英語をマスターしたいけれど、TOEICとTOEFLの違いって、具体的に何だろう?
英語力を高めるために、資格試験を考えているあなたへ。TOEICとTOEFLは、その名前を聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、それぞれの試験がどんな特徴を持ち、実際に何を測るものなのか、どんな点が異なるのか、ちゃんと理解していますか?
この記事では、高校生や大学生の皆さんに向けて、TOEICとTOEFLの違いをわかりやすく解説します。ただし、ここで「TOEIC」と言っているのは、基本的には「TOEIC® Listening & Reading Test」、また「TOEFL」と言っているのは「TOEFL iBT®テスト」を指しています。また、「TOEIC® Speaking & Writing Tests」についても少し説明しますので、ご注意ください。
TOEICとTOEFLそれぞれの特徴を知り、どちらが自分にとって最適な道か、じっくり考えてみましょう!
1.TOEICとTOEFLの違い
TOEICとTOEFLの違い | ||
項目 | TOEIC | TOEFL |
活用目的 | 就活 | 留学 |
最高得点 | 計990点満点(L&Rともに495点満点) | 計120点(4技能各30点満点) |
難易度 | 狙うスコアによる | 狙うスコアによる |
試験内容 | リスニングとリーディングの2技能を測定 | 読む・聞く・書く・話すの4つのスキルを測定 |
試験の特徴 | ビジネスシーンや日常生活に関するテーマが多い | 学術的な話や大学での講義、会話に関するテーマが多い |
試験時間 | 2時間 | 2時間 |
受験費用 | 6,490円(税込)・ | 245USドル |
受験資格 | 年齢制限等無しで誰でも受験可能 | 年齢制限等無しで誰でも受験可能 |
受験人数 | 約197万人(2022年度) | 非公表(約8万人) |
試験会場 | 日本全国の大学等 | 日本全国のテストセンター |
実施回数 | 10回/年 | 80回以上/年 |
勉強法 | 主に文法問題とリスニング対策に焦点を当てて学習 | 4つのスキルをバランスよく磨き、アウトプットの訓練も重要 |
①TOEICとは
TOEIC(Test of English for International Communication)は、日常生活やビジネスのシーンで必要な英語コミュニケーション能力を測るための試験です。
このテストは、世界最大の非営利テスト開発機関であるETS(Educational Testing Service)によって開発され、国内では一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が運営を担当しています。
TOEICは、英語コミュニケーション能力を測るための国際的な基準として広く受け入れられており、世界160カ国で実施されています。日本でも多くの受験者が存在し、2021年度には約230万人もの人々がTOEICを受験しました。
この試験の特徴の一つは、「合格・不合格」ではなく、「スコア」で受験者の実力が評価されることです。
スコアによる評価によって、自分の英語力の実力や目標を具体的に把握することができるだけでなく、将来の就職や転職活動において、客観的な数値として英語力をアピールすることが可能です。
TOEICは広く認知され、多くの企業から支持されているため、社会全般で幅広く利用されている英語検定試験です。
②TOEFLとは
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、アメリカ英語を基準とした、英語が母国語でない方の「英語で学ぶ力」を測るための試験です。
この試験も、TOEIC同様にETS(Educational Testing Service)が開発しています。
TOEFLの問題は、主に大学や大学院などのアカデミックな環境で使われるトピックが多く取り上げられており、したがって、海外での留学や進学を考える方々にとって適したテストと言えます。
③TOEICとTOEFLの難易度の違い
TOEICとTOEFLの難易度は、狙うスコアに応じて変わってきます。どちらのテストも7割以上を目指すのであれば、短期間の準備では難しいと言えるでしょう。
外国語の能力を評価する国際基準であるCEFR*に基づくと、「B2レベル」とされる流暢かつ自然なコミュニケーションを目指す場合、TOEICでは約8割以上、TOEFLでは6割~8割弱のスコアが必要です。
*CEFR(共通欧州参照枠)は、外国語のコミュニケーション能力を評価するための国際基準で、主に欧米で広く用いられています。B2レベルは、専門的な話題や抽象的な議論にも対応でき、複雑な文章の要点を理解し、自然な会話ができるレベルを示します。また、幅広いトピックに関して明確で詳細な文章を書く能力も求められます。
CEFRにおける「B2レベル」と認定されるスコア範囲は以下です。
【TOEIC】
TOEICリスニング:400点~485点
TOEICリーディング:385点~450点
【TOEFL】
TOEFL総合:72点~94点
同じ7割以上のスコアを目指す場合でも、TOEFLの難易度は一般的に高く感じられるでしょう。
さらに、両試験の試験形式の違いが難易度に影響を及ぼします。一方の試験形式に慣れてしまうと、もう一方の試験が挑戦的に感じられることがあります。
例えば、TOEICの経験しかない人がTOEFLのリスニングセクションを受ける際、長い音声や専門的な語彙の使用に戸惑うかもしれません。逆に、TOEFLに慣れている人がTOEICのテストを受ける場合、異なる形式への適応が難しいことがあります。そのため、試験の異なる側面にも注意を払い、準備を進めることが大切です。
