「教育学部」と「教養学部」、どちらに進むべきか迷っていませんか?
大学選びでは、学びの内容や卒業後の進路をしっかり理解することが大切です。名前は似ていても、教育学部と教養学部では学ぶことや将来の選択肢に違いがあります。
この記事では、それぞれの特徴や進路の違いを比較し、自分に合った学部を見つけるポイントを紹介します!
1. 教育学部とは?
「教育学部」と聞くと、「先生になるための学部」というイメージを持つ人が多いかもしれません。でも、実は教育学部で学ぶ内容は「教え方」だけではなく、教育そのものの仕組みや心理学、社会の中での教育の役割など、幅広い分野に及びます。
「将来は学校の先生になりたい!」という人にはピッタリですが、「教育の分野で何か役立つ仕事をしたい」と考えている人にも向いている学部です。ここでは、教育学部で学べることや、その特徴について詳しく紹介します。
教育学部の主な学びの内容
教育学部では、「教育とは何か?」をさまざまな視点から学びます。以下のような科目が中心となります。
① 教育の理論(教育学の基礎)
・「教育ってなんのためにあるの?」という基本的な考え方を学ぶ。
・世界の教育制度や歴史、日本の教育の特徴についても研究。
・「どうすれば人はよりよく学べるのか?」を考える。
② 指導方法(授業のやり方を学ぶ)
・「わかりやすい授業」ってどうやって作るの?
・科目ごとの指導方法(国語・数学・英語・理科・社会など)。
・ICT教育(タブレットやオンライン授業の活用)についても学べる。
③ 教育心理学(子どもの発達や学習の仕組み)
・人の「学びのメカニズム」を心理学の視点から分析。
・子どもの発達段階ごとの適切な指導法を学ぶ。
・「やる気が出る教育」「苦手を克服する方法」など、実践的な内容も。
④ 教育制度(学校や教育のルールを学ぶ)
・日本の教育制度はどう作られている?
・世界の教育との比較。
・教育と社会の関係(例:ジェンダーや貧困と教育)。
⑤ 実習(実際に教育の現場を経験)
・教育学部の最大の特徴ともいえるのが「教育実習」。
・実際に学校へ行き、生徒の前で授業を行う経験を積む。
・事前に模擬授業の練習をし、実践に向けた準備を行う。
教育学部の特徴
教育学部の特徴として、他の学部にはあまりない「実践的な学び」が多いことが挙げられます。
✅ 教員免許の取得を目指せる
・小学校・中学校・高校の教員免許を取得するためのカリキュラムが組まれている。
・学年や科目ごとに取得できる免許が異なるので、志望する進路に応じたコース選択が必要。
✅ 実習が多い
・教育実習が必修になっている大学がほとんど。
・実際に子どもたちの前で授業をする経験ができるので、「先生になる!」という実感が湧く。
・実習を通して、「本当に教員になりたいか?」を確かめる機会にもなる。
✅ 教育の多様な分野を学べる
・「学校の先生」だけでなく、「教育に関わる仕事」全般に役立つ知識を身につけられる。
・企業の研修担当や、教育関連のNPO、出版社(教材開発)など、さまざまな教育分野への就職も可能。
教育学部を選ぶときのポイント
・教員免許を取るなら、どの教科・学年の免許が取れるかをチェック!
→ 小学校の先生になりたいのか? 中高の専門教科を教えたいのか?
・実習の期間や回数を確認しよう!
→ 実習が多いほど、現場の経験が積めるが、忙しくなる点も考慮。
・卒業後の進路を見据えて選ぶ!
→ 学校以外の教育関連の仕事に就きたいなら、カリキュラムに「教育×ビジネス」や「教育×ICT」などの内容があるかチェック。
2. 教養学部とは?
