)インターネットで申し込む
インターネットで申し込む場合は、「マイページアカウント」を作成し、「申込専用ページ」から、受験会場を選び、空いている日時で試験を予約します。申込から3日目以降の予約ができます。
https://cbt-s.com/examinee/examination/jcci_retailsales
(2)各試験会場へ直接申し込む
各試験会場へ直接申し込む場合は、商工会議所のホームページ内「商工会議所ネット試験施行機関」から試験会場を確認し、試験会場へ直接申し込むことができます。
https://links.kentei.ne.jp/organization
⑤リテールマーケティング(販売士)1級の受験手数料
リテールマーケティング(販売士)1級の受験手数料は、7,850円(税込)+事務手数料550円(税込)です。(2022年現在)
⑥リテールマーケティング(販売士)1級の試験科目の一部免除
1級試験において不合格になっても、一定の要件を満たしている場合は、その直後から施行される1級試験・筆記試験科目2回分の一部が免除されます。
試験に申し込む際に、「科目別合格証明書」を提出すれば、科目免除が適用されます。
3.リテールマーケティング(販売士)1級の出題方法と試験内容
①リテールマーケティング(販売士)1級の試験内容
リテールマーケティング(販売士)1級の試験内容は5科目に分けられます。内容、問題数、配点は以下のとおりです。
(1)小売業の類型:問題数20問/配点20点
(2)マーチャンダイジング:問題数20問/配点20点
(3)ストアオペレーション:問題数20問/配点20点
(4)マーケティング:問題数20問/配点20点
(5)販売・経営管理:問題数20問/配点20点
②リテールマーケティング(販売士)1級の出題方法・試験時間・受験方法
1科目あたり記述式穴埋め問題の小問10問、択一式穴埋め問題の小問10問(5科目合計で100問)試験時間は90分です。
試験会場のパソコンを使用して、インターネット上で受験します。
4.リテールマーケティング(販売士)1級の合格基準と合格率
①リテールマーケティング(販売士)1級の合格基準
リテールマーケティング(販売士)1級の合格基準は、1科目ごとの得点が70点以上でなければなりません。
②リテールマーケティング(販売士)1級の合格率
合格率の平均は22%前後と2級3級の合格率と比べるとかなり低く、難易度はかなり高くなっています。
5.リテールマーケティング(販売士)1級を取得するメリットは?
①就職・転職に有利
販売士資格取得者を優遇したり、社内学習のために活用している企業があります。販売士資格を保有していることは、そのような会社への就職・転職に非常に役立ちます。
また、小売業や販売業以外の業種でも活かすことができます。卸売業や製造業、サービス業など人と関わる仕事でも、資格取得のために身につけた知識や技術が評価されるでしょう。
②収入・キャリアアップにつながる
リテールマーケティング(販売士)資格は、公的資格ですので、販売のプロの証です。販売士資格取得者を優遇している会社なら収入アップにつながる可能性があります。
③中小企業診断士に受かりやすくなる
「中小企業診断士」はリテールマーケティング(販売士)1級と試験の内容が重複する部分があります。販売士1級で出題される「運営管理」・「企業経営理論」・「財務・会計」などが中小企業診断士の試験にも出題されます。販売士1級に加え中小企業診断士を取得すれば、ダブルライセンスを持つことになり、大きな武器になります。販売士1級と中小企業診断士の両方の資格を習得すると、小売業に特化したコンサルタントとして働くことも可能になります。
6.リテールマーケティング(販売士)1級に合格するための勉強方法
宅建に合格するには「独学」と「通信講座」の2つの勉強方法があります。また大学でリテールマーケティング(販売士)を取得するための講座を取ることも1つの方法です。
①リテールマーケティング(販売士)1級を独学で勉強する
(1)勉強時間
リテールマーケティング(販売士)1級を独学で勉強する場合に必要な勉強時間は、100時間以上と言われています。1日2時間勉強すれば2か月以内に準備ができるわけですから、独学でも受かる可能性はあります。
(2)勉強方法
日本商工会議所Webサイトの販売士1級ページから「1級関連書籍」に飛ぶと、「1級ハンドブック(2冊セット)」が紹介されています。
実際の試験問題の7割がこのハンドブックから出題されると明記されているので、このハンドブックを購入して勉強するのが確実でしょう。このハンドブック何度も繰り返し読みます
次に、過去問集をオンラインストア、または書店にて購入してください。ハンドブックで理解が深まったら、過去問集を解いてみましょう。頻出分野や出題傾向を把握することができ、実践力が高まります。
1級は70点未満の科目が1つでもあると不合格になるので、すべての科目をバランス良く学習するようにしましょう。
②通信講座で勉強する
リテールマーケティング(販売士)1級は独学でも合格できる試験ではありますが、合格率は20%位と低いため難易度は高くなっています。仕事や学校が忙しく、自分でスケジュールを立てて毎日勉強するのが難しく、独学で勉強することに自信がない方は、通信講座で勉強をしたいという方も多いのではないでしょうか。
通信講座は、分からない所があれば専門知識を持つ講師に質問することができます。挫折しないためのスケジュールのサポートやアドバイスをももらえます。スマホのアプリから勉強できる通信講座もあるので、時間や場所に関係なく、学習できるのが魅力です。
③大学・専門学校で学ぶ
リテールマーケティング(販売士)の資格取得を目指す授業がある大学や専門学校があります。大学の経営学部や専門学校でリテールマーケティング(販売士)の資格習得を目的とした授業を行っています。
資格取得やインターンシップといったキャリアサポートが充実している、日本経済大学の福岡校・渋谷校・神戸校の経済学科やの商学科授業には、在学中に取得可能な資格にリテールマーケティング(販売士)が含まれています。
多くの大学が3年次から就活支援を開始する中、日本経済大学では1年次からキャリアデザインを形成し、就職活動を見据えた支援をしています。1年次から将来のビジョンを持ち、専門分野を学べるのが日本経済大学の特徴です。
おわりに
リテールマーケティング(販売士)1級の概要や、試験内容、メリット、勉強方法などを紹介させていただきました。しっかり勉強すれば、合格が難しい資格ではありません。
1級の合格を目指して頑張ってください!