飛行機で働くCAと飛行場で働くGS
コロナ禍での旅行制限により、航空業界は大きな打撃を受けましたが、現在は収束の兆しを見せ、需要が回復しつつあります。加えて、近年は世界中で新たな航空会社が増え、さらなる需要の増加が見込まれています。こうした背景から、キャビンアテンダントや空港地上係員(グランドスタッフ)といった航空業界で働くことに興味を持っている方も多いことでしょう。
航空業界は独特のルールやマナーが存在するため、就職先によっては研修やトレーニングが充実しています。特に、キャビンアテンダントは乗客の安全を確保する責任があるため、非常に厳しい試験をクリアしなければなりません。一方で、空港地上係員はチケットの発券や搭乗手続き、荷物の取り扱いなどを担当するため、コミュニケーション能力やスピード感が求められます。
そこで、この記事では、キャビンアテンダントや空港地上係員になるために必要な資格やスキル、具体的な就職先などを解説していきます。また、航空業界における現状や今後の見通しについても触れていきます。
航空業界に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
1-1キャビンアテンダントとは?
キャビンアテンダントとは、航空機内で旅客に対してサービスを提供し、安全を確保する航空会社の乗務員のことです。一般的には、機内食の配布やドリンクサービス、トイレの清掃などのサービスを担当するとともに、緊急時には乗客の避難や応急処置を行います。
キャビンアテンダントになるには、一般的に高校卒業以上が必要とされ、航空会社の研修を受ける必要があります。また、外国語力やコミュニケーション能力が求められることが多いです。航空会社によっては、新卒採用や中途採用などの方法で募集を行っています。
特に近年では、グローバル化の進展に伴い、航空旅行の需要が増加しており、キャビンアテンダントの需要も高まっています。また、海外航路を中心に、ビジネスクラスやファーストクラスのサービスが充実している航空会社も多く、高いサービス水準を求められる職種となっています。
1-2空港地上係員(グランドスタッフ)とは?
空港地上係員は、旅客の搭乗手続き(カウンター業務)と、飛行機への搭乗の案内・誘導(ゲート業務)を担当します。カウンターでは、航空券の確認や搭乗券の発券、荷物の預かり、持ち込み禁止物の説明などを行い、ゲートでは搭乗までの案内や優先的な配慮を行います。また、トランジット業務もあり、航空券の発券や乗り継ぎ客の案内も行います。航空旅行において、旅客の快適な空の旅をサポートする大切な仕事です。
また、カウンター業務では、旅客からの質問やクレームに対応することもあります。空港地上係員は、混雑した空港内で、多くの旅客に対応しなければならないため、ストレスの多い環境で働くことが多いです。しかし、旅客に快適な旅を提供するために、親切で丁寧な対応が求められます。また、多様な人々と接することができるため、コミュニケーション能力や語学力が必要となります。
空港地上係員は、航空会社や旅行代理店、空港の運営会社などで雇用されています。航空業界が成長し続ける中、需要が高まっており、求人数も増加しています。また、空港地上係員は、航空会社にとって重要な役割を担っているため、多くの人々にとって、航空旅行の鍵を握る存在とも言えます。
2-1キャビンアテンダントになるために必要なスキルは?
キャビンアテンダントになるためには、以下のようなスキルが必要とされます。
①コミュニケーション能力
お客様と円滑にコミュニケーションをとり、状況に応じた対応ができることが求められます。
②英語力
国際線の場合、英語での対応が必要となるため、ビジネスレベルの英語力が求められます。
③チームワーク能力
機内での仕事は、常にチームで行うことが多いため、チームワーク能力が求められます。
④判断力・対応力
機内ではさまざまな緊急事態が発生する可能性があるため、迅速かつ正確な判断力、対応力が求められます。
⑤身だしなみやマナー
キャビンアテンダントは、お客様に対して印象を与えるため、身だしなみやマナーに気を配ることが求められます。
⑥心の余裕
長時間の勤務や緊急事態など、ストレスを感じる場面が多いため、心の余裕が必要とされます。
2-2空港地上係員(グランドスタッフ)になるために必要なスキルは?
空港地上係員(グランドスタッフ)になるためには、以下のようなスキルや能力が求められます。
①PCスキル
空港地上係員は、専用端末やPCを使ってチェックインや搭乗手続きなどを行うことが多いため、PCスキルが必要です。また、多言語対応のシステムを使用することもあり、英語力が必要な場合もあります。
②コミュニケーション能力
空港地上係員は、旅客とのやり取りが多い職種です。旅客に対して丁寧かつ分かりやすい言葉でコミュニケーションを取ることが必要です。また、仕事の中でチームワークを取ることも多く、コミュニケーション能力は非常に重要です。
③責任感
空港地上係員は、旅客のスケジュールや荷物、安全面など、多くの責任を持つ職種です。誤った情報や手荷物の誤配送など、ミスを犯さないように細心の注意を払い、責任感を持って仕事をすることが求められます。
④ストレス耐性
空港地上係員は、多忙でストレスの多い職種です。旅客のトラブルや、急なスケジュール変更などが起こることもあります。ストレス耐性があることで、正確かつスムーズな業務をこなすことができます。
⑤旅行知識
空港地上係員は、旅行業務の一環として、観光情報やホテル情報などを提供することがあります。地理や観光スポット、交通機関などの旅行知識を持ち、旅客に対して適切な情報提供ができるようにすることが重要です。
3-1キャビンアテンダントになるために必要な資格は?
キャビンアテンダントになるために必要な資格は、航空業界での就職に必要な航空運送業務取扱主任者資格(旧称:国内線客室乗務員資格)です。この資格を取得するには、航空会社の研修生として採用され、研修を修了することが必要です。資格取得後は、航空会社内での研修や実務を経て、正式にキャビンアテンダントとしての仕事に就くことができます。
3-2空港地上係員(グランドスタッフ)になるために必要な資格は?
空港地上係員(グランドスタッフ)に必要な資格は、特に法律的な義務はありません。ただし、航空業界での経験がある場合や、特定の職種に応募する場合には、関連する資格や証明書が求められることがあります。
例えば、荷物の取り扱いに関する資格である「航空貨物取扱管理者」、または「危険物取扱者」、旅行業界での業務に関する資格である「旅行業務取扱管理者」などが挙げられます。
また、語学力も重要なスキルの一つです。英語をはじめとする外国語を話すことができることは、空港地上係員にとって有利な要素となります。
4-1キャビンアテンダントになるために有利な資格は?
キャビンアテンダントになるために必須の資格は、各国の航空会社や規制機関によって異なります。しかし、以下の資格は、航空業界で役立つことがあるため、取得しておくと有利です。
①TOIEC®
TOEIC®は、ビジネスシーンでのコミュニケーションに特化した英語能力試験であり、世界中の企業や団体で利用されています。キャビンアテンダントとして働く場合、様々な国籍や文化背景を持つ乗客と接する機会が多いため、英語力が求められます。
航空会社によっては、応募資格にTOEIC®スコアの提示を求めるところがあります。たとえば、国内大手航空会社では、TOEIC®スコア600点以上または同程度の英語力が必要であり、証明書の提出が必要となる場合があります。
また、外資系航空会社では、更に高いTOEIC®スコアや会話力が求められます。同乗クルーとのコミュニケーションや、拠点となるベース(住居地)が日本以外になることが多いため、海外生活で必要とされる語学力が最低限必要となります。
また、一定以上のTOEIC®スコアを掲出することで、採用選考時の英語試験が免除される場合もあります。航空会社が求める英語力は異なるため、応募する前に航空会社の求める英語力の試験やスコアについて確認することが重要です。
②中国語検定/HSK(中国語水平考試)
中国語検定やHSK(中国語水平考試)は、キャビンアテンダントになるために有利な資格の一つと考えられます。これは、航空会社が中国路線を拡大しているため、中国語を話せる人材の需要が高まっているからです。
中国語検定やHSKの取得は、応募者に中国語に関するスキルや知識があることを示すことができます。特に、中国語検定やHSKの上級レベルを取得している場合、航空会社にとっては非常に有望な応募者となる可能性があります。
また、中国語を話せるキャビンアテンダントは、中国人旅客に対するサービスやコミュニケーション能力を高めることができます。これは、航空会社にとっては大きなメリットとなります。
ただし、中国語検定やHSKの取得が必須条件となっている航空会社は少なく、応募時に必ずしも求められるわけではありません。しかし、中国路線を扱う航空会社であれば、中国語力があることは採用の有利な要素となるでしょう。
③手話検定
手話検定は、聴覚障害者とのコミュニケーションに必要な手話能力を認定する資格です。キャビンアテンダントに必須の資格ではありませんが、航空会社によっては、手話検定を持っていることが採用の有利な要素となる場合があります。
航空会社では、聴覚障害者の乗客にもサービスを提供する必要があります。このような場合、手話検定を持っているキャビンアテンダントがいると、スムーズなコミュニケーションが図れ、乗客が安心して旅行を楽しめるでしょう。
また、手話検定を持っているキャビンアテンダントは、コミュニケーション能力が高いことが期待されます。航空会社では、多様な国籍や文化、障害のある乗客など、様々な背景を持つ人々に対してサービスを提供する必要があります。手話検定を持っていることは、これらの乗客と円滑なコミュニケーションを図るために重要なスキルの一つです。
採用条件に挙げられているわけではありませんが、手話検定を持っていることが、航空会社での採用試験や面接で有利に働くことはあるでしょう。
④秘書検定
秘書検定は、秘書業務に必要なスキルや知識を認定する資格です。キャビンアテンダントに必須の資格ではありませんが、航空会社によっては、秘書検定を持っていることが採用の有利な要素となる場合があります。
秘書検定を持っているということは、ビジネスマナーやコミュニケーション能力、またオフィスワークに必要な文書作成やPCスキルなど、幅広いスキルを持っていることを示しています。航空会社のキャビンアテンダントも、顧客対応やフライト運営に必要な様々なスキルを持っていることが求められます。秘書検定を持っている人は、これらのスキルを持っていることが期待されるため、採用に有利に働く可能性があります。
⑤救命講習
キャビンアテンダントになるためには、救命講習を受講することが非常に有利です。救命講習では、急病人の対応方法など、重要な健康上の緊急事態に対処するための技能を身につけることができます。機内で急病人が発生した場合、キャビンアテンダントが対応にあたる必要があるため、救命講習は非常に役に立ちます。
消防本部が実施する救命講習は、普通と上級の2種類があり、上級救命講習では、AEDの使用方法や心肺蘇生、応急手当、搬送の方法について学ぶことができます。救命講習を受講すると、技能認定証が交付されるため、将来的なキャリアにも役立ちます。
4-2空港地上係員(グランドスタッフ)になるために有利な資格は?
①TOEIC
キャビンアテンダントと同様に、TOEICは空港地上係員(グランドスタッフ)になるために有利な資格の一つです。国際空港では、多くの国からの旅行者が利用しており、英語を含む多言語に堪能なグランドスタッフは、顧客対応や情報提供などで重宝されます。
一般的には、空港地上係員(グランドスタッフ)に求められるTOEICスコアは550点以上です。しかし、企業によって異なり、より高いスコアが求められる場合もあります。求人募集では、TOEICスコアが明示されている場合があるため、それを参考にして自分自身の英語力を確認することが重要です。
②中国語検定/HSK(中国語水平考試)
キャビンアテンダントと同様に、中国語検定/HSK(中国語水平考試)は空港地上係員(グランドスタッフ)になるために有利な資格の一つです。
中国人旅行者の増加に伴い、中国語が必要不可欠なスキルとなっています。特に、中国人観光客が多く訪れる観光地において中国語は、グランドスタッフとして就業する際には有利な資格となります。
③接客サービスマナー検定
接客サービスマナー検定は、空港地上係員(グランドスタッフ)になるために有利な資格の一つです。検定には3級、2級、準1級、1級の4つの級があり、レベルに応じた接客サービスの基礎知識やマナー、顧客対応力が評価されます。
接客サービスマナー検定は、接客業務に必要なマナーを学び、客に対する思いやりや敬意を持って接するスキルを身につけることができるため、グランドスタッフとして働くにあたっては、接客サービスマナー検定の取得は有利になる可能性があります。
独学で取得することも可能ですので、学生のうちに取得しておくことをお勧めします。
5キャビンアテンダントと空港地上係員(グランドスタッフ)具体的な就職先
キャビンアテンダントと空港地上係員(グランドスタッフ)の就職先は、航空会社が一般的です。大手航空会社だけでなく、地域航空会社や格安航空会社など、様々な航空会社が存在しています。また、クルーズ船会社でも航空会社と同様の役割を持つ客室乗務員が募集されています。就職先の選択肢は広く、自分に合った会社を選ぶことが大切です。
①大手航空会社
大手航空会社の例としては、以下が挙げられます。
日本航空 (JAL)
全日本空輸 (ANA)
②地域航空会社
地域航空会社の例としては、以下が挙げられます。
北海道エアライン (AIRDO)
スターフライヤー (StarFlyer)
ジェットスター・ジャパン (Jetstar Japan)
ソラシド エア (Solaseed Air)
四国エアライン (Shikoku Air)
琉球エアーコミューター (Ryukyu Air Commuter)
③格安航空会社
格安航空会社の例としては、以下が挙げられます。
スカイマーク (Skymark)
ジェットスター (Jetstar)
ピーチ・アビエーション (Peach Aviation)
バニラエア (Vanilla Air)
エアアジア (AirAsia)
スプリング・ジャパン (Spring Japan)
6航空業界における現状と今後の見通し
航空業界は、新型コロナウイルスの世界的な流行によって深刻な打撃を受けています。世界中の旅行制限、ビジネス出張の中止、そして多くの国々での入国制限などにより、需要が激減し、航空会社は大幅な減収に直面しています。
しかしながら、現在はワクチン接種の進展によって旅行需要が復活している傾向があります。国内線では、エコノミークラスよりもビジネスクラスやファーストクラスの需要が高まっています。また、国際線でも需要が復活しつつあり、航空会社は徐々にサービスを再開しています。
今後の見通しとしては、需要の復活によって航空業界は徐々に回復していくと予想されます。ただし、世界中の旅行制限が続く限り、需要はまだ完全には回復しない可能性があります。また、航空会社が新たなビジネスモデルや戦略を模索し、競争力を維持する必要があると考えられます。さらに、環境に配慮した航空機の導入や、創造的な観光施策など、航空業界においてもサステイナブルな取り組みが求められています。
航空業界において、キャビンアテンダントや空港地上係員(グランドスタッフ)の需要は今後も継続して高まると見られています。特に、世界中の航空需要が回復する中で、乗客数の増加に伴い、搭乗手続きや案内・誘導業務を担当するグランドスタッフの需要は高まると予測されています。また、キャビンアテンダントについても、航空会社の就航路線の拡大や顧客のニーズに合わせたサービス提供の充実により、需要が拡大する可能性があります。
日本経済大学でキャビンダントや空港地上係員(グランドスタッフ)を目指す 日本経済大学・経営学部・グローバルビジネス学科では、エアラインビジネスコースが設けられており、航空業界や観光産業に関する幅広い知識や高いコミュニケーション能力を習得することができます。このコースでは、航空業界を中心に観光産業全体を幅広く学ぶことで、グローバルなステージで活躍する能力を養い、将来の大きな強みとなるでしょう。JALとの教育提携を結んでおり、プロによる本格的な専門指導や実践研修も受けることができます。 エアラインビジネスコースでは、航空業界への就職に役立つ専門知識と実践力を身につけるため、「エアラインビジネス論」「エアライン実務」などの科目を展開しています。さらに、サービス・観光産業でも有益な知識を習得することができる「ホスピタリティビジネス」の講義もあります。 在学中に取得できる資格には、TOEIC®や英検(1~2級)、サービス接遇検定などが含まれ、将来キャビンアテンダントや空港地上係員(グランドスタッフ)を目指す人には非常に有用です。 エアラインビジネスコースで身につける豊富な語学教育や国際的に通用するホスピタリティマインドなどの高いコミュニケーション能力は、グローバルで活躍するための強力な武器となるでしょう。これらの特徴を持つエアラインビジネスコースは、将来航空業界で働きたいと考える人には、大変魅力的なコースとなっています。 日本経済大学について 日本経済大学は福岡キャンパス、神戸三宮キャンパス、東京渋谷キャンパスの3キャンパスを有しています。経済学を中心に幅広い学問分野を扱っており、学科やコースから自分に合った分野を選択することができます。個性的な分野に特化して、他と差別化を図ることができるという特長があります。 日本経済大学HP:https://www.jue.ac.jp/ 日本経済大学・経営学部・グローバルビジネス学科・エアラインビジネスコース:https://www.jue.ac.jp/department_top/global_business_top/airline/
おわりに
上の文は、日本経済大学は関係なく「キャビンアテンダントと空港地上係員(グランドスタッフ)になるにはどうする?」の文章の〆の文章
以上、キャビンアテンダントと空港地上係員(グランドスタッフ)になるために必要な資格や能力、そして就職先についてご紹介しました。航空業界や観光産業に興味がある方は、ぜひこれらの情報を参考にして、自分に合ったキャリアアップを目指してみてください。