「教養学部」と聞くと、「何を学ぶのかわかりにくい」と感じる人もいるかもしれません。しかし、教養学部は「幅広い知識を学び、多角的に物事を考える力を養う」ことを目的とした学部です。特定の専門に絞らず、人文科学・社会科学・自然科学など、さまざまな分野を学べるのが特徴。
「まだ進みたい専門が決まっていない」「幅広い視野を持ち、社会のさまざまな問題を考えたい」「将来の選択肢を増やしたい」と考えている人におすすめの学部です。
教養学部の主な学びの内容
教養学部では、人文科学・社会科学・自然科学をバランスよく学びながら、自分の興味に応じて専門的な知識も深めることができます。 大学によってカリキュラムは異なりますが、主に以下のような分野を学ぶことができます。
① 人文科学(歴史・哲学・文学・言語学など)
・歴史・哲学:世界の歴史や思想、文化の変遷を学び、現代社会の成り立ちを理解する。
・文学・言語学:日本文学や外国文学、言葉の成り立ちを研究し、言語表現の重要性を学ぶ。
・芸術・文化:美術、音楽、演劇など、文化的な創造活動の意味を探る。
② 社会科学(経済・政治・法律・社会学など)
・経済学:お金の流れや市場の仕組みを学び、社会の動きを理解する。
・政治学・法律学:政治制度や国際関係、法律の基礎を学び、社会のルールについて考える。
・社会学:社会問題(貧困・ジェンダー・環境問題など)について多角的に分析する。
③ 自然科学(数学・物理・生物・環境科学など)
・基礎科学:数学・物理・化学・生物などの理系科目を幅広く学ぶ。
・環境科学:地球環境やエネルギー問題について考え、持続可能な社会について研究する。
・情報科学:プログラミングやデータ分析を学び、デジタル社会での活用を目指す。
④ 思考力・問題解決力を養う科目
・クリティカル・シンキング(論理的思考):情報を正しく分析し、論理的に考える力を鍛える。
・コミュニケーション・プレゼンテーション:意見を的確に伝え、議論を深めるスキルを身につける。
・課題解決型学習(PBL:Project-Based Learning):実際の社会課題をテーマにしたグループワークで実践的な力を養う。
教養学部の特徴
教養学部の最大の特徴は、**「幅広く学ぶことができる自由なカリキュラム」**です。大学によっては、1年次にさまざまな分野を学んだ後、2年次以降に自分の専門を決めることも可能です。
✅ 専門を限定せず、多様な学びができる
・1つの分野に縛られず、興味のある科目を自由に選択できる。
・「文学×経済」「政治×環境」「心理学×データ分析」など、異なる分野を組み合わせて学ぶことも可能。
・専門性が求められる学部と違い、「学びながら自分の興味を探す」ことができる。
✅ キャリアの自由度が高い
・幅広い知識と視野を身につけることで、どんな分野にも進みやすい。
・「就職に不利?」と考えがちだが、実際には一般企業・公務員・マスコミ・大学院進学など、多様な道がある。
・実際に、商社・金融・広告・マスコミ・IT企業など、多くの業界で活躍している卒業生がいる。
✅ 柔軟な思考力と社会で役立つスキルが身につく
・幅広い視点で物事を考え、問題解決力を磨く。
・1つの視点にとらわれない柔軟な発想ができるようになる。
・企業の採用でも、「専門知識」より「考える力」を重視するケースが増えているため、汎用的なスキルを持つ教養学部生は評価されやすい。
教養学部を選ぶときのポイント
・特定の専門を深く学びたい人には向かない
→ 「この分野を極めたい!」という人には、専門学部の方が適していることもある。
・大学ごとにカリキュラムが異なるため、学べる内容をしっかり確認する
→ 「自由な学び」といっても、大学によって力を入れている分野が違うので、事前に調査が必要。
・卒業後の進路を意識しておく
→ 自分の興味やキャリアの方向性を考えながら、学びを進めることが大切。
3. 教育学部と教養学部の違いを比較!
教育学部と教養学部は、どちらも幅広い学びができる学部ですが、目的やカリキュラム、卒業後の進路には大きな違いがあります。それぞれの特徴を比較しながら、自分に合った学部を見つけましょう!
① 目的の違い
・教育学部:教員を目指す人が多く、教育の理論や指導方法を専門的に学ぶ。
・教養学部:特定の専門に縛られず、幅広い分野を学びながら思考力を養う。
② 学ぶ内容の違い
・教育学部
・教育の理論や指導方法、教育心理学を学ぶ。
・実際の教育現場での実習が多い。
・教員免許取得を目指すカリキュラムが組まれている。
・教養学部
・人文科学・社会科学・自然科学を幅広く学ぶ。
・1年次で多様な分野を学び、2年次以降に専門を決める大学もある。
・学際的な学び(例:歴史×経済、環境×政治など)を重視。
4. 教育学部が向いている人の特徴
「教育学部に興味はあるけど、自分に合っているかな?」と迷っている人へ。教育学部は、教えることや人をサポートすることが好きな人に向いている学部です。どんな人が向いているのか、ポイントをまとめました!
① 将来、教師や教育関連の仕事に就きたい
✅ 学校の先生を目指している人に最適!
・小・中・高校の教員免許が取得できる。
・教育実習で実際の授業を経験できる。
✅ 先生以外の教育関連の仕事にも役立つ!
・塾講師、教材開発、教育NPO、公務員など教育分野の仕事が多い。
・ICT教育やオンライン学習など、新しい教育分野も学べる。
② 人に教えることが好き、サポートするのが得意
✅ 「友達に勉強を教えるのが好き!」という人に向いている
・分かりやすく説明する力が身につく。
・生徒の悩み相談やメンタルサポートも大事な仕事の一つ。
✅ コミュニケーション力を活かせる!
・生徒や保護者、他の先生と協力しながら進める仕事が多い。
・「人と話すのが好き」「相手の気持ちを考えながら話せる」人に向いている。
③ 実習を通じて現場で学ぶ経験を積みたい
✅ 実践的な学びが多い!
・教育実習で、実際に子どもたちに授業をする機会がある。
・学んだことをすぐに試せる環境がある。
✅ 現場を経験して自分に合う進路を考えられる!
・実習を通じて「本当に教師になりたいか」を確認できる。
・ボランティアや海外研修の機会がある大学も!
5. 教養学部が向いている人の特徴
「教養学部って結局どんな人に向いているの?」と思っている人へ。教養学部は、幅広く学びながら自分の興味を深めたい人にぴったりな学部です。進路が決まっていなくてもOK!どんな人が向いているのか、チェックしてみましょう。
① まだ専門を決めきれていない人
✅ 「興味はあるけど、1つに絞れない…」という人に最適!
・人文・社会・自然科学を幅広く学べる。
・大学に入ってから専門分野を決めることも可能。
✅ 「学びながら自分に合う分野を見つけたい!」
・1年目は色々な分野を学び、2年目以降に進路を決められる大学も。
・「将来何がしたいか、じっくり考えたい」人におすすめ。
② 幅広い知識を身につけたい人
✅ 1つの分野にとらわれず、多角的な視点を持ちたい!
・「文学×経済」「政治×環境」「心理学×データ分析」など、異なる分野を組み合わせて学べる。
・幅広い知識を活かして、社会のさまざまな問題を考えられる。
✅ 専門を持たない分、柔軟な考え方ができる!
・「決められた枠に縛られたくない!」という人に向いている。
・どの分野にも応用できる思考力が身につく。
③ 将来の選択肢を広げたい人
✅ 卒業後の進路が幅広い!
・商社、広告、IT、マスコミ、金融、公務員など、どんな業界にも進みやすい。
・「大学卒業後に自分の道を決めたい」という人にもおすすめ。
✅ 企業が求める「考える力」が身につく!
・近年、専門知識より「論理的に考える力」を重視する企業が増えている。
・課題解決力やコミュニケーション力を伸ばし、どんな仕事にも対応できるスキルを得られる。
6. 進路・就職先を比較!どんな仕事に就ける?
「教育学部と教養学部、卒業後の進路ってどう違うの?」と気になる人も多いはず。どちらの学部も学び方や特徴が違うため、就職先の傾向も変わります。
ここでは、それぞれの学部の主な就職先を紹介します。
教育学部の主な就職先
✅ 学校の先生(小・中・高校)
・教員免許を取得すれば、学校の先生として働ける!
・公立・私立どちらの学校でも活躍可能。
・小学校の先生になりたいなら「小学校教諭免許」、中高なら「中学・高校教諭免許」が必要。
✅ 教育関連の企業
・学習塾・予備校(講師、運営スタッフ)
・教科書・教材を作る出版社(編集・企画)
・教育コンサルタント(学校や企業向けの研修企画など)
・eラーニング・EdTech企業(教育×ITの分野)
✅ 公務員・教育行政
・教育委員会職員(学校運営や教育政策を担当)
・児童福祉関係(子どもや家庭を支援する仕事)
・図書館司書(学校・公立図書館で働く)
✅ 大学院進学・研究職
・教育学の専門家として研究を続ける道も!
・大学の教授や教育機関の研究員を目指す。
教養学部の主な就職先
✅ 一般企業(業界を問わず活躍できる!)
・商社・メーカー・広告・IT・金融・コンサルなど、幅広い業界で活躍可能!
・「学んだ知識」より「思考力・コミュニケーション力」を活かせる仕事が多い。
・人事、営業、マーケティング、企画など、幅広い職種に挑戦できる。
✅ マスコミ・出版・クリエイティブ職
・新聞社・テレビ局(報道、制作)
・出版社(編集・ライター・書籍企画)
・Webメディア、広告・PR業界
✅ 公務員(行政・外交・地方自治体)
・役所・官公庁の職員(教育・福祉・観光など様々な分野に関わる)
・外務省・国際機関で働く道も
✅ 大学院進学・専門職へ
・社会学・心理学・政治学などをさらに深めて研究職へ進む人も。
・法科大学院(ロースクール)進学で弁護士を目指す道もある。
どんな仕事に就ける?進路のポイント
✅ 教育学部は「先生になりたい人」向け!
・教員免許が必要な仕事が多いため、資格取得がカギ。
・教育関連の仕事に特化しているため、進路が比較的決まりやすい。
✅ 教養学部は「幅広い分野で活躍できる!」
・専門性より「考える力」や「柔軟な発想」が求められる仕事が多い。
・進路の自由度が高い分、「自分が何をやりたいのか」を見つけることが重要!
おわりに
大学選びは、将来の進路を考える大切なステップです。自分の興味や目標に合った学びを選ぶことで、充実した大学生活を送ることができます。
「どんなことを学びたいか」「どんな仕事を目指したいか」を考えながら、自分に合う学部を見つけましょう!