要するに、TOEICとTOEFLの難易度は目指すスコアや試験の形式によって変動します。自身の目標に合わせて計画的な学習と練習を続けることで、高いスコアを達成する可能性が広がるでしょう。
④TOEICとTOEFLの試験内容と特徴の違い
TOEICとTOEFL、どちらも英語力を測るためのテストですが、試験内容と特徴にはいくつか重要な違いがあります。これからそれぞれの試験の特性を詳しく見ていきましょう。
(1)TOEICの試験内容と特徴
TOEIC L&Rは、「L=リスニング」と「R=リーディング」の2つの技能を測定するテストです。これに加えて、TOEIC S&W(S=スピーキング、W=ライティング)の2技能を測るテストを受けることで、総合的な英語力を評価することができます。
TOEICの試験内容は、ビジネスシーンや日常生活に関連するテーマが多く取り上げられます。このテストは主に就職活動において活用されることが多いため、ビジネスコミュニケーションや一般的なコミュニケーション能力を重視した内容となっています。
(2)TOEFLの試験内容と特徴
TOEFLは、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つの技能を総合的に評価するテストです。留学を前提としているため、学術的な話題や大学での講義・会話に関連するテーマが多く取り上げられています。
TOEFLのスピーキングセクションでは、自分の意見を述べたり、課題に対する論理的な考えを述べる能力が問われます。また、ライティングセクションでは、アカデミックな文章を書くスキルが評価されます。
TOEICとTOEFL、両者は英語力を測るための重要なテストですが、その特徴と試験内容には違いがあります。TOEICは主にビジネスと日常生活に焦点を当てており、4技能を全て評価するわけではありません。一方、TOEFL iBTは留学を考えている人々に向けて設計され、学術的なスキルやコミュニケーション力を幅広く評価します。自身の目標に合ったテストを選ぶ際には、それぞれの特徴を理解して比較検討することが大切です。
⑤TOEICとTOEFLの勉強法の違い
TOEICの勉強方法は、主に文法問題とリスニング対策に焦点を当てています。このテストでは読むことと聞くことが中心となるため、独学で取り組むことが比較的容易です。リスニング対策とリーディング対策を自分のペースで進めることができます。
一方で、TOEFLはスピーキングとライティングのセクションが加わるため、単に文章を読んだり音声を聞いたりするだけでなく、自分で話すことや書くことにも焦点を当てる必要があります。スピーキングやライティングは、他のセクションと異なり、一つの正解が存在しないことが多いため、他人からのフィードバックを受けることでスキルの向上が期待できます。
TOEFLのスピーキングセクションでは、自分の意見や考えを明確に表現することが求められます。複数のトピックについて自分の意見を述べる練習や、簡潔な方法でアイディアをまとめるスキルを養うことが重要です。ライティングセクションでは、時間制約の中で論理的な文章を構築し、主張を支持する例を示すことが求められます。
要するに、TOEICとTOEFLの勉強方法には違いがあります。TOEICでは主にインプット中心の勉強を重視し、リスニングとリーディングのスキルを高めることが主な目標です。一方、TOEFLではアウトプット中心の勉強が必要であり、スピーキングとライティングの練習を通じて自分の表現力を向上させることが重要です。自分の目標やニーズに合わせて効果的な勉強計画を立てることが成功への鍵となるでしょう。
2.TOEICとTOEFLのスコア比較
スコア換算表 | |
TOEIC | TOEFL |
~600 | 35~45 |
~700 | 46~59 |
700~800 | 60~78 |
800~950 | 79~78 |
950~ | 79~93 |
X | 94~101 |
X | 102~109 |
X | 110~114 |
TOEICとTOEFLのスコアを一概に換算する公式な基準は存在しませんが、おおよその目安を紹介します。TOEICの500点から700点程度のスコアでは、TOEFLの英文も理解しにくいレベルと言えるでしょう。
一般的に、交換留学や大学留学を考える場合、TOEFLの目標点としては80点程度を目指すことが多くあります。一方、大学院やMBA留学を検討している場合には、TOEFLの目標点を100点と設定することが一般的です。
ここで注意が必要なのは、TOEICで高得点を獲得し800点や900点を達成しても、同じく高得点とされるTOEFLでも60点から70点台(あるいはそれ以下)になることがある点です。この違いからも、TOEFLの難易度の高さが伺えます。
TOEFLは、リーディングやリスニングだけでなく、スピーキングとライティングも含まれるため、総合的な英語力が要求されます。これにより、スコアの変換や比較が難しくなる一方で、より幅広いスキルを養うチャンスでもあるのです。
要するに、TOEICとTOEFLのスコアは直接的には換算できませんが、それぞれの試験が求める英語力の側面を理解し、自身の目標に合った適切なスコアを目指すことが重要です。
おわりに
本記事では、TOEICとTOEFLの違いについて詳しく解説しました。英語力の向上や国際的なキャリアを築くためには、適切な試験を選び、効果的に準備することが重要です。TOEICはビジネスや日常生活に関する英語力を評価し、就職活動などに役立つ一方、TOEFLは留学を考えている方々に向けて、学術的なスキルやコミュニケーション力を総合的に評価します。
どちらの試験を受けるにしても、着実な努力と準備が必要です。自身の目標をしっかりと定め、計画的に学習に取り組むことで、より良い結果を得ることができることでしょう。